モノポライザー

モノポライザーとは、前評判倒れである。

主な勝ち鞍
2002年:若駒ステークス(OP)

概要

煌びやかなる最初期

モノポライザーは中央競馬(JRA)でデビューしたサラブレッド競走馬。1999年生まれの鹿毛の牡馬で、2001年にデビュー、翌年2002年の牡馬クラシック戦線を沸かせた馬の一頭である。馬名は英語で「独占者(monopolizer)」の意味。モノポール(極地という意味)とは語感が似てるが無関係。ファンの愛称は「モノポ」。

父は日本競馬史上に名を残す名種牡馬サンデーサイレンス、母は名牝の誉れ高きダイナカール。ダイナカールと言えばエアグルーヴ(父：トニービン)の母として有名だが、モノポライザーの生まれた時は、まさにこのエアグルーヴが活躍していた頃であった。今考えても最高に豪華な血統といえるだろう。ちなみにダイナカールは1999年の種付け中の事故で亡くなっており、モノポライザーが彼女の最後の仔となっている。

2001年11月にデビュー戦で勝ち星を挙げると、続く条件戦、さらにオープン特別の若駒ステークスでも勝利、無傷の3連勝で大きな話題となった。これには関係者やマスコミも過熱、騎手も「新種のサラブレッド」と評価するなど、それはそれはものすごい期待を寄せていた。

ダメポライザー、闇に消える

しかし、いざクラシック戦線が始まると初戦の皐月賞で16着と大敗、その評判に翳りが出る。一応、この敗戦はそれまでの主戦騎手だった武豊が乗れなくなってしまったからだとか、調整の関係で前哨戦が使えなかったからなどの理由が考えられ、続くプリンシパルステークスでは3着に入ったことから大一番での雪辱を期するファンも多かった。しかし結局、日本ダービーでも見どころなしの14着と惨敗に終わった。

以後も鳴かず飛ばずの惨敗が続く。ダートに挑戦するもやはりダメ、体質が弱くちょくちょく休養を要し、そのうち重賞に出ることもなくなり、いつしか表舞台からフェードアウトしてしまった。2006年(当時7歳)の中央競馬引退までにオープン特別で2勝を挙げているが、重賞では5着が限界と、お世辞にも特筆できるような成績は残せなかった。

中央での通算成績は25戦5勝。

モノポライザー、佐賀に散る

中央から退いた後は2007年から地方の佐賀競馬場に転厩し、そこの下級条件戦で8連勝を挙げて驚かれる。しかし7月22日のレースを最後に出走情報は更新されなくなり、いつの間にか登録抹消になり、その後消息不明になってしまった。ファンが関係者に訊いたところ安楽死処分になったということだが、それが最後のレースを3着に終えた後の骨折による予後不良だと明言されたのは死から16年以上も後、number誌が彼についての特集記事を組んでからであった。それまでは公式から大きなニュースがあげられたわけでもなく、ネット上では様々な憶測が飛び交っていたという。

佐賀での通算成績は12戦9勝、中央・地方を合算した通算成績は37戦14勝。
詳しい戦績はnetkeiba.comの同馬のページを参照のこと。

モノポライザーよ、永遠なれ

競馬界では、こういったデビュー前や新馬戦の勝ち方だけで過剰に期待を寄せられ、結局結果を残さず終わる前評判倒れ君が毎年のように出てくる。モノポライザーはその典型とも言えるもので、今でも前評判の高かった駄馬に対して「モノポライザーの再来」などと呼ぶことがあるなど、悪い意味で「記録より記憶に残る馬」になってしまった。

今でこそ「前評判倒れ」の一言で片づけられてしまうこの馬だが、当時のファンはその期待を拭い去りきれず、ずっと追いかけていった者も少なくなかった。皐月賞で化けの皮が剥がれた後も、捲土重来を期待されて度々人気上位に推され、2003年の天皇賞(秋)では重賞勝ちもないのに6番人気になっていたほどである。その後もわずかながらファンは残っていたようで、上記のモノポライザーの行方不明が知られたのも、自前で引き取ろうと交渉しに行った人がいたからであった。

ネット上ではデビュー前から毀誉褒貶の激しかった存在であり、2ちゃんねるでは「モノポ基地」と呼ばれる熱烈なファンが暴れたり、一方で「もうだめぽ」に掛けてダメポライザーというあだ名までできていた。凋落後はその転落人生っぷりから、ウインクリューガーのようなネタ馬としても愛されていたりする。なぜかAAもある。

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新種のサラブレッド　モノポライザー

ちなみに

かつてはWikipediaでも同馬の記事が存在したのだが、「話題だけで大した成績もない」という理由で削除されてしまった。実際そうだから仕方ない。この一件がもとで、Wikipediaの競馬記事プロジェクトでは整理や研鑽が活発になっており、そういう意味でモノポライザーはあの百科事典にも蹄跡を残したと言えるのではなかろうか(削除に反対していた人たちへのフォローのつもり)。

血統表

*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛	Halo 1969 黒鹿毛	Hail to Reason	Turn-to
			Nothirdchance
		Cosmah	Cosmic Bomb
			Almahmoud
	Wishing Well 1975 鹿毛	Understanding	Promised Land
			Pretty Ways
		Mountain Flower	Montparnasse
			Edelweiss
ダイナカール 1980 鹿毛 FNo.8-f	*ノーザンテースト 1971 栗毛	Northern Dancer	Nearctic
			Natalma
		Lady Victoria	Victoria Park
			Lady Angela
	シャダイフェザー 1973 鹿毛	*ガーサント	Bubbles
			Montagnana
		*パロクサイド	Never Say Die
			Feather Ball
競走馬の4代血統表

クロス：Almahmoud 4×5(9.38%)、Lady Angela 5×4(9.38%)

関連動画

モノポライザーが勝っている動画…？　そんなもん、うちにはないよ…

前走準オープン勝ちなのに秋天で6番人気になるモノポライザー、やはりタダものではない！(ただしレース中は空気)

関連コミュニティ

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• 2002年クラシック世代
• 出オチ