本銃の外観はロケットランチャーの類かと誤認する『大型の銃身』と機関部の上に取り付けられた『円盤』に集約される。
実は『大型の銃身』は連続射撃によって生じる銃身の高熱を冷却する装置である。
装置自体は前後が貫通したカバーで、発射時に銃口からでるガスによって後部から空気を引き込むとされていた。しかし実際は効果が薄く、むしろガスが射手側に流れることもあって不評な事から装置を外されて使われる事も多かった。
なお、使用するライフル弾は当時の軍用小銃・機関銃弾としては標準的な7.7㎜弾であり、銃身自体はカバーよりかなり細い。
『円盤』は47発入りのフライパン型弾倉であり、装弾口を中心として放射状に実包が2層に分けて装填されており、射撃時は射手側から見て反時計回りに弾倉が小刻みに旋回しながら装填される。
しかし装弾口側の覆いがない=ライフル弾がむき出しになっていることから泥や埃が入り易く、機構の複雑さも相まって故障も少なくなかった。
それでも大戦前にアメリカ軍が採用していたM1909機関銃や同時期フランスが開発したショーシャ機関銃と比較すれば良好な信頼性と判断されたことから各国軍で採用され対峙したドイツ帝国軍でも鹵獲されて運用された。
そして航空機の搭載機関銃としても広く使われた。地上と比べると寒冷かつ強風にさらされる空戦を反映して冷却装置が取り外されて用いられたが単座の戦闘機では弾倉の交換が困難なことから複数が搭乗する爆撃機や偵察機での運用が主になりこれに合わせて銃床をグリップに替え弾倉は97発入り(4層)に切り替えられて操縦席後方や側面銃座で用いる『旋回機銃』として使用された。
前述の通り構造に問題が少なからずあった本銃だが傑作と名高いヴィッカーズ重機関銃と同じライフル弾と射撃速度を持ちながら重量は4分の1、操作人員は1名と軽機関銃の名に恥じぬ能力であり、塹壕戦の中で貴重かつ間近な制圧火力として連合国軍に重宝された。
しかし戦争が終わるとより洗練された軽機関銃が開発・配備された事により倉庫に保管された本銃だったが第2次世界大戦が勃発すると民兵などの二線級部隊に再配備が行われた。
しかしイギリスではダンケルク撤退戦時に多数の武器を放棄して撤退したことから補充が終わるまでの繋ぎ装備として再配備が行われた。
一方で敵対することになった大日本帝国海軍においては第2次世界大戦前に輸入・国産化が行われ、終戦まで航空機の主力旋回機銃として運用された。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/24(水) 22:00
最終更新:2024/04/24(水) 22:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。