レイヴンズパス(Raven's Pass)とは、2005年生まれのイギリス調教の競走馬・種牡馬である。
父Elusive Quality、母Ascutney、母父Lord at Warという血統。
父イルーシヴクオリティはGI競走未勝利だが、1998年のポーカーハンデキャップ(GIII・芝1マイル)で当時の世界レコードである1:31.63を記録して勝利した快速馬。
母アスカットニーは11戦2勝・GIII1勝。本馬以外の産駒はワイルドアゲイン産駒の半兄ギガワットがGIII1勝。
母父ロードアットウォーは貴重なブリガディアジェラードの直系で、本馬のほか*ウォーエンブレムなどの母父に名を残している。
本馬は米国ケンタッキー州のストーナーサイドステーブルで生産・所有され、イギリスに送られジョン・ゴスデン調教師に預けられた。
2歳7月の初戦を8番人気ながら制し、続くレースでは逃げて5馬身差で圧勝すると、ソラリオS(GIII)では1番人気に支持された。このレースでは先行して残り2ハロンを切った辺りから先頭に立ち、そのまま後続を7馬身突き放して圧勝した。2着シティリーダーがしばらくしてロイヤルロッジS(GII)を勝利したことも手伝い、本馬の評価は大きく高まった。
4戦目のデューハーストS(GI・7ハロン)では、アイリッシュナショナルS(GI)を含め4戦無敗のニューアプローチに次ぐ2番人気に推された。ニューアプローチを見るような形で先行したが残り1ハロンを切ったところでヨレて失速した影響で同馬の3着に敗れ、2歳時は4戦3勝となった。
3歳時は2000ギニーを目指し、クレイヴンS(GIII)から始動したが、先に抜け出したトゥワイスオーヴァーに競り負け、短頭差で2着に終わった。本番の2000ギニーでは3番人気となったが、上位3頭から離れた4番人気だったヘンリーザナヴィゲーターが1番人気だったニューアプローチをハナ差で下す中、離れた3着争いで12番人気だったスタッブスアートにも半馬身差で競り負けて4着に敗退した。次走はマイル路線のセントジェームズパレスS(GI・1マイル)となったが、愛2000ギニーも勝利してきたヘンリーザナヴィゲーターに再び敗れ2着に終わった。
フランスに遠征して出走したジャン・プラ賞(GI・1600m)でも先に抜け出したタマユズの2着、イギリスに戻って出走したサセックスS(GI・1マイル)ではまたもヘンリーザナヴィゲーターに敗れアタマ差2着となったが、続くセレブレーションマイル(GII)を勝利して久々に勝ち星を挙げた。
クイーンエリザベス2世S(GI・1マイル)ではヘンリーザナヴィゲーターに加え、ジャン・プラ賞の後に古馬相手のジャック・ル・マロワ賞を勝利したタマユズも出走してきた。レースは好位で運んだ本馬が残り1ハロン地点で抜け出すと、追ってきたヘンリーザナヴィゲーターに抜かせず勝利し、遂にGI初制覇を挙げた。
次の目標はブリーダーズカップとなったが、この年からオールウェザーで開催されるということもあり、芝1マイルのブリーダーズカップ・マイルではなくオールウェザー10ハロンのブリーダーズカップ・クラシックに出走することとなった。ヘンリーザナヴィゲーターや日本馬カジノドライヴも出走したこのレースでは、前年覇者にしてこの年のドバイワールドカップも勝つなど実績抜群であったアメリカ競馬史上初の1000万ドルホース・カーリンが単勝1.9倍で圧倒的な1番人気となり、ランフランコ・デットーリ騎手鞍上の本馬はマイルまでしか走ったことが無いのもあって6番人気(14.5倍)だった。
デットーリ騎手は距離も勘案してカーリンをマークするような形で中団からレースを進めた。カジノドライヴが先手を取っていったが3角から4角にかけて後続が進出し、直線入口でカーリンが先頭に立った。しかし外からこれをマークして進出した本馬が残り1ハロン地点で先頭に立ち、追撃してきたヘンリーザナヴィゲーターも1馬身3/4差で退け優勝。イギリス調教馬としては初(欧州全体では1993年のフランス調教馬*アルカング以来15年ぶり2頭目)のブリーダーズカップ・クラシック優勝を達成し、デットーリ騎手にとっても6回目の騎乗で初の同レース優勝となった。
他方、本馬のあずかり知らぬ話ではあるのだが、芝馬にワンツーされた上にカーリンが結局4着に敗れたことで、アメリカ国内では馬場の維持の難しさもありオールウェザー批判論が噴出することになった。
閑話休題、本馬はこのレースを最後に通算12戦6勝・GI2勝で引退した。敗れた6戦中3戦で好敵手というべきヘンリーザナヴィゲーターの後塵を拝していたが、最後の2戦ではきっちりと借りを返す格好になった。
クイーンエリザベス2世Sの前にストーナーサイドステーブルがドバイのモハメド殿下に買収されていたこともあり、ダーレーグループの一角であるアイルランドのキルダンガンスタッドで種牡馬入りすることとなった。しばらくGI馬が出なかったが、2018年のジャン・リュック・ラガルデール賞をロイヤルマリンが勝利して初のGI制覇を挙げている。
日本にも数頭の産駒が輸入され、中でもゴドルフィン所有のタワーオブロンドンはスプリンターズSを制し、引退後はダーレー・ジャパンで種牡馬入りしている。
Elusive Quality 1993 鹿毛 |
Gone West 1984 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Secrettame | Secretariat | ||
Tamerett | |||
Touch of Greatness 1986 鹿毛 |
Hero's Honor | Northern Dancer | |
Glowing Tribute | |||
Ivory Wand | Sir Ivor | ||
Natashka | |||
Ascutney 1994 黒鹿毛 FNo.17-b |
Lord at War 1980 栗毛 |
General | Brigadier Gerard |
Mercuriale | |||
Luna de Miel | Con Brio | ||
Good Will | |||
Right Word 1982 鹿毛 |
Verbatim | Speak John | |
Well Kept | |||
Oratorio | Fleet Nasrullah | ||
Classicist | |||
競走馬の4代血統表 |
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最終更新:2024/04/26(金) 05:00
最終更新:2024/04/26(金) 05:00
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