メガライナーとは、ドイツ・ネオプラン社が製造した超大型二階建てバスである。
1992年、ハノーファーで開催されたIAA自動車ショーで発表。全長およそ15m、車体重量19トン、総重量24トンの超大型車。定員増加に主軸を置いた車両であり、最大86人乗せることが出来る。1階席へは構造上ノンステップになるので車椅子スペースも用意。
前輪2軸、後輪2軸の4軸車で、最後部のタイヤは運転席からのスイッチ操作で動くパッシブステア機能が装備されている。
日本に輸入されたメガライナーは全部で4両で、トランスミッションは1両が8速MT、3両が12速ATだった。
全長が15mと道路運送車両法で規定された12mを大幅に超過するため、運行経路や時間帯などを事前に道路管理者(国・県・市町村など)へ申請し、特殊車両として通行許可を得る必要があった。
東京駅とつくばを結ぶ都市間高速路線バス「つくば号」。当時鉄道空白地帯だったつくばと東京を結ぶ数少ない公共交通機関として、利用者が非常に多く混雑緩和と輸送力増強の切り札として2000年に1台が先行輸入された。
しかし先述の通り、特殊車両としての通行許可の認可に手間取り、実際に運用が始まったのは2002年12月からだった。当初は1両をジェイアールバス関東が所有する形で運行していたが、最終的に4両まで増車され、2両がジェイアールバス関東、2両が関東鉄道バスへリースされる形で運行された。
車体が長く、通過できる道路に制限が出たため通常のハイデッカー車などが使われる便とは異なる経路で運行された。例えば下り便だけ首都高速への流入に呉服橋出入口を使用していた。(通常便は宝町出入口。)
2005年11月、つくばエクスプレスの開業によって乗客数が減るとメガライナーは運用を離脱し、関東鉄道バスにリースされていた2両がジェイアールバス関東へ返却された。貸し出されなかった2両はその後もつくば号運用に入っていたが、2006年5月29日に撤退した。
つくば号から撤退後、関東鉄道へリースされていた2両が今度は西日本ジェイアールバス大阪高速管理所へ転属。
2006年6月14日より、慢性的に混雑していた東京-大阪間のドリーム号の混雑緩和と、当時増加していた高速路線バスもどきのツアーバスへの対抗馬として青春メガドリーム号の運行を本車両で開始。つくば号時代は4両配置4両使用で予備がなく、検査や故障時などには通常車両で代走していたが、メガドリーム号では予備車を確保できたので超多客期には臨時便も設定された。
なお、メガドリーム号へ転用されても通行できる道路には限りがあり、通行止めにぶち当たると解除まで最寄りのサービスエリア・パーキングエリアで待機した。長時間の通行止めに備え、車内には非常食も積まれていた。
2008年5月28日23時55分頃、名神高速道路大津サービスエリア付近で大阪駅発東京駅行青春メガドリーム2号に使われていた西日本ジェイアールバス所有のメガライナー749-2994号車で火災が発生。幸いにも乗客・運転手に負傷者は発生しなかったが車両は全焼。事故後廃車・解体された。事故原因はエンジンブロー説が有力視されているが、整備不良が原因とも車体に異常があったとも言われており、真相は不明となっている。
この事故により、メガドリーム号の臨時便である青春メガドリーム81・82号は4列シートハイデッカー車2両を用いて同年6月30日まで運転され、廃車車両の補充としてメガドリームカラーのエアロキングを増備した。
年が明けて2009年3月16日、前年の火災事故と同じ青春メガドリーム2号で火災が発生。今度は東名高速道路牧之原サービスエリア付近で、ジェイアールバス関東所有のD750-03501号車が全焼。運転手・乗客に負傷者は発生しなかった。事故原因はターボチャージャーのシャフトが折れたことで、被災車両は除籍・解体された。
2度も火災事故を起こした事態を重く見た国土交通省はメガライナーの除籍・ドイツへの返却を指示。所有していたジェイアールバス関東、西日本ジェイアールバスの両社はメガライナーを除籍の上ドイツへ返却した。
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最終更新:2024/04/25(木) 20:00
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