モル 単語


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モル

モル(mole)とは、SI基本単位のひとつで、物質量単位である。単位mol。

概要

簡単に言えばアボガドロ定数個」である。アボガドロ定数個集めれば何でも1モルである。

集めるものは何でもよい。水素原子アボガドロ定数個集めれば「1モルの水素原子」になるし、シグマブレードツヴァイアボガドロ定数個持ってくれば「1モルのシグマブレードツヴァイ」となる。

アボガドロ定数正確に6.02214076×1023[mol-1]と決められているが、この数自体は重要ではなく、「あるまとまった数」を1とすることで、化学物理学の様々な計算が容易となることが重要なのである。

モルの決め方

では、なぜ約6.02×1023個に決められたのか?

例えば、水素原子の質量を1とする。他の原子の質量も「水素原子の何倍か」で表すと、例えば炭素は約12、酸素は約16などとなる。こうやって生まれた質量の標が「原子量」である。

ここで、「水素原子個集めると1gになる」ようにの値を決めると、炭素個集めれば12gになり、酸素個集めれば16gになるはずである。そうすれば、例えば分子を個集めれば、酸素1個と水素2個の足し算で18gとなり、化学の計算がとても楽になる。

こうして決めた「個」を「アボガドロ数」と呼び、実験により上記の値であることがわかった。

なお、「水素原子1個が1となるように」決める方法は、のちの科学の進歩により適切ではないことが判明し、その後「酸素16の質量を16とする」「炭素12の質量を12とする」などのように改められた。

2019年SI基本単位定義以降、厳密な数が定義値として設定されており、上の決め方は単なる歴史的経緯となった。

モルに関する議論

以上より、「モル」とは「ダース」のように、あるまとまった数に単位をつけただけのものである。つまり本質的には「個」であり、本来次元であるべきだ――という議論が存在する。

確かにそうなのだが、モルは既に化学世界で浸透し尽くされており、これに際的な定義を決めないのも問題があるため、際度量衡委員会でSI基本単位のひとつとして設定されている。

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