リーダーズ(LEADERS)とは、2014年3月22日と23日の二夜連続でTBS系列で放映された長時間ドラマである。
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この記事は、記事主が二夜連続の後半終了を待たずに立てました。 ネタバレみたいな話も多いので、ご理解の上お読みください。 |
原案は本所次郎の経済小説である「日銀管理」と、トヨタ自動車75年史。愛知県の挙母に居を構えるアイチ自動車が、戦後の混乱期に経営危機に陥り、それを日銀の介入を経て乗り越えるまでを描く。
上の短い文章でも分かると思うが、要するにトヨタ自動車の話である。出来事も史実に基づいている。会社名や人物名は架空のものになっているものの、見る人が見ればと言うレベルではなく、誰でもすぐに分かる程にトヨタである。ドラマ制作にあたってはトヨタ自動車が全面協力。トヨダAA型やトヨペットSA型などが登場している。またアイチ自動車のロゴや社旗は、当時のトヨタのそれに準えたデザインになった。
トヨタ史を描いた映像作品としては、6代目市川染五郎(9代目松本幸四郎、松たか子の父)が豊田喜一郎を演じた1980年の映画「遥かなる走路」がある。相違点は、まず「遥かなる走路」はトヨダAA型ができるまでの経緯や、自動車製造事業法に基づく許可会社の認定など、戦前の出来事に重点を置いている。これに対し「リーダーズ」(日銀管理)は、戦後の経営危機を乗り越えるところに重点を置いている。
愛知自動織機の創業家に生まれた愛知佐一郎は、「これからは自動車の時代だ!」と自動織機内に自動車部をつくり、自動車生産へ向けた研究と開発を始める。エンジン鋳造など苦労は多く、愛知自動織機の母屋を傾かせかねないと石山社長は自動車産業への参入に反対したものの、難産の末にAA型の開発に成功。アイチ自動車工業を設立、挙母の工場も竣工し、アイチ自動車は本格的に自動車生産に乗り出す。
と思ったのもつかの間。風雲急を告げる国際情勢の悪化、日米の関係悪化から、国は自動車製造事業法を制定し自動車メーカーの制限に動き出す。アメリカとの戦争が始まると輸入に頼っている自動車が不足すると考えられ、生産を確保するために生産統制に動き出したのだ。許可会社に指定されなければ以後は自動車の生産ができず、折角の苦労が水泡に帰してしまう。突貫でトラック製造に乗り出して何とか許可会社指定を受けたものの、社員の出征、工場が爆撃されるなど、少なからずアイチ自動車も打撃を受けた。
屈辱の敗戦。マッカーサーは天皇陛下をぞんざいに扱い、忸怩たる思いを感じた佐一郎は、自動車産業を育み産業面からの打倒・鬼畜米英を目指す。しかし自動車製造の本格的な再開を目指したのも束の間、次々と苦難が待ち受ける。アイチ自動車が軍用トラックを作っていた事から、GHQは戦争協力者としてアイチ自動車及び佐一郎の排除に乗り出す(バカじゃねぇの)。
なんとか排除を免れたと思ったら、次に待ち構えていたのは急激なインフレ。GHQの指導のみならず、自らもそれが必要だと感じていた日銀総裁の財部は、金融引き締めを行いインフレ抑制に乗り出す。悪性インフレ時にはマネタリーベースを減らしてマネーストックも減らす(通貨の価値を上昇させる)というのは常道ではあるが、副作用として融資が受けられず資金繰りが悪化、倒産する会社が続出し始める。アイチ自動車も例に漏れず資金繰りが悪化し経営危機に陥った。アイチ自動車経営陣はメインバンク三行を説得して融資を受け、他の22社との協調融資でこれを乗り切ろうと動き出す。三行のうち、三河銀行と松坂銀行の融資確約は取り付けたものの、西国銀行には融資を断られてしまう。佐一郎ら経営陣が説得に当たるものの、まともに話を聞いてもらうことすらできない。
経理部長の近藤は西国銀行の説得に東奔西走していたが、病に倒れて帰らぬ人となってしまう。
経営危機に陥ったアイチ自動車経営陣は近藤部長の死を受け、改めて経営再建を固く誓う。当面の問題は年末に2億円、年が明けて1月と2月に1億円ずつ、合計4億円の資金不足が想定されること。経営陣は日銀の介入で市中銀行に協力を要請できないかと模索する。
一方で日銀の名古屋支店長として、財部総裁の秘書だった山梨が赴任してくる。山梨は部下から、アイチ自動車が万が一倒産した場合は、中京圏の経済に大きな打撃があるとの説明を受ける。影響はアイチ自動車本体やその従業員のみならず、アイチ自動車の下請け企業、さらにそれらに融資をしている金融機関にまで及ぶからだ。しかし中央銀行が一企業の救済をするのは異例の事。だが山梨は、救済が財部総裁の意に反するだけでなく、中央銀行の領分を越えるのではないかと疑問に思っていた。そんな折、山梨の部下は佐一郎らアイチ自動車経営陣と山梨を引き合わせる。山梨は挙母の工場やそこで働く従業員、佐一郎と関連会社労働者との絆、そして自動車産業が戦後日本の発展につながると言う佐一郎の理念に共感し、救済のために動くことを約束した。問題は財部が首を縦に振るかだ。
その財部はGHQから、戦前に日本で自動車を生産していたフォードが、日本での自動車製造を再開したがっているとの旨を伝えられる。だがフォードの生産設備は既になくなっていた。そこでGHQはアイチ自動車に目を付けたことをそれとなく伝え、財部にフォードがアイチ自動車の設備を使えるようにとの根回しをしてくる。元々、財部は「日本に自動車産業は不要」との意向を持っていた。アイチ自動車はフォードに工場を巻き上げられる危機に瀕した。
山梨は財部と佐一郎らの会見の場を設定するものの、直前にそれを知った総裁は自宅に帰ってしまい、会見は実現しなかった。だが佐一郎らの信念を知る山梨は、資料を携えて財部に直談判を試みる。財部は「山梨が自分と対立する覚悟で再建を主張するのか、それとも結論を佐一郎との再建に丸投げするだけなのか」と山梨に詰め寄る。山梨は、アイチ自動車再建は必ずしも総裁の意向に背くものでは無い事、そして再建に自分の首をかけるとの信念を示した。
財部もまた国を憂い、日本の子供たちの未来を案じていた。悪性インフレを抑えるために必要だったとはいえ、金融の引き締めが失業者を増やし、路頭に迷う労働者や子供たちを増やしていることに負い目も感じている。財部の考えは、佐一郎らに未来を託す方へと傾いていく。
そして財部は佐一郎らと面会する。佐一郎の、自動車産業の発展が日本の子供たちの未来の為に必要だととの説得を受け、財部は日銀管理でアイチ自動車を救済する意向を固めた。
総裁の意向を受け、日銀名古屋支店でアイチ自動車救済の為の25行会議が行われる。メインバンク三行からは三河銀行の加藤、松坂銀行の志村、そして西国銀行の児島が出席。席で山梨は、アイチ自動車救済には当面の4億円も含め総額20億円もの資金が必要な事、融資に必要な資金は日銀が供給する事を市中銀行に確約する。また経営再建には赤字の解消だけでなく、アイチ自動車が補填している不良債権化した割賦販売(ローン)の処理も必要な事を説明。取引銀行に理解と協力を求めた。
ここで児島が噛み付く。なぜアイチ自動車だけが救済されるのか、経営再建に失敗したら日銀が補償してくれるのか、と。これに山梨は反論。アイチ自動車の経営破綻は中京圏全体に影響があること、自動車産業の発展が日本には必要な事、そこまでリスクを回避するなら市中銀行の意味がない事、など。そして山梨は、石山から聞いた話を児島に突きつける。メインバンクであるにも関わらずまともに話を聞かないばかりか、「機屋には貸せても鍛冶屋には貸せない」とアイチ自動車を侮辱した事を。そして児島を「君はバンカーの風上にも置けない!」と一喝し、児島を会議場から追い出した。
こうして西国銀行を除く24行による協調融資で、アイチ自動車の救済と経営再建が行われることになった。だがまだ試練は続いていく。銀行団は確かに救済はするが無条件で貸すわけではなく、経営再建が必須条件だったからだ。銀行団が経営状態を点検した結果、現在の生産体制は過剰であり、月産を1200台から800台規模に落とし、余剰となる1600名を整理解雇するとの結論に至った。そうでなければ融資をすることはできない、と。これは「社員は家族」という佐一郎の理念に反するものであり、佐一郎は整理解雇をすることなく経営再建ができないかと奔走する。
そんな折、料亭の女将をしている佐一郎の知己である雪乃が朗報をもたらす。デトロイトの貿易商であるスミスが、アイチ自動車製トラックをアジアで販売したい事、またアメリカでは小型乗用車を販売したいと申し出てきたのだ。早速佐一郎は交渉に赴くが、トラックはともかく乗用車の条件が厳しかった。一つは40馬力以上を確保する事、もう一つは時速50マイルで12時間以上連続走行が可能であること。これは当時の技術水準では簡単では無い要求であった。佐一郎らは改良へと動き出す。
こうして経営再建に佐一郎が奔走する一方、労組側では「人員整理が行われるのではないか?」との不安が増大していった。委員長の北川らは労使協調路線を保とうとするが、実は水面下で石山らは銀行団の意向を受けて人員整理を計画していた。佐一郎の理念では融資を受けられないこと、またさらなる賃金カットでは労働者が全員共倒れになるからだ。銀行団の圧力も強まっており、山梨は「人員整理なしには融資は不可能」との現実を突きつける。それはアイチ自動車の倒産を意味した。
やがてアイチ自動車の労使は決定的な対立に至り、佐一郎は苦渋の決断を迫られていく事になる。
今の所はない。
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