ラクシアとは、グループSNE制作のTRPGシステム「ソード・ワールド2.0」および「ソード・ワールド2.5」の舞台となる架空の世界。
公式によるアルファベット表記は「Raxia」。
いわゆる剣と魔法の世界ではあるのだが、若干機械文明的な要素が加味されており、
「人造人間が撃つ魔法銃の援護射撃を受けつつ、ランスを抱えた戦士が愛馬ならぬ空飛ぶ魔法バイクにまたがりドラゴンに突っ込む」
という状況が発生したりする。
また、魔力を秘めた剣「魔剣」の存在が世界観の中心に据えられており、世界を創造したのも神ではなく<始まりの剣>と称される強大な力を持つ魔剣という設定になっている。(システムタイトルの「ソード・ワールド」はこの世界観に基づいている。)
ラクシアにおける「神」は基本的に始まりの剣に触れその力を自ら行使できるようになった存在、もしくは既存の神から同様に力を与えられた存在とされている。(ただしその辺が曖昧に設定されている神もいる。)他のシステムや神話などでは自然神に類する神も例外ではなく、たとえば太陽神ティダンは人間が神の力を得て太陽を御するようになったものという設定である。
一部の種族には「始まりの剣>>>(越えられない壁)>>>神」と始まりの剣そのものを信仰するものもある。
ラクシアの神々の詳細についてはソード・ワールド2.0の神様一覧の記事を参照のこと。
ほとんどのヒューマノイド種族は人族・蛮族のいずれかに分類される。
多くのヒューマノイド種族は人間に端を発するが、このうち「第二の剣」イグニスに深く関連するのが蛮族である。(なお、「蛮族」とは人族側からの呼称で、彼ら自身は自らを「バルバロス」と称することが多い。)魂に"穢れ"を帯びるのと引き換えに人間を超える強力な力(と、往々にして異様な外見)を持ち、人族と敵対する(人族を食料とする種族も多い)。
種族の詳細についてはソード・ワールド2.0の種族一覧の記事を参照のこと。
ラクシアの生物の多くは魂を持つが、この魂はいくつかの要因で"穢れ"を帯びることがある。
例えば死後蘇生すると魂は"穢れ"を帯びる。これはラクシアでは魂は輪廻を繰り返しいずれ神々の兵士となるものとされており、蘇生はその流れに逆らう行為であるからとされる。(このため他のシステムでは司祭や神官が扱うことが多い蘇生魔法は、ラクシアでは操霊魔法という別系統の魔法体系に入る。)
魂が穢れきってしまうとアンデッドとなり世に災いをもたらすが、生前より多少腕力などは向上していることが多い。蛮族はこの能力向上を意図的に魂を"穢れ"させることで得た存在とも言える。
ちなみにPCも特定の種族を除いて蘇生すれば魂が"穢れ"を帯び、さらに繰り返すとアンデッド化(=NPC化)するが原則としてその過程で能力が向上することはない。(死に強化とかされても困るしね、仕方ないね)
魔法体系「魔動機術」に基づいて作られた魔法装置。先述の「機械文明的な要素」がこれである。
最盛期には数多くの魔動機が作り出され、都市間は魔動転送機で接続され倉庫では大型魔動機が清掃・運搬を担い、魔法弾をぶっぱなす自走魔動機が戦場を駆けるというちょっと見にはサイバーチックにも見える文明が栄えた。
ただし、人族-蛮族間の世界規模の戦争<大破局(ディアボリック・トライアンフ)>により、魔動機術の多く(特に新たに魔動機を制作する技術のほとんど)は失伝し、多くの魔動機は扱うのもやっとというロストテクノロジーの産物と化している。
ラクシアにおける「冒険者」は、基本的に「脅威から人々を守る」存在が源流とされている。このため、冒険者の存在はおおむね社会に認知されたものであり、「ならず者」のイメージは必ずしも当てはまらない。
冒険者の出自や活動については地域ごとに特色があり、詳細は地理の項を参照のこと。
詳細はルールブックおよび各サプリメントに譲るが、おおむね以下の様な歴史をたどったとされる。
歴史以前 | 何も無い大地に<始まりの剣>が現れ、自身の使い手を求めて世界の創造(というよりはテラフォーミングと言う方が近い?)を開始した。 多数の生命を創造した末、頑健さには恵まれないものの器用さと知恵を持つ人間が誕生。 |
神紀文明(シュネルア)時代 | 人間の一人ライフォスが「第一の剣」ルミエルを見いだし、神となる。 ライフォスと彼によって誕生した神々により人間は勢力を増し、最初の文明が発展。 |
神々の戦い | 「第二の剣」イグニスを見いだしたダルクレムがその力でライフォスたちに戦いを挑み、戦乱が勃発。ダルクレム陣営は蛮族を生み出し、後の人族-蛮族対立構造の基礎が成立した。 戦いの中「第三の剣」カルディアは戦乱の拡大に使われることを嫌い自壊、ルミエルとイグニスは行方不明に。神々は現し身を失った。 |
魔法文明(デュランディル)時代 | 魔法が高度に発展し、強力な魔法を操る「魔法王」たちが絶対の存在として君臨した時代。(今のところ)不明な理由で、唐突に終わりを告げる。 |
魔動機文明(アル・メナス)時代 | 魔法王達の専制へのアンチテーゼとして「誰にでも使える魔法」を目指して開発された魔動機術の隆盛により人族がほぼ地上を支配し、蛮族はほぼ地下へ潜る(文字通りに)ことを余儀なくされた。それには"穢れ"を持つ蛮族たちにとって天敵とも言える魔剣<守りの剣>が量産されたことが大きい。 |
<大破局(ディアボリック・トライアンフ)> | 蛮族による一大反攻に始まる戦乱。初手で魔動機主体のインフラを破壊された人族は総崩れとなり一時は全滅の目すら見えたが、どうにか持ち直し滅亡は免れた。 ルールブックではこれを「人族の勝利」としているが、地上の相当の領域は蛮族の領土となり、今なおにらみ合いが続いているというのが実情である。 |
現代 | 人族領域と蛮族の領域がにらみ合い時には衝突する中、人族の領域内部でも大破局後に興った国、大破局以前から生き延びた国などが入り乱れ複雑な勢力関係を築いている。 なお、ルールブックに規定される時代は<大破局>終結後およそ300数年を経た時代である。 |
設定で天体であると規定されており(これは魔動機文明時代に発見されたが、今は知るものは少ないとされる)、大きさ・環境は現実の地球に似ているという設定。ただし1ヶ月は30日で、12ヶ月で1年を構成する(これが公転周期と一致するかどうかまでは規定されていない)。また1日は24時間、分・秒の単位も存在する。(明記はされていないが、1時間=60分=3600秒、と考えてよいと思われる。)
海といくつかの大陸・島が存在し、2018年現在では以下の大陸および周辺の諸島が公式設定として公開されている。
テラスティア大陸はラクシア南半球に位置し、その北部にレーゼルドーン大陸が存在する(注1)。両大陸は海峡で隔てられているが、巨大な橋によってつなげられている。
テラスティア大陸は比較的人族がその版図を取り戻しているが、かなりの領域が蛮族の支配下にある。また、レーゼルドーン大陸のほとんどは蛮族の支配領域である。
テラスティア大陸における「冒険者」は、<大破局>終結後大幅に支配領域を減じた人族が、かつての居住領域から文明の利器を回収したり、蛮族の脅威から人々を守るいわゆる「義勇兵」に端を発する設定になっている。
人族の町には多く「冒険者の店」と呼ばれる冒険者への依頼仲介、寝食や一部の装備品・消耗品の提供を行う業者が存在しており、自宅を構えるまでに至っていない冒険者にとっての活動の拠点となる。
北部にザルツ地方・リーンシェンク地方・リーゼン地方・ダグニア地方
西部にユーレリア地方・レンドリフト地方・シエナクェラス地方・ハインラト地方、
南部にフェイダン地方、
東部にノルダール地方・ビオ地方・プロセルシア地方・アノン地方・モーロック地方を擁する。
また、リーゼン地方南部~シエナクェラス地方東部に蛮族領カルゾラル高原が、
フェイダン・ノルダール両地方に接するようにして蛮族領ディルフラムが広がる。
ダグニア地方北東部の海域は蛮族領ダノス海となっている。
ニコニコ大百科にはザルツ地方・リーゼン地方・フェイダン地方のいくつかの国家について記事がある。地方・国家の詳細については各記事を参照のこと。
大陸の南部、エイギア地方のごくわずかな領域が人族の版図であり、ほとんどは蛮族の支配領域である。
すべての魔剣は<始まりの剣>の複製改造品ということになっており、いずれも「自らの使い手を求める」という根源的な欲求を持つ。そのため、多くの魔剣は自らを奥に秘めた迷宮を作り出し、自らを手に入れようとする者の挑戦欲をかき立てようとすると同時にその資格なき者達をふるいにかける。迷宮には魔剣それぞれの個性が反映されることが多く、巧妙な罠が仕組まれているのはもちろん、魔物や宝物もどこからともなく呼び寄せられる。
メタいことを言えばハック&スラッシュのダンジョンシナリオを作りやすくするための設定。
なお客引きのため宝物を大盤振る舞いしすぎて自分自身にたどり着く気がない連中が押し寄せる羽目になった魔剣もあるらしい。
ソード・ワールド2.0の舞台が(公式サポートしている中では)ラクシア南半球に位置するテラスティア大陸とその北にあるレーゼルドーン大陸南部であったが、「ソード・ワールド2.5」より公式サポートする大陸として北半球にあるアルフレイム大陸が用意された。
アルフレイム大陸では飛空挺などの空を飛ぶ魔動機は余り発達していない代わりに、魔動機の鉄道など地面をはしる大陸内の交通網が発達している。
アルフレイム大陸とテラスティア大陸の位置関係は、おおよそ現在の地球で例えるならばアルフレイム大陸はユーラシア大陸でテラスティア大陸は南アメリカ大陸といった感じの位置関係となっている(形や大きさの関係で若干一致していない)。
両大陸は航路が確保され、その航路上に「ソード・ワールド2.0LARP」の舞台として用意されたラファリア群島が存在する。
アルフレイム大陸では冒険者の源流はテラスティア大陸やレーゼルドーン大陸南部の冒険者の源流より古く、古代魔法文明時代末期の頃までにさかのぼる。
当時とある魔法王が大規模な魔神の召喚の儀式を行って“奈落(アビス)”と言う異次元と繋ぐ巨大な穴を生み出したが儀式は失敗。奈落から魔神の大規模な召喚には成功したものの制御に失敗し数多くの強力な魔神が破壊と混沌を引き起こした。
そのため当時の古代魔法魔法王達は協力して奈落から魔神が出ないよう巨大な壁を作り、その上で強力な結界を奈落に張って奈落を封印した。
その巨大な壁の内側では“壁の守人(ウォールガーディアン)”が奈落に施された結界を破ってあふれ出ようとする魔神達と常に戦っており、その“壁の守人”がアルフレイムの冒険者の源流である。
そのためアルフレイムの冒険者は「弱き人を守る」ことを不文律としている。
アルフレイム大陸の冒険者は基本的に冒険者ギルドとよばれる大規模な組織に所属している。この組織は前述の通り「弱き人々を守ること」を大義としている。PCが所属するであろう支部の雰囲気は、テラスティア大陸やレーゼルドーン大陸南部に存在する冒険者の店と同じ感じである。
しかし、明確なネットワークや組織が規定されていない冒険者の店と異なり、支部所属といえどもギルド本部から直に大規模な依頼を受けることもあるし、内容によっては依頼人の代わりに冒険者ギルド本部が報酬を支払う事もある。
またギルドが大規模なためサービスが行き届いており、例えば何らかの理由で死亡者が出たとしても、PCを蘇生させてくれる腕の良い操霊術師に頼んで無利子無担保で死亡者を蘇生させてくれたりもしてくれる。
(蘇生費用はギルドからの依頼の報酬から天引きされる。)
テラスティア大陸やレーゼルドーン大陸南部にある遺跡や魔剣が生み出した“魔剣の迷宮”の他に、アルフレイム大陸では奈落の影響で光さえ吸い込んでいるような黒い球体のような異界に繋がる穴が時折出現する。
これを“奈落の魔域(シャロウアビス)”と呼び、地上はおろか空中、あるいは地中にも発生する。そしてこの「穴」は放置していれば周囲に魔神等を呼び出し大変危険なものである。
奈落の魔域は“奈落の核(アビスコア)”と呼ばれるものによって生み出されていて、そのため冒険者には発見された奈落の魔域にある核の破壊の依頼も舞い込んでくる(核の残骸は時に貴重な魔法の品を作る材料として高額で取引されることもあるとか)。
なおメタな事を言うと魔剣の迷宮と同じくハック&スラッシュのダンジョンシナリオを作りやすくするための設定であり、必ずしも奈落の魔域の中だからといって魔神を出す必要はない(ゲームマガジンの記載のシナリオでも出現して居るのは魔神ではなく蛮族である)。
一言で言うとソード・ワールドファーストの『ファーランド』のソード・ワールド2.5版、すなわち公式側が一切設定することがない大陸?である。(注2)
一応、具体的な位置としてアルフレイム大陸南東に存在する混沌海の大洋の彼方に位置するとされている。テラスティア大陸の位置も考慮すると、おおよそ地球換算で東南アジア諸島~オーストラリア大陸辺りの付近にある大陸といった感じであろうか。
1. ワールドデザイナーの人曰く、霧の街(『ソード・ワールド2.0 サプリメント ミストキャッスル -蛮都からの生還-』及び『ソード・ワールド2.0 サプリメント ミストグレイブ -蛮都への復讐―』の舞台)辺りに赤道が通っているとのこと。(『ソード・ワールド2.0リプレイ レーゼルドーン開拓記3巻』より)
2. ?となっているのは公式が設定せず、基本GMが自由に設定出来るため。邪神の【コールゴッド】の結果や災害のせいで大陸が水没したり、粉砕したりして諸島海域になっていたり、大破局のさいの魔神の召喚に失敗し丸ごと奈落の領域となっていようが何も問題なく・不思議ではないためである。
ソード・ワールド2.0記事の該当項目を参照ください。
掲示板
13 ななしのよっしん
2018/07/14(土) 04:36:57 ID: MgTqUCFxQh
ID: AyeyW/ElPG
8-11までの文章書いた人です。
すみません。こちらが記入ミスと書いた方が書いた方がいいアルフレイム大陸の冒険者についてぬけているのにきがつきました。
誤 奈落の領域 → 奈落の魔域 (フリガナには問題なし)
項目アルフレイムの冒険者に追加(どの辺に書くのが良いのかちょっと分からない)
アルフレム大陸の冒険者は基本的に冒険者ギルトとよばれる大規模な組織に所属している。この組織は「弱き人々を守ること」を大義としている。CPが所属するであろう支部の雰囲気はティラスティア大陸やレーゼルドーン大陸南部に存在する。冒険者の店と同じ感じである。
しかし、ギルト本部から大規模な依頼を受けることもあるし、内容によっては依頼人の代わりに冒険者ギルド本部が報酬を支払う事もある。
またギルトが大規模なためサービスが行き届いており、例えば何らかの理由で死亡者が出たとしても、PCを蘇生させてくれる腕の良い操霊術師に頼んで無利子無担保で死亡者を蘇生させてくれたりもしてくれる。
(蘇生費用はギ
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
14 ななしのよっしん
2018/07/16(月) 20:14:13 ID: AyeyW/ElPG
>>13
ひとまず「奈落の魔域」の訂正済ませました。
冒険者ギルドの解説ですが
「~冒険者の店と同じ感じである。
しかし、ギルト本部から大規模な依頼を~」
の「しかし」のところでちょっと意図がつかめなくて困っています。(細かくて済みません)
・テラスティアの冒険者の店と違ってギルド本部という組織が前面に出てくることがある、という意味の「しかし」
・支部ではなく本部からの依頼もある、という意味の「しかし」
・それ以外
の、どの意味になるのでしょうか……
15 ななしのよっしん
2018/07/17(火) 06:12:11 ID: MgTqUCFxQh
>>14
しかしで区切った後の「ギルト本部から大規模な依頼を受けることもあるし、内容によっては依頼人の代わりに冒険者ギルド本部が報酬を支払う事もある。」の等、冒険者の店と異なる点として「しかし、」として使用しました意味が分かりにくい文章書いてすみませんでした。
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最終更新:2024/04/25(木) 07:00
最終更新:2024/04/25(木) 07:00
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