ル・マラン(アズールレーン) 単語


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ヴィシアノグータラムスメ

6.3千文字の記事

は浪を駆ける想、「エレガント」なる ヴィシアの邪しき――駆逐艦ル・マラン、そなたの命に従うしもべとならん」

ル・マラン(アズールレーン)とは、STGアプリゲームアズールレーン』に登場するキャラクターであり、第二次世界大戦におけるフランス軍が建造した駆逐艦「ル・マラン(Le Malin,Da18)」をモチーフとしたKAN-SENである。

駆逐艦ル・マラン。いつでもご命令を……はああ……

KAN-SEN
ル・マラ
  MNF Le Malin,Da18
基本情報
所属 ヴィシア聖座
艦種 駆逐艦
レアリティ SSR
CV 白石晴香
イラスト KIn
艦歴
フランスヴィシーフランス
出身地 ラ・セーヌ=シュル=メール
地中海工造FCM)
艦級 ル・ファンタスク級大駆逐艦3番艦
1933年8月17日
就役 1936年-1964年フランス軍)
最期 1977年(解体)
備考

ヴィシア聖座所属ル・ファンタスク級駆逐艦の一隻。

ヴィシアを守る者として時には冷に、そして時にはずる賢く立ち回るエレガントたる邪しきに隠された、彼女の本当の姿―― それを見た者はほとんどいないと言われている…

ーーーー公式Twitter・艦紹介より

ヴィシア聖座に所属する駆逐艦2019年6月27日から復刻開催された「アイリス」にて実装されたKAN-SENの一人。前回実装されたジャンバールマサチューセッツ等と共に、期間限定建造にて入手できる。建造率は2%だが、例の如く出ない人はとことん出ないため深追いには十分注意が必要である。

2020年5月14日に「アイリス」は「作戦履歴」で常設実装となり、それに伴ってル・マランも小艦建造に常設実装となった。ただ、ピックアップなしの建造であるため、以前にもまして狙って出すのは困難。未入手の指揮官は、デイリー建造などで焦らず出るのを願おう。

だるい……秘書艦やめ…… はっ!なんでもありません!

全身のほぼ全てが白色に統一されている少女。一部を二つの団子めたの長、身につけている衣装レオタードスカートの羽を模したかのよう紅白マントと、まるでバレエダンサーのような出で立ち。その一方で手に握るレイピア黒色であり、オーラを周囲に振りまいているという、非常にコントラストが映える立ち姿となっている。艦名が本来意味するところの「悪意」を判明したものだろうか。後述のスキル名を考えるとレイピアを塗っていそうであるが詳細は定かではない。

そんな彼女の性格は記事の冒頭に書かれているように、出会い頭に「エレガントなるヴィシアの邪しき」を自称をするという若干中二病臭い仰々しいもの……と思いきや。実際の所は、かの干物軽空母もかくやと言わんばかりのがつくほどのぐーたら秘書艦にするとログインの段階で既に疲れを感じさせるため息を吐き、眠いだのだるいだの疲れるだのとしきりに愚痴をこぼす。他にもダンケルクお菓子を想像して「ぐへへ」と独り言したり、「トリオファンに入れ方を教えてもらった」などときながらティーバッグの紅茶を勧めてくるなど、自称とは全く正反対のかなりいい加減な性格。エレガントとは一体…うごごごご!ちなみに台詞から推察すると、ぐーたらな彼女エレガントな振る舞い方をさせているのはのル・トリオファンである可性が高い。

お艦紹介によれば「エレガントたる邪しきに隠された、彼女の本当の姿を見た者はほとんどいない」らしいが、それは隠してるんじゃなくて単に本気を出すのが面倒なだけなのではないだろうか?

実装と同時に固有スキンぐーたらディマンシュ」が期間限定で購入可となっている。ディマンシュとは日本語で「日曜日」を意味するフランス語であり、要するに仕事オフの日の姿ということ。普段のぐーたら度に更に拍がかかり、エレガントなど全にあさっての方向へと投げ捨ててしまっている状態である。を引き合いに出されたって絶対に頑張らないらしい。更には指揮官ぐーたらにさせようと、隠れてコーヒーに安眠系風邪薬を混入しようとする始末。しかしこんなんでも域に連れて行くときちんと仕事してしまうあたり、意外と儀な性格なのかもしれない。

2020年5月21日には、Live2D付き着せ替え「隠れマルコディ」が実装されている。

水着と見紛うばかりの極端な露出度の姿で、上記「ぐーたらディマンシュ」にべると麗さと艶っぽさはかに素晴らしい。しかし、ぐーたらしたいという本質になんら変わりはなく、ゼッタイに執務室に戻らないと宣言してしまう。それでも許してしまう指揮官は、ショップへいらっしゃいにゃ

速さがあっても、火力がなければ敵は倒せません。当然です

スキル1:Poison +Croix
自身のが同じ敵に10回命中した場合、5間その敵が受ける駆逐艦による撃・雷撃ダメージが4.5%(MAX12.0%)アップ
自身が戦闘中敵艦を撃破した場合、戦闘終了まで自身の火力が0.5%(MAX2.0%)アップ(最大10回加算可

スキル2:鼓動ヴィシア
自身の回避・雷装が5.0%(MAX20.0%)アップ戦闘開始30後、このスキルによる強化効果は20以内に0になるまで減少し続ける。

のル・トリオファンと同じく、全艦トップクラスの速力を持つ駆逐艦。短期戦と長期戦それぞれに向いているスキルを持つが、発動条件の関係上オートよりも手動のほうが価を発揮しやすい。指揮官プレイスタイルによって評価が分かれるところだろう。

スキル1「Poison +Croix」は、2種類の効果を併せ持つ複合スキルである。1つの効果は「自身の撃を10回当てた敵に対し、被ダメを増大させるデバフを付与する」というもの。デバフにより被ダメを増大できるのは駆逐艦撃と雷撃であることから、攻撃特化の駆逐艦と相性がいい。2つスキルは自身が敵艦を撃破した際、永続的に自身の火力を上昇させるというもの。最大10回まで加算可だが、彼女自身がとどめを刺さないと発動しないというのが大きなネック。後述のスキルの効果が発動しているうちに撃破数を稼ぐことがめられる。

スキル2「鼓動ヴィシア」は戦闘開始直後に自身にバフを掛けるが、時間が経過するごとにバフの効果が減衰するという彼女ぐーたらぶりを反映したスキル。たった20であるが最大20もの倍率を持つバフを得ることができるため、中の敵を撃破するにはもってこい。先程も述べたように、スキルの効果がある間に撃破数を稼げば「Poison +Croix」のバフ効果を上昇させることができるため、上手く運用すれば最初から最後まで強力なバフを得たまま戦うことが可である。

ヴィシアを守る邪しき剣、参ります!

元ネタはかつてフランス海軍が建造し保有していたル・ファンタスク級大駆逐艦3番艦「ル・マラン(Le Malin,Da18)」。名前日本語で「悪意」を意味するものであり、同じ名前を受け継いだ艦としては3代に当たる。1931年11月16日起工、1933年8月17日1936年5月1日工。起工順としてはのル・トリオファンの方が先だが、進順としては本艦が先である。

ル・ファンタスク級の詳細についてはの項を参照。 → ル・トリオンファン(アズールレーン)

完成したル・マランは1936年6月8日フランス海軍に就役した。同じル・ファンタスク級と共に第8軽部隊を編成し、フランスブレスト拠点とする第2軽戦隊に配属。当時フランス植民地だったギニア首都コナクリへの遠洋任務に着いた。その後は艦隊の再編成に伴い、1937年4月12日第8駆逐隊に改編された。

1939年9月第二次世界大戦が勃発すると、ル・マランら第8駆逐隊は襲撃部隊(Force de Raid)の艦艇と共に北大西洋の任務に従事。10月半ばには通商破壊で多数の輸送を沈めていたアドミラル・グラーフ・シュペーの捜索に参加した。11月にはランドターブルL'Indomptable)やル・トリオファンと共に、ブレストまで戦艦トラブールの護衛を行った。

1940年4月イタリア宣戦布告の気配を感じ取ったフランス軍は、アルジェリアメルセルビール第8駆逐隊を含む襲撃部隊を召集。ル・マランはナチスドイツが実施したノルウェーデンマークへの侵攻作戦ヴェーザー演習作戦)への対応をこなしつつ、ノルウェーに向かうドイツ艦艇の発見を的とした高速航行巡回をスカゲラ峡で実施した。その任務の過程で哨戒艇2隻を発見し、そのうち1隻に撃で損傷を与えることに成功。Sボート2隻に雷撃されることもあったが、それを持ち前の速力で回避して逆に1隻を返り討ちで撃沈している。この戦闘の後に第8駆逐隊域から離脱したが、ル・マランは機関の故障のため速力が低下。修理はできたが離脱が遅れたために、明け前に襲を受けることになる。幸いにも被害はなく、その日の午後にイギリスのロサイスに帰還することができた。

1940年6月21日フランスナチスドイツ電撃作戦を前に為す術なく降。休戦協定により独のヴィシー政権立することになる。この敗北を機にル・トリオファンを含めた多くのフランス艦艇が本を脱出していたが、ル・マランはブレストに留まっていたため自動的にフィジー政権の管理下に入った。その後7月3日メルセルケビール海戦でのイギリスの攻撃から退避してきたストラブールを迎えるため、巡洋艦と共にトゥーロンへと移動した。

1940年7月10日から9月8日にかけて、敗戦の混乱が落ち着いたことを見計らって改修工事を実施。その間に極一部を除いたフランス植民地自由フランス側に与することになる。9月23日自由フランスイギリス支援を受けながら、大艦隊をセネガルのダカールへと派遣。当然ヴィシー側もこれを見過ごせるわけがなく、艦隊を派遣したことで戦闘が始まった(ダカール戦)。戦闘前に自由フランス側は降のビラを撒いたり、トップのドゴール将軍が自ら赴いたりと戦闘を回避しようとしたがいずれも失敗している。ヴィシー側は寡兵であったが、メルセルケビール海戦におけるイギリス側の一方的な行いにより不信感を募らせており、非常に戦意が高かったのである。

ル・マランは、僚艦のローダシューと共にイギリス艦隊と交戦。途中でローダシューがオーストラリア海軍の攻撃で擱座してしまったが、味方を守るために煙幕を散布しながら戦域を奔走した。降り注ぐ弾により蒸気機関が損傷して速度が低下、更にはアーク・ロイヤルから発艦した艦載機による襲を何度も受けたがなんとか切り抜ける。戦意が高かったこともあってヴィシー側は善戦。当時未完成だったリシュリューも果敢に応戦し、イギリス海軍戦艦バーラムを損傷した。またフランス潜水艦べベジエがイギリス海軍戦艦レゾリューションを大破に追い込むなどしたことにより、イギリス自由フランスは上陸作戦を中止。ヴィシーはダカールに上陸しようとした連合側を見事に撃退した。なおこの戦いにより、ヴィシー側のイギリスへの不信感が更に増大することになったのは余談である。

1942年11月8日モロッコカサブランカでドック入りしていたル・マランは、トーチ作戦により侵攻してきたアメリカ軍との戦闘カサブランカ戦)に巻き込まれた。カサブランカ所在していたフランス海軍戦艦ジャンバールアメリカ海軍戦艦マサチューセッツ撃戦を行い、マサチューセッツから放たれた弾の一発がドックにいたル・マランに命中。その威力は凄まじく、ル・マランは大破炎上してドック内に着底、体が13.5度も傾斜し、機関部が大量のにより浸する事態となった。瀕死の状態のまま航されてドックを脱出すると、応急修理で傾斜を正した後、対空砲で飛来する米軍爆撃機に応戦。一連の戦闘で戦死者7名、負傷者7名を出した。11月10日にヴィシー側の現地官であるフランソワダルラン大将が休戦協定を結んだことでカサブランカ戦は終結。この日をにル・マランは自由フランス側の配属となる。

カサブランカ戦で受けた損傷を修理したル・マランは、近代化改修を受けるためにアメリカへと出発。1943年6月マサチューセッツ州ボストンに到着すると、ボストン海軍にて大規模な改修を受けた。既存の兵装は全て撤去し、アメリカ製の最新鋭の対空砲爆雷投射機、レーダー等にリニューアル。艦種を軽巡洋艦と改め、同様に近代化された他のル・ファンタスク級と共に再び地中海の戦いへと身を投じることとなった。

1944年1月地中海に戻ったル・マランは、ル・トリオファンやル・テリブルと共に第10軽巡洋艦隊を編成。イギリス海軍の第24駆逐艦戦隊に加わってアドリア海任務に着き、持ち前の速力を活かしてイタリアユーゴスラビア間の上輸送の阻止に尽力した。また8月15日には南フランスプロヴァン地方への上陸作戦ドラグーン作戦)に参加。撃による上陸の援護を行った。

1944年12月25日イタリアナポリからトゥーロンに向かっていたル・マランは、悪のためにル・テリブルの左舷へと衝突した。両艦は大破し、ル・マランは15メートルに渡って艦首を切断。双方合わせて70名もの死者・行方不明者を出す大惨事となった。その後になってやって来たイギリス海軍イタリア海軍コルベット艦により航。27日ナポリへと帰投した。

1945年1月22日に破損した艦首部分を整形し、2月26日に本格修理のためにラ・シオタへ向けて出発。その中で衝突事故が起きた域に立ち寄り犠牲者の慰霊祭を行うと、3月9日にラ・シオタへ到着。かつてトゥーロンで行われたフランス艦隊の一斉自沈、それに巻き込まれた姉妹ランドターブル艦首を利用し修理が行われた。修理された艦首部の艦内通路、ル・マランの艦体とランドターブル艦首の継ぎには、以下の文章が刻まれたプレートが掲げられたそうである。

"Ici finit Le Malin et commence L'Indomptable"
(ここでル・マランは終わり、ランドターブルが始まる)

この修理作業には1945年の大半を費やしたことから、ル・マランは入渠中のまま終戦を迎えることとなった。

戦後ル・マランは高速護衛艦に再分類され、フランス海軍空母アローマンシュの護衛任務などに従事。1952年8月1日には海軍士官学校練習艦となり、更に1956年に予備役となった。1964年2月3日に軍を除籍、棄が決まったが延期となり、ロリアンにて防波として活用される。その12年後の1976年11月16日スクラップとして売却され、更に3年後の1977年に解体。除籍・解体ともに、同級の中では最後の艦であった。

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