ラブテスターとは、1969年に任天堂から発売された「愛情測定器」である。当時の価格は1800円。
電流を測る「検流計」を応用した玩具。白黒を基調にした本体から黒と赤のコードが延びており、コードの端には大きなボタンのような金属(テスター)が付いている。これを男女それぞれで握り、空いている方の手を握り合うと、本体が人体に流れる微弱な電流を感知して針が振れる。これを「愛情度」として「ラブ」という単位で測るという寸法である。
親密な男女が手を握ればそのぶん汗をかくだろうから電流も流れやすくなるわけで、意外と理にかなった仕様であるとも言える。ちなみに説明書には「キスをしたほうが水分が多くなって愛情度が高くなります」なんて、きわどい記述もある。当時は「キスしたけど愛情度が上がらなかったぞ!」というクレームが寄せられたなんていう話も残っているが。
当時(昭和44年)は「手をつなぐ」だけでも結構きわどい行為とされていた時代であり、「公然と手をつなぐことが出来る」道具であるラブテスターはなかなか挑戦的な商品だった。またラブテスターは任天堂では初めての電子部品を使用したエレクトロニクス玩具でもあり、高度成長期の変革の中で発売された、商業的な意味でも挑戦的な商品でもある。
開発者は「枯れた技術の水平思考」の言葉で知られる横井軍平氏。ゲーム&ウォッチを電卓から発想したのと同じく、「検流計」という使い古されたもの(枯れた技術)から「手をつなぐ」という水平思考を経て着想した商品であると言える。ちなみにラブテスター発売の3年前、横井氏はマジックハンドの元祖「ウルトラハンド」を作り、120万個を売り上げる大ヒットとなっている。
任天堂の商品の中でも一種独特の存在感があり、近年も小ネタとして任天堂のゲームなどに登場することがある。
また近年はプライズゲームの景品としてタイトーからデザイン変更版が、テンヨーからは完全な復刻版が発売された。
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最終更新:2024/04/20(土) 02:00
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