ここから高みへ
意気揚々と挑んで
あえなく跳ね返された。
一流の何たるかを
思い知らされた。けれど、そこは決して
届かない領域ではないと
確かめることもできた。
マーベラスサンデー とは、1992年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。
サンデーサイレンス初年度産駒唯一のレア毛色・栃栗毛をもつ馬で、97年古馬三強を形成した一頭。
主な勝ち鞍
1996年:京都大賞典(GII)、エプソムカップ(GIII)、札幌記念(GIII)、朝日チャレンジカップ(GIII)
1997年:宝塚記念(GI)、産経大阪杯(GII)
この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「マーベラスサンデー(ウマ娘)」を参照してください。 |
父は*サンデーサイレンス、母は早田牧場の功労馬でカナダの名馬*モミジの娘であるモミジダンサーと、サンデー初年度に外部から来た牝馬の子としてはかなりレベルの高い血統の持ち主である。
しかしながら牧場時代は貧弱な体つきで誰も買い手がつかず、同じ牧場の生まれのマーベラスクラウンの調教師である大沢真師に頼み込み、受け入れを取り付けた後クラウンの馬主に売るという手段を使わざるを得なかった。
しかしこの馬、入厩させてみると走る走る。古馬のオースミタイクーンを楽にぶっちぎる調教を見せ、
タイクーンを管理していた武邦彦調教師が驚きのあまり「豊を乗せてやってくれないか!」と調教師に直談判したくらいである。この出来事でデビュー前から武豊が主戦に決まった。
しかしこの直後右膝を骨折。休養中に重度の疝痛で生死の境を彷徨うなど、いきなり能力を見せる前に死にかけてしまった。なんとか生き残れたが一歩間違ったら死んでいたところである。
紆余曲折ありつつも3歳2月の新馬戦に出走。快勝し続く条件戦も勝利、遅れてきた大器と目されたがまた右膝を骨折。
休養し、菊花賞戦線からの復帰を予定していたが今度は復帰戦への調教中左後脚を骨折し秋も棒に振る。むむむ。
そして復帰したのは翌年4月。結局一年間の休養となってしまったがここから快進撃が始まる。初戦こそ4着に終わったがここから怒涛の6連勝。
重賞初挑戦の舞台になりがちな府中1800エプソムカップ、札幌の当時ハンデGⅢ・トップハンデ58kgを背負った札幌記念、秋競馬開幕名物であった朝日チャレンジカップ、秋天への出走賞金は足りていたが大沢師が試したいことがある、とジャパンカップ出走に含みを持たせて出走させた京都大賞典、以上重賞4勝を含む凄まじい内容であり、とんでもない上がり馬がいると一躍注目を集めた。
そしてGI初挑戦となった天皇賞(秋)では天皇賞春秋連覇のかかった、前年の年度代表馬マヤノトップガンを差し置いてナリタブライアン無き後の新王者に君臨するサクラローレル打倒を託され2番人気に推された。しかし現実は甘くはない。
勝ったバブルガムフェローはおろか境勝太郎師が激怒するほどの超絶糞騎乗で大きなロスのあったサクラローレルにすら先着できず4着に敗れてしまう。
京都大賞典を使って試走したものの、秋天の負け方からかジャパンカップは回避し、続く有馬記念では態勢を立て直し再びサクラローレルにチャレンジ。先に抜け出す戦法を取るも、秋天の無様を繰り返すか!と完璧に抜けてきたローレルの豪脚に並ぶ間もなくあっさりと切り捨てられ2馬身半離された2着に終わる。2着にこそ入ったものの、ローレル打倒!と息巻いた陣営としては何も喜べない完敗であった。
翌年はステップとして大阪杯を快勝し、有馬からぶっつけでやって来たサクラローレルと阪神大賞典を新境地となる追い込み戦法で圧勝し、復活の気配を見せたマヤノトップガンと三強を形成し天皇賞(春)に臨む。
マーベラスは3番人気に推され、道中サクラローレルマークを敢行。有馬から直行でテンションが高めだったかローレルが向こう正面で引っかかり気味に前に出ると程よく後ろからつつきにつついて消耗させるなどした後、満を持して仕掛け直線半ばで先に先頭に躍り出る。三強の中で最も果敢に動いて勝利を掴みにいった。
しかしスタミナを削ったはずであったが、前年王者の意地を見せ盛り返してきたサクラローレルに驚愕の差し返しを喰らい、その大外から末脚一閃強襲してきたマヤノトップガンにまとめて差し切られ3着に敗れる。
ずっと主戦の武豊いわくソラを使う(先頭に立つと気を抜く)癖が出てしまったとのことだが、ローレルの重厚な底力と天才・田原成貴が気まぐれトップガンから引き出した千変万化の対応力に敗れる形となった。
しかし次走、トップガンもローレルもいない宝塚記念はきっちり勝利。バブルガムフェローを負かしての勝利なので誇って良い勝利である。少なくとも前年1996年宝塚記念よりはry
秋はローレルが凱旋門賞遠征、トップガンが屈腱炎で引退と千載一遇の好機であったが、宝塚記念後に発覚した四度目の骨折で休養中であった。
当初の診断が全治6ヶ月で1997年全休の危機を迎えたものの、懸命の治療とマーベラスな生命力でなんとか間に合わせた有馬記念では、最後に残った三強の一角ということで1番人気に推され、マーベラス不在の中天皇賞(秋)を武豊鞍上で勝った女帝・エアグルーヴの挑戦を受けた。ちなみに鞍上は武豊を確保したため、エアグルーヴの鞍上は短期免許で来日中のオリビエ・ペリエとなった。
レースでは直線先に抜けだしたエアグルーヴをきっちり捉え抜き去る。これは勝ったと思わせたが、外から秋競馬勝ちきれなかった鬱憤とともに末脚を爆発させたシルクジャスティスの乾坤一擲の走りに敗れ2着となった。とはいえ骨折休み明けで夏2戦秋2戦してきたとはいえ状態も悪くなかったエアグルーヴを完璧に差したのでようやっとると言えるだろう。
翌年も現役続行を表明したが始動戦の前に屈腱炎を発症し引退。種牡馬入りした。
通算15戦10勝2着2回3着1回4着2回と、掲示板を外さない安定感はあった。しかし超一流には何か足りない、最後までその印象は払拭出来なかった。
気性が激しいため、マーベラスクラウン(名うての気性難でタマを取られた)の厩務員をあてがわれたが、実際はレース前になると騒ぐことなく闘志を内に秘め、鞍上の武豊も悪さをしないいい子と褒めるほどの賢いエピソードを持ちながら、パドックで気持ちよく放尿する間抜けさも見せていた。なんだか三枚目。
種牡馬入り後も毎年100頭は牝馬を集めるサンデーサイレンス後継種牡馬の中堅格として活躍。地方・中央問わず安定してほぼ毎年勝ち上がり馬や重賞勝利馬を出している。
産駒の傾向として、自身が遅れてきた馬であったこともあってか晩成傾向が強く、産駒の通算重賞勝利17勝のうち4歳までに3勝・残り14勝は5歳以降である。OP以上の成績も古馬になってからのほうが成績がグンと向上している。
GⅠには足りず、最も成功したシルクフェイマスも結局GⅠには手が届かなかった。ただしJ・GⅠに範囲を広げるとキングジョイやマーベラスカイザーが中山大障害を制している(キングジョイは連覇)。また母父としては2015年の桜花賞を制したレッツゴードンキ(父キングカメハメハ)がいる。
2012年シーズンをもって種牡馬引退が発表された。体調を崩したフジキセキとほぼ同時期の引退となった。
ジェニュインやタヤスツヨシ、バブルガムフェローあたりよりは実績を残し長く名種牡馬として君臨することが出来たのであった。
その後は余生を送る……と思ったら2014年に種牡馬に復帰。かと思えば結局その1年限りで再び種牡馬引退。ちょっとした波乱もあったが今度こそ悠々自適の功労馬生活に入ることとなった。
2016年6月30日に24歳で老衰のため亡くなった。三強を形成したサクラローレルとマヤノトップガンより先に旅立つこととなった。
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
モミジダンサー 1980 栗毛 FNo.9-h |
*ヴァイスリーガル 1966 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Victoria Regina | Menetrier | ||
Victoriana | |||
*モミジ2 1972 黒鹿毛 |
Laugh Aloud | Tom Fool | |
Gloria Nicky | |||
Hold Me Close | Native Dancer | ||
Sticky Case | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Almahmoud 4×5(9.38%)、Native Dancer 4×5(9.38%)
掲示板
14 ななしのよっしん
2023/07/10(月) 01:11:15 ID: Laniv1HpZ2
インゼルのラインナップに(当時助手だった)岡田厩舎も入ってるのは余程マベサンに思い入れがある証拠か
15 ななしのよっしん
2023/11/14(火) 07:59:22 ID: Hb355pShIT
ケンホファヴァルトがJRA所属10歳以上の競走馬のうちの一頭と知って驚いてる。相棒の熊澤騎手が引退しても障害競走の第一線で尚走り続ける凄いタフネス
16 ななしのよっしん
2024/05/26(日) 01:42:29 ID: t6gR2XbY3E
15戦で重賞6勝は普通に凄いな もう一つぐらい勝っててもおかしくない気がする
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最終更新:2024/12/14(土) 04:00
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