ラルフ・シューマッハとは (ラルフシューマッハとは) [単語記事]

ラルフ・シューマッハ（Ralf Sc hum acher, 1975年 6月30日 - ）とは、ドイツ出身の元F1 ドライバーのことである。

経歴

1994年にドイツ F3選手権に初参戦、デビュー戦から速さを示し、その後もコンスタントに表彰台に立つ活躍を見せ、シリーズ3位（獲得ポイント：158P）の成績を残し注目を浴びる。

1995年も引き続きドイツ F3に参戦、3勝をあげチャンピオン争いを繰り広げるものの、惜しくもシリーズ 2位（171P）。11月に参戦したマカオGPでは総合優勝を達成。6年前（1990年）にミハエルも総合優勝しており、マカオGP史上初の兄弟で優勝を達成した。

翌年は兄からの強い勧めもあり日本を舞台に戦うことを決め、フォーミュラ・ニッポン、全日本GT選手権に参戦。フォーミュラ・ニッポンではベテランの星野一義やF1参戦経験のある服部尚貴、後にF1まで昇格する中野信治や高木虎之介らと凌ぎを削り、優勝争いは最終戦までもつれた。

雨の降りしきる中の最終戦、ラルフは序盤にスピンしリタイアしてしまったものの、星野、服部、高木もリタイア、中野もミスから順位を落とし3勝をあげていたラルフが初代王者に輝いた。並行して参戦していたGT選手権でも3勝、ランキング 2位と双方のカテゴリで好成績を残した。

1997年、第3戦アルゼンチンGP3位で初の表彰台とポイント獲得。しかしこのレースで、同僚ジャンカルロ・フィジケラと絡みリタイアに追い込んでしまうなど、入賞6回リタイア10回と速さを見せる一方で荒い部分も目立つデビューイヤーとなった。

1998年、前年同様粗削りな部分を見せるも雨の中開催された第13戦ベルギーGPでは2位に入り同僚デイモン・ヒルと1-2フィニッシュ、続く第14戦イタリアGPでは3位表彰台とシーズンが進むに連れ存在感を増していった。シーズン後、ウィリアムズF1と2年契約を結び移籍が決まった。

1999年、当時は2年落ちカスタマー仕様のスーパーテックエンジンで戦闘力が落ちたマシンで奮闘。同僚となったアレックス・ザナルディがノーポイントに終わる中、3度の表彰台を始め11度の入賞と健闘、リタイア数も大幅に減少し、第13戦イタリアGPでは初のファステストラップを記録した。

2000年、ワークスのBMW エンジンを得て前年以上の戦闘力となったが、マシントラブルやアクシデントに巻き込まれる場面も多く、ランキング順位こそ上がったものの獲得ポイントは減少した。

2001年、第4戦サンマリノGPで初優勝すると第8戦カナダGP、第12戦ドイツGPでも優勝しシーズン3勝と躍進した。

2002年、第2戦マレーシアGPで優勝するもののシーズン通してフェラーリ勢が圧倒する展開となる。獲得ポイントも前年から同僚のファン・パブロ・モントーヤに上回られた。

2003年、第9戦ヨーロッパGP、第10戦フランスGPで連勝し、キャリアハイの58Pを獲得するも、モントーヤに大きく差をつけられてしまう。

2004年、第8戦カナダGPで2位だったもののマシンの規定違反で失格、第9戦アメリカGPのクラッシュで背骨を負傷し6戦欠場と不運に見舞われ未勝利に終わった。それでも第17戦日本GPで兄ミハエルと1-2フィニッシュを飾り意地を見せた。シーズン中の交渉によりトヨタF1と翌年の契約が成立し2005年からトヨタF1へ移籍することとなった。

2005年、マイク・ガスコインを招聘したトヨタのマシンは強さを見せ、コンスタントに入賞を重ねていき第13戦ハンガリーGPで3位表彰台、最終戦中国GPでも3位表彰台を獲得。前半戦こそ同僚のヤルノ・トゥルーリに遅れをとったものの、リタイア1回と安定した走りを見せ、最終的にはトゥルーリを上回った。

2006年、タイヤをミシュランからブリジストンに変更し序盤戦は苦戦を強いられたものの第3戦オーストラリアGPで3位に入り、チームにとってこのシーズン唯一の表彰台を獲得、後半戦は入賞を重ね前年に引き続きトゥルーリを上回る成績を残した。

2007年、シーズンを通して苦戦を強いられ、入賞はわずか3回に終わり、第15戦日本GP終了後に2007年限りでトヨタから離脱することを発表。

その後、F1での現役続行を望んでいたもののオファーが届かず、2008年からはドイツツーリングカー選手権（DTM）に参戦。2012年まで参戦し表彰台を2度獲得したものの、それ以外は目立った成績は残せず、2013年にレーサーとしての現役引退を発表。

現在は後進の育成やF4チームの代表、コメンテーターとして活動している。

一発のスピードやオーバーテイクに光るものを見せる一方で、荒さも目立ち、特に若手時代は単純なミスで順位を落とすことも多かった。
兄ミハエル・シューマッハとは不仲と言われ、実際に「兄弟と親友である必要はない」とコメントを残している。しかし、ラルフがF1の舞台から去った後は兄を擁護するコメントも増えている。現在病床に伏している兄と面会できる数少ない人物の一人でもある。
ヘルメットは兄のデザインを踏襲したものを使用していた。
フォーミュラ・ニッポンで優勝が確定した直後、パドックにて携帯電話でミハエルと連絡をとっている。
兄から「僕たち兄弟はDTMでは速く走るのは難しい」とアドバイスされていた。実際表彰台こそあったもののF1時代と比べると目立つ成績は残せなかった。
チームメイトであったファン・パブロ・モントーヤやジャンカルロ・フィジケラとはあまり仲が良くなく、特にモントーヤとは口論する姿を度々目撃されている。ただし、ウィリアムズから去った後に互いに談笑する姿も目撃されている。