ヨーロッパ 単語

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ヨーロッパ(Europe)とは、

1. 六大州の一つでユーシア大陸ウラル山脈より西側と周辺のからなる地域である。欧州とも書く。

2. スウェーデン出身のハード・ロックバンド1986年に「ザ・ファイナルカウントダウン」が世界的に大ヒットした。

本項では1について説明する。

概要

地理概念としてのヨーロッパは、西は大西洋、東はウラル山脈、北は北極、南は地中海に囲まれた地域をすのが一般的である。

もっとも、ウラル山脈より西側といっても厳密にどこからがヨーロッパなのかは結構微妙な問題である。特に、欧州連合EU)は、ヨーロッパのでなければ加盟することができない(EU条約第49条第1項)ため、どこまでがヨーロッパなのかが決定的な問題となる。

具体的には、トルコがヨーロッパのと言えるかどうかが政治的な論争となっている。また、人によってはウクライナベラルーシをぎりぎりでヨーロッパと看做し、ロシアはヨーロッパに含まれないと解釈している。ただし、1949年に設立された欧州評議会(Council of Europe)には47ヶが加盟しているが、ここにはトルコロシアはおろか、グルジアアゼルバイジャンアルメニアといったも含まれている。

ヨーロッパは、さらに以下のように分類されることがある。詳しくはそれぞれの用語のページを参照されたい。

ちなみに、ユーシアEurasia)という単語は、ヨーロッパ(Europe)とアジアAsia)とを合成して作られたものである。

歴史

紀元前2600紀元前1200年の間に、現ギリシャが位置するバルカン半島にて諸々の文明・民族が勃。その後紀元前800年ごろには「ポリス」と呼ばれるギリシャ都市国家群が形成され、ときにペルシャ帝国(現イラン)と争い、ときに都市国家間で衝突する。

そうして紀元前336年になると、かの有名なアレクサンドロス3世アレクサンダー大王ユーシアに跨る大帝国を建設した。大王の支配権拡大によりギリシャ文化オリエント中東文化融合しあい、「ヘレニズム文化」が誕生した。

大王帝国はその後瓦解するが、のちに都市国家である共和制ローマが台頭し始め、紀元前44年には地中海内海とする巨大な国家完成する。紀元前27年にはローマ政となり、ここに全にローマ帝国が成立。ヘレニズム文化古典ギリシャ文化を参考にローマ帝国文化は高まっていき、ヨーロッパ文化流を生む。

紀元後395年にはローマ帝国が東西に分裂、476年にはゲルマン人の傭兵隊長ドアケルにより西ローマ帝国が滅亡。その後ヨーロッパ世界東ローマ帝国(いわゆるビザンティン帝国)のもと時を重ねていくが、800年にフランク王国カール大帝が戴冠し、西ローマ帝国復活が掲げられる。そして962年にはオットー1世が「ローマ皇帝」として戴冠し、ここに神聖ローマ帝国(原形)が成立。西欧に「ローマカトリックゲルマン」による文化が生じる。

こうしてヨーロッパ世界東ローマ帝国を盟とするギリシア正教・東欧世界と、神聖ローマ帝国を中心とするローマカトリック教会西欧世界に二分した。

その後1453年をもって東ローマ帝国オスマン帝国により滅亡すると、近世以降、東欧世界ロシア帝国オスマン帝国が支配する地域となる。対して西欧大航海時代により植民地を確保するも、宗教改革三十年戦争により宗教的な価値観が著しく変貌した。さらに産業革命フランス革命により市民層が台頭し、近代国家を形成していく。

群雄割拠がしばらく続くが、ナポレオン=ボナパルトが現れ1804年に皇帝となると、彼のもと、市民革命が各に行き渡る。ナポレオン後、支配階級は市民の台頭を抑えるべくウィーン体制を敷くが、もはや民族義の台頭は手がつけられなかった。この流れをくみオーストリアハンガリー二重帝国サラエボ事件が勃発。これが混沌とした諸事情にまで飛び火しヨーロッパ世界混乱第一次世界大戦が勃発し、のちにナチスソ連などの台頭を誘発した。これを受けて第二次世界大戦が幕を開け、植民地支配底的に落、以後列強と称された先進国弱体化していった。

「欧州は統合されるべきである」という考え方は中世から存在したが、米国ソ連の台頭による欧州列強の相対的な地位低下を受け、欧州統合への機運は高まっていった。ヨーロッパは、第二次世界大戦後の冷戦期は米国を盟とする西側諸国西欧)とソ連を盟とする東側諸国東欧)とに分裂したが、西欧においては欧州石炭共同体(ECSC、1952年)や欧州経済共同体(EEC、1958年)の設立による国家間の統合が進められるようになった。冷戦後には東西対立もなくなり、ECSCやEECの後継者ともいえる現在欧州連合EU)には27の欧州諸が加盟している。

文化

日本で「ヨーロッパ」といえば、イギリスフランスドイツの宮殿イタリアスペインなどの並みを連想しがちである。とりわけ先進諸西欧あるいは南欧の印が強く、やかで歴史的な貴族文化を想像しやすい。

では東欧の方はどんな印か、と聞かれれば、ロシアなどの冷戦・旧社会主義営の「冷たい」ものを想像する人がいる。他にも神話的なギリシャを思い浮かべる人も多く、次いでルーマニア吸血鬼伝説ヴラド・ドラクリヤ)を連想する人もいるかと思われる。

東欧の一部は、長い間、イスラームオスマン帝国トルコの前身)の下に収まり、ややアジアイスラムよりの欧州文化を養ってきた。体は東ローマ帝国の「ビザティ文化」で、正教会やそのイコンなどが特徴的である。「丸いドーム状の屋根」がまさにビザティ文化建築である。このビザティ文化なるものも、遡ればギリシャ中東文化的に融合した「ヘレニズム文化」によるところがあり、ここにも東欧への西アジアが見受けられる。

西欧カトリックプロテスタントであるのに対し、東欧正教会という大まかな括りで精神的に統一されている。だが未だに人種的・宗教的対立の火種は払拭されていない。

宗教面

宗教キリスト教が最もポピュラーである。が、たんに「キリスト教」といっても教がいくらかに分かれているため、みながみな同じ思想とは限らない。もちろんユダヤ教イスラム教信者無宗教無神論者もいる。

東欧では正教会ギリシャルーマニアロシアなど)が、西欧ではローマカトリック教会が大半を占める。あまり宗教にこだわらない人からすれば、キリスト教といえば後者カトリック教会、と思いがち。イギリス北欧、それからドイツの一部では、宗教改革を経てカトリックから袂を分かったプロテスタント流となっているが、もちろんカトリック無宗教もいる。

HELLSING」「とある魔術の禁書目録」などの作品がこういった宗教背景ネタ元としているので、ニコニコでは興味を抱いた方もいるのでは。

食文化

文化においては、世界三大料理中国フランストルコ)の内、二カ料理を有している(トルコを欧州とした場合)。

ワインチーズといえばヨーロッパ、そんなイメージを持つ人もいるだろう。実際は中東アラビアが起であるが、ヨーロッパが連想されやすい。なぜならイタリアフランス料理が有名だからである。

フランススペインイタリアなどの西地中海圏の料理には、シチューパエリアパスタなど、日本でもお染みのものが多い。その一方で、ギリシャトルコなどの東地中海圏の料理には、オリーブオイルをふんだんに使用するものが多い。日本ではケバブが辛うじて有名か。

ドイツなどの中欧料理々の日常に根付いている。ハンバーグソーセージといえばお弁当の定番だった、という人も多いはず。

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