好敵手たち
僕らはこの先
何度もまみえて
それぞれの主張を
ぶつけ合うだろういつか君も光を浴びる
彼の情熱だって
なかなかのものだけれど譲れない
口火を切るのは
まず僕からだ
日本ダービー馬を半兄に持ち、自身もまた同父の競走馬と共にクラシック戦線で活躍し「サンデー四天王」と称された馬。しかしそのサンデー四天王の中で唯一頭GIには手が届かなかった。
1995年: ラジオたんぱ杯3歳ステークス (GIII)
1996年: きさらぎ賞(GIII)
※以降、当時の年齢表記に合わせて年齢を数え年+1歳で記載します。
ロイヤルタッチ Royal Touch |
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生年月日 | 1993年3月24日 |
没年月日 | 2019年2月2日 |
馬種 | サラブレッド |
性・毛色 | 牡・黒鹿毛 |
生産国 | 日本![]() |
生産者 | 藤原牧場(北海道日高町) |
馬主 | 太田美實 |
調教師 | 伊藤雄二(栗東) |
馬名意味 | 中世の伝説から |
初出走 | 1995年12月3日 |
戦績 | 15戦3勝[3-4-2-6] |
獲得賞金 | 3億1054万円 |
競走馬テンプレート |
父*サンデーサイレンス、母パワフルレディ、母父マルゼンスキーという血統。
父は日本競馬を塗り替えた偉大な種牡馬だが、本馬はまだ産駒がデビューしておらず評価が固まっていない2年目の産駒である。母父もまた競走馬としても種牡馬としても日本競馬に大きな足跡を残した馬。母はスターロツチから繋がる日本有数の名牝系であり、近親にサクラユタカオー、サクラスターオー、ハードバージ等重賞馬がズラリと並ぶ超良血。本馬を含め2頭の重賞馬を出し、その牝系は今も続いている。
本馬が誕生した1993年、本馬の半兄(父 *トニービン)であるウイニングチケットが激闘の末日本ダービーを制覇。鞍上の柴田政人に悲願のダービージョッキーとしての称号をもたらした。
その翌年、今度はデビューを迎えた* サンデーサイレンスの初年度産駒が大暴れ。出走32頭中20頭が勝ち上がり、当時の3歳重賞のうちGI朝日杯3歳Sを含む4つを優勝。産駒デビューから半年でいきなりリーディング31位に突っ込むという驚異的な成績である。
父母ともに優れた血を引く本馬への期待は一層高まり、やがて本馬はウイニングチケットと同じく太田美實氏(本業は京都の内科医の院長)に購買され、これまた同じくウイニングチケットを管理した伊藤雄二厩舎へと入厩することとなった。ちなみに厩舎の同期には女帝ことエアグルーヴがいる。
本馬がデビューしたのは1995年の年末も近い12月3日。この年のクラシック戦線はというと前年に朝日杯3歳Sを制したフジキセキが離脱したにもかかわらずクラシック5冠のうち3冠を*サンデーサイレンス産駒が奪取、さらにデビューを迎えていた2年目産駒も次々に勝ち上がりわずか2世代でのリーディングサイアー奪取を確かなものとしていた。
そんな中本馬は阪神第5レースにて鞍上に武豊を迎えてのデビュー。単勝2.0倍の1番人気に応え、3kg軽い斤量で逃げる牝馬を捉えて4分の3馬身つける快勝。この1つ前の阪神第4レースで勝ちあがったダンスインザダークに続けての*サンデーサイレンス産駒連勝を見せる。
2戦目は重賞初挑戦となるラジオたんぱ杯3歳ステークス(GIII)(現:ホープフルステークス(GI))。このレースの注目株はこちらも*サンデーサイレンス産駒にしてすでに2勝を挙げているイシノサンデー、同日同場の新馬戦を勝ち上がったダンスインザダーク、のちに第1回NHKマイルカップ(GI)を1分32秒6という驚愕のタイムで制すタイキフォーチュンの3頭。本馬はこの3頭に次ぐ4番人気。新馬戦の鞍上だった武豊はダンスインザダークを選んだので、鞍上は短期免許で来ていた名手オリビエ・ペリエに乗り替わりとなった。
レース本番、1000mが63秒1というスローペースの中イシノサンデーが早めに動いていったところをダンスインザダークと共に追走。ダンスインザダークは最後に振り落とされたが本馬はイシノサンデーに食らいつき、最後はアタマ差差し切って勝利。3着ダンスインザダークには3馬身半差をつける快勝であった。
当レースはサンデーサイレンス産駒が1~3着を独占。この3頭に加え、この年の朝日杯3歳ステークスを制したバブルガムフェローを合わせた4頭が1996年の牡馬クラシック戦線の主役「サンデー四天王」と呼ばれることとなった。
4歳の始動戦は引き続きペリエと共にきさらぎ賞(GIII)。ダンスインザダークとの再戦となりまさに一騎打ちの様相を呈したが、1.7倍の1番人気に応えてダンスインザダークをクビ差抑えて無傷の3連勝。サンデー四天王の中では最も早く重賞2勝目を挙げた。とはいえ遅生まれのため仕上がりが遅かったダンスインザダークにクビ差まで迫られていたということでもある。
さらに短期免許が切れたペリエは帰国。ここで陣営は再度の激突を避け、ダンスインザダーク・イシノサンデーがいる弥生賞でもバブルガムフェローがいるスプリングステークスでもなく、若葉ステークス(OP:当時中山2000m)を選択。鞍上は蛯名正義騎手に乗り替わった。ここでは絶対とみなされ単勝1.1倍、2番人気のミナモトマリノスで9.6倍というグリグリの1番人気である。しかしレースはというと不良馬場の影響か最終直線で伸びず、ミナモトマリノスに2馬身半突き放されての2着。ライバルのダンスインザダーク・バブルガムフェローが前哨戦をきっちり勝ったこともあり不安が立ち込める。
ところが。バブルガムフェローは骨折で、ダンスインザダークは熱発で、それぞれ皐月賞を回避。皐月賞は本命2頭が不在の舞台となってしまう。そんな中本馬は世代最上位であること、今回は若葉Sと異なり良馬場であることから、3.6倍と押し出された感じはあるもののミナモトマリノス(3番人気)やイシノサンデー(4番人気)を抑えて1番人気となる。(ちなみに2番人気は京成杯・共同通信杯と4歳GIIIを連勝してきたサクラスピードオー)
蛯名騎手が騎乗停止になったため南井克巳騎手に乗り替わっての本番。サクラスピードオーが飛び出していく中、本馬は中団後ろ、イシノサンデーの後ろに構える形。そのまま第3コーナーを迎えると、先にイシノサンデーが進出を開始。これに反応できずロイヤルタッチは一瞬おいて行かれてしまう。それでもその後を懸命に追っていったが、4分の3馬身差まで迫ったところでゴール板が来てしまった。
*サンデーサイレンス産駒による皐月賞ワンツーは2年連続。後続には2馬身差をつけており、フジテレビの三宅正治アナウンサーは「バブルガムフェローが消えても、ダンスインザダークが消えても、やっぱりサンデーサイレンス!!」の実況を残したが、敗者である本馬にとっては何の意味もないことである。
続くは南井騎手が続投して迎える日本ダービー。1番人気はプリンシパルステークスを快勝してきたダンスインザダーク。本馬はウイニングチケットの半弟としての期待もあってか、イシノサンデーを上回る2番人気に推された。しかしレースでは後方待機からの末脚にかけたが、ダンスインザダークとフサイチコンコルドの激闘を眺めるだけの4着。内で頑張っていた3着のメイショウジェニエ(主な勝ち鞍: 900万下、皐月賞では勝利している)にすら2馬身半及ばない完敗であった。
この春の不本意な結果を受け、陣営は鞍上を岡部幸雄騎手にスイッチ。夏休み返上で函館記念(GIII)に参戦した。しかし1番人気の期待を裏切る6着。秋始動戦の京都新聞杯(GII)ではこちらも春の雪辱に燃えるダンスインザダークどころか、条件馬のカシマドリームにも差されて3着。春の不振を抜け出せぬまま本番の菊花賞を迎えてしまう。人気は6番人気まで落ちていた。
しかしこのレースでは春2戦とは違いスムーズに先行することに成功。フサイチコンコルドと共に中団前目につける形でレースを進める。1番人気のダンスインザダークが内ラチ沿いでもがく中、先に先頭に立ったフサイチコンコルドをそれを上回る脚色で追い詰め、ついに捉えた。ついに復活勝利、そしてGI戴冠なるか!!
…その刹那、圧倒的な末脚でロイヤルタッチとフサイチコンコルドを外から躱していった一頭。内でもがいていたはずのダンスインザダークが、ばらけた馬群を縫うようにして突き抜けてきたのであった。結果的には競走馬生さえも犠牲にした1ハロン33.8秒という末脚を前に、半馬身差つけられての2着。本馬とて1ハロン34.3秒という素晴らしい末脚を出していながらこれである。これはもう相手が悪いとしか…。
続いて年末の祭典有馬記念へ。この年の参戦メンバーを見ると、古馬勢力からはサクラローレル・マヤノトップガン・マーベラスサンデーの97年古馬3強に加え、サンデーサイレンスの初年度産駒として古馬でもGIを制したジェニュインとダンスパートナー、女傑ヒシアマゾン、砂の女王ホクトベガなど。4歳世代からも第1回秋華賞を制しジャパンカップで2着に激走したファビラスラフイン、第1回NHKマイルカップを制したタイキフォーチュンが参戦。一方でクラシック路線を争っていた馬はというと、
とそろいもそろって有馬不出走。本馬が4歳クラシック路線の代表として古馬勢に挑む形となった。
レースはサクラローレルが圧倒的に支持されるなかで6番人気。レースではいつも通りカネツクロスがハナを切り、かかったマヤノトップガンがそれを追っていく中、内ラチ沿いでサクラローレルをぴったりとマーク。ローレルが外に持ち出すとその後を通って外に回ってきたが、そこからは離される一方。カネツクロスとマヤノトップガンは捉え、追い込んできたヒシアマゾンやダンスパートナーらは抑えたもののサクラローレルとマーベラスサンデーの激闘に加わるどころか、それに食らいついたマイネルブリッジからも4馬身離された4着。
結局、好走こそすれど勝利は年初の1勝のみとなってしまった。
1年ぶりの勝利を求めて京都記念(GII)から始動。勝ててはいないものの実力は折り紙付き、さすがにメンバーが落ちるここならば、ということで1.4倍の圧倒的人気を集めて1番人気に収まる。ところがレースは8歳馬ユウトウセイの激走の前に2着。やっぱりシルコレである。
次走は産経大阪杯(GII)。ここにはマーベラスサンデーが出走していたこともあり2番人気に収まる。そしてレースはというと追い込むものの前々で立ち回ったマーベラスサンデーとユウトウセイを捉え損ねて3着。こういうレースで勝ちきれないのがGIを獲る馬との差なのだろうか。
そして本番天皇賞(春)。当然サクラローレル・マヤノトップガン・マーベラスサンデーの3強が人気を集める中、本馬は菊花賞2着ということもあってそれに次ぐ4番人気。レースでは有馬記念と同様にサクラローレルをぴっちりマークして最終直線を迎えた…が最終直線で跛行を発症し競争中止。やっぱりついてない馬である…。
幸い命に別状はなかったため現役続行。次走は天皇賞(秋)への直行となった。1番人気は前年チャンピオンにして何気に初対戦(というかバブルガムフェローはこのレース以外で他のサンデー四天王と対戦していない)のバフルガムフェロー。2番人気は同厩舎のエアグルーヴ。本馬は直行の影響か、はたまた函館記念から鞍上を務めてきた岡部騎手がバブルを選んだためか、さすがに人気を落として27.7倍の6番人気だった。
若葉ステークス以来に蛯名騎手とコンビを組んでの本番。レースは4歳馬サイレンススズカの(完成前の)大逃げをもって始まった。本馬はバブルガムフェローやエアグルーヴのやや後ろからレースを進めたが、最終直線でサイレンススズカを捕まえに行ったバブルガムフェローとそのバブルガムフェローを仕留めに行ったエアグルーヴに離される。それでもサイレンススズカは捉えてみせ、2年前にハナ差2着の実績を持つジェニュインにハナ差の4着と健闘した。
古馬戦線での健闘からいつかは4勝目、そしてGIに手が届くかとも思われたのだが、次走のジャパンカップで11着に惨敗したのち脚部不安を発症、そのまま復帰できず引退となった。
通算15戦3勝2着4回(うちGI2回)3着2回。きさらぎ賞を最後に勝つことはできなかった。皐月賞馬イシノサンデーとは5戦して皐月賞以外ではすべて勝っている。GI級の実力はあったにも関わらず届かなかった、なんとも惜しい馬生であった。
引退後はアロースタッドで種牡馬となり、その良血を買われて当初は100頭以上の種付けを行っていたが活躍馬を出すことはできず人気は急落。2013年に種牡馬を引退後は功労馬として余生を送り、2019年2月に26歳で死亡した。
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
パワフルレディ 1981 黒鹿毛 FNo.11-c |
マルゼンスキー 1974 鹿毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer |
Flaming Page | |||
*シル | Buckpasser | ||
Quill | |||
ロッチテスコ 1975 鹿毛 |
*テスコボーイ | Princely Gift | |
Suncourt | |||
スターロツチ | *ハロウエー | ||
コロナ | |||
競走馬の4代血統表 |
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最終更新:2023/12/02(土) 21:00
最終更新:2023/12/02(土) 21:00
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