リアルシャダイ(Real Shadai)とは、1979年アメリカ生産の競走馬。
社台総帥である吉田善哉が惚れ込んだ、90年代日本競馬には欠かせぬ名種牡馬。
そして日本におけるヘイルトゥリーズン系種牡馬の先駆けである。
父Roberto、母Desert Vixen、母父In Realityという血統。
父親のロベルトは英ダービー馬にして、ブリガディアジェラードの16連勝を阻んだ20世紀欧州競馬を代表するヒール。種牡馬としても大活躍を収めている。母のデザートヴィクスンは73~74年の牝馬チャンピオンでGⅠ競走6勝の名牝。母父のインリアリティはダマスカスやドクターフェイガーには歯が立たなかったものの競走馬としては結構優秀で、種牡馬としてもデザートヴィクスンの他英2000ギニー馬ノウンファクトなど、種牡馬としてかなりの活躍を見せていた。
総合するとかなりの良血であり、将来の種牡馬入りを見越した社台グループの総帥・吉田善哉に1歳時のキーンランドセールにて36万ドル(当時のレートで8000万円くらい)で購買された。当時はまだ円安だったし、当時としても高額だったようだ。ただ、母親の実績から考えるとこれでもちょっと安いような。
競走年齢となったリアルシャダイはフランスに送られ、競走馬としてのリアルシャダイは8戦2勝(2-2-2-2)。主な勝ち鞍はドーヴィル大賞典(GⅡ)。ジョッケクルブ賞(仏ダービー)とサンクルー大賞典を3着に入るなどそこそこ活躍した。凱旋門賞では5着で、この時に吉田善哉は勝てるかもしれないと踏んでいたらしく、好走したもののかなり無念がっていたということを親交のあった山野浩一が綴っている。
4歳時にアメリカへ戻るが、レースには出走せず現役を終えた。
1983年11月に引退後来日し、社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
同時期の日本競馬では*ノーザンテースト、マルゼンスキー、*テスコボーイ、*ミルジョージといったノーザンダンサーとナスルーラの血を引く種牡馬が活躍しており、特に社台が誇る*ノーザンテーストの牝駒に付けられることからも期待が寄せられた。
初年度産駒は1987年にデビューし、早々にミュゲロワイヤルやフリートークが重賞を制するなど好調なスタートを切り、続いて桜花賞馬シャダイカグラ、2歳王者イブキマイカグラ、そして代表産駒たる名ステイヤー・ライスシャワーを送り出すなど*ノーザンテーストを追い落とさんとする勢いで活躍。1993年には*ノーザンテーストや*ミルジョージを追い落とし、リーディングサイアーにも輝いた。
産駒の傾向として、中長距離が得意である事が挙げられる。ライスシャワーやオースミシャダイ、ムッシュシェクル、ステージチャンプ、ハギノリアルキングなど地道に中長距離で走る馬が多く、1995年の天皇賞(春)ではリアルシャダイ産駒が1~3着を占め、また地道に賞金を稼ぐ馬主孝行な馬が多かった。
一般にライスシャワーなどは晩成と言われる事が多いが、リアルシャダイ産駒は仕上がり自体は早く、比較的早くから走りクラシックに顔を出す馬も少なくない。
しかし、リアルシャダイ産駒にはある難点があった。「脚部不安」を持つ馬が多いのである。
実際、前述したライスシャワーとシャダイカグラは競走中に故障(前者に至っては予後不良)、イブキマイカグラが屈腱炎を患うなど、リアルシャダイ自身が持っていた脚部不安をそのまま引き継いでしまった馬が多く、いわゆる「未完の大器」が多かった。
また、1993年に吉田善哉が亡くなると不思議と種牡馬成績が落ち始め、本馬の後に導入された*トニービンや*サンデーサイレンスが日本競馬に新しい風を吹かせ始めると、種牡馬としてはほとんど聞かなくなった。
母父としてはイングランディーレやアドマイヤジュピタ、サンライズバッカスなどGⅠ馬を5頭出している。
父系としては既に残っていない。イブキマイカグラが高知の怪物イブキライズアップを、オースミシャダイがダービーグランプリ勝ち馬のナリタホマレを出したが、前者は現役中の故障が原因で安楽死処分となり、後者は種牡馬入りしていない。
2000年に種牡馬生活を引退し、功労馬として生活していたが、2004年に蹄葉炎を発症し死亡。享年25歳だった。
リアルシャダイの活躍を見て、早田牧場はロベルト産駒である*サンシャインフォーエヴァー……の代わりに*ブライアンズタイムを導入するなど、後のヘイルトゥリーズン大国となる日本に及ぼした影響は、決して少ないものではない。
Roberto 1969 鹿毛 |
Hail to Reason 1958 黒鹿毛 |
Turn-to | Royal Charger |
Source Sucree | |||
Nothirdchance | Blue Swords | ||
Galla Colors | |||
Bramalea 1959 黒鹿毛 |
Nashua | Nasrullah | |
Segula | |||
Rarelea | Bull Lea | ||
Bleebok | |||
Desert Vixen 1970 黒鹿毛 FNo.2-c |
In Reality 1964 鹿毛 |
Intentionally | Intent |
My Recipe | |||
My Dear Girl | Rough'n Tumble | ||
Iltis | |||
Desert Trial 1963 栗毛 |
Moslem Chief | Alibhai | |
Up the Hill | |||
Scotch Verdict | Alsab | ||
Glen Arvis | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nearco 5×5(6.25%)、Blue Larkspur 5×5(6.25%)、War Relic 5×5(6.25%)
掲示板
3 ななしのよっしん
2022/03/20(日) 08:07:51 ID: Ao1ZSMU+SE
ドステイヤーだしねぇ…
4 ななしのよっしん
2022/10/05(水) 23:21:04 ID: HoLJmkVBO+
一流に足る種牡馬成績を残したけど、色々な理由で積極的にこの血統を残そうという風潮にならなかったなあ
それこそ、最初からヘイルトゥリーズン系の試験導入だったと言われても納得してしまうくらいに
5 ななしのよっしん
2023/07/04(火) 09:59:32 ID: NxhnVuz/kU
イブキマイカグラが2歳GI勝ち、菊花賞2着の成績残してライスシャワーよか成功しそうだったけど、はっきり言って完全に低空飛行だったからなぁ……産駒数が少なかったと言ってもダート向きではその時点でアウト。
ライスシャワーはコテコテのステイヤーだったし、イブキマイカグラ以上に成功する確率は低かったと思う。元々日本競馬は今日に至るまで半世紀以上にわたって日本のステイヤーやダート重賞勝ちの種牡馬をゴミ扱いした経緯から、ライスシャワーにまともな牝馬が集まる確率は低かった。メジロアサマの一族みたいになれた確率はほぼなかっただろう……
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最終更新:2024/10/10(木) 13:00
最終更新:2024/10/10(木) 13:00
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