モムズコマンドとは (モムズコマンドとは) [単語記事]

モムズコマンド(Mom's Command)とは、1982年生まれのアメリカの競走馬である。

概要

父 Top Command、母 Star Mommy、母父Pia Starという血統で、ニューハンプシャー州のラニミードファームの代表であるピーター・フラー氏によって生産所有された。鞍上はベニート・カラスコ騎手が騎乗したデビュー戦とクリス・マッキャロン騎手が騎乗した6戦目のセリマSを除いてフラー氏の娘のアビゲイル・フラー騎手が務めた。

7月、ファニエルミスSというステークス競走をいきなりデビュー戦に使い、ここで単勝45倍という穴を開けて勝ち上がる。続くレースを勝利した後、スピナウェイS(GI・6ハロン)では7頭中7番人気だったが、離されたとはいえ4着に入り、アスタリタS(GII)では6.5ハロン戦で1秒近くの出遅れを喫しつつも1馬身1/4差を付けて勝利を収めた。

続くフリゼットS(GI・1マイル)で3着の後、セリマS(GI・8.5ハロン)を5馬身半差で圧勝したが、西海岸に遠征して出走したハリウッドスターレットS(GI・8.5ハロン)ではブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズを勝ってきたアウトスタンディングリーの5着に敗れてシーズンを終えた。
2歳時はゲート難にも悩まされたが、GI・GII1勝ずつを含む7戦4勝という成績を残した。

3歳時は初戦を19馬身という大差で圧勝して弾みをつけ、3戦2勝2着1回で5月のカムリーS(GIII)に出走すると、ここも西海岸からやってきたアウトスタンディングリーらを退け4馬身半差で圧勝。堂々の主役としてニューヨークトリプルティアラに向かうこととなった。

次戦のテストS(GII)ではカムリーSで11馬身差の4着に沈めた後に3連勝してきたレディーズシークレットの2着に敗れたが、続くアラバマS(GI・10ハロン)ではケンタッキーオークス馬のフランズヴァレンタインらを相手に4馬身差で逃げ切って勝利した。しかし調教中の故障により、これが最後のレースとなって9月末に引退した。通算成績は16戦11勝(うちGI5勝)で、この年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選ばれた。
複数回対戦した馬には全て一度以上先着しており、特にレディーズシークレットは最終的にGI11勝を挙げ「鉄の女」と呼ばれたため、古馬になってからの走りも見てみたかったような気もする。

閑話休題、モムズコマンドは故郷のラニミードファームで繁殖入りした。GI 馬こそ出していないが、重賞4勝を挙げたジョーンズボロを含め、15頭中10頭が勝ち上がりを挙げており、アベレージはそこそこ良かった。牝系は現在も残っているが、日本に輸入された*モムズクラウンの系統を含めてGI級の馬は出ていない。

2007年 2月に老衰のため25歳で安楽死措置となり、同年5月に米国競馬の殿堂入りを果たした。ラニミードファームには、本馬および1968年のケンタッキーダービーで1位入線しながら禁止薬物で失格した*ダンサーズイメージの写真を並べた看板が設置されている。