ラテン文字(ラテン・アルファベット)とは、ラテン語や英語等の表記で使用される音素文字の1つ。
日本では「英字」、「英文字」、「ローマ字」、又は単に「アルファベット」とも呼ばれ、この正式名称を知らない人も多いかもしれない。
もともとラテン語を書き表すためにエトルリア文字を元にして生まれた物。他系統の単語を書き表す必要に応じて他の文字が追加されていき、現在の文字体系となった。
原則(※英語に関してはお察しください)1文字が1音を表すので、狭義のアルファベットの文字体系に属している。
ラテン語以外に、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、オランダ語、スウェーデン語、ポーランド語、チェコ語、トルコ語、ベトナム語、インドネシア語、タガログ語、スワヒリ語・・・等々でメインの記述文字として使われている。
西欧文化の波及にともなって、ベトナム語であればチュノム・漢字からラテン文字へ、インドネシア語であればジャウィ文字からラテン文字へ、国策としてメインの記述文字を切り替えている例が多い(ジャウィ文字は今でも義務教育で習うが一般的なのはラテン文字記述)。
日本語(かな・漢字)、中国語(漢字)、アラビア語(アラビア文字)、ロシア語(キリル文字)のように今はメインの記述文字として使わないところでも、ほとんどの場合ラテン文字での記述法が一応確立している(日本語でいうローマ字、中国語でいうピンイン等)し、弱小語の場合は併用・切り替えの可能性が検討されているところもある。
数が限られ覚えやすく国際的に通用するので、記述文字として使うかどうかにかかわらず、世界中で物品等の識別記号、固有名詞、箇条書き等の通し番号、数式等でラテン文字が使用される。
国際的に標準とされているのは以下の26文字である。
大文字 | 小文字 | 一般的な読み (原則、英語準拠) |
古典ラテン語での名称 | 大文字 | 小文字 | 一般的な読み (原則、英語準拠) |
古典ラテン語での名称 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A | a | エイ、エー | アー Á | N | n | エヌ | エヌ EN |
B | b | ビー | ベー BÉ | O | o | オー | オー Ó |
C | c | シー | ケー CÉ | P | p | ピー | ペー PÉ |
D | d | ディー、デー | デー DÉ | Q | q | キュー | クー QV́ |
E | e | イー | エー É | R | r | アール | エル ER |
F | f | エフ | エフ EF | S | s | エス | エス ES |
G | g | ジー | ゲー GÉ | T | t | ティー、テー | テー TÉ |
H | h | エイチ、エッチ | ハー HÁ | U | u | ユー | (後に追加) |
I | i | アイ | イー ꟾ | V | v | ブイ、ヴィー | ウー V́ |
J | j | ジェイ、ジェー | (後に追加) | W | w | ダブリュー | (後に追加) |
K | k | ケイ、ケー | カー KÁ | X | x | エックス | イクス IX、エクス EX |
L | l | エル | エル EL | Y | y | ワイ | ユー Ý、イー・グラエカ ꟾ GRAECA |
M | m | エム | エム EM | Z | z | ゼット、ゼッド、ズィー | ゼータ ZÉTA |
ニコニコ大百科では全26文字について、個別の記事が作成されている。小文字や、J、U、W は中世になってから生まれた。
文字を美しく描く「カリグラフィー」という文化があるが、小文字もその文化により生み出されたもの。といっても、美しさのために生まれたのではなく、利便性のために自然発生したという方が近い。美しさと効率のよさを両立させようとした書体も多く、ゴシック体(ブラックレター)の系統がその最たるものだろう。少々読みにくいのが玉に瑕。
ちなみに、26文字だけで「´」「`」「ˆ」「¨」「˜」等の読み分け符合や追加字をまったく使わないのは英語くらいである。本来ラテン語の音を表すための文字なので、他言語で用いる際は符号や追加字がないと、文字が足りなくなることも多い。多重音字(th,chなど)を使う手もあるが、英語の場合文字が足りない以前に、綴りと発音の一致性が低いという問題がある。これは発音が大きく変化したにもかかわらず、正書法が改訂されなかったため。ただ、そもそも改訂というのは困難な場合が多い。
こうしたこともあって、英語はラテン文字を使っているくせに単語を見ただけでは正しい読み方が分からないという、おかしな言語になっている。イタリア語あたりが国際語だったら苦労しなかったのに・・・
英語以外のヨーロッパの言語のうち、綴りと発音の関係が曖昧な言語にデンマーク語がある。ただ、こちらは音素(母語話者が持つ音の括り)が不安定な言語であることにも原因があるかもしれない。ラテン文字は音素文字であり、理想的には「話者本人の音の認識を忠実に表記する文字」だが、その音素自体が不安定であったり、同じ音素の発音の振れ幅(異音)が大きいとややこしくなる。たとえばデンマーク語での d は、語頭以外で普通の d とかけ離れた聞こえの発音になることがあるが、デンマーク人にとってはどちらも同じ音である。アメリカ英語でも t がたまにラ行のようになるが、やはり本人たちからすればそれも t である。外国人にとってはややこしいが、綴りとの不一致以前に同じ音素なのでしょうがない。まったくラテン文字に限った話ではないが…。
掲示板
38 ななしのよっしん
2012/02/27(月) 02:16:15 ID: 1xfK6xNSpK
>>36
切り裂くものはわからないけど、勝利の剣はGladius Victoriaeだよ。
39 ななしのよっしん
2013/04/14(日) 17:45:22 ID: vu3qRIICnw
グングニルってラテン語じゃないし意味も全然違うだろ・・・
んで「斬り裂くもの」は CAEDO+ES で CAEDES とかじゃねえの
と思ってたら主に「人殺し」の意味でワロタ
まあ CAEDO が「切る・殺す」って意味の単語だからだけどさ
40 ななしのよっしん
2015/01/12(月) 00:40:50 ID: DV8bWkExDV
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最終更新:2024/12/07(土) 08:00
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