モダン(MTG)単語

モダン

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モダンとは、マジック・ザ・ギャザリングフォーマットのひとつである。

概要

簡単に言えば、新カードのみで戦うルールである。レガシーエターナルフォーマットと違い使えるエキスパンションに下限が存在するため「上に伸びるレガシー」などと言われる事も。

詳しく言うと2003年7月以降に発売された基本セットとエキスパンションに収録されたカードが使用可
具体的には、第8版~マジックオリジンまでの基本セットと、ミラディンブロックから最新のエキスパンションのカードが使える。よくある勘違いとして「コンスピラシー」や「統率者」などの特殊セットは、明示的に使用可と規定されない限り含まれないので注意(2021年6月現在明示的に使用可と規定されているのは「モダンホライゾン」及び「モダンホライゾン2」の2つ)。

実はこの期間に再録されていれば、旧カードデッキに入れることができる。

ローテーションはなく、一度作ったデッキ禁止カードが出ない限り使い続けることができる。

そのため、(勝てるかどうかは別として)スタンダード落ちしたデッキモダンで遊び続けることが可。新エキスパンションが出るたびに、新たなカードで強化していくことができる。モダンデッキの多くはスタンダードで活躍していたデッキの強化版であり、未来の強カードによってモダントップメタに現れるデッキもあるかもしれない。

スタンダードより強いカードを存分に使うことができ、レガシーお金はかからないため中級者におすすめ。ただし近年、ショックランドフェッチランドの再録、モダンマスターズによるカードの供給によってモダンフォーマット人気はあがっており、レガシー程ではないとはいえ一部の需要の多いカードは高騰している。理のない範囲で遊ぼう。

上述の理由による敷居の高さからプレイヤーが圧倒的に減少している事もあり、フリープレイに限った話であれば、カラーコピーなどでカード代替した所謂フルプロキシと呼ばれるデッキでも事前にそれを相手に伝える事で快く受けてくれるプレイヤーも多い。元々マジックプレイヤーの間では、新カードの購入判断やデッキ調整にプロキシを積極的に用いる傾向が強く、プロキシに対して悪いイメージがあまりないというのもある。むしろプレイヤー促進のために、構築の相談に乗ってくれたりするプレイヤーさえいる。ただし万人がそうというわけではないので注意が必要。できる事なら友人同士で始めるのが一番いいだろう。みんなもモダン、やろう!

さすがに範囲が広がりすぎた(2019年時点で16年という大なカードプールがあった)こともあり、スタンダードから外れたカードの受け皿を担うフォーマットとしての役割を果たせなくなったことから、2019年10月パイオニアというフォーマットが作られたが、初期のコンボ環境を放置してしまったことなど様々な要因により、勢いがないのが現状である。

禁止カード方針

スタンダードべて、制定時から禁止カードが多く定されている。また、2017年よりプロツアーでのモダンイベント止発表に伴い、公式側から制定時よりも詳細なモダンの運用理念開示された。これのいずれかに抵触する可性のあるカードは年4回の制限改訂の際に禁止される可性が高い。

特にカードプールが広がれば広がるほどカードパワー爆発的に増加する軽量のドローソース(例:宝船の巡航、時間の探索)やマナ加速要素(例:ウギン盛りの)は特にその傾向が強い。また少ない枚数や較的軽い条件で無限トークンダメージが成立してしまうコンボ(例:欠片双子コンボ、アミュレットコンボ)についても環境を支配しがちになるためキーパーツが禁止される場合が多い。

デッキの傾向

フェッチランドショックランドは自分のライフを減らすという欠点があるものの、色事故が大幅に減るため広く使われている。これによってライフが20点のまま戦うことは少なく、バーン盛させる原因になっている。これらの特殊地形は《血染めの》をられるとマナ基盤がずたずたにされてしまうため、を含むデッキサイドボード後は意識したプレイングをめられる。

《稲妻》が多く使われるため、タフネス4以上のクリーチャーは除去耐性があるといえる。《流刑への》などの追放除去や布告系除去が横行する環境のため「破壊不能」もあまりあてにならない。

様々なデッキが存在しそれぞれ異なる戦略を建てているため、すべてのカードを捌き切るような重コントロールデッキを使うにはメタ読みが重要になる。

主なモダンデッキ

親和

アーティファクトを利用した、環境最速のビートダウンデッキ
最近では名前に反して「親和を持つカードはほとんど入っていない。そのため「Robots」と呼ばれることも。
羽ばたき飛行機械》などの軽量アーティファクトクリーチャーを大量に展開して、それらを《電結の荒者》で食べたり、《頭蓋囲い》を装備させて圧倒する。その展開は1ターンに手札をすべて使い果たすこともあるほど。ブン回った時のスピードモダンでもトップクラスで、メイン最強と言われる。しかしアーティファクト破壊や起動を使えなくするカードなどわかりやすい対抗手段が豊富にあるため、二戦以降をどうやって勝つかが腕の見せどころだろう。
亜種に《タルモゴイフ》を加えた「タル親和」や、《アーティファクト込め》を加えた「ハサミ親和」、「ハサミタルモ親和バーン」なんて欲ったデッキもある。

Zoo

を中心とした多色アグロデッキ
《野生のナカティル》などの特定の土地をコントロールしていると強化されるクリーチャーを使う。Zoo動物園)の名前は、ライオンゴリラなど動物クリーチャーを多く採用していることから。
また色が多いため《稲妻》《流刑への》などの選りすぐりの除去を使用することができ、クリーチャーが殴るためにをこじ開ける手段も豊富。
弱点は打ち消しやハンデスが乏しく、コンボに対して手出ししづらいこと。この弱点をするため、など更に多くの色を足している場合もある。
多色デッキであるためカード選択の幅が広く、使い手の好みにカスタマイズすることができる。遺の騎士》+《珊瑚への撤退》の無限コンボを仕込んでいることも。

バーン

火力呪文を連打し、対戦相手のライフを0にすることのみに特化したデッキモダンではショックランドフェッチランドにより何もしなくてもライフが17点以下になっていることが多いため、単純計算で3点ダメージカードを6枚唱えれば勝利できる。
「ニクスへの」で呪文を唱えたプレイヤーに2点ダメージを与える《大歓楽の霊》を得て、更に厄介な存在になった。モダンデッキの中では較的安い値段で組むことができる。
デッキ内のカードすべてが「ダメージを与える」という役割であるため、除去や打ち消しの効果が薄く、通常のデッキでは止められないのが強み。ただし20点削ることのみを標としているため、回復されると手札が足りず途端に苦しい戦いになる。また火力を撃ち込めなくなる《線》は天敵バーンデッキ同士のミラーマッチでお互い《線》をり、どちらも手出しできなくなってライブラリーアウトで決着がついた、なんてこともある。
を中心に、《ボロス魔除け》をタッチするためにを足したもの、《アタルカの命》のタッチしたもの、《の衝突》のタッチしたものなどのバリエーションがある。

ジェスカイコントロール

コントロールデッキトリココントロールとも。
の全体除去、の打ち消し、ダメージによって盤面を有利に運ぶ。フィニッシャーは土地でありながら《セラの天使》にもなる《界の列柱》であることが多い。対応モダンデッキの中でも随一で、対戦相手のライフが減っている場合は火力を本体に打ち込んでバーンデッキのように振る舞ったり、クリーチャーが殴れる場合は《トラフトの霊》で殴りきったりと様々なゲームプランを考えられる。
2016年4月制限改訂で強ドローソースである《祖先の視》および大量トークン生成コンボキーパーツである《弱者の》が解禁された事で特にコンボ対策の乏しいビートダウン相手に巻き返しやすくなった。

グリクシスコントロール

コントロールデッキ。「探コントロール」とも。
瞬唱の魔道士》で《コラガンの命》を回収し、コラガンの命》で《瞬唱の魔道士》を回収する動きはずるい。また高速で墓地を肥やすため《ヴリン童、ジェイス》を最速3ターン変身させる事も可
他にも《黄金牙、タシグル》や《グルマグのアンコウ》など墓地肥やしと相性がよく、中盤以降の展開を補強するカードが採用されている。隙がなく、序盤からマナを立てて相手にターンを渡すことができるのが強み。
墓地を利用することが多いので、意外と墓地対策が苦手。

生として《秘密を掘り下げる者》を採用し、ビートダウン寄りにチューンされたグリクシスデルバーも存在する。

アブザンジャンク

白黒の中速デッキ
ジャンク」の別名通り、とにかく強いカードてんこ盛りにしたといった感じのデッキハンデスによって相手の切り札を使われる前に取り除き、対応されなければ1枚で勝てるカードを次々と繰り出してカードパワーで押しつぶす。MTGにおける重要な要素であるテンポアドバンテージを学習できるデッキであるため、初心者向けデッキともいえる。「タルキール覇王譚」によって、戦場に出るだけで3点ドレインする《包囲サイ》という新たな切り札も手に入れた。

アブザンカンパニー

《シルヴォクののけ者、メリーラ》と頑強クリーチャーによる無限コンボを狙うデッキ。「マジックオリジン」登場以降、環境トップに登りつめた。

前述のアブザンジャンクとは異なり、マナクリーチャーなどを展開し《集合する中隊》や《召喚の調べ》を高速で連打しコンボパーツを場に出して勝負を決める。成立した時点でコンボを止められなかった場合、無限ライフあるいは無限ダメージによって大敗が決するが、クリーチャーを3種類要される事や大量のマナクリーチャーを使用する事から《地獄》などの全体火力一発化されやすい事や、軽量のインスタント対策である《払拭》が多数採用されている環境のためコンボを成立させるのは意外と難しい。強だが環境に左右されやすいデッキといえる。

ジャンドミッドレンジ

の中速デッキアブザンジャンクとまとめてBG系とも呼ばれる。
《死儀礼のシャーマン》と《血編みエルフ》禁止前はモダンの王者としてブイブイ言わせていた。禁止後は鳴りを潜めていたが、「運命再編」で出た《コラガンの命》により復活
1枚1枚、何を引いても強い。弱点は土地や《思考囲い》、《闇の腹心》によって自らライフを失ってしまうところと、打ち消しができないこと。

ウルザトロン

ウルザの鉱山》《ウルザ魔力炉》《ウルザ》をえることで膨大なマナを出し、重量級のカードを出して勝利するランプデッキ
ターンに7マナ生み出して《解放された者、カーン》が着地したらほぼ勝ち確定。手なデッキだが、初動が遅いので序盤をぐのが大変。
マナ加速に長けたトロンや、妨手段の豊富なを使用したイゼットロン、更にパーミッション色を強めてだけにしたトロンなど色は様々。

エルドラージ

ウギン》+《エルドラージ寺院》によってマナレシオ・共に優秀なエルドラージを連打するデッキ
ゲートウォッチの誓い」発売以降、ウギンがあれば1ターンから0マナで連打できる上にフィニッシャーにもなる《エルドラージミミック》や、優秀なクロックともランパンともいえる《中生成エルドラージ》をはじめとする強エルドラージが登場した事で環境を席巻した。そのため、強マナ加速要因であった《ウギン》が2016年4月より禁止となり安定性が格段に落ちた。
以後は《ウギン》の抜けたマナクリーチャーで埋めたものや、サーチカードを利用したグッドスタッフ、追放と昇を利用したアグロ等へとシフト
以前ほどではないが、一定の強さを保っている。

ヴァラクート(スケープシフト、ブリーチ・ヴァラクート等)

《溶峰、ヴァラクート》ので相手のライフを焼き尽くすタイプデッキ
スケープシフトは土地を7枚コントロールしている状態で、《風景の変容》を唱えて《溶峰、ヴァラクート》と6枚の山を持ってくることによって、対戦相手に18点のダメージを与えるデッキで組まれることが多い。
7枚の土地があれば《風景の変容》を唱えるだけで勝ちに繋がるため、たった1枚でコンボのようなもの。対戦相手にとってはまさに、噴火寸前の火山だろう。

また違うタイプとして《風景の変容》の数を減らす、あるいは採用せずに《裂けの突破》や《召還》などで素く《原始のタイタン》を場に出して勝ちに繋げるタイプもあり、こちらはブリーチヴァラクート、ブリーチタイタンブリーチトラップ等と呼ばれることが多い。
また、こちらのタイプは更なる切り札として《引き裂かれし永劫、エムラクール》を採用している場合があり、ゲームが長期化した際のフィニッシャーの他、「2ターンに相手のクリーチャーを打ち消したら、何故か召還からエムラクールが出てきた。な、何を(ryという究極のわからん殺しを仕掛けてくる事も多い。

「季節の終わりには、葉の色が変わるよりもはるかに大きな変化が々を待っておる。」

――― 最後のイチイ、コルフェノール

青赤デルバー

少数精鋭のクリーチャーカウンター呪文で守り抜いて勝利するクロックパーミッションデッキ
デッキ名にもなっている《秘密を掘り下げる者》を始めとして、インスタントやソーサリーと相性の良いクリーチャーで構成される。中でも《若き術士》は、ドローや打ち消しをするたびトークンを生み出してクロックめていくこのデッキでのエース。対戦相手にとっては見つけたら速やかに処理したいが、除去呪文を焦って撃ちこむと《呪文貫き》が飛んできて、打ち消されたあげく更に打撃をあげてしまうという最悪の結果になることも。
キーカードの多くがレガシーデルバーデッキと共通しており、「モダンレガシーデッキを使っているようなもの」なんて言われたこともある。
麗に相手の動きを捌いて序盤の優位を保ったままライフを削り切る様子は優であるが、1枚ごとのカードパワーが低いため一度リードを許すと挽回するのが難しい。
この勝ち筋が細いという弱点を、を足して《黄金牙、タシグル》を入れることによってある程度した「グリクシスデルバー」が最近流行。

感染

ダメージの代わりに10個貯まると敗北するカウンターを与える「感染」を持つクリーチャーを使うデッキ
またはで組まれることが多い。通常は20点のライフを削る必要があるところが、「感染」持ちなら10点で済むため単純に2倍のスピード敗北させることができる。さらにブロックされなかった後、《強大化》などの一時的にパワーをあげる呪文を唱えることにより相手の突然死を狙える。クリーチャーで殴るものの、その性質上コンボのようなデッキでもある。ライフを狙わないため回復される心配はないが、逆に対戦相手からするとショックランドや《四肢切断》などでライフを支払うデメリットがなくなるという面もある。

呪禁オーラ

1/1呪禁の《ぬめるボーグル》にオーラを貼って巨大クリーチャーに成長させるデッキ。「ボーグルズ」とも。か、それにを足した形で組まれる。
「呪禁」によって単体除去は効かず、殴り合いにも《ひるまぬ勇気》ので有利、《コーの精霊踊り手》でドローも大量にできる。噛み合った時には3ターンパワー10をえる「呪禁」「トランプル」「先制攻撃」「警」「」の化物を作り出すことができる。それに対する確実な解答は、他のクリーチャーをすべて除去した上で生贄にげさせるくらいしかない。っ向からの戦闘では圧倒的な強さを誇るデッキだが、強化元のクリーチャーと強化するオーラが手札にわなければ一手も動けないという欠陥を抱える。

Super Crazy Zoo

海外公式コラムでは「スーサイドZoo」「死の影Zoo」とも呼ばれる、の4色デッキ(ギタ調が入っているため、マナは出ないが5色デッキ扱いになってしまうが)。
Zooの名を冠するが動きとしては感染に近く、自分のライフが減れば減るほど巨大化する《死の影》を軸に軽く打点の高いクリーチャーえ、それらを《強大化》《ティムールの闘》という強化スペル爆発的に巨大化させ一で相手のライフを削り取る。
《ミシュラガラクタ》《ギタクシアの調》《通りの悪霊》といった0マナドローフル投入しているのが特徴。これらは「実質デッキを48枚にし密度を上げ、必要なパーツをかき集める」他に「ライフを消費し《死の影》を強化する」「墓地を高速で肥やし強大化の探コストを稼ぐ」役割を担う。
場合によっては「稲妻打ちます、自分に」というスーパーレイジーなムーブ含め、1ターンに自分のライフを半分近くまで削りつつ、3~4ターンには相手のライフ20点以上を消し飛ばす異次元の動きはインパクト抜群。

元々このデッキはとあるMTG専門店のHPで連載されていたコラムで作成された「クソデッキ」で、それの良版が作成者の予想に反して強だったため本格的な調整を受けMagic Onlineで活躍、その後海外などでも使用・調整を繰り返された結果モダンメタゲームに食い込んだという数奇な過程を経たデッキである。詳しく知りたい方はこちらのexitコラムをexitどうぞ。exit

ランタンコントロール

《洞察のランタン》によって相手のライブラリー一番上のカード(=次に引くカード)を確認、危険なカードなら《写本裁断機》や《グール呼びの》などのカード墓地に落として相手のドローカードにし続け、クリーチャーの攻撃は《》でシャットアウトライブラリーアウトに追い込むロックデッキ。最初登場した時はそのあまりに細く見える勝ち筋から驚嘆を集めたが、その後登場した異界、カラデシュ・ブロックの相性の良いカード群によって大幅強化。2年ぶりにモダンフォーマットで開催されたプロツアーでは優勝するほどの活躍を見せた。詳細は個別項があるのでそちらへどうぞ。→ランタンコントロール

その他

他にも「アミュレットブルーム」「白黒トークン」「ドレッジヴァイン」「エスパーメンター」「ヘイトベアー」「ゴーストウェイ」「マーフォーク」「デスクラウド」「ブルームーン」「メガハンデス」「昇天」「死せる生」「アドグレイス」「エメリアコン」「単信心」「コンボエルフ」「ジャンド」「ソウルシスターズ」「ライブラリーアウト」「ガルドンバランス」「けちコントロール」「カンパニースリヴァー」「残酷コン」「フェアリー」「吹き荒れる潜在」「アグロローム」「ジェスカイコンボ」「氷コントロール」「ダスクマトルクランク」などなど様々なデッキがある。興味をもった人は調べて欲しい。

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