リバタリアン党(アメリカ)とは (リバタリアントウとは) [単語記事]

概要

党の主義はリバタリアニズムであり、自己決定権の尊重を最重視する事を主張している。自己決定権や自由意志を至上であり不可侵の権利であると定める最右派であると自己規定するが、原理的なリバタリアニズムに含まれる無政府主義に関しては必ずしも賛成していないなど、一部に柔軟な対応もしている。

無政府主義を主張するほどではないが、リバタリアニズムを標榜する観点から小さな政府を政策としており、最小国家主義や無政府資本主義も含むことから共和党よりもこの傾向は強い。

多くのリバタリアニズム政党、各国のリバタリアン党がそうであるように、このリバタリアン党もまた政府による個人の権利への介入には強く反対している。具体的には個人財産への窃盗であるとして連邦政府や州政府による徴税は一切認めず、したがって税金による補助金や公立学校の運営も認めないとする。ほかにも政府による軍隊の独占及び徴兵、中央銀行や各種社会保障制度も一切認めないべきであるとしている。また、犯罪は身体および財産に対する侵害のみであり、政府による各種規制にも反対の立場である。さらにこの場合の財産とは物質的な所有物のみを指し、知的財産権は認めないとしている。

二大政党制であるアメリカ合衆国における第三勢力の筆頭となる政党である。第三極としてはアメリカ緑の党なども存在するが、リバタリアン党の方が規模は大きく二大政党（共和党と民主党）に次ぐ第3位の政党となっている。アメリカ合衆国大統領選挙には候補を擁立しているものの当選した例はない。しかし、二大政党への不満が高まった際には受け皿となることがあり、当選こそしないものの票割れによって選挙結果に影響を及ぼすことがある。