新たな光
いくど自信を打ち砕かれても
君の眼はまだ燃えている
けれど昂ぶりは少し抑えて
いまは冷静に考えるのだ
メイショウボーラー(Meisho Bowler、名將球手)とは、2001年生まれの日本の競走馬。
最強短距離馬タイキシャトルの代表産駒で、スプリント戦であれば芝ダートを問わない活躍を見せた。
名前は冠名の「メイショウ」+山高帽(Bowler)。香港表記は球技選手(Baller)に由来する。
浦河・日の出牧場生産、栗東・白井最強寿昭厩舎所属、主戦騎手は福永祐一。
主な勝ち鞍
2003年:デイリー杯2歳S(GII)、小倉2歳S(GIII)
2005年:フェブラリーステークス(GI)、ガーネットS(GIII)、根岸S(GIII)
父タイキシャトル、母*ナイスレイズ、母父Storm Catという血統。
父のタイキシャトルは日本競馬最強短距離馬と呼ぶに相応しい優駿で、ジャック・ル・マロワ賞含めGⅠ5勝を挙げた。本馬はそのタイキシャトルの2年目の産駒にあたる。母*ナイスレイズは米国で12戦1勝で、祖母はアルゼンチンのGⅠ馬。母父のストームキャットは北米で絶対的地位を築き上げた大種牡馬である。タイキシャトルとストームキャット牝馬の配合は、一見するとアメリカで走ってそうな血統である。
メイショウの冠名で知られる松本好雄がオーナーとなり、メイショウボーラーと名付けられた本馬は2歳7月の小倉でデビュー。福永祐一を背に1000m戦ながら後続に2馬身半つけて快勝し、そこからメイショウ怒濤の勢いでフェニックス賞、小倉2歳S、デイリー杯2歳Sと小気味良くOP、GⅢ、GⅡと連勝。
当然、朝日杯フューチュリティステークスでは1番人気(2.0倍)。福永祐一がエイシンプレストンと一緒に香港へ行ってしまった為ペリエに乗り替った。スタートすると一気にハナを奪い単騎逃げに持ち込む。直線入口でも手応え良くリードを保ったが、ゴール直前でコスモサンビームの末脚に屈しクビ差の2着。
勿論、3歳になっても期待は高かったが、母父ストームキャット譲りの一本調子な部分が出てしまい、弥生賞2着、皐月賞3着、NHKマイルカップ3着と、好走はするが大一番では届かないレースが続く。3歳の軽ハンデを生かし安田記念に挑戦するが11着に大敗する。秋には短距離路線に進み、スワンS3着に入るが続くマイルチャンピオンシップは特に見せ場無く7着、初スプリントのCBC賞は4着と、大負けはしないが勝てない。3歳シーズンは結局未勝利に終わり、これには早熟馬の噂も流れ始める。NHKマイルカップでは先行馬総崩れの中3着に粘るなど確かに強い馬ではあったのだが...
ここで陣営はダート路線への転向を決意。父のタイキシャトルがダート重賞も勝っていたし、血統的にも問題は無い。問題はちゃんと砂で走ってくれるかどうかだが、4歳初戦のガーネットSでは3馬身差を付けて快勝。続く根岸Sでは好スタート、単騎逃げ、直線突き放しとお手本のように7馬身差で圧勝。
これはもうフェブラリーステークスは貰ったも同然である。相手にはタイムパラドックスやアドマイヤドンなどの古豪やシーキングザダイヤなど有力な同期生がいたものの、抜群のスタートダッシュから後続に5馬身近く離す逃げを仕掛ける。小雨降る不良馬場にてこの作戦は的中し、追い込むシーキングザダイヤを1馬身以上抑え、逃げて1分34秒7のレコードを記録し、GⅠ馬として府中に堂々凱歌を挙げた。生まれ故郷である日の出牧場にとって初GⅠタイトルでもある。
このスピードがあれば芝でも通用する……と考えたくなるのは当然で、高松宮記念に出走したが上手いこと逃げられなかった上にカルストンライトオのハイラップ逃げに翻弄され、直線で全く伸びずアドマイヤマックスの16着に敗北。上がりタイムが求められる勝負には不向きであった。これがターニングポイントとなったのか、以後上手いこと逃げられなくなる、逃げても差されるレースが続く。
それでもかしわ記念5着やJBCスプリント4着(勝ち馬に1.2秒離されたが)などそこそこ健闘しており、5歳の夏に安田記念の後サマーチャンピオン2着を最後に再び芝へ転向。セントウルS7着の後にスプリンターズステークスに出走。2馬身半差あったもののテイクオーバーターゲットの2着に入る好走を見せたが、これが最後の輝きとなった。スワンS9着の後、香港スプリントに挑戦したが出遅れの上途中で走るのを止めてしまい競走中止。疝痛やゲート再審査などゴタゴタがあり、10ヶ月ぶりにスプリンターズステークスに出たが15着に大敗。10月23日に競走馬登録を抹消、引退した。
通算成績は29戦7勝。勝ち鞍は全て中央競馬のものであり、地方では兵庫と佐賀で2着が最高。自身の軽快なスピードを生かせる中央の芝ダートが合っていたようだ。母父のストームキャットに似た、軽快なスピードで逃げ切る、押し切る競馬を得意としており、嵌ったときの強さは父のタイキシャトルをどこかオーバーラップさせた。スタートが非常に上手く、メイショウのピンク色メンコが良く目立った。
引退後は浦河のイーストスタッドにて種牡馬入り。初年度から120頭以上の牝馬を集め、以後も80~100頭ほどの種付けを行う、日高では人気の種牡馬となっている。2012年には180頭も集めた。
産駒は2011年にデビュー。仕上がりが早く、馬場状態を問わないパワー型の短距離馬が多い。中央ではダートの1400~1800あたりが最も得意。また牝馬よりも牡馬に活躍馬が多い傾向にある。現役時代から考えても、タイキシャトルよりもストームキャットが強く出た印象がある。
繁殖牝馬の質には恵まれないもののサイアーランキングをじりじりと上げ続けており、2016、17年には総合20位となった。現在での代表産駒はJBCスプリントを制したニシケンモノノフ、兵庫CS優勝馬エキマエ、現役で亡くなってしまったがアイビスSD優勝馬のラインミーティアなど。何気に障害も走る。
ちなみにメイショウマンボの初めてを頂いている。メイショウマンボの血統に主流種牡馬が入りすぎて配合が難しいが、ボーラーやサムソンなら頑健だし比較的無理の無い程度で配合が出来る。それに同一オーナーのGⅠ馬同士の配合は馬主の夢であろう。オペラオーとオーシャンとかね。
ウインクリューガーが数十頭しか残せず引退した為に、現在ではタイキシャトルの血脈はメイショウボーラー・ニシケンモノノフ親子にかかっている。本馬の由来である山高帽は、アメリカでは第12代ダービー卿がかぶっていた事に由来して"Derby Hat"、あるいは単に"Derby"と呼ばれている。本馬はダービーには縁が無かったが、ダートに活躍馬の多い産駒達は遠からず地方競馬のダービーを制してくれるだろう。ダービー卿チャレンジトロフィーでもいいぞ! ジャパンダートダービーならもっといいぞ! 日本ダービー? いやぁ……無理。
産駒の傾向としてはダートの短距離に強く、2017年の地方サイヤーランキングでは9位となっている。
日本のダート短距離路線が整備されればもっと活躍できるのではないだろうか……
2022年をもって種牡馬を引退。種牡馬引退後は引退馬協会のフォスターホースとして受け入れられた。引退馬協会では同年8月に本馬の父で同じくフォスターホースであったタイキシャトルが亡くなったばかり。また本馬の受け入れにあたっては、2021年に引退馬協会で実施された「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」で寄付された資金が充てられた。
*タイキシャトル 1994 栗毛 |
Devil's Bag 1981 鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Ballade | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウェルシュマフィン 1987 鹿毛 |
Caerleon | Nijinsky II | |
Foreseer | |||
Muffitys | Thatch | ||
Contrail | |||
*ナイスレイズ 1994 黒鹿毛 FNo.10 |
Storm Cat 1983 黒鹿毛 |
Storm Bird | Northern Dancer |
South Ocean | |||
Terlingua | Secretariat | ||
Crimson Saint | |||
Nice Tradition 1979 鹿毛 |
Search Tradition | Nashua | |
Searching | |||
Nice Dancing | Kazan | ||
Nice |
クロス:Northern Dancer 4×5
掲示板
5 naganun
2023/02/18(土) 10:06:21 ID: Oq9p777TXH
名馬の肖像にメイショウボーラーが出た。
「新たな光」
いくど自信を打ち砕かれても
君の眼はまだ燃えている
けれど昂ぶりは少し抑えて
いまは冷静に考えるのだ
君が誇れるものは何だ
眠らせたままの力はないか
ひとつひとつかき集めて
ガッチリと組み合わせるのだ
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
6 ななしのよっしん
2023/02/19(日) 02:09:20 ID: YkKeBtU+Vx
フェブラリーステークスのCMもメイショウボーラーだったわ
7 ななしのよっしん
2024/01/03(水) 19:10:43 ID: OgodppxWhw
>https://
> いたずらで人の足を踏もうとするのですが、その癖は父・タイキシャトルと同じだとか。
いたずら好きな気性って似るのね
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最終更新:2024/04/25(木) 21:00
最終更新:2024/04/25(木) 21:00
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