メタルマックス2 錆びた荒野のアイドルとは、ガイギーPによるiM@S架空戦記シリーズである。
ゲーム「メタルマックス2」及び「メタルマックス2 リローデッド」をベースに、主人公マミが育ての親を殺された復讐のために賞金稼ぎ(ハンター)となって〝大破壊〟後の荒野をさすらう物語である。
メタルマックスシリーズの中でも、特にシリアスなストーリーである2を題材にしていることや、「アイドルマスター」のキャラクターが数多く登場するものの、全員作中の世界に生きている人物という描き方であるため、非常に物語性の強い作風が特徴。
メタルマックスのプレイ経験のある視聴者でも、マミ達の視点でメタルマックスの世界を旅する内容は、ゲームでは見えなかった細かな世界観を補完してくれるため、とても新鮮に見えるものとなっている。
近未来、謎の〝大破壊〟と呼ばれる世界規模の戦争により、人類の文明は終わりを迎えた。
国家や秩序は消滅し、世界の大部分は汚染され砂漠化。
しかも突然変異によりモンスター化した生物達や、電子制御の狂ったマシーン達、更には極悪非道の無法集団〝バイアス・グラップラー〟による〝人間狩り〟と称した略奪行為の数々に、人々は脅えて暮らしていた。
そんな希望なき世界で、記憶を失って行き倒れていた一人の少女がいた。
彼女は「不死身の女ソルジャー」と呼ばれた凄腕の女戦士マリア・アズサに拾われ、アズサと二人、町から町へと荒れ果てた世界を旅していた。
ある日、グラップラーの襲撃を知った辺境の町「マド」の住人達は、アズサを始めとした4人の用心棒を雇う。
戦車による圧倒的戦力で襲撃してくるグラップラーに対し、奮戦するアズサ達であったが、グラップラー四天王の一人〝テッドブロイラー〟によって、一人、また一人と倒れて行く。
最後まで生き残っていたアズサもまた、マミを庇って命を落としてしまう。
町は破壊され、多くの者が人間狩りに連れ去られた後、ただ一人、瀕死の重傷を負いながらも生き残ったマミ。
少女は、最愛の人を奪った〝テッドブロイラー〟と〝グラップラー〟への復讐を誓い、錆びた荒野へと旅立つ……
本作の主人公。
記憶を失い荒野に倒れていたところをマリア・アズサに拾われ、育てられた。
小柄でサイドテールの髪、胸元の開いた迷彩チョッキとショートパンツ姿の少女。
彼女がいつも着用しているハンターゴーグルは、アズサに出会って1年を記念してプレゼントされたもの。テッドブロイラーの業火にも耐え、マミと共に旅を続けている。
育ての親アズサをグラップラー四天王テッドブロイラーに殺されたことにより、復讐のためにハンターとして旅を始める。
そのため、元々記憶喪失であったことにも加えて、どこか影のある美少女である。
しかし、仲間との出会いを通じて、徐々に人間らしい感情を取り戻し、自身の出生に関わる重大な謎にも対峙していく―
エルニニョの町のメカニック。
背負うほど巨大なスパナを担いだ美少年……ではなく美少女。
町を牛耳るグラップラーとトラブルを起こしたことがきっかけで、マミと共に出奔することに。
以後、マミの心強い仲間として旅を続ける。
ちなみにエルニニョの町のメモリーセンターの受付嬢(コトリさん)は彼女の姉である。
レジスタンス組織のアジト〝サースティの酒場〟で出会ったソルジャーの少女。
グラップラーへの復讐に燃えており、向こう見ずな行動を度々起こしては天ぷら死体になる。
マドの町でアズサと共に戦い死んだ〝隼のフェイ〟は彼女の兄である。
兄が死んだ時に側にいたマミを「兄が死ぬのをただ見ていた」と反発するが、自分一人ではグラップラーに立ち向かえないことを悟りマミと行動を共にするようになる。
海に潜む賞金首〝Uシャーク〟との戦いをどうするか一行が検討した際「海に潜って戦えばいいんだよ!」と脳筋全開な発言をするなど、まさに破天荒なソルジャーそのものの性格をしている。
ヒビキが飼っていた日本犬らしき犬。
ヒビキがアダムアントによる毒の後遺症から共に行けなくなり、マミ達に託される。
実際はヒビキが数年前に謎の研究所の中でカプセルに入れられているのを発見したように、人工的に作られたバイオニック・ドッグ。
そのため、犬専用武器を使うことができる。
カプセルに書かれていた文章から、かつて〝大破壊〟を引き起こしたスーパーコンピューター〝ノア〟に乗っ取られた機械の軍隊との戦いで劣勢に立たされた人類軍が「命令に忠実で恐怖を感じない生物兵器」として作り出したことが推測されている。
しかし、ヒビキにとってもマミ達にとっても、大切な家族として迎えられ、戦うことを除けばごく普通(?)の犬として幸せに過ごしているようだ。
マミの育ての親ともいえる凄腕の女ソルジャー。
〝不死身の女ソルジャーマリア〟の異名を持つほどの戦士。
「この荒れ果てた世界を見て。
この世界ではどれだけ遠くに行ったか、
どれだけ多くの人間と出会ったか……
その二つが人生の値打ちを決めるの」
マミに対して、短い時間ながらも人間として大切なことを教えた人物。
故郷は〝アズサの町〟
アズサの町はグラップラーに抵抗を続ける町であり、彼女はそこでも勇敢な戦士として尊敬されていた。
彼女を知る長老曰く、マミを拾ったことで「戦うことしか知らなかった彼女が、女らしいことができて幸せだったはずだ」
〝暴走バギーのガルシア〟の二つ名を持っていたハンター。
アズサと同じくマドの町を守るために雇われた用心棒の一人。
傲慢な言動が目立つなど原作ゲームのガルシア同様の性格に描かれているが、幼いマミにハンターと戦車についての心得を伝えるなど、人間味が垣間見える人物となっている(マミもそのことに感謝したのか、短い関係の中で「ガルシアお姉ちゃん」と呼んでいる)
彼女がマドの町に遺した破壊されたバギーは、彼女なき後に修理されマミの初めてのクルマになる。
しかし、あの戦いでマリアと共に死んだと思われた彼女とは、思わぬ形での再会を果たすことになる……
マドの町の生き残りの少女。
弟のチョウスケ、祖父のナイルと一緒にガレージの二階に住んでいる。
貧乏ながらも瀕死だったマミを献身的に看病し、マミの旅立ちを支えた心優しい少女。
インテリアショップでたくさん買い物をして贈ってあげたくなりそうな女の子。
マドの町で死体蘇生の研究をしている、色々な意味で面妖な科学者。
死体のこととなると正気を失ってしまうほどに死体蘇生の研究に没頭している。
そのため、研究用として死んでも無料で蘇生させてくれる。
マッドサイエンティストながら倫理観はきちんと持っているようで、端々で生と死についての尊さを口にする不思議な人物。
なお、死体といっても何でも蘇生できるわけではないらしく、「死亡してから24時間以内」であること「バラバラになった死体ではないこと」などが条件。
「ですが、心に留めておいてください。
蘇生の依頼とは生命を冒涜するに等しい行為。
安らぎの死から、苦しみの生に引き戻す行い故。
それでも良ければ待っていますよ。フフフ……」
「それと、ハトバの食べ物は美味いぞ!
汚染された海でとれるピチピチの奇形魚は最高だ!」
愛犬のポチと共にトレーダー生活を送っていたが、賞金首のモンスター〝アダムアント〟の巣に拉致されてしまい、毒に侵され後遺症を負ってしまう。
ポチと共に行けなくなった彼女は、マミ達にポチを託す。
マミ達が新たなクルマを探しに進入したブラド博物館で出会った、ミュージアム・ガイド・アンドロイド。
経年劣化でボロボロになった50年前の博物館案内員の制服に身を包み、緑色の発光する瞳をもった美しい機械少女である。
その姿は〝大破壊〟前に一世を風靡した〝アイドル〟の少女を模している。
荒れ果てた博物館でたった一人、50年以上もの間、来るはずのない〝お客様〟を待ち続けていた。
50年前の〝大破壊〟勃発直後、ノアのハッキングを受けないよう博物館の館長がアマミの電源を落として避難したため、機械としては珍しくノアによる〝人類抹殺指令〟に汚染されていない。
しかし、それ故に再起動後のアマミは〝大破壊〟が起きたことを知らず、既に世界が崩壊し、博物館に訪れるお客様はもはや存在しないことを理解していない。
50年ぶりに博物館へやってきたマミ達をお客様だと思い、懇切丁寧に博物館を案内するのだが……
「館長……館長……
キマした……来たんデス
お客様が……ご来館されまシタ……
館長が言ったことは……本当でシタ」
なお、原作ゲームでのブラド博物館にはこのようなアンドロイドのエピソードは存在しないので、この動画を見て楽しみにして急いで行くと、ガンホールに蜂の巣にされ、カラクリ物体に手榴弾を転がされるだけなので注意が必要である。
戦車を搭載可能な船「ネメシス号」の船長。
白い船乗りの制服に身を包んだ少女で、年齢的にはマミとそう違わない。
海に潜むモンスター賞金首〝Uシャーク〟を仕留めるために日々海に出ている。
祖母以外の家族を全て〝Uシャーク〟に食われて失っており、彼女もまた復讐に憑りつかれて仇を追っている。
そのためか、歳相応以上に大人びた、凛とした女性に見える。
一方で、大の犬嫌いであり、彼女の船にポチは乗り込むことができず、お留守番になった。
〝Uシャーク〟撃破後は〝ネメシス号〟も必要なくなり、マミ達に譲る。
港町〝デルタ・リオ〟の水上劇場の人気ダンサー。
見る者を魅了するダンスと、人間離れした美少女ぶりからファンは多い。
とあるファンから貢がれたプレゼントされたマンションに住んでいる。
グラップラー四天王〝カリョストロ〟との初遭遇で全滅しかかったマミ達を介抱する。
その際、たった一人で、しかも少女の細腕で人間三人をマンションの高層階にまで運んだことをマコトに不審に思われる。
しかも、家族であるはずのエバがカリョストロに誘拐されてしまったというのに、どこか無関心でいるなど、謎が多い。
人に会う度〝愛〟について尋ね、その意味を知ろうとしている。
「愛はやっぱりお金のことなのね」と無垢な笑顔で納得する様子は、どうやら皮肉や強欲からではないことがうかがえる。
「私のこと……愛してる?」
彼女の正体は果たして……?
キャタピラ・ビレッジの先にある、人里離れた研究所に一人で住んでいる戦車研究者の女性。
日夜より性能の良い戦車を製作すべく鉄クズ集めと、友達探しに明け暮れている。
戦車を製作する代わりに、マミ達にマシン系賞金首〝ダイダロス〟の退治と、その残骸で手に入る鉄クズを依頼する。
来訪したマミ達と最初は敬語で話し合っていたものの、打ち解けてくると素の性格が出てきてしまうようで、非常に口が悪くなってしまう。
ちなみに本人に悪気はないらしく、親愛の情として罵倒している模様。
M1エイブラムス戦車を愛騎とする戦車帽姿のハンター男。
駆け出しハンターのマミと出会い、物語の端々で登場しては彼女の成長を知ることになる。
腕は確かな中堅ハンターだが、性格はシニカルで厭世的。
そのためかパーティを組んでおらず一匹狼でおり、名前も最後まで公には名乗らない。
過去にはパーティを組んでいたことが語られるが、そこには悲劇的な最後があり、以来そのことを引きずって生きている様子。
基本的に人を寄せ付けず、誰も信用していないが、ただ一人心を許した人物がおり、それが愛を知りたがる謎の踊り子少女・イオリである。
彼女には稼ぎの大半を貢いでいるようで、イオリが住むマンションやそのインテリアは彼が揃えてあげたもの。
が、自分の行為がただの自己満足に過ぎないことも理解しているらしく、それでも貢ぎ続ける理由にはただならぬものがあるようで――
マミが初めて手に入れるクルマ。
元々はキサラギ・ガルシアが持っていたもので、名前の由来もここからである。
マドの町でテッドブロイラーとの戦いによって大破していたが、ナイル爺さんが修理してマミに託した。
マミも「ガルシアお姉ちゃんの形見」として大切に乗ることにしていたが、後に思いもよらない展開を見せることに……
外見的には四輪駆動のバギー自動車で、蒼い塗装の車体はどこか〝蒼い鳥〟を彷彿とさせる。
ブラド博物館に展示してあったブラド社製戦車。
名前はこの戦車を手に入れるまで導いてくれた、博物館案内アンドロイドのアリスから。
展示物とはいえ完全な状態の主力戦車で、そのためか持ち出しには博物館館長の許可が必要だった。
アリスは当初、館長の権限が必要であるためお譲りはできないとやんわり断るのだが……
ちなみに国によっては大戦中の戦車を自走可能な状態で展示しており、イベントなどで走らせたりしている。
博物館での展示内容から、ブラド社も顧客へのデモンストレーション用に、動かせる実車を展示していた可能性が考えられる。
外見的にはイスラエル軍が配備している主力戦車〝メルカバ〟に似ている。
赤い塗装の車体は血を連想させるが、アリスが50年間見守ったレッドアリスに関しては、どこか彼女の優しい色合いを感じられるかもしれない。
〝アズサの町〟と〝サースティの酒場〟の合間にある砂漠に埋まっていた装甲車。
マミ達も半信半疑のまま地雷探知機で発見するのだが、一体何故こんな砂漠に埋まっていたのか一切が謎。
名前の由来はそのまま「砂まみれ」だったことによる。
推測の域を出ないものの、過去に周辺に出没する賞金首〝サイゴン〟に破壊されてしまったハンターの持ち物か、大破壊の際にノアと戦う人類軍が使用していたものが放棄され埋まっていたかなどだろうか。
外見的には大きな六輪のコンバットタイヤを履いた、いわゆる〝装輪装甲車〟である。
〝デルタ・リオ〟の北にある平原を走っていた野生化したバスの一台。
名前の由来は、自由に平原を駆け、ターンを決める野バスがまるで踊っているようだったため。
元々は北にある平原は〝大破壊〟前は大都市だったのだが、戦争により見る影もなく破壊され平原となったらしい。
コンピュータにより自動運行されていた都市のバス交通システムから解き放たれたバス達は野生化し、平原を自由に走り回るようになった。
グラップラーもこの野生化したバスを無理矢理に戦車に改造しようとやってきたが、誇り高きバス達は全く恭順しなかった。
平原の端に位置する〝ノボトケの村〟に住むレスラーのサユリ姉さんから野バスの捕獲方法を聞いたマミ達によって捕獲され、入手されたのがこのダンサブル。
捕獲方法とは、錆びていない「新鮮なバス停」を発見すると、野バスといえども〝バスの本能〟に逆らえずに停まってしまうというもの。
大破壊の際にノアの機械軍が強酸性の化学兵器を使い森が死んだ〝ホロビの森〟
そこを超えた先にある山村〝タイシャー〟に祀られていた胡散臭い御神体だった対空戦車である。
〝タイシャー〟はその名の通り大社の村(おそらくモデルは諏訪大社)であり、トレーダーの旅の安全を守る神社がある。
しかし、本物の御神体は50年前の大破壊によって行方不明となっており、代わりに謎の戦車が祀られていた。
ポチを連れて社を訪れたマミ達は、一人の老人から昔話を聞かされる。
曰く「ホロビの森で化学兵器を使用したのはノアではなく、人類側だ」と。
大破壊の際、劣勢に立たされた人類軍は、ノアにハッキングされた機械の軍隊に対して化学兵器を使用し、森とそこに住む動物達を犠牲にして戦術的勝利を得たのである。
しかも、人間が撤退する時間稼ぎのために、ポチの同胞ともいえるバイオニック・ドッグの部隊を森に残して……
軍は事実を隠蔽し、ノアに全てを責任転嫁した。
やがて軍を脱走した一人の軍人が乗っていた戦車が、ここへたどり着いたのだと。
老人は傍らの愛犬ハチを慈しみながら、その同胞のポチと旅するマミ達にこの戦車を譲ったのだった。
外見的には、ドイツ軍が配備している自走対空砲〝ゲパルト〟である。
2016年12月31日 コミックマーケット91にて、ガイギーP書き下ろしによる同人誌版「錆びた荒野のアイドル」が頒布された。
内容的には動画シリーズの8話までの部分(グラップルタワー編)をノベライズしたもの。動画では触れられていない細かい描写が補われており、動画とは違った雰囲気を楽しめる。
総ページ数184。表紙はサークル「讃岐屋」の「讃岐守隆影」氏によるもので、マミが貯水塔の前でこちらを見下ろしているイラスト。
総ページ数220。動画9話~18話までのストーリーをノベライズ化。
ミキ加入から、マミの出生の謎に迫るマダムマッスル戦までを収録。表紙は1巻と同じく「讃岐守隆影」氏が手がけており、スワンにおけるガルシアとの戦いをイメージしたイラストとなっている。
コミックマーケット93にて頒布予定。完結巻。
掲示板
6 ガイギー
2017/01/02(月) 15:54:14 ID: dVhAikkfFA
同人誌版についての追記、ありがとうございます。
同人誌版についての詳細とサンプルはピクシブで公開しております。
購入をご希望される方は、ツイッターかピクシブにてお問い合わせ下さい!
http://w
7 ガイギー
2017/04/05(水) 23:22:13 ID: dVhAikkfFA
無事、完結しました!
応援ありがとうございました!
8 ななしのよっしん
2017/06/09(金) 22:27:30 ID: bIiPIrEswC
完結お疲れさまでした。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/23(火) 15:00
最終更新:2024/04/23(火) 15:00
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