ラ・マルセイエーズとは、フランス共和国の国歌である。マルセイユの歌とも。
1792年のフランス革命戦争勃発とともフランス軍の軍歌として歌われたのが発祥。
当時の題名は「ライン軍の為の軍歌」であった。作詞作曲者はリール大尉であり、歌詞の内容とは裏腹に国王存続を支持していた穏健派の人物であった。革命後、専制君主を否定する歌詞なためナポレオンによってこの曲は禁止されている。背景にはリール大尉が嫁のジョセフィーヌとの関係を持ったことにナポレオンが個人的感情を抱いたためとも。
変わりに「Chant du Depat(ウィキでは"門出の歌"と略されている。)」が国歌として歌われたが、マルセイエーズ同様にこちらも専制君主制に立ち向かう共和制賛美の歌である。(sm22772606)
流行のきっかけは「ラ・マルセイエーズ(マルセイユの歌)」の曲名が物語るように、8月10日事件のさいパリに駆けつけたマルセイユの義勇兵がこの曲を口ずさみながら行進したのを人々の目にとまり話題となったからである。
とくに出だしのイントロは、ビートルズの有名な曲(All You Need Is Love)や様々な楽曲に使用されており、これがフランスの国歌とは知らなかったが、曲自体はどっかで聴いたことがある人も多いのではないだろうか。
この曲が語られるさい、なによりも指摘されるのが、その唖然とするような物騒な歌詞であり、平和は愚か対話や協調などという甘ったるい概念は一切なく、とにかくおまえらこんなフランスなんて嫌だよな?つか嫌に決まってるだろ。じゃあ武器を取って軍隊を結成して、おれたちの田畑の畝に溢れかえるぐらいに敵を血まみれにしてやろうぜっといった好戦的に終始する歌詞である。こうしたなか、五番の歌詞は一見反省タイムとして自重ぎみに思われるが、酷なことにブイエという特定の人物を名指ししたあげく「結局殺すんかい!」っと突っ込まずにはいられないものとなっている。(しかも気の毒なことに名指しされたブイエは濡れ衣という・・・)
こうした歌詞からフランスの一部の地域では歌わせていない学校も存在する。
そのため、フランス国内では、長年国歌変更が議論されているなか、結局変更に至っていない点を見れば、フランス人にとって愛着のある曲といえよう。
あるいみ日教組の君が代反対運動に似ているが、たしかに、子供に「武器を取れ! 隊伍を組め! マルショー♪(進め)マルショー♪(進め)」を歌わせるのは、日本人の感覚からすればちと滑稽かもしれない。
しかし、こうした戦争を題材にした歌詞を歪としてとらえる以前に、例えば中国の国歌は日本から、アメリカの国歌はイギリスから、イギリス(イングランド)の国歌はスコットランドから、そしてフランスの国歌はオーストリア(神聖ローマ帝国、ここではドイツと呼ぶべきか)っとそれぞれ外国の攻撃から立ち向かう内容の歌詞が使用されており、戦争を題材とはしつつも、そこには国家存亡の危機から独立を勝ち取った誇りや歴史が含まれていることも無視してはならない。
フランスではもう一つ、第二国歌として第二次世界大戦時、ナチスドイツに抵抗した自由フランスの歌である「Les partisans(自由の歌)」がある。公式の場では、ラ・マルセイエーズと同様に歌われることが多いが、これもまた歌詞の内容が物騒である。(sm10427292)
同じくフランスで作曲された「インターナショナル」とともに革命歌の代表曲の一つであり、ほかにもロシア革命時、「労働者のマルセイエーズ」として編曲されたものが臨時政府およびソビエト政府によって国歌に制定されている。(nm20939877)
物騒な歌詞ではあるが、内容は自由のため圧政に立ち向かう市民の様子を描いている。
7番のお子様用の歌詞だが、それでも、もし先人が全滅したのなら仇討する覚悟の内容であり、けしてやわめになったわけではない。ちなみに7番はのちに付け加えられた歌詞である。6番全ての楽曲を聴けるものとしてはベルリオーズ編曲版がある。特徴としては「進もう!進もう!」の部分が通常「マルショー」なのに対し、こちらでは「マルセイ」で発音している。フランス国内でよく歌われる箇所は大体1番と6番、たまに2番っといったところである。
(日本語旋律用歌詞)
進め、祖国の子らよ 来たる時が来たぞ
血に餓えた暴君は、我らを殺すため
軍旗をひるがえす!
暴君のしもべ共が、声をあげる
我が喉を掻っ切って 血まみれにせんと※武器を持て!!隊を組め!!
進め!進め!
敵の血が我が畑を注ぐ!
1.さあ行こう、祖国の子らよ
立ち上がる時がやってきたのだ!
虐政を布く暴君は我々を弾圧せしめるため
血塗られし旗を掲げられたぞ
血塗られし旗を掲げられたぞ
聞こえるだろ、戦場にどよむ
かの暴君の兵士どもが唸るを。
やつらは諸君の妻子を首切りに
我が胸元まで襲いかかってくるのだ!※
武器を取れえー!市民らー!
隊列を組むぞー!
進もうー!進もうー!
不浄なる奴らの血で
我らの田畑を浸してやるその時まで!2.国賊と王に仕える背信者の奴原め
貴様らは一体どんな世を望むというのか
この卑劣で長い足かせを奴らは携帯している
これは、いったい。誰にはめようとするものなんだ
これは、いったい。誰にはめようとするものなんだ
聞けよフランス人諸君、それは我らにはめんとするものだ、ああ何たる屈辱!
世にこれほどの憤慨があろうか
奴らが画する我々への仕打ちこそ
他ならぬ時代錯誤も甚だしき奴隷への束縛なのだ
※繰り返し
3.何たることだ!襲来する異国の軍勢が
我が国もとにて、法を定めるだと!
金に目が眩み買われし傭兵連中が
我ら気高き烈士たる同志もろとも、殲滅せんと欲すのか!
我ら気高き烈士たる同志もろとも、殲滅せんと欲すのか!
くさびをかけられし、我が両手は塞がれるほかないというのか
くびきをかけられし、我がこうべは垂れるほかないというのか
卑劣な暴君が定める専制君主制の運命に
我らはただ耐え忍ぶほかないというのか!
※繰り返し
4.恐怖するがよい。暴君に国賊どもめ!
そして、あらゆる組織の名折れたる賊党どもよ
うろたえるがよい。貴様らがめぐらす親殺しの奸計こそ(親殺しとは祖国への裏切りのこと)
因果応報として画餅に帰すほかなし
因果応報として画餅に帰すほかなし
国民同志一同、みな貴様らを屠るつわものである
たとえ若き英雄は志半ばにして果てようとも
この大地があるかぎり英雄の郷里に限りなし
万全の態勢にして貴様らとの戦いに臨もうではないか!※繰り返し
5.フランス人諸君よ。気高き烈士たるもの
時には発砲を控えよ
哀れなるかな。あの犠牲者を撃つのはよそう
彼らもまた悔しくも我らに銃口を向けるほかない犠牲者なのだ
彼らもまた悔しくも我らに銃口を向けるほかない犠牲者なのだ
ただし、悪政たる専制君主制を布く暴君、そして
あの、ブイエとその協力者は別儀である(ちなみにブイエは濡れ衣である。)
奴らは虎狼であり、情け無用
その母なる胸をも切り裂く曲者だからだ!※繰り返し
6.神聖なる祖国への愛国心よ
祖国に仇をなす賊に報復する奮起を促し給え
自由。そして崇拝する自由の女神
我は汝を守護するもの、どうか共に戦いお力添えを賜るよう、祈ります
我は汝を守護するもの、どうか共に戦いお力添えを賜るよう、祈ります
この旗のもとで叫ぶ我が祈りの声をどうかお聞き届けください
勝利の女神が我のもとにご降臨なさることを望みます
そして、汝に仇をなす賊が気息奄々のなか
守護者たる我が勝利の姿に光芒を照らし仰ぎ見んことを!※繰り返し
(以下、お子様用歌詞)
7.先人がもはや絶えてしまったのなら
ぼくらの乗り出す番となる。
そのとき、ぼくらは見出す。
先人の亡骸と勇気の跡を。
かれらより長生きするぐらいなら
むしろ、その棺とともにせんと切望し
仇討たんずば、後を追うのみと
崇高な矜持を胸に抱くのだ!
※繰り返し
掲示板
78 ななしのよっしん
2023/07/01(土) 06:34:38 ID: WU9VhZH+Th
日本だと単一民族神話が常識のように流通しているから、
そこにさらにナショナリズムを持ち出す輩は全体主義者と疑われる
しかしフランスだと民族は古代中世からずっとバラバラで「フランス民族」なんて存在しない
ブルターニュ人もラングドック人もノルマンディー人も一つになって異国の侵略に立ち向かう、
そいつがフランス国家の存在意義だから国歌のナショナリスムが問題にならない
79 ななしのよっしん
2023/07/25(火) 18:40:08 ID: g464ZraB8Y
任天堂のゲーム「パンチアウト」ではグラス・ジョーの入場テーマになっていたりする
80 ななしのよっしん
2023/09/13(水) 14:39:04 ID: AkMPs0Z6El
>>70
それはアメリカに民主主義を与えてもらった国の人間のセリフだな。
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最終更新:2025/03/30(日) 15:00
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