レアル・ベティス(Real Betis Balompié)とは、アンダルシア州セビージャに本拠地を置くスペインのサッカークラブである。
ラ・リーガ1部であるプリメーラ・ディビジョン所属。ホームスタジアムはエスタディオ・ベニート・ビジャマリン。
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1907年9月12日に創設された110年の歴史を持つクラブ。クラブ名のベティスは、ローマ帝国時代の属州名ヒスパーニア・バエティカに由来する。バエティカはセビージャ市内を流れるグアダルキビル川を指し、範囲は現在のアンダルシア州に相当する。レアル(「王室」)の名前は、クラブがアルフォンソ13世国王から後援を受けた1914年に付け加えられた。
1934-35シーズンにクラブ史上唯一のプリメーラ・ディビシオン(1部)制覇を成し遂げ、コパ・デル・レイでは2度、1976-77シーズンと2004-05シーズンに優勝している。歴史的にはリーガの上位に定期的に定着したり、エレベータークラブになったりする浮き沈みの激しいクラブだが、人気が衰えないベティスを表すフレーズに、「ベティス万歳、たとえ敗れようとも!」(Viva Betis manquepierda!) というものがある。
スペインのクラブで4番目に多いファンクラブ数(450以上)を誇るスペイン屈指の名門であり、ベティコス (béticos) と呼ばれる熱狂的なサポーターに支えられている。歴史的背景から労働者階級層に強い支持基盤を持つとされる。同じセビージャを本拠地とし、富裕層を中心にファンが多いとされるセビージャFCとの試合はセビージャ・ダービーとして盛り上がる。
現在のチームカラーは緑と白だが、クラブ創設当時、グラスゴウを旅行したベティスのファンが、セルティックFCのグリーンに感銘を受け、ウチのクラブのカラーもグリーンにしようと主張したことに由来している。ただそれでは芸がないので、セルティックが横縞なのに対し、縦縞のデザインとなった。
日本人選手では乾貴士が2018-19シーズンに所属したことがある(2019年1月にレンタル移籍したのでプレーしていたのは実質半年ほど)。
同じ都市のライバルであるセビージャFCが設立された2年後の1907年9月、地元の工芸学校の学生によってセビージャ・バロンピエ (Sevilla Balompié) が創設。
一方、1909年にはセビージャFCで内部分裂が起こり、離反した役員たちによってベティスFC (Betis Foot-ball Club) が設立。
1914年、この二つのクラブが合併し、アルフォンソ13世の庇護を受けて「レアル (王室の意味) 」が冠された結果、レアル・ベティス・バロンピエ (Real Betis Balompié) が誕生した。
1931年から1939年までの間、クラブ名から「レアル」の冠が取り除かれていたが、この時期にクラブは黄金期を築く。クラブ創立25周年にあたる1931-32シーズン、2部リーグ(セグンダ・ディビジオン)で初優勝を飾り、アンダルシア州のクラブとして初めて1部に昇格。そして、パトリック・オコネルが監督を務めた1934-35シーズンにクラブ初のプリメイラ・ディビジオン優勝を果たす。
しかし、ベティスの栄光はそう長くは続かなかった。財政難や内戦の影響で優勝メンバーの多くがチームを離脱し成績は下降線を辿る。1939-40シーズンには2部に降格。その後、1940年代から50年代にかけてはクラブの暗黒期といえる時期となり、1946-47シーズンにはとうとう3部リーグにまで降格してしまう。その後、2部に復帰するまで実に7年を要することになる。
そんな最悪な時期であってもサポーターはクラブを見捨てず、スタジアムは満員となっていた。アウェー試合でも見られた激しい応援は(ユニフォームカラ―から)「緑の行進 (Green March) 」として知られ、スペイン中から共感を得た。
1955年、経営難に苦しむクラブの会長にベニート・ビジャマリンが就任。ビジャマリンの尽力によってクラブ経営は安定するようになり、1958年には15年ぶりに1部に返り咲く。1961年には後に自らの名前が冠することになるスタジアムを購入。さらには期待の星とされたルイ・デル・ソルを名選手として輩出。勢いづいたチームはプリメイラ・ディビジオンに定着するようになり、1963-64シーズンにはクラブ最高成績となる3位になっている。
だが、1966年にビジャマリン会長が癌で死去すると、直後にクラブは再び2部に降格。ここからおよそ10年間は昇格と降格を繰り返すエレベータークラブとなるのだった。1970年代半ばに入って1部での地盤を固めるようになると、1977年6月28日にはコパ・デル・レイ決勝でアスレティック・ビルバオを破り、初優勝を果たす。これによって1977-78シーズンのUEFAカップウィナーズカップの出場権を得て、ベスト8まで進出。ところが、カップ戦の負担が影響したのか肝心の国内リーグで低迷してしまい、2部降格の憂き目に遭ってしまう。
降格から1年で1部に復帰した後、3シーズン連続で6位以内に入り、UEFAカップにも出場。本拠地のベニート・ビジャマリンは1982 FIFAワールドカップの会場にも選ばれる。ところが、1980年代後半になると再びエレベータークラブに逆戻りしてしまい、リーガ・エスパニョーラが新たなレギュレーションを導入したことによって深刻な財政難に陥ってしまう。
ロレンソ・セラ・フェレール監督に率いられた1993-94シーズン終了後にプリメーラ・ディビシオンに復帰した。1994-95シーズンは昇格組ながら3位となり、翌シーズンのUEFAカップの出場権を獲得。1996-97シーズンにはリーグを4位で終えると初優勝から20年ぶりにコパ・デル・レイ決勝に進出。FCバルセロナと延長戦までもつれ込む激闘を繰り広げるが、惜しくも準優勝に終わっている。チームを躍進させたフェレール監督がバルセロナに引き抜かれるが、後にスペイン代表で黄金期を築くルイス・アラゴネスが監督に就任。UEFAカップウィナーズカップでベスト8まで進出している。
フェレールが7年ぶりに監督に再任した2004-05シーズンにクラブ史上に残るスター選手となるホアキン・サンチェスや新加入のリカルド・オリヴェイラの活躍もあってリーグ戦を4位で終え、クラブ史上初めてUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得するとともに、コパ・デル・レイではクラブ史上2度目の優勝を果たした。2005-06シーズンのCLではチェルシーFCを破るサプライズを見せたが、国際舞台での躍進とは裏腹に国内リーグでは低迷し、14位でシーズンを終えた。
2007年に創立100周年を迎え、前シーズンに欧州王者となったACミランと記念試合を開催。だが、この頃からクラブは再び低迷期に差し掛かり、放漫経営による財政的な問題、相次ぐ監督交代などの一貫性のない戦略やエースのホアキンがバレンシアCFに引き抜かれたことが災いして2008-09シーズンにセグンダへ降格。さらにはオーナーであるデ・ロペーラが詐欺行為によって告発されるというスキャンダルが起こり、クラブは混乱。デ・ロペーラの退陣を求める声が強まる中、選手時代にクラブのレジェンドだったラファエル・ゴルディージョが会長に就任する。
2シーズンをセグンダで過ごすこととなったが、2010-11シーズンより監督に就任したペペ・メルのもとで優勝を果たし、プリメーラに復帰。ペペ・メルはルベン・カストロ、ホルヘ・モリーナ、ベニャ・エチェバリアを擁した攻撃的なサッカーでインパクトを残すが、好不調の波が激しく、2013-14シーズンには6勝7分25敗で勝ち点は25、得失点差-42の圧倒的最下位でセグンダへ降格する。
1年でプリメーラに復帰した2015-16シーズンに英雄ホアキン・サンチェスが10年ぶりに復帰。ダニ・セバージョスらの台頭もあり、苦戦しながらも残留を続ける。2017-18シーズンはキケ・セティエンが監督に就任し、ポゼッションスタイルを導入。ラ・リーガで6位に入り、13年ぶりに欧州の大会への出場権を獲得する。セティエンは魅力的なフットボールを披露し評価されるが、徐々に尻すぼみとなっていき、2019年で退任となる。
2020-21シーズンに豊富な実績を持つマヌエル・ペジェグリーニが監督に就任。「再生工場」としても知られるペジェグリーニはセルヒオ・カナレスやアンドレス・グアルダードらの才能を引き出し、チームをラ・リーガの上位チームへと着実に成長させる。2021-22シーズンのコパ・デルレイではバレンシアとの決勝を制し、17年ぶり3回目のタイトル獲得をもたらす。
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
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- | 監督 | ![]() |
マヌエル・ペジェグリーニ | 1953.9.16 | 2020 | ウェストハム監督 |
2 | DF | ![]() |
エクトル・ベジェリン | 1995.3.15 | 2023 | スポルティングCP |
3 | DF | ![]() |
ディエゴ・ジョレンテ | 1993.8.16 | 2024 | ASローマ |
4 | MF | ![]() |
ジョニー・カルドーソ | 2001.9.20 | 2024 | インテルナシオナル |
5 | DF | ![]() |
マルク・バルトラ | 1991.1.15 | 2024 | トラブゾンスポル |
6 | DF | ![]() |
ナタン | 2001.2.6 | 2024 | SSCナポリ |
7 | FW | ![]() |
アントニー | 2000.2.24 | 2025 | マンチェスター・ユナイテッド |
8 | FW | ![]() |
ヴィトール・ロッキ | 2005.2.28 | 2024 | FCバルセロナ |
9 | FW | ![]() |
チミ・アビラ | 1994.2.6 | 2024 | オサスナ |
10 | FW | ![]() |
アブデ・エザルズリ | 1994.2.6 | 2023 | オサスナ |
11 | FW | ![]() |
セドリック・バカンブ | 1991.4.11 | 2024 | ガラタサライ |
12 | DF | ![]() |
リカルド・ロドリゲス | 1992.8.25 | 2024 | トリノ |
13 | GK | ![]() |
アドリアン | 1987.1.3 | 2024 | リヴァプールFC |
14 | MF | ![]() |
ウィリアム・カルヴァーリョ | 1992.4.7 | 2018 | スポルティングCP |
15 | DF | ![]() |
ロマン・ペロー | 1997.9.22 | 2024 | ニース |
16 | MF | ![]() |
セルジ・アルティミラ | 2001.8.29 | 2023 | ヘタフェ |
18 | MF | ![]() |
パブロ・フォルナルス | 1996.2.22 | 2024 | ウェストハム |
19 | MF | ![]() |
クチョ・エルナンデス | 1999.4.29 | 2025 | コロンバス・クルー |
20 | MF | ![]() |
ジオヴァニ・ロ・チェルソ | 1996.4.9 | 2024 | ビジャレアルCF |
21 | MF | ![]() |
マルク・ロカ | 1996.11.26 | 2023 | リーズ |
22 | MF | ![]() |
イスコ | 1992.4.21 | 2022 | セビージャFC |
23 | MF | ![]() |
ユスフ・サバリ | 1993.3.5 | 2021 | ボルドー |
24 | DF | ![]() |
アイトール・ルイバル(C) | 1996.3.22 | 2017 | レガネス |
25 | GK | ![]() |
フランシスコ・ビエイテス | 1999.5.7 | 2023 | ベティスB |
30 | GK | ![]() |
ヘルマン・ガルシア ※ | 2004.2.1 | 2024 | ベティスB |
31 | GK | ![]() |
ウィリアム・フェルナンデス ※ | 2001.3.28 | 2025 | ベティスB |
32 | DF | ![]() |
ノーベル・メンディ | 2004.9.3 | 2024 | ベティスB |
33 | DF | ![]() |
シャビ・ブレゲスエロ ※ | 2003.1.14 | 2025 | ベティスB |
34 | MF | ![]() |
カルロス・ギラオ ※ | 2003.4.27 | 2024 | ベティスB |
36 | FW | ![]() |
ヘスス・ロドリゲス ※ | 2005.11.21 | 2025 | ベティスB |
37 | MF | ![]() |
ダニ・ペレス ※ | 2005.7.26 | 2022 | ベティスB |
38 | FW | ![]() |
アサン・ディアオ ※ | 2005.9.7 | 2023 | ベティスB |
40 | DF | ![]() |
アンヘル・オルティス ※ | 2004.7.25 | 2024 | ベティスB |
41 | GK | ![]() |
マヌ・ゴンサレス ※ | 2007.7.18 | 2024 | ベティスB |
42 | DF | ![]() |
パブロ・ブスト ※ | 2005.9.15 | 2024 | ベティスB |
43 | DF | ![]() |
ルーカス・アルカサル ※ | 2002.7.11 | 2023 | ベティスB |
46 | MF | ![]() |
マテオ・フローレス ※ | 2004.4.7 | 2024 | ベティスB |
47 | FW | ![]() |
カルロス・レイナ ※ | 2004.8.10 | 2024 | ベティスB |
52 | FW | ![]() |
パブロ・ガルシア ※ | 2006.8.15 | 2025 | ベティスB |
57 | DF | ![]() |
セルヒオ・アリバレス ※ | 2003.2.10 | 2025 | ベティスB |
※はベティスB所属選手。
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最終更新:2025/05/21(水) 12:00
最終更新:2025/05/21(水) 12:00
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