ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム(宇宙暦268年~帝国暦42年)とは、田中芳樹原作の小説・OVA「銀河英雄伝説」に登場するキャラクターで、作中の人類に多大な影響をもたらした人物である。
アニメ版の声優は大塚周夫。
ゴールデンバウム朝銀河帝国の創始者で初代皇帝、通称ルドルフ大帝(在位:帝国暦元年~42年)。
元は銀河連邦の軍人で士官学校を主席で卒業し、法務士官として軍隊内の綱紀粛正をしていた。非常に厳格な綱紀粛正だった為に上官から嫌われ、「海賊ストリート」と呼ばれる危険な前線勤務にまわされる。しかし降伏した相手であっても容赦なく殲滅した事で、批判を受ける事もあったが、閉塞する連邦内で若き英雄として地歩を固める。
宇宙暦296年、28歳にして少将に昇進後、軍籍を退いて政界入りし、「国家革新同盟」のリーダーとして、自らの人気の元に若い政治家を集め政治的手腕を発揮する。
当時の連邦は、「地球連邦時代よりはマシ」という程度に疲弊してた為、活力、そして実行力のあるルドルフは超新星の如く輝いており、勢力を大きく伸ばして独裁政権を確立した。
その後、憲法に明瞭な禁止規定がなかった点を衝いて銀河連邦首相と国家元首を兼任することで強大な権力を掌握、さらに終身執政官を自称するようになる。
同310年(帝国暦元年)、自ら「神聖にして不可侵たる」銀河帝国皇帝ルドルフ1世を称し皇帝に即位、ゴールデンバウム朝銀河帝国を興して、人類の統一政体における最初の君主となる。
気がつけば民主政治が立憲君主、専制君主制に変わった訳だが、当時の社会は社会的・精神的に疲弊しており、ルドルフの危険性を訴える声より、彼を賞賛する声の方が大きく、それ以上に政治に無関心な層が多く居た。
その厳格な綱紀粛正は社会を覆っていた停滞的な悪弊を取り除き、人類社会は活力を取り戻したが、さらなる発展を求めるルドルフは暴走を始める。
帝国暦9年の劣悪遺伝子排除法制定で弱者排斥の姿勢を見せるとともに、「カイゼル単位」の導入を図ろうとするなど、次第に自己神格化へと走る。ここに至って賞賛していた層や無関心な層もルドルフの危険性を認識するが、時すでに遅く、政治・軍事を完全掌握したルドルフの手により、徹底的な粛清・弾圧が行われ、恐怖政治のもとで膨大な人命が失われた。また、功臣を中心にゲルマン風の姓を与えた貴族階級を創設し、軍・官僚・貴族による強固な支配体制を確立する。
こうして、38代、490年にも及ぶゴールデンバウム朝銀河帝国の基礎が完成した。
過去の人物であるため詳細は不明であるが、その使い方はともかくとして、業績から推測するに間違いなく英雄・偉人と言って差し支えない程に総合的能力が高いと思われる。
少なくとも青年期にウッド提督に並べて讃えられた軍事的手腕、停滞していた民主国家を力ずくで発展させた壮年期の政治的手腕、そして晩年になってからも後継体制を完璧に整えて共和派などの反体制分子に付け入る隙を与えさせなかった組織構築の手腕は本物である。
断片的な情報からだと、真面目で厳格な性格と思われる。
どこから狂ったかは不明だが、少なくとも初めは「停滞した社会を改革したい」と切に願い、それを実行する強い意志と信念をもった、英雄と呼ぶに相応しい人物である事は間違いないと思われる。
このため、同盟の一部の知識人はルドルフを単なる悪人と見ることに疑問を呈している。
ヤン・ウェンリーは同盟政府の腐敗とそれをあまり糾弾しない民衆に対する苦々しさが民主主義そのものへの疑念に転じる感覚を覚えた際に「そう思いつづけて、あげくにこれを救うのは自分しかいないと確信したにちがいない。まったく、逆説的だが、ルドルフを悪逆な専制者にしたのは、全人類にたいする彼の責任感と使命感なんだ」と語り、ジョアン・レベロは「権力を手に入れるまでの彼は、いささか独善的ではあっても理想と信念に燃える改革志向者、それ以上ではなかったかもしれない」と評している。
正式な妻としてエリザベートを皇妃としていた他に多数の愛人を持っており、皇帝になってからは愛人を公式な妾として扱って彼女らに爵位を与え、寵愛が薄れると拝領妻として妾の爵位ごと褒美扱いで臣下に下賜したりしていた。それがゴールデンバウム王朝における後宮の在り方につながっている。
エリザベートとの間に四人の子どもを設けたが、全員女性であった。ルドルフは男系血統の価値観があったようで、自分の後継者を息子にすることを望んでいたのだが、まったく男児に恵まれなかったことが長年の悩みであったそうだから、どうやら妾との間にできた子も全員女性であったらしい。なんとも奇妙なことである。
晩年の寵姫マグタレーナは男児を出産したそうだが、これは先天的に白痴であったと伝えられている。証拠は存在しないが、マグタレーナが出産した前後に彼女ばかりか男児出産に関わったものが全員ルドルフによって死を強要されて真実が隠蔽された歴史的事実から、ほぼ間違いないことであるとされている。
結局ルドルフは後継者たる男児を得ることは生涯できず、長女カタリナとその婿ノイエ・シュタウフェン公ヨアヒムの子ジギスムントを後継者にすることとなり、ゴールデンバウム王朝の男系血統は早々に途絶えることとなった。
銀河帝国にとっては「皇祖にして無謬の大英雄にして、遺伝子と血統による支配体制の正統性の象徴」であり、自由惑星同盟にとっては「数多の民衆を殺戮して銀河連邦の民主主義を死滅させた巨悪」であるため、作品内における評価は両極端化している(帝国:ルドルフ賛美、同盟:ルドルフ否定)。
ローエングラム朝銀河帝国の世においては、初代皇帝のラインハルト・フォン・ローエングラムがルドルフに否定的な見方をしているため、その評価に大幅な修正が加えられたものと推測されるが、具体的な描写はない。ただラインハルトがルドルフを嫌うの理由が「遺伝子を盲信した」「せっかく得た権力を人類の進歩のためでなく、自己神聖化というもっとも愚劣なことに使った」からであり、ヨブ・トリューニヒトなどの例もあって民主主義にもあまり好意的な感情を抱いていないことから、皇帝時代の所業が糾弾されつつも概ね肯定的な歴史評価がされているのではないかと推測される。
余の関連動画が無いとはどういうことだ!
末のフリードリヒ4世には関連動画はあるというのに!!
掲示板
185 ななしのよっしん
2024/03/24(日) 14:19:05 ID: ApvSnLtWlb
186 ななしのよっしん
2024/04/15(月) 20:02:02 ID: Vl2pKyWAI3
原作のアスターテ会戦直前にヤンが読んでた本が、「地球で生み出されたクローニング技術と社会ダーウィニズムが結合した結果、ルドルフ台頭に繋がる思想的な下地が作られた」って内容だった。
あれを再確認してからふと思ったんだけど、「ルドルフの正体は地球勢力が銀河社会を蝕み簒奪するために送り込んだ、クローニング技術などを駆使して創造された『造られた救世主』だった」みたいな設定が、まだSFをやろうとしていた最初期には存在していたってことはないだろうか。
だとすると、なぜルドルフは旧地球時代のドイツ風社会へ銀河を作り替えたのか、なぜ帝国は地球の自治権を剥奪もしなかったのかの説明がどついてくるんだけどね、うっすらとだけど。
187 ななしのよっしん
2024/04/24(水) 07:23:26 ID: NZkQ90f0uD
エルサルバドルが過激な方法で犯罪率を激減させたみたいな動画でコメント欄が犯罪者に人権はいらない!これはやられて当然!って投稿だらけでうp主の主張もそんな感じだったのでああ…ルドルフ大帝はこうやって支持されたんだなって察した
治安が終わってる国だったからある程度の過激な対処はわかるけどだから人権や冤罪ガン無視でなにしてもいいってのはなぁ…
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最終更新:2024/04/25(木) 02:00
最終更新:2024/04/25(木) 02:00
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