ユニコーンガンダム(RX-0 UNICORN GUNDAM)とは、小説/アニメ「機動戦士ガンダムUC」並びにその派生作品に登場する機動兵器・モビルスーツである。
連邦宇宙軍再編計画の一環、「UC計画」の最終段階として開発された実験機。アナハイム・エレクトロニクス社のグラナダ工場で2機が製造された。
それ以前のMS(νガンダム等)でコクピット周辺にのみ使われていた構造材のサイコフレームを、全身の駆動式内骨格であるムーバブルフレーム全てに採用しフル・サイコフレーム構造とした結果、桁外れに高い機体追従性を実現した。
通常時はその名の通り、純白の装甲に額の一本角、フェイスガードに覆われたゴーグルアイが特徴のユニコーンモードで運用される。
一見すると真っ白なジムのような風貌をしているが、特定の条件を満たすと「NT-D」と呼ばれるシステムが発動する。
NT-D発動時は全身の装甲がスライド開放され体格が一回り拡張し、殺人的な機動力を保証するスラスター・バーニア類が剥き出しとなる。さらに額の一本角がV字型に割れフェイスガードの下からガンダムタイプの顔が現れるという、デストロイモードへ“変身”する。この際、装甲の隙間から露わになったサイコフレームの燐光がみられる。
サイコミュ思考制御システム「インテンション・オートマチック・システム」を採用しており、フル・サイコフレームと連動してパイロットのイメージを機体操縦にダイレクトに反映させることが可能。このシステムで機動性・運動性の劇的な向上を促し、マンマシーンインターフェイス(レスポンス・追従性)の改善にも成功している。なおこの操縦系を最初に採用したのはアナハイム社が開発したシナンジュ・スタインである。
武装はビームマグナム、ハイパーバズーカ、ビームサーベル、バルカン砲、Iフィールド発生器搭載型シールドなど。実験機というだけあって、武装にも実験的な試みが盛り込まれたものが見受けられる。以上がおおむね1・2号機に共通する概要である。両機の差異等については後述。
1号機搭乗者はバナージ・リンクス、2号機搭乗者はマリーダ・クルス→リディ・マーセナス。
なお、1号機にのみラプラス・プログラム(La+)と呼ばれる、当初の仕様に無いプログラムが追加されている。
UC計画とは、U.C.0094に公表された連邦宇宙軍再編計画の一環。その特性上、強化人間の搭乗を前提として設計されたユニコーンガンダムとそれをサポートする量産機ジェスタを開発、計画のフラッグシップとすることで、ジオニズムやその背景となるニュータイプ思想論を“技術の産物によるニュータイプ(=強化人間)”によって否定・殲滅し、U.C.0100のジオン共和国解体を迎えるにあたっての当面の憂いを排除する意図があると思われる。ユニコーンがガンダムタイプとして開発されたのも、ジオン根絶のためのプロパガンダ的意味合いが強い。
ニュータイプを殲滅する、その面に限って言えば、「UC計画=NT-D」というクロの言もあながち間違いでは無いというわけである(参考)。
インテンション・オートマチックに付随するシステム。
1・2号機両機に搭載された、フル・サイコフレームのオペレーティングを行うOS名である。
表向きはニュータイプ・ドライブの略であるとされるが、その実情はニュータイプ・デストロイヤーと呼ぶのが相応しい。
このシステムによって発動したデストロイモードではパイロットの感応波をサイコフレームが読み取り、駆動系にダイレクトに反映させるため、さながら自分の体を動かすような、究極的に言えば思考だけでの操縦を可能とする。
反面、その人体をイメージした挙動を人間の10倍以上のスケールを持つ20m級のモビルスーツで行った場合、パイロットへのGによる肉体的負荷はとてつもないものとなる。
専用の衝撃緩和装置(ショック・アブソーバー)や専用パイロットスーツによる対G負荷の薬理的軽減システムがあるとはいえ、サイコミュによる精神的負荷も合わせると稼動限界は5分前後とみられている。
しかしそこから生み出される機動力は凄まじく、ニュータイプ的能力を備えた強化人間ですら、初めて対峙した際は目で追うどころか気配すら感知しきれないレベルに達する。一説にはその最大加速度は瞬間的に20Gまで達するとされる。
また発動中は、ファンネルなどのニュータイプ(強化人間)の十八番ともいえるサイコミュ兵器の操作を奪い、逆に自らの支配下におくことも可能になる等、まさに“ニュータイプの駆逐”のためのシステムと言える。
ただしその仕様上、集団戦闘は不得手としており、インダストリアル7周辺における『袖付き』との決戦では、デストロイモードであっても敵一般機に圧されるなど、必ずしも万能というわけではない。なお、本来はこのような状況に陥らないように、露払いとしての役割をジェスタが負うこととなっていた。
ユニコーンガンダム1号機にカーディアスが搭載させたプログラム。実体は謎に包まれているが、サイアムの呈示した"ラプラスの箱を渡すにふさわしいかを試す"という"無理難題"を解決する手段としてカーディアスが完成させた。分かっている機能は以下の通り。
バナージの友人でアナハイム工専の学生でMSオタクのタクヤ・イレイが考案した、『袖付き』ネオ・ジオン艦隊との最終決戦に備えたユニコーンガンダムの重装備化プラン。
ネェル・アーガマ陣営とネオ・ジオン艦隊との圧倒的火力差を少しでも埋め合わせるべく、NT-Dモードのユニコーンガンダムに、ネェル・アーガマに残っていた予備の武器類を色々(ビームガトリングとシールドのセット×3、ハイパーバズーカ×2(砲身にマウントラッチを設けて後述のミサイル・グレネード類を搭載)、グレネード・ランチャー×2、スタークジェガンの肩部三連ミサイル・ポッド×2、ジェガンのハンド・グレネード×24、ビームマグナム、94式ベースジャバーからの流用ブースター)くっつけた結果、凄まじいほどの重装備となった。
しかもそれで帳尻が合っている……という触れ込みだが、さすがに重量/推力比は大幅に低下し、機動力は激減している。
なお、追加武装に関してはリモート操縦が可能で、サイコミュと連動したインテンション・オートマチックシステムで自動で照準を付け、パイロット(バナージ)が殺気を感知するだけで“ある程度は”標的へ自動攻撃を行うようになっており、また機体のバランスや重量を調整するため弾薬を使い切った武装は随時パージしていく。
ゲーマルクやドーベンウルフといった第四世代機に匹敵する武装の多さで、ネェル・アーガマに肉薄していた複数機のネオ・ジオン機を撃退した。
ちなみに追加装甲の類は全く装備されていないので、「フルアーマーと呼ばれるのはおかしい」とツッコミを入れる方もおられるだろうが…生みの親がそう名付けたんだからしゃあない。
また、プラモデルオリジナルの武装としてハイパー・ビーム・ジャベリンがある。折り畳み式の長柄の両端から槍状のビーム刃と斧状のビーム刃を発振でき、パーツの組み換えによってビーム・ハルバード形態となる。また、ビーム発振部にはサイコフレームが使用されている模様。非使用時は折り畳んでシールドとビーム・ガトリングの間に挟むように格納されるが、この状態でビーム刃を発振することも可能なマルチウェポンである。
本編中でユニコーンガンダムがこの武装を使う場面はないが、OVA版ではクシャトリヤ・リペアードが失った左前腕の代わりにハイパー・ビーム・ジャベリンの先端部分を肘関節に直付けするという形で登場している。しかしこの戦闘では取り回しの悪さが露呈し、バンシィ・ノルンに軽くいなされた上で叩き折られてしまった。
サイコフレームが緑色の覚醒状態で商品化される事が多いが、劇中では常時赤色のままで緑になったのは各種武装をパージした後である。
機体のシルエットを変えるほどの重装備ぶりは、刀や槍の束を背負って見得を切る古代の戦士
-東洋のムシャだかサムライだかを彷彿とさせる物々しさではあった。引用:機動戦士ガンダムUC⑨ 虹の彼方に(上)
アーケードカードゲーム「ガンダム トライエイジ」ビルドMS7弾にて登場したif設定機。「タクヤ・イレイがバンシィ・ノルンに搭載されたアームド・アーマーの存在を知っていたら」という設定の元に誕生した、別プランのユニコーンガンダム重装備化プランである。
NT-Dモードのユニコーンガンダムをベースにする点は変わらないが、武装としてネェル・アーガマ内の予備武器ではなく、バンシィおよびバンシィ・ノルンが装備していた各種アームド・アーマーを使用。背部にアームド・アーマーXCとアームド・アーマーDE(2基)、右腕にアームド・アーマーBS、左腕にアームド・アーマーVNと全てのアームド・アーマーをフル装備しており、さながら「フルアームドユニコーン」といった様相を呈している。
さらに、「マスターグレード フルアーマーユニコーンガンダムVer.Ka」に追加されていた新武装でありながら、OVA版でもユニコーンではなくクシャトリヤの左腕に直付けされていた武器、ハイパー・ビーム・ジャベリンを携行武器として用いる。また、一応ビーム・サーベルも通常通り背部にマウントされているが、ビームマグナムやシールドといった通常のユニコーンで使用していた携行武器は使用しない。「アームドアーマーを重装備している」という意味ではフルアーマーと言えなくもない。
サイコフレームはフェネクス同様、青色に輝く。プランBのBは劇中使用されたプランAとの識別だけでなく、「Blue」のBでもあるのだ。何故サイコフレームの発光色が変わるかは不明(メタ的には、発光色については福井晴敏も特に考えがあるわけではなく、単にデザイン上の都合であることを劇場アニメ『NT』の吉沢俊一がバラしている)。
ちなみに、本プランの解説においてタクヤは「やっぱりフルアーマーガンダムは、青色だよね!!」とのコメントを残した。これは「プラモ狂四郎」に登場した際にフルアーマーガンダムが、一般的に知られる緑基調ではなく青基調の塗装であったことに由来する。ビルドファイターズとの連動も行ったトライエイジでこそ活きるコメントである。
PG「ユニコーンガンダム」で追加された新形態。実はユニコーン系列が標準採用している仕様である。
想定外の現象を引き起こすサイコフレームを危惧した開発陣は、制御して抑え込むのではなく、むしろ「リスクを冒してでもサイコミュの力を引き出す」方向に舵を取った。
サイコミュ系が異常値(制御不能な値)に達した際、外部装甲が拡張し、サイコフレームがより広範囲に露出する。感応波の流量制限も解除され、通常のNT-Dと異なり全操縦権が機体に委ねられる。システムと直結状態となった搭乗者は安全が考慮されておらず、感応波を供給するだけの言うなれば生体パーツとして扱われ、NT-D(機体)に完全に支配されてしまう。
本編で1号機がデストロイ・アンチェインドに移行した事はないが、外伝「ラスト・サン」ではユニコーンガンダム3号機がサイド7宙域で行われていた連邦軍とジオン残党の戦闘に乱入して暴威を振るった。
アンチェインドとは繋がれざる者を意味し、MSが人と機構の楔から解き放たれた状態に由来する。
OVAのEP7及び『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』の最終話で、ユニコーンガンダムは擬似的なサイコフレーム「サイコシャード」が機体全面に発生した究極形態となった。公式ガイドブック(書籍)や新作アニメが出る度に弱体化修正(設定)を食らっていくという、アーケードゲームのプレイアブル機体のような、ある意味珍しい究極形態。
この形態のユニコーンガンダムは通常時よりも強力なサイコ・フィールドを展開、バンシィ・ノルンが展開したサイコ・フィールドと重ねる事で、コロニーレーザーの光線を相殺している。なおこの時、ユニコーンガンダム(光の結晶体)及びシールドファンネルのサイコ・フィールドだけでは、コロニーレーザー(8,500GW+α)の光線の貫通を許しているのが確認できるため、如何に当該究極形態であっても、単機では単位時間当たりに発生させられるエネルギー量には、ある程度の限界が存在することがわかる。
バンシィ・ノルンとの協力による防衛の後には、掌から放ったサイコ・フィールドにより、ゼネラル・レビル所属MS・SFSのジェネレーターを『あたかも時が巻き戻った』かのように分解・組み立て前の状態に戻してしまうなど、不可思議な現象を起こした。しかしその人智を超越した性能から、『機動戦士ガンダムUC』から1年後の『機動戦士ガンダムNT』ではユニコーンガンダム(1号機)はバンシィ・ノルン(2号機)と共に「シンギュラリティ・ワン」と呼称される事になり、サイコフレームに関しての研究開発は封印協定がミネバ・ラオ・ザビと地球連邦軍との間で結ばれ、1号機と2号機も解体・封印される運びとなった。
マウントアーム及びアームド・アーマーDEをナラティブ(NT)版フェネクスに換装した状態のフルアーマー・ユニコーンガンダム・プランB。
名前にある「Perfectibility」とは「完全にできる・完全の可能性」という言葉であり、他の機体に倣うと「パーフェクトユニコーンガンダム」と言うべき意味となる。基本的には上記のプランB同様だが、DEをNT版にしている為、機動時にテールスタビライザーが靡くより脈動的スタイルになった。
2018年9月30日よりダイバーズシティお台場のユニコーンガンダム立像前でプロジェクションマッピング『WALL-G』で映像公開されており(上映時間は19:30と21:00⇒2020年9月現在、21:00のみになっている)ネオ・ジオングとの最終決戦の「IF」として披露。同機体のHGUC/MG/RG/BB戦士もダイバーズシティお台場のガンダムベース東京限定で販売されている。
後発の登場形態ということもあり、ソシャゲでは上記の“光の結晶体”よりも更に高性能となっている。
UC計画で同時期に作られた2機のユニコーンガンダムだが、いくつか差異が見られる。
元々宇宙空間での運用テストのためにコロニー周辺で運用されていた1号機に対し、2号機は重力下での運用テストのために地球に降ろされていた。1号機が通称「ユニコーン」であるのに対して、2号機は「バンシィ」の名で呼ばれる。
その他2号機は、黒い装甲・額から伸びる金色の鶏冠・サイコフレームの発光色・La+を搭載していない…などの点で1号機と相違する。
NT-D発動時は2号機も1号機と同様の“変身”を行うが、2号機は額の鶏冠が割れるとライオンのような鬣(たてがみ)が形成される。
ちなみに1号機と2号機のユニコーンとライオンという組み合わせは、作中にも登場し、また実在するタペストリーの連作『貴婦人と一角獣』に描かれている一角獣と獅子がモチーフである。また、6枚目のタペストリー『我が唯一つの望みに (À mon seul désir)』は本作を通じてのテーマの一つともなっている。
タペストリーの詳細についてはwikipediaを参照。→wikipedia『貴婦人と一角獣』
1号機の空間機動性能データが2号機にフィードバックされているため、大気圏内での機動性は2号機が1号機を凌ぐ。
東京お台場の「ガンダムフロント東京」内の「DOME-G」にて2013年8月3日より公開された映像作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』にてユニコーンガンダム3号機「フェネクス」が登場した。
名前の由来はソロモン72柱の魔神「フェネクス」から。不死鳥として有名なフェニックスを悪魔としたものがフェネクスである。モチーフの由来は上記の『貴婦人と一角獣』に描かれた鳥である。
バンシィに似た頭部アンテナや背部に装備された2基のアームド・アーマーDEが特徴的なシルエットを形作っている。
機体色はかの百式やデルタガンダムを思わせる金色、デストロイモード時のサイコフレームの発光色は青色である。
デストロイモード時には頭部のアンテナや背部の2基のアームド・アーマーDEが鳥の翼のように展開し、機体色も合わさり、まるで不死鳥を思わせる姿に変身する。
3号機はガンダムUC本編開始以前のUC0095年にロールアウトしており、先行納入されていたサイコフレームの素体をベースに、1号機ユニコーンや2号機バンシィの開発データを元に建造された。
アナハイム・エレクトロニクス社、ひいてはビスト財団からは完全に独立した開発環境で建造されたMSであり、
ある地球連邦軍高官が、軍の再編計画である「UC計画」(下記参照)からAE社とビスト財団を排除する意図を持って建造を指示したとされており、機体にAE社やビスト財団のマーキングが施されていないことからも伺え知れる。
映像化に先駆け、アーケードゲーム「機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT」、及びPSPへの移植版「機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS」に参戦。
また「機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT」の続編である「機動戦士ガンダム EXTREME VS.」参戦。
そして「機動戦士ガンダム EXTREME VS.」のマイナーバージョンアップ版「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST」にて2号機バンシィも参戦。
フリーの3DCGムービー製作ツール「MikuMikuDance」において3Dモデルも作成されている。
ガンプラ・アクションフィギュアも豊富で出ていないシリーズを探すのが難しいレベル。いずれも造形が違うので好みのモデルを選ぶのがよい。2020年の最新作であるMGEX(マスターグレード・エクストリーム)はシリーズの第一弾としての登場で完全変形・劇中のアクション(サイコフレームの発光等)ほぼ再現可能という最高峰。
掲示板
1043 ななしのよっしん
2024/05/15(水) 19:42:58 ID: n56nwbLYia
>>1041
ZZのライフルが掠めただけで足溶けたなんて無かったし劇中同世代機に時々防がれてた事もあったのに対して、シャンブロのリフレクタービット破壊しながらコクピットぶち抜いたマグナムが同じな訳無い
たぶん出力はあちらが上でも収束方式とか違うんじゃないかな
1044 ななしのよっしん
2024/10/26(土) 13:51:47 ID: MA07dgdD9o
1045 ななしのよっしん
2024/10/26(土) 14:16:59 ID: b3azsoc6pY
>>1043
ダブルビームライフルもビームの周囲に拡散するエネルギーの余波だけでズサ数機をまとめて撃破したようなシーンがある
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最終更新:2025/03/22(土) 11:00
最終更新:2025/03/22(土) 11:00
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