ランサーエボリューションとは、三菱自動車工業がかつて販売していた自動車である。通称ランエボ・エボとも、モデルを識別するため、エボ(数字)と呼ばれる。
4ドアセダンのランサーをベースに、ハイパワーエンジンを搭載するなどの変更が加えられたスポーツモデルである。
たゆまない改良が行われ、現在販売中のモデルは10代目(但し小改良のMRやT.M.エディションを含めると13代目)になり、ベース車のフルモデルチェンジに合わせて、第一世代I~III・第二世代IV~VI・第三世代VII~IX・第四世代Xと分類される。
Wikipediaより要約
当時販売されていたランサー(但し国内仕様ではなく、中東輸出用の若干強化されていたフレーム)に、ギャランVR-4の4G63エンジンを搭載したモデル。
アンダーステアの強さからWRCでは、あまり活躍できなかった。
初代の弱点を改修したモデル。
ただ、出力に対するブレーキ・タイヤの容量が不足で、耐フェード・グリップ不足に悩まされる。
第1世代の集大成的なモデル。IIまでの問題点の改善とエンジンのさらなる出力向上が図られ出力は270PSを達成。さらにエアロパーツも大幅に手を加えられ市販車らしかぬ外観を持つにいたった(大型リアスポイラーにフロントの大開口部など)。
また、このモデルからターボラグを埋めるため、2次エア供給システム(ミスファイアリングシステムの一種)が標準搭載されている(ラリー等のモータースポーツに参戦する時、市販車からの改造が制限されことがある。だが、市販時から搭載していればそういった制限を受けない。もちろん市販時には作動しないように設定されているため、使用するには特別に設定をいじる必要がある)。
ベースであるランサーのモデルチェンジに合わせ、新型へ移行したモデル。IIIから大幅に手が加えられエンジン出力も国内自主規制いっぱいの280PSを達成。また、AYC(アクティブ・ヨー・コントロールシステム)を搭載し旋回性の大幅な向上も図られた(新装備にありがちな初期不良の発生も多かったようだが)。
長年エボの課題であったタイヤ/ブレーキ性能の不足だが、ワイドフェンダーによるタイヤ幅拡張(これにより、以降のエボは3ナンバーとなっている)、ブレンボ製ブレーキ[1]の採用と大型化(エボIV:フロント2ポッド、リア1ポッド→エボV:フロント4ポッド、リア2ポッド)などによって、これらを大幅に改善されたモデル。AYCが熟成されたなども相まって、それまでの「曲がらない・止まらない」といったイメージを払拭し、次第にコーナリングの評価も高くなっていった。なお、この年はWRCにおいてドライバーズタイトル、マニュファクチャラーズタイトル、グループN部門タイトルを獲得し、史上初にして2023年現在でも唯一のWRC完全制覇を成し遂げた。
表記上の性能はほぼVと同じだが、空力性能・冷却性能の改善が図られたモデル。Vと比べるとナンバープレートの位置(中央から進行方向左側に移動)、フロント開口部の形状変更などが目立つ。また、オイルクーラーの大型化が行われたほか、WRCのグループA規定が見直されてリアスポイラーのサイズが制限された[2]ため、エボIVと同じサイズに戻した上で2段化を行い、エボVと同等のダウンフォースを確保した。が、FIAによって何故かリアスポイラーのみWRカー規定が適用され、グループAマシンでは下段を板で塞いで1段に変更していた。
余談だが、2000年公開のフランス映画『Taxi➁』にて敵役の日本人ヤクザが使用するランエボⅥが登場。日本から船で密入国してきた設定だが、三菱自動車工業のドイツにおける販売会社MADGが車両提供したため左ハンドルの欧州モデル。何故か線路の上も走れる。
1999年12月発売。通称"エボVI T.M.E"または"エボ6.5"。
当時三菱のWRCドライバーであったトミ・マキネンのWRCでの4年連続ドライバーズ・チャンピオン獲得を記念して発売されたモデル。VIの各所に小改良を加えターマック(舗装路)向けのチューニングがなされていた。
モデルチェンジしたランサーセディアをベースにしたモデル。ベースの変更に伴ってそれまでの「ガンダム顔」とも形容されるゴテゴテとした厳つい武骨な外見から比較的おとなしめなデザインになった。
もっとも大人しめな外見とは裏腹に、中身には大きく手が加えられ、特にセンターデフにACD(アクティブ・センター・デフ)を搭載し大幅な旋回性能の向上を見た。
このモデルからランサーエボリューションという独立した車種として扱われるようになった(それまでは「ランサー GSR エボリューション 〇〇 」といった具合にあくまでも「ランサー」という車種の中の一グレード扱いであった)。また、この年よりWRCに投入したWRカーは、三菱は当初エボVIIをベースとして開発するつもりだったが、FIAに「ランサーエボリューションはランサーの別グレードではない」との判定を受けたため、「別グレードも含めて25000台の製造」というホモロゲーションがクリアできず、ランサーセディアがWRカーのベースになったという経緯がある。
VIIのオートマモデルとして追加設定された。(それまでにエボと比べると)豪華装備・快適装備が充実しており、外見も武骨さをさらに抑え大人しいものとなっている。エンジンはオートマ用にデチューンされ、街乗りに適したセッティングとなっているが、基本的にはVIIと共通の装備を持っているため、その走行性能はオートマ車としては驚異的なものであった。
しかし、エボにオートマ車とはイメージが合わず、賛否両論が多かった。
MTの6速化やスーパーAYCの搭載などさらなる走りの進化を追求したモデル。特にスーパーAYCの評価は高く、その旋回性能の高さには定評があるが、(同時期の三菱車全般に言えることだが)いわゆる「ブーレイ顔」のため不人気である。
個人的にはCS系ランサーのブーレイ顔の酷さに比べると、エボのブーレイ顔はマッチしていたように思うのだが、現実問題として空気抵抗や冷却性能にも悪影響があったらしく、そのデザインのアクの強さ以外にも、多くの人にとって減点ポイントに映ったようだ。
2004年2月発売。通称"エボVIII MR"または"エボ8.5"。
MR(Mitsubishi Racing)の名を冠するVIIIの改良モデル。各所へのアルミ部品の採用による軽量化、ビルシュタイン製のダンパーの採用など、全体的に熟成が進められている。特に車重についてはCT系エボでは最軽量と、高いポテンシャルを秘めている。
外見はヘッドライトとリアコンビランプがブラックアウト化され、リアスポイラーの翼端の塗装が変更された程度であり、引き続き「ブーレイ顔」を採用している。
基本的にはVIII MRのコンポーネンツを引き継いでいるがエボとして初めて、連続可変バルブタイミング機構(MIVEC)を搭載したモデル。これにより、最大出力/最大トルクこそ変化ないものの、高回転時のレスポンスの向上や最大トルク発生回転数が下がり、低中速回転時のトルクバンドが広がった。
また、外見的にはブーレイ顔が廃されシンプルなフロントマスクに戻されている。
グレード面では車体はGSR、メカニック的にはRSという両者の中間に位置するグレード、『GT』が新たに設定された。このGTとRSは世界初にして、2023年現在でも唯一のマグネシウム合金を使ったコンプレッサーブレードを採用したタービンが標準で装着され、GSRにもメーカーオプションで設定されている。軽量なマグネシウムとなったことでブレードの慣性が低減され、レスポンス向上に大きく貢献した。……が、このコンプレッサーブレード、非常に破損しやすいという致命的な欠陥があり、途中から肉厚を増やした対策品に変更されたがそれでも破損しやすいという有様で、現存している車は稀。現存していてもいつ破損するか分からないという爆弾を抱えた状態で乗ることになる。
エボ初のワゴンモデル。基本的にエボIX GTと共通の装備であるが、タービンがチタンアルミ合金製コンプレッサーブレードを採用したエボIX GSR用のものに変更されたほか、トルクがエボIX GTの41.5kgm、GSRの40.8kgmから40.0kgmに落とされているなどの変更点がある。当然ながらシートアレンジも可能であったりワゴンとしての使い勝手の良さや機能性が追求されている。また、オートマグレードのGT-Aも設定された。
2006年8月29日発売。通称はセダンが"エボIX MR"または"エボ9.5"。ワゴンが"エボワゴン MR"。
MR(Mitsubishi Racing)の名を冠するモデル。次期型エボがそれまでのエボとは一線を画すものになることと、ギャランVR-4以来の心臓であった名機4G63エンジン搭載の最終モデルとなることから、集大成的なモデルとなった。基本的にはⅨ/ワゴンと比べて大きな変更点はないが、エアダムを下方に延長し、両側面に窪みを設けたフロントバンパーやエンジンやACD・スーパーAYCの設定の最適化、アイバッハ社製スプリングの搭載と車高の10mm低減が行われるなど、全体的にファインチューニングが施され、非常に高い完成度を誇った。
IXに引き続きマグネシウム合金をコンプレッサーブレードに使用したタービンも健在で、IXの対策品から更に改良を受けて完全に別物となっている。が、IXでの破損報告の多さから購入者には敬遠され、オプション設定のチタンマグネシウム合金製コンプレッサーブレードのタービンを選択すれば即納、標準のチタンアルミ合金製コンプレッサーブレードのタービンを選択すれば3ヶ月待ちという異例の事態も起きた。
現行最新型の第4世代エボ。ベース車両がより大型化したランサー(日本国内では「ギャランフォルティス」として販売)になった。従来のモデルチェンジと比べるとⅨ→Ⅹの変更点は多すぎてあげればキリがないが、エンジンが鋳鉄製であった4G63エンジンからアルミダイキャスト製の4B11型エンジンになったことと、トランスミッションに従来の5速MTに加えてデュアルクラッチ式の6速TC-SST(ツインクラッチスポーツシフトトランスミッション)が追加されたことが特に大きな変更点であろう。TC-SSTは、法律上はAT車扱いとなる為、SST車はAT限定免許でも運転が可能である。
4WDシステムも大きく変更され、AYCとACD、スポーツABS、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロールシステム)を統合制御するS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)が搭載され、全輪を積極的に制御し高い旋回性能を発揮している。
外見は逆スラントノーズを採用しかつてのギャランを彷彿とさせる。
発売当初は自主規制が廃止されたにも関わらず、無駄な出力競争を回避する目的から、280PSと自主規制枠一杯の出力にとどまったが、2008年10月に行われた1回目のマイナーチェンジによって300PSに引き上げられ、三菱車として初めて自主規制枠を突破した。
車名は発売当初から変更されていないが、毎年10月頃にマイナーチェンジが行われ、改良を重ねている。
2015年4月10日、三菱自動車はランサーエボリューションを2016年3月までに生産終了すると発表した。
日本においてはTC-SST搭載車が2014年度内に生産終了を発表し、2014年12月生産終了。
MT車に限って生産が続けられていたが2015年8月を持って生産終了。
海外では2015年モデルを発表するなどしていたがこちらも同様に生産終了となった。
2016年4月10日に生産終了を記念して、1000台限定のファイナルエディションを発売し即完売となった。
海外でも発売されこちらも即完売となった。
これにより4代、23年の歴史に幕を閉じた。
掲示板
76 ななしのよっしん
2021/02/11(木) 06:04:40 ID: nPodiED/iB
ランエボ初代の頃、1993-1994までのWRCでの成績が良くなかったのがすごくもどかしかった。
これだったら実績のあったギャランでいいんじゃないかって。
同時期デビューのインプWRXのデビューからの活躍に比べるとどうしても見劣りしてしまってもはやこれまでかみたいな印象持ってたんだよね。
デビュー時が一番新鮮であり徐々に時代とともに衰えていくんだけど1995以降の活躍がすごくうれしかった。
77 須藤京一
2021/10/27(水) 09:56:13 ID: B/hLnpyB5W
ランエボのエンジン音は見ているものを沸かすため
ランエボの4WDは雪道を制すため
ミスファイアリングシステムで後方煽りを専めつだ
78 ななしのよっしん
2021/10/27(水) 10:08:33 ID: 6lpWNKKnvn
>>77
パンパンうるせえ!
4G63の純正鋳造エキマニってアンチラグ用の二次エア供給配管が最初からついてて、エア穴のボルトやバルブをいじるだけで「それっぽい」挙動にできたらしいね。本格的なアンチラグ効果を狙うには燃調や点火時期、ブローオフバルブの調整が必要なほか、触媒が傷みやすい欠点もあるけど
急上昇ワード改
最終更新:2024/10/06(日) 03:00
最終更新:2024/10/06(日) 03:00
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