レンズ付きフィルムとは、フィルム交換を考慮せず、封入されたフィルムでの利用のみを前提とした簡易カメラである。
一般的には、「使い捨てカメラ」「使いきりカメラ」等の呼び方が広まっているが、最近の「使い捨てデジタルカメラ」はこれにはあたらない。インスタントカメラと呼ばれる事もあるがこれは本来ポラロイドやチェキ等の現像不要のカメラの事であり誤用なので注意。
「レンズ付きフィルム」の名の通り、カメラ部分はフィルムのおまけという建前。使い捨てカメラ(Disposable Camera)という俗称もよく使われているが、DPE店などで現像を依頼した際にカメラは回収され、電池等も含めて大部分がリサイクルされて
おり、実際には捨てられているわけではない。
カメラとしては35mmフィルムが内蔵されており、手巻き式、レンズは焦点距離30mm前後のプラスチックレンズ、絞りはF11程度でパンフォーカスになっていて、オートフォーカスなど複雑な機構がなくともそれなりの写真が撮れるようになっている。ただし最短撮影距離は1m程度と接写は苦手。スペックからも分かるように屋内や夜の使用は厳しく、そのためのストロボが内蔵されている。
かつてはISO1600などの高感度フィルムのモデルや防水モデル、よりコンパクトなAPSフィルム版なども存在したがいずれも需要減少により生産終了している。
標準モデルは現在では、2000円前後で20数枚~40数枚撮れるものが一般的。
かなり昔から同コンセプトの製品はあったが、どうしてもある程度値が張ってしまう普通のフィルムカメラに対して安価で簡易な製品として爆発的に普及したのは、1986年に富士フイルムが「写ルンです」を発売したのがきっかけ。現在に至るまで国内シェアの大部分を富士フイルムが占めており、レンズ付きフィルム文化の中心は常に「写ルンです」であった。
00年代にはそれまでは高質とされた水準のカメラも安価化・小型化が進んだ(デジタルカメラも2004年には一般世帯普及率が5割となった)ほか、まもなく登場したカメラ付きの携帯電話に需要が移りレンズ付きフィルムの流通量はしだいに落ちていった。それでもイベントや旅行のたびに、軽量で、カメラそのものは安価なので紛失・盗難のリスクも少なく、旅先での充電も不要で、スキー場やビーチなど過酷な環境で壊れても惜しくないなどの理由でレンズ付きフィルムを使用する層はかなり存在した。また、耐久財のカメラのように起動時間がかからないことなどの利点もある。
ある時期まではプリントの需要も高かったので個人でフィルムカメラやデジタルカメラを保持していない場合が多い中高生には特に需要が大きく、修学旅行や卒業式のシーズンに合わせて日本中の店が大量入荷していたものである。
2024年現在ではその「エモい」写りからリバイバル的ブームとなり時には供給不足となる程であるが、それでもかつて程の需要はなく値上がりも激しくなっている。
メーカーは一応分解を禁止しているが、一部の物好きな消費者がフラッシュ内蔵商品の昇圧回路を利用してストロボスコープや高電圧発生器、スタンガン等を不法製作したり、基板上のトランスや高耐圧コンデンサ、トランジスタやキセノン放電管を取り出して利用したりしているのは明らかである。
ちなみに分解の際にコンデンサがチャージ状態だと感電する危険が大きいので、ドライバーなどでコンデンサの端子をショートさせておき、放電させる必要がある。
バカチョンカメラという言葉には、「バカでもちょんと押すだけで撮れるカメラ」「バカでもチョンでも撮れる簡単カメラ」「Vacation Cameraの誤読」など複数の語源の説がある。
元々は一眼レフ・二眼レフに対して小型のビューファインダーカメラ全般を指した言葉であるが、90年代ごろから「バカチョンカメラ」と言うとレンズ付きフィルムのことだと思う人も多くなったようである。現在ではバカチョンカメラの定義は人によって違うとしか言いようがない。
掲示板
6 ななしのよっしん
2021/08/08(日) 02:40:03 ID: VYVWMZyHp+
フィルムの長さは普通に売ってる24/27/36枚撮りと変わらないけど
全暗下でセットされてて全部使えるので撮影可能枚数がちょっと多い
7 ななしのよっしん
2022/07/01(金) 21:23:46 ID: i9sowzpXhs
> レンズは焦点距離30mm前後のプラスチックレンズ、絞りはF11程度でパンフォーカス
ここまったくわかんなくて,ちょっとは写真の勉強しようと思った。
8 ななしのよっしん
2025/06/02(月) 21:13:01 ID: o9L3mhF38V
>焦点距離30mm前後
画角(写真に写る範囲)を左右する数字。小さいほど広い範囲が写る広角で大きいと狭い範囲を拡大する望遠。(35mmフィルムの場合)30mmは風景・記念撮影に向いたやや広角寄りの画角。スマホのカメラもズームなしだと26mmくらいに相当しており、近い画角になる。
>プラスチックレンズ
普通のカメラでは光学ガラス、高級品では蛍石とか特殊な材料も使い複数のレンズを組み合わせる。
プラは安くて軽いだけで光学的な利点は何もないが、写ルンですは以外にも非球面レンズ(開発や製造に技術力が要るが歪みを緩和できる)採用なのでプラレンズ1枚の割には性能がいい。
>絞りはF11程度
小さいほど明るく写り背景がボケる。高いレンズは2.8やそれ以下に設定できるのと比べF11固定は非常に暗く暗所ではフラッシュ必須で背景も全然ボケない、逆にいえば距離を問わずピントが合う(パンフォーカス)のでピント合わせの操作自体が不要になっている。
「滅茶苦茶コスト抑えてる割に綺麗に写す工夫は欠かしていない」結果「
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最終更新:2025/12/09(火) 20:00
最終更新:2025/12/09(火) 19:00
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