リゾート21[ーにじゅういち]とは、伊豆急行に在籍する2100系電車の愛称(公式愛称)である。この名のほうが広く知られているので、こちらで表記する。
鉄道による伊豆観光の切り札として、1985年(昭和60年)に登場した。この車両の大きな特徴は「特急クラスの内装」と「ジョイフルトレインの如きアイデア」の車両を「普通列車」として「通年運用」させている事である。元々「1000系」と呼ばれていた、同社100形電車を車体更新した車両の導入が計画されており、実際に2編成が導入され3編成目の増備が計画されていたが、方針を転換してまったく新しいコンセプトの2100系が登場する事になった。その斬新なデザインなどで、翌年の昭和61年に「鉄道友の会」から「ブルーリボン賞」を受賞した。
初期に導入された2編成は、主要部品に100形の廃車発生品を使用していた。そのため、車体こそ新しいが床下機器は25年選手であった。3編成目からは、機器類は全部新製のものとなった。4編成目はワイパー形状が変更になる等のマイナーチェンジが行われた。また、この編成より「ロイヤルボックス」が連結され、後に全編成へ波及した。その後、最終形となる「アルファ・リゾート21」が導入、デザインはフルモデルチェンジがされた。
車体は普通鋼製で、オリジナル編成では床屋とあだ名される、白いボディに赤と青のナナメ線が入ったものとなっている。また、オリジナルデザインでは、先頭車の部分に「21」の文字がデザインされていた(いずれも2013年夏現在では見ることができない)。先頭展望車部分は仕切りなしのシアター形式(仕切りなしは1次車~3次車デビュー当時。後年に保安上、透明アクリル板が設置されている)となっており、どの席にいても前面展望が可能になっている。構造および安全面から展望室は定員制(立席不可)となっており、人気も高い。そして中間車は海側が大きな窓になっており、座席も海を向いている。機器類は100形以来の抵抗制御・発電ブレーキを採用しているが、足回りが東急8000系系列でおなじみのTS-807(815)のマイナーチェンジ版のTS-827(828)を採用している。ちなみにギア比は100形系列よりも高速性能にふった結果、東急8000系系列と同一となっている。
各編成とも先頭部に行先(種別)表示器を設置、基本は「使用」(特別編成では表示をしなかったり、ヘッドマークで覆われていた場合もある)。側面の旅客案内としては、ドア上にプラ製の横サボを掲出、電照式(LED式)などの種別・行先・号車などを表示する器材は設けられていない。
灯具類は、R-1~R-4編成までが白熱灯2灯+尾灯1灯、加えて霧灯1灯(黄色のフォグランプ)をそれぞれ鋼体前部左右に配置。R-5編成は鋼体部に霧灯2灯+尾灯1灯、スカート部に全光/減光併用の白熱灯1灯をそれぞれ左右に配置。なお、霧灯についてJR線内では点灯規程がない(白熱灯の進行方向点灯のみ)ので、伊東線内でフォグランプを用いている記録は、webを丹念に漁ると存在することは存在するが、近年のそれは規律の厳格化もあり、ほとんどないようだ。逆にいうと、伊豆急行線内の点灯規程は早朝・夜間・トンネル内のみ(2013年現在)。地上の昼間に点灯していたら「サービス点灯」もしくは単なる消し忘れ、あるいは伊東駅構内であれば同駅構内の資産を保有する、JR東日本の規定による保安上の理由である。
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(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
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|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは鷺沼駅のホームで電車を待っていたら、
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 特急列車みたいなのが目の前を通ってた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 と… 東急線に特急型なんて ありえねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何がなんだか理解できなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 「派手車」だとか「8642F」だとか
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ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
1986年、第2編成が横浜の東急車輌で落成した。この編成はそのまま伊豆急線へ搬入されると思いきや、長津田の授受線に到着した。そして長津田検車区において各種整備を重ねて、あろうことか東急線内を走行した。これは、田園都市線が開業して20年を迎え、その記念行事として東急線内を走行したものであり、仮設であるが東急ATSを設置した。その時の懸案であった車両限界は問題なくクリアし、保安上の関係で入線が出来ない新玉川線(当時)と両数の関係で入線できない池上線や目蒲線(東横線との重複区間以外)、こどもの国線と、そもそも路線の規格が異なる世田谷線以外の、すべての東急線で運転された。
この当時、東急線の電車はステンレス車、もしくは旧3000系に代表される緑色であり、どちらかと言えば質実剛健の趣さえ感じるものであり、派手さとは無縁であった。その白い車体に赤と青のストライプの電車は、東急線沿線に強烈な印象を残した。
そして2年後の1988年、3編成目が東急線に入線した。この年、伊豆半島の今井浜海岸に東急のリゾート施設が開業、そのPRを兼ねて「リゾートエクスプレス 今井浜′88」として再び東急線を走行した。
これを最後に、東急線内でリゾート21が走る事は現在まで実現していない。既に東急線内にはATC化されている路線もあり、技術的なハードル、乗り入れ先の飛躍的な増加・過密化によって他社局とも多大に調整せざるを得ないダイヤ、その他法規制の強化などもあって、実現が非常に難しくなっている、端的に述べれば「そんなイレギュラーな電車を割りこませるスジはすでに無い」のだと推察される。それを東急側でも熟知しているのか、駅の広告にはJRとのコラボで伊豆PRのポスターを掲示したり、せめて東急線と接続している駅から伊豆へのアクセスを…と思ったかどうかは定かではないが、東横線と田園都市線の乗り換え駅が存在する南武線経由の「リゾート踊り子」が運転される事がある。
なお、伊豆急の車両が東急線を走行したのはこれが初めてではなく、かつての主力である100形の落成時、乗務員教習とPRを兼ねて、東横線において試運転を行った事がある。逆に東急の旧型車や7000系などが、草創期の伊豆急線において車両不足を補うべく、当時の国鉄から同じ任務のため派遣された旧型国電に混じって多客時輸送の応援に供された経験がある。
リゾート21に連結されている特別車両で、グリーン車扱いとなっている。元々、100形の一部編成にも車内を豪華にした車両として同じ名称の車両が連結されていたが、それをさらに進化させたものとなっている。大きな特徴はプラネタリウムの様な天井装飾である。元々、トンネル区間が多い伊豆急線内でも退屈しないようにと設置されたであろうものであるが、各々の編成で装飾が異なっているのが特徴である。
そのため「ロイヤルボックス=天井装飾≒プラネタリウム」と言うイメージがあり、時刻表では「ロイヤルボックス連結」という表記があったため、リゾート21に乗れなくてもこの電車に乗れば天井装飾が見れるはず!と思って乗ってはみたものの、実際には100形ベースだから見れなかったという事があった…はず。
一時は5編成あったリゾート21の全編成に連結されていたが、利用者の減少と共に編成を外され、R-4と5編成用を除いて、廃車となった。また、平日の連結も取りやめられ、「リゾート踊り子」運行充当以外は編成から外され、伊豆高原で自宅警備 ニート 昼寝 待機している。
リゾート21は、各編成に「R-○」(ResortのR)と付番され、現業(伊豆急および、乗り入れ先であるJR東日本の担当部署)からは「R編成」と呼ばれている。
昭和60年以来、地元の足や観光客の移動手段として、東伊豆を代表する車両の立場を不動のものにして大好評であったが、閑散時はともかくラッシュ時に投入された際、旅客の流動などで難儀したとの声がある。そのため2013年現在では極力、平日朝方における伊東・熱海口の通勤時間帯にかからない運用が組まれている。また、2001年頃、伊東線のATS-P導入に伴い、R-1~3編成に取り付け工事が行われた。合わせて、先頭部に運行番号表示器(例・5631Mなどと掲出するもの)が設置され、前面左上にLED式で取り付けられた。また、R-5編成は2007年頃、前面にLED式の種別・行先表示が後付けで設置されたりと、細かい改造が行われている。
基本的には普通列車に充当されるが、土休日を中心にR-5編成は「リゾート踊り子」として東京へ乗り入れている。R-5編成が検査の時はR-4編成が充当される。また、東急線沿線からの集客を意識しているのか、たまに立川始終着南武線経由の「リゾート踊り子」が運行されている。なお、普通列車運用においては、検車区のある伊豆高原まではリゾート21で運行され、それ以南は同駅での車両交換のため8000系に乗り換え、その逆に下田方面から伊豆高原までは8000系で運行され、以北がリゾート21というスジもある。
そんなこんながありながら運行をしてきたが、景気の低迷や観光の多様化、道路の整備に伴い、鉄道を使って伊豆に行く旅客の数も減っていた。その為、鳴り物入りで登場したロイヤルボックスも編成から外され、R-1~3編成に連結されていた車両は取り外され、その後廃車解体となっている。
そんな中でも、伊豆観光振興のために、R-1編成は下田港開港150周年記念として、江戸時代末期に日本に開国を迫るべく下田にやってきた、ペリーの乗ってきた「黒船」・サスケハナ号をイメージした「黒船電車」のラッピングを施し走らせた。しかし、海岸付近を走るため、塗装・外板の剥がれや腐食など、厳しい沿線環境は車体よりにじみ出ていた。特にR-1・2編成は床下機器が100形のものを転用していたため、特に老朽化の進行が著しかった。これらの理由から、200系と共に初期のリゾート21は、東急からやってきた8000系電車へ置き換えが行われることとなった。
結果、R-1・2編成は廃車となり「黒船電車」のラッピングはR-4編成が引き継ぐ事となった。初代では方向幕の部分に「黒船電車」と書かれていたが、二代目の方向幕部分についてはそのままとなった。なお、車両の状態の関係からか、R-1編成とR-2編成とで編成の組み換えが行われた。
R-3編成は廃車の予定であったが、廃車を免れ更新工事が行われた。更新に当たっては車内の自動扉は従来の床部スイッチタイプからセンサータイプに変更となり、窓枠の色が黒からボディ同色となった。また、コンプレッサーについては、振動や騒音が激しい旧式のC-1000型から、他のリゾート21と同じ低騒音式のHS-20型に変更となった。さらにその後、100形の塗装をモチーフとした「リゾートドルフィン号」となり、現在も活躍している。
2016年10月6日、とあるプレスリリース(pdf注意)が発表された。
R-5編成であるアルファリゾート21を水戸岡鋭治氏がデザイン・設計の下で新たな観光列車に生まれ変わらせるとのことである。従来より噂には上がっていたものの、詳細が出ていなかったため、どうなるかが注目されていた。伊豆クレイル号と合わせて、東伊豆の観光の活性化を鉄道の部門から支えていくものと期待されるのだが、その改造について、どこで行われるかが注目されていた。かなり大掛かりな改造になるのは目に見えてるので、故郷である総合車両製作所(旧・東急車両)で改造されるだろうというのが鉄道ファンの下馬評だった。実際、親会社の東急電鉄でも1000系を1000系1500番台へ改造する際、総合車両製作所にもっていったケースがあるからだ。
ところが実際に行われるのはこどもの国線の恩田駅にある長津田車両工場に隣接する東急テクノシステムであった。つまり、長津田駅まで改造し、そこから東急線を通っていくということになったのだ。なおこの東急テクノシステム、他社車両の改造を自社工場で行うのはこれが初めてではなく、過去に相鉄のモヤ700を行ったケースがあるが、これは陸送で恩田駅まで行ったので東急線経由で来るのはこれが初めてである。
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|l、{ j} /,,ィ//| 『酔っぱらって駅前ぶらついてたら、田園都市線で
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 特急列車が走ってた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ | な、なにを(ry
実際は自走ではなく八王子駅で4両に分けられてから回送し、長津田駅構内にある受け渡し線に引き込まれたうえで夜中に低速で引っ張られる格好である。1988年の今井浜88から数えて28年ぶりに東急線を走行することになった伊豆急の車両となった。あ、ED2511を忘れてた。
改造完了の暁には東急線の走行をと行きたいのだが、前述の通り保安装置が違う上にダイヤが過密になっているため、スジの余裕がないので可能性は限りなく低いと思われる。
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最終更新:2024/04/20(土) 00:00
最終更新:2024/04/20(土) 00:00
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