ラザール・ロボス(Lassalle Lobos)は、小説・アニメ「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.大木民夫(石黒監督版アニメ)、花輪英司(Die Neue These)。
自由惑星同盟の軍人。宇宙暦796年時、宇宙艦隊司令長官・元帥。
帝国からの亡命者を母親に持つ。 宇宙暦790年代なかばには大規模戦闘の多くで同盟軍総司令官として指揮を執り、同盟軍の勢力維持に貢献する。しかし宇宙暦796年、帝国領侵攻作戦において総司令官を務め、その大敗の責によって辞任・退役した。
石黒監督版アニメ、「Die Neue These」ではともに、小太りだが同時に軍人らしいガタイの良さを併せ持つ初老の提督として描かれている。
若い頃からシドニー・シトレとライバル関係にあり、第五次イゼルローン要塞攻防戦などの結果元帥昇進は先を越されることとなった。ロボスも宇宙暦793年を通して帝国軍に対する優勢の確保に功があったことから、同年末に元帥に昇進した。また、時期は不明ながら宇宙艦隊司令長官に就任している(総司令官として参加した794年4月のヴァンフリート星域会戦時にはすでに任じられていたものと思われる)。
ヴァンフリート星域会戦では全軍の指揮を執ったが、もとより大軍の展開に適さぬ入り組んだ空間であったことから各艦隊に対し効率的な指揮が執れず、総司令部と各艦隊との連絡が事実上不可能なまま各艦隊が各個に戦闘する形となってしまった。ただし、無為な戦闘ではあったものの、帝国軍の迎撃には成功している。
その後第六次イゼルローン要塞攻防戦を総指揮。戦闘にあたっては、迅速な展開によって帝国艦隊の機先を制し、回廊出入り口を固めることに成功している。緒戦ではラインハルト・フォン・ミューゼル指揮下の分艦隊に悩まされたもののヤン・ウェンリーの献策でこれを撃退。しかし、同盟軍上層部が戦力を出し惜しみしたために壊滅させることはかなわなかった。また、この場合は有能だったウィレム・ホーランド少将によるミサイル艦部隊による要塞急襲作戦について、まだある程度まともに見える事を言っていた士官学校首席のアンドリュー・フォーク中佐が同じことを言い出したこともあって実行させ、戦術的には成功させている。
翌年、第三次ティアマト会戦では、増援として手配されていた二個艦隊の動員が遅れたこともあって戦場後方に留まり直截に指揮を執っていない。しかしこのために指揮権が不明確となり、昇進し第11艦隊司令官となっていたホーランドの独走を招く結果となった。また、この戦いののち、前線への輸送部隊の護衛艦に対し戦力保全を命じたことが護衛艦の独断での後退を招き、「グランド・カナル事件」が発生する要因となっている(OVAでは第三次ティアマト会戦の直前)。
第四次ティアマト会戦でも総司令官を務める。帝国軍ラインハルトによる予期せぬ転進で混乱し乱戦にもつれこんだものの、参謀長ドワイト・グリーンヒル大将が提案した帝国軍後方への陽動部隊進出などの結果、痛み分けの形で事態を収拾、損害を出しつつも無事に帝国軍を撃退した。
その後しばらく戦闘指揮の機会は無かったものの、宇宙暦796年、第七次イゼルローン戦で第13艦隊がイゼルローン要塞を奪取すると、政治的な思惑から帝国領侵攻作戦が決定。格上の統合作戦本部長を務めるシトレへのライバル心もあり遠征軍総司令官に就任する。この時は8個もの艦隊の総司令官ということもあってあくまで総司令部を置いたイゼルローン要塞に留まり、前線に出ることはなかった。
しかし作戦参謀を務めたフォーク准将がアレであり、またロボス自身具体的な作戦立案をフォークに丸投げしていたこともあり、帝国軍による補給部隊襲撃などもあって事態は次第に悪化していく。
総司令部ではフォークが専横しだし、アレクサンドル・ビュコック中将が火急にロボスとの面会を求めた時も、自身を通すように要求して一喝される始末。その上その時ロボスはまったり昼寝の最中であり、(総司令部が認識していなかったとはいえ)深刻な事態が予想される中、「起こした奴は反革命罪で銃殺」「敵襲以外起こすな」と厳命し撤退の好機を逃してしまった。
そして帝国軍の総反攻が始まるに至り、情勢は同盟軍にとって最悪の展開となる。
前線部隊から次々と接敵・敗北・撤退の報告が上がり、通信途絶する艦隊も出る中、イゼルローンまで撤退するべきという総参謀長グリーンヒル大将の意見具申を採らずアムリッツァ星域での会戦を指示。結果、数倍の敵艦隊に抗しえず第8艦隊を始めとして有為な兵員と艦艇をさらに失い、侵攻作戦全体では2000万の戦死者を出す大敗を喫することとなった。
この惨敗によりロボスは責任をとって退役を余儀なくされた。この際、ライバルであるシトレもまた制服組トップとして統合作戦本部長から退任、退役している。
大雑把という評価はあるものの戦術指揮能力は十分に優れており、事態処理能力にも低からぬ評価を受けるなど、前線でも後方でもその能力を示したとされる人物。大雑把な面も総参謀長ドワイト・グリーンヒルの補佐により補いをつけており、本来の能力で言えば確かに宇宙艦隊司令長官にふさわしい才幹と経験の持ち主であったといえる。
第六次イゼルローン戦でも、戦況膠着と見ると(個人的な打算はあったにせよ)戦闘続行に固執せず退却の果断を下している。しかしこの後のラインハルトの突出行動に際してはグリーンヒルを通したヤン・ウェンリー大佐の献言を容れず、麾下の部隊が釣り出されることを許してしまう結果となった。
また第四次ティアマト会戦において帝国軍後方への陽動部隊を編成するにあたり、半ば乱戦状態の最前線から戦況に影響させることなく少数ずつ艦艇を抽出してのけた手腕は、第2艦隊参謀として眺めていたヤン・ウェンリー准将にも賞賛を受ける巧妙なものであり、往時の才幹を示したものといえるだろう。
しかしその後は彼自身の老いが進み(シトレとの確執に知能を磨り減らした、あるいは帝国の女スパイに引っかかり梅毒をうつされた、などという流言が飛び交っている)、もともと片鱗を見せていた頑迷さが勢力を伸ばし、またライバルであるシトレが格上の地位に付いているがゆえの焦りから帝国領侵攻作戦に積極的に賛同し、その総司令官となる。
そして帝国側が焦土作戦を取る中、艦隊戦での勝利を求める同盟政府の圧力と自身の功名心、なにより8個艦隊も動員して何も成さずに無為に撤退することへの恐れから退却の決断を下せず、帝国軍の反攻が始まるに至っても一応の戦果を求めてアムリッツァへの集合を命じたことで損害を拡大してしまった。
彼がその晩年において明らかに知的に衰弱し完璧な決断を下せない状況下にあったことは否定しようがないが、少なくとも帝国領侵攻作戦が始まるまではそれを明確に示すような誤謬を示さなかったのは事実であり、また侵攻作戦の総司令官としても、あくまで用兵の総責任者にすぎない以上、敵の姿が見えない状況で政府の要望を無碍にして撤退を命じたりといったことが難しい状況下にあったのもまた事実である。
アムリッツァへの集合命令にしても、姿を見せた敵艦隊に戦力を集中し一撃を加え、すでに定まった敗戦の中でも一矢報いるという観点から見れば理解できない類のものではない。また、そもそも同盟軍じたいに「帝国軍を迎撃する」という以上の戦略構想経験がなく、したがって、戦術能力への評価によって宇宙艦隊司令長官の地位を得たロボスにとっておそらくは実質的に未経験であろう戦略的判断を下すことを強いられたという側面も無視できない。
彼もまた、旧時代においては相応の能力を有していたにもかかわらず、時勢の変化に対応しきれなかったがための誤謬によって晩節を汚したひとりであったといえるだろう。
掲示板
71 ななしのよっしん
2023/09/25(月) 17:20:32 ID: qxfqd3VfaZ
正直なところ同盟のゴミっぷりを表すためだけにいるって感じ
ヤンですら「あなたも所詮人殺しの仲間」って批判が来てたし
ロボスへのバッシングはこれの比じゃないだろうな
72 ななしのよっしん
2024/02/08(木) 09:39:58 ID: eOWJ2O7/5q
元帥にまで上り詰めた本編前までの描かれていない活躍と、アムリッツァにおける昼寝の無能描写の落差が激し過ぎて。
無理矢理昼寝に意味を付けるとすれば、実は帝国侵攻作戦時には、帝国内の反ローエングラム派と密約があって、彼らとの会談のための時間を「昼寝」と呼んでいた。
当然帝国内と通じているなんて公にできないし、そのことを知られるわけにもいかないので、その時間は絶対不可侵の「昼寝」としていた。
ほんのひと握りの人物しか知らず、グリーンヒルはもちろんフォークも知らされておらず、「昼寝」という行動だけが一人歩きしていた。
ということが後世の歴史家に発掘され、真偽を調査しているなんて。
73 ななしのよっしん
2024/03/19(火) 00:20:44 ID: fqlWY5TmvS
老いた白豚に擁護する価値があっただろうか。
過去の実績を晩節で汚しては何の意味もない
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最終更新:2024/10/12(土) 22:00
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