メイショウフンジン(Meisho Funjin)とは、2018年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
父ホッコータルマエ、母シニスタークイーン、母父*シニスターミニスターという血統。
父は2010年代のダート戦線で新記録となるGⅠ級10勝を挙げたダート王。種牡馬としてはまだ大物こそいないものの、地方向けのアベレージ型ダート種牡馬として堅実な活躍をしている。メイショウフンジンは初年度産駒の1頭。
母は主にダートの1200~1800を走って30戦3勝。メイショウフンジンは第3仔。
母父はテーオーケインズ、ミックファイア、キングズソードなどを輩出し、2023年・2024年の地方リーディングに輝くなど日高のエースとして君臨するダートの名種牡馬。母父としてはまだ目立った産駒はない。
2018年4月27日、浦河町の宮内牧場で誕生。2019年の北海道セレクションセールにて、750万円(税抜)で「メイショウ」冠の松本好雄オーナーに落札された。
. ★ .のメンコでおなじみ、栗東・西園正都厩舎に入厩し、2020年12月26日、阪神・ダート1800mの新馬戦にて酒井学を鞍上にデビュー。18.4倍の11頭立て8番人気と特に注目はされていなかったが、最内枠から好位で進めて3着とまずまずの内容を見せる。ちなみにこの頃から既に西園師は酒井騎手に「スタートが速くない」と伝えていたらしい。以後、そのまま酒井学が主戦騎手となる(以下、特記のないレースは酒井騎乗)。
明けて3歳となり、中1週で年明けの中京・ダート1900mの未勝利戦も好位から2着につけると、中2週で向かった中京・ダート1800mの未勝利戦では酒井騎手がグイグイ押してハナを切り、そのまま悠々と逃げ切って2馬身半差で快勝。以降も「押して押してとにかく逃げられたら逃げるのがベスト、逃げられなければ番手の先行が次善の策」というのが基本スタイルとなる。
しかし1勝クラス脱出にはやや手間取り、ダート1800近辺の平場を走るも昇級初戦は5馬身も離されて2着、その後は好位から沈んで8着、出負けして前にも行けず13着(小沢大仁騎乗。ちなみにここではソウルラッシュが6着にいた)、不良馬場に脚をとられて後方のまま13着とパッとしない走りが続く。
10月の昇級5戦目、原優介がテン乗りした新潟・ダート1800mの平場1勝クラスで52kgの軽斤量も活かして好位から抜け出し快勝して2勝目を挙げると、酒井学が戻った11月の東京・ダート2100mの平場2勝クラスは好位からダノンラスターとの叩き合いをクビ差制して一発突破、3勝クラスに昇級して3歳は終了。以降は2000m前後に照準を合わせることになった。
明けて4歳は3勝クラスに挑み、初戦の阪神・ダート2000mの灘ステークスでは10番人気の低評価ながら、好位から逃げ馬を捕まえきれずの2着に好走。しかし中京・ダート1900mの鈴鹿ステークス(石橋脩騎乗)では内枠で揉まれて下がってしまい8着に撃沈(ちなみにペプチドナイル3着)。
続いて向かったのが東京・ダート2100mの横浜ステークス。このレース名でピンと来た人は察しがいい。最内枠から酒井騎手が押して押して押しまくってハナを確保し、直線でも逃げ粘るメイショウフンジンに後ろから前走でも顔を合わせたペプチドナイルが迫る。――と、そこへ大外からなんか1頭別次元の脚でブチ抜いていく黄色いメンコの馬。そう、言わずと知れた後の賞金王、ウシュバテソーロのダート転向初戦であった。2着はペプチドナイル、そしてメイショウフンジンは3着に粘り込み、後にこのレースは「伝説の横浜ステークス」と呼ばれることとなる。
それはさておき、メイショウフンジンは続く同条件の丹沢ステークスも逃げて2着に粘り込む。6月の阪神・ダート1800mのオークランドサラブレッドレーシングトロフィーでは酒井学が6Rで騎乗馬に足を踏まれて負傷、急遽サカイ違いの坂井瑠星に乗り替わりになってしまったが、出鞭をビシバシ入れて押して押してハナを取りきると、直線で一度はかわされながら執念の二枚腰で差し返し勝利。通算14戦目でオープン昇格を果たした。
オープン入り初戦は重賞初挑戦となる、盛岡のマーキュリーカップ(JpnⅢ)に決定。酒井学はまだ離脱中だったので引き続き坂井瑠星と向かうことになった。1番人気ケイアイパープル、3番人気ノーヴァレンダ、5番人気メイショウカズサなど人気どころに逃げ先行馬が集まる中、6番人気のメイショウフンジンと坂井瑠星は押して押してハナを切ったが、さすがに無理に飛ばしすぎて3角前でもうムチが入る状態になってしまい、後ろから捲ってきた同じく重賞初挑戦の江田照男が騎乗する1歳上の紅一点に3角でかわされると、あとは余力なく7着。……これがあのおもしれー女との初顔合わせであった。
3ヶ月休み、10月の府中2100、ブラジルカップ(L)へ。鞍上にも酒井学が戻り、外枠から押しまくってハナを切って逃げたが、ここにはまたあの黄色いメンコがいた。直線でも粘ったものウシュバテソーロの末脚には並ぶ間もなくかわされ4着。
続いて向かったみやこステークス(GⅢ)は出鞭をビシバシしてもウィリアムバローズからハナを奪えず、直線で呑まれて8着。
中2週で向かった阪神2000のカノープスステークス(OP)はまたもウシュバと一緒になってしまい、芝スタートに手こずりつつ2番手でメイショウカズサを追ったが、またウシュバの末脚にはあっさりかわされ、4着争いを根性で差し返しての4着に留まり(ちなみにペプチドナイル6着)、4歳は終了。
明けて5歳初戦は2月の中京1900、アルデバランステークス(OP)。逃げるヒロイックテイルを2番手で追うと、直線で一度はホウオウルバンにかわされながら根性で差し返して勝利。オープン初勝利で相棒・酒井学にバースデー勝利をプレゼントした(ちなみにペプチドナイル4着)。
続く仁川ステークス(L)では、最内枠からまた芝スタートに手こずりつつもダートに入ってから盛り返してヒロイックテイルからハナを奪いきり、直線でもしぶとく粘りに粘りに粘り倒して1番人気ヘラルドバローズをクビ差振り切り、見事にオープン連勝を飾った。
オープン連勝で確保した賞金で、メイショウフンジンは船橋のダイオライト記念(JpnⅡ)に参戦。グロリアムンディ、ペイシャエスに次ぐ3番人気に支持される。酒井学が出鞭をビシバシしてハナを奪いきり、そのまま自分のペースで逃げる態勢に持ち込んだ……と思ったら、なんか1周目の4コーナーでインから捲ってくる馬がいる。そう、前年のマーキュリーカップ以来の顔合わせ、「捲り逃げ」のおもしれー女、江田照男のテリオスベルである。ホームストレッチでテリオスベルにハナを奪われ2番手の形となり、内からグロリアムンディにあっさりかわされ、テリオスベルにもそのまま振り切られて3着(テリオスベル2着)。
続いては平安ステークス(GⅢ)。前走に続いてテリオスベルと一緒になったが、あちらは江田照男が怪我で不在のせいか捲り逃げ不発で勝手に沈没。メイショウフンジンは出鞭で2番手につけたが直線で呑まれて5着。三宮ステークス(OP)では酒井学をニューモニュメントに取られて太宰啓介がテン乗り、押して押して2番手から直線抜け出したものの、キングズソードとメイクアリープの叩き合いにはあっさり置いていかれて5着。
酒井学が戻り、昨年に続きマーキュリーカップ(JpnⅢ)へ。大外枠から敢然と押してハナを切ったメイショウフンジンだったが、2コーナーでまーたあの女が後ろからやって来た。言うまでもなくテリオスベルである。ハナを奪われ2番手となり、4角で1番人気ウィルソンテソーロにかわされ、直線では必死にテリオスベルを追いかけたが振り切られて3着(テリオスベル2着)。
……で、このレース後の酒井学騎手のコメントがこれ↓である。
「返し馬からいい意味で気合いが乗っていて、スタートしてからもスッと自分から(ハミを)噛んでくれました。テリオスベルが仕掛けて来るのはいつもの事ですし、出方を見ながらどこから来るかなと思っていました。後ろの馬に蓋をされてしまうのは避けたかったので、張りながら番手で運びました。向こう(テリオスベル)はしぶといですし、深追いしすぎずに行って、最後の直線も精一杯頑張ってくれました」
勝ったのはウィルソンテソーロなのにテリオスベルの話しかいていない。番手先行もできないわけではないけどあくまで逃げるのがベストであるメイショウフンジンにとって、テリオスベルの捲り逃げにどう対処するかというのがいかに重大な問題であったかが窺える。
続いてはテリオスベルのいない白山大賞典(JpnⅢ)。鞍上には幸英明を迎え、押してハナを奪いきり、ケイアイパープルを振り落として直線ではウィルソンテソーロに必死に食い下がったが、半馬身及ばず2着。
引き続き幸英明と浦和記念(JpnⅡ)に向かったが、ミトノオーとテイエムサウスダンのハナ争いに加わりきれず内の4番手でのレースになってしまい、あまり見せ場なく5着に終わった。
5歳ラストは酒井学が戻って名古屋グランプリ(JpnⅡ)。テリオスベルと5度目の顔合わせとなったが、ここではミトノオー・マテリアルガールとの3頭でのハイペースのハナ争いとなる。3コーナーでインからテリオスベルが捲ってきて、ディクテオンとグランブリッジにもあっさりとかわされてしまい5着(テリオスベル3着)。重賞ではなかなか勝ちきれないまま5歳を終えた。
なお、テリオスベルは翌年のダイオライト記念で引退したため、対決はこの名古屋GPが最後。結局5回対戦し、江田照男不在だった平安S以外は全て先着されたので、上述のマーキュリーカップの酒井学のコメントもあってか、メイショウフンジンは「テリオスベル被害者の会」の筆頭格としても語られることになった。
ただし、初対決の22年マーキュリーカップはテリオスベルにやられたというよりは自爆だし、名古屋GPはミトノオー・マテリアルガールとのハナ争いでハナを奪いきれず、しかも他2頭が撃沈した中でフンジンはしぶとく掲示板に残している。自分のペースでの逃げを潰されたのはダイオライト記念と23年マーキュリーカップの2戦のみで、そのどちらもテリオスベルに食い下がって3着には粘っているので、レーススタイル上テリオスベルが厄介な難敵だったのは確かだろうが、実際のところ「テリオスベルの被害者」という表現が適切かどうかは一考の余地があるだろう。
明けて6歳は佐賀記念(JpnⅢ)から始動。例によって猛然と追ってハナを確保し逃げの形に持ち込んだが、4角であっさりノットゥルノに捕まり、1番人気グランブリッジには競り勝ったがキリンジにかわされて3着。
続くブリリアントステークス(L)では酒井学が春天に騎乗するため京都に行っていたので、1勝クラス以来の原優介が騎乗。大外枠からフンジンとしてはかなりの好スタートを切って勢いのままハナを切り、直線入口で一度はリチュアルにかわされるが、そこからのド根性の二枚腰こそがフンジンの持ち味。逆に脚の上がったリチュアルを差し返してそのまま差を広げ快勝。1年2ヶ月ぶりの勝利でオープン3勝目。
平安ステークス(GⅢ)では10番人気に留まったが、押してミトノオーを2番手で追走、そのままミトノオーに振り切られてハピにもかわされたが3着に粘り込む。
しかし続くマーキュリーカップ(JpnⅢ)では生涯初めての1番人気(2.7倍)に支持されたが、最内枠からハナを取れず3~4番手でのレースになってしまい、見せ場なく8着に撃沈。
白山大賞典(JpnⅢ)はダイシンピスケスとのハナ争いで飛ばして一緒に逃げる格好になってしまい、3角で苦しくなって勝ったディクテオンから2秒も離された4着。
新たにブリンカーを着用して臨んだ浦和記念(JpnⅡ)では6番人気まで評価を落としたが、ここはハナを取りきって逃げ、勝ったアウトレンジには3角で捕まって置いていかれたものの3着は確保。
年内ラストは中山の師走ステークス(L)に向かい、酒井学はクラヴィコードの先約があったため菱田裕二がテン乗りしたが、逃げるサンデーファンデーを2番手で追ったものの直線沈んで8着に終わった。
明けて7歳初戦は前年同様に佐賀記念(JpnⅢ)。この年の佐賀記念は前年覇者ノットゥルノに実績馬クラウンプライド、デルマソトガケ、グロリアムンディ、高知総大将シンメデージーにJBCクラシック4着のシルトプレと、例年にない豪華メンバー。さすがにこの顔ぶれの中では、メイショウフンジンは17.0倍の7番人気に留まった。
佐賀では砂の深い内を避けるのがセオリーだが、内枠の1枠2番を引いた酒井学騎手は「内の深いところを通してでもハナに行こう」と、スタートからいつも通りグイグイ押してクラウンプライドを制してハナを確保。そのまま他馬よりもかなり内を回って逃げると、4角ではノットゥルノやグロリアムンディが迫ってきたが、ここからがフンジンの二枚腰。直線でグロリアムンディもノットゥルノも逆に突き放し、追い込んできたシンメデージーも全く寄せ付けず、そのまま鮮やかに逃げ切った。
7歳、35戦目で待望の重賞初制覇を挙げたメイショウフンジン。粘り腰の逃げ馬として、ここからさらに勲章を積み上げていけるだろうか。
| ホッコータルマエ 2009 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
| Miesque | |||
| *マンファス | *ラストタイクーン | ||
| Pilot Bird | |||
| マダムチェロキー 2001 鹿毛 |
Cherokee Run | Runaway Groom | |
| Cherokee Dame | |||
| *アンフォイルド | Unbridled | ||
| Bold Foil | |||
| シニスタークイーン 2009 黒鹿毛 FNo.9-e |
*シニスターミニスター 2003 鹿毛 |
Old Trieste | A.P. Indy |
| Lovlier Linda | |||
| Sweet Minister | The Prime Minister | ||
| Sweet Blue | |||
| フォーリアクイーン 1997 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
| Wishing Well | |||
| *フォーリア | Sadler's Wells | ||
| Dunoof |
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掲示板
1 ななしのよっしん
2025/02/25(火) 23:51:21 ID: 1Wr0C/6L2w
初重賞おめでとう
4コーナーで全然リード無くて直線並びかけられるのにそこからの粘りが凄いんだよな
沈みそうに見えて馬券内や掲示板しっかり確保するという
2 ななしのよっしん
2025/05/06(火) 22:30:39 ID: //ORD4sHEK
今回は散々だったな、つまづいて出遅れたうえ、その分を取り戻そうとしたのかハナを取ろうとノットゥルノと接って直線に入る前に脱落するとは
3 ななしのよっしん
2025/11/23(日) 00:20:58 ID: 1Wr0C/6L2w
近走パッとしないのに62kgのハンデはヒドくない?
と思ってたら別定じゃん 斤量わかってて出したのかよ
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/10(水) 01:00
最終更新:2025/12/10(水) 01:00
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