ロゴタイプ(競走馬) 単語

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ロゴタイプ

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勇往邁進。
終わらない

若き日に勝ち取った称号満足することなく、
彼の挑戦はどこまでも続く。
次のに向かって。栄という名の頂きに向かって。

JRA「ヒーロー列伝」No.80 ロゴタイプexit

ロゴタイプ(Logotype)とは、2010年生まれの日本競走馬である。

馬主吉田照哉、調教師田中剛、生産は社台ファーム。
名前の由来はこちらへどうぞ→ロゴタイプ

な勝ち
2012年:朝日杯フューチュリティステークス(GI)
2013年:皐月賞(GI)、スプリングステークス(GII)
2016年:安田記念(GI)

概要

ローエングリンステレオタイプ*サンデーサイレンス
サドラーズウェルズ系。急速に高速化しつつあった日本馬場に対応し、GIこそないがマイル~中距離重賞4勝と重賞戦線を賑わせた名脇役シングスピールジャパンカップ優勝しており日本と縁がある血統。
ステレオタイプは22戦2勝の条件だったが、スターバレリーナはGIIローズステークス優勝である。

デビュー前はさほど期待されていなかった。一応当年のローエングリン産駒の中では一番の評価だったらしいが、ローエングリン自体がサンデーサイレンスの血を持っていないから種牡馬になったようなもので、初年度種付料30万を考えると代替種牡馬代替種牡馬、程度にしか考えられていなかった。ステレオタイプ地味話題性に乏しく、社台オーナークラブで募集額は1000万ととしては非常に格安レベルだった。ただ競馬界屈相馬眼を持つ吉田照哉氏はかなり高い評価をしていた。

デビュー前の調教を積むにつれ、熟傾向なのか仕上がりがく、周囲の評価も「の2歳重賞に向かえるのでは」と思われるくらいにはなっていた。
デビュー2012年6月24日(日)、宝塚記念の裏開催だった函館競馬場新馬戦。一番人気で常時外を回りながら直線でクビ差だけ前に出て辛勝。二戦函館2歳ステークス(GIII)、中央競馬の2歳にとって初重賞戦になるご用達のレースである。ここでは新馬戦だったためか16頭中14番人気。後の朝日杯FSの勝ちとは思えないほどの低評価である。
レース自体は中団から堅実に足を伸ばして4着確保。3戦クローバー賞は大幅なマイナス体重で元気がなく前を捉えきれずの3着、そして強った4戦札幌2歳ステークスは果敢に逃げて後続を引っる展開になるが、直線で尽きて7着。

休養を挟んでの5戦のベゴニア賞、ここからトップジョッキーミルコ・デムーロ騎手に乗り代わり、体重も+18kgの大幅増と復調の兆しが見えていた。このレースでは先行して直線で抜け出し勝利。勝ちタイムは1分336と2歳コースレコードを示しており、この頃から秘められていた才が徐々に開し始めていた。

朝日杯FS

そしてベゴニアを片手に朝日杯FSの出走にこぎつける。ここまでで既に5戦を消化しておりメンバーの中でキャリアは多い方、前走の強い勝ち方もあったが札幌2歳Sでコディーノ負けしていることもあって7番人気となる。1番人気札幌2歳Sで全くが立たなかったコディーノ
レースは714番の外からスタートい出足で掛かり気味ながら先頭集団に取り付き、3,4番手の好位につけ、ライバルのコディーノはそのすぐ後を追走していた。
800mの通過タイムが46と速いペースレースを進む。
4コーナーから先頭に並び掛けると直線では一気呵成、先頭に躍り出て後続を突き放しにかかるが、先頭のロゴタイプ標にコディーノが外から猛然と追ってくる。ジリジリと差を詰めてくるコディーノと驚異的な勝負根性でロゴタイプ。この2頭が群から全に抜け出しマッチレースの様相を呈したが、1ハロン余りしのぎ合いの末にクビ差でロゴタイプりきって後続を完封し2歳王者を戴冠。タイムは1分334のレコードタイ決着だった。

年が明けて戦いの舞台クラシック戦線へ移る。
放牧で英気を養い、皐月賞の前スプリングSに出走、上はミルコクリスチャン・デムーロ騎手に一旦乗り代わり。近年の朝日杯FSの勝クラシックで苦戦する傾向があったが、初の1番人気に応え、先行し好位から直線軽く抜け出すと後続を寄せ付けず圧勝した。

皐月賞

ここまでの勝ちっぷりが評価され、ハイレベルメンバーっていた弥生賞組を抑え1番人気に支持される。
レースはいつも通りスタート良く出るが、先頭に先行が殺到。相対的に中団の、その内に巧く潜り込む。先行が積極的にペースを作った結果1000mが58と消耗戦の様相になる。ロゴタイプエピファネイアを見ながら4コーナーで追い出され、加速していくのを利用して上のM・デムーロ騎手が外へ持ち出すと、先に仕掛けていったエピファネイアを追いかけていく。直線で内にいた先行が大崩れするのを余所エピファネイアが先頭に立った間、ロゴタイプがぬっとび寄り一で外から抜き去っていく。出し抜かれたエピファネイアは懸命に追いすがり、さらにその内からコディーノも足を伸ばしてくるが、先頭に立ったロゴタイプの脚色は全く衰えず、追いすがる2頭をでねじ優勝した。時計はまたもレースレコード。2歳王者の皐月賞制覇はナリタブライアン以来19年ぶりとなった。 

日本ダービー

上をC.デムーロ騎手バトンタッチし、48番と絶好日本ダービーへ出する。
一番人気こそ別路線で別格の強さを発揮していたキズナに譲ったが、放牧を挟んで体調面も申し分なく、世代の頂点へ最も近い場所にいた。レースは抜群のスタートを決めて先頭から4,5頭、先行集団の好位につける。しかし日本ダービーこその大歓のためか終始かかり気味になっており、上のC・デムーロ騎手が上手くなだめつつ中をこなす。4コーナーを回って追い出しに掛かるが、今まで見せていた強い末脚を見せず、さらに行して伸びあぐねてしまう。逃げを捉えるのにも手間取っている間に外からエピファネイアに交わされ、またさらに外から驚異的な末脚で追い込んで先頭に立ったキズナを傍観する事しかできず。結局ロゴタイプ逃げも捕らえる事が出来ず5着惨敗となってしまった。敗因は中かかり気味だったことと、距離の壁であったと考えられる(ローエングリンベスト1800mくらいのだった)。

長い低迷

ともあれクラシックとなったロゴタイプ。しかしこの後長い低迷期に入ってしまう。

距離もあって菊花賞を捨て天皇賞(秋)標にするが、第一ステップに選んだ札幌記念で重馬場に苛まれ5着。しかもその疲労が抜けず、天皇賞どころか年内全休となってしまう。

翌年の中山記念で復帰し3着。ドバイデューティーフリーではジャスタウェイを見ているだけの6着。札幌記念毎日王冠マイルCSも着外に敗れ去り、4歳シーズンは未勝利

2015年GIIIにも出走、年明けの中山金杯に向かうがラブリーデイに置き去りにされ2着。活路をめてダート根岸Sに向かうが8着。中山記念では2着に突っ込み復調を予感させたが、大阪杯ではまたも不良馬場を走らされ5着。しかもは全休になってしまう。

オールカマー4着、富士Sで3着。マイルCSは新マイルモーリス抵抗もできない9着。

2016年、6歳シーズンも現役を続行するが、中山記念では新王者ドゥラメンテか後ろの9着。メンバー的には余裕と言えるはずのダービー卿CTマジックタイムに敗れてしまう。

復活の日

かつての栄を頼りに出走した安田記念。しかし単勝で8番人気に甘んじ、皐月賞の面は望むべくもなかった。

1番人気は前年のマイルCSの後香港GIを連勝していたモーリスである。
単勝1.7倍の人気でありGI4連勝中。正に飛ぶを落とす勢いと言える。
対抗としては前走のドバイターフ制したリアルスティール京王杯スプリングCを勝ったサトノアラジンといった所であり、ロゴタイプは最兵扱いに過ぎなかった。

しかし、この年から新コンビを組んだ田辺裕信は勝負を諦めてはいなかった。

6番ゲートからポンと出たロゴタイプ騎手に促され果敢にハナを切ると、その後ペースに落とし淡々と逃げる。2番手にモーリスがつけるが上と折り合いがつかずどこかちぐはぐな競馬。後続もモーリスを警してか競りかけては来ない。1000mは過去10年で2番に遅い591。田辺作戦は見事にハマっていた。
そして迎えた直線、後続各馬場の状態が良い外側へ挙って持ち出すのに対しロゴタイプは最内に入り一気に後続を突き放す。モーリスエンジンの点火に手間取り、差は広がる一方。残り1ハロンでようやく末脚に火が付いたモーリスだが、時既に遅し。1身あまりまで詰めたところでゴールが来てしまった。

「着を拾うのではなく、勝つためにどうするか?」
思案の末に逃げしようという事は予め調教師と相談しプランの一つとして考えていたそうで、最後の直線はロゴタイプの頑りに託したが最後までってくれた、これで負けるなら仕方ないと思っていた。とを括った作戦であった事を上はった。

ロゴタイプ、大金星(GI2勝にこんな表現も失礼なのだが)。半ば終わったとも思われていた皐月賞復活を果たしたのである。勝ち自体が皐月賞以来3年2かぶりとなった。
更に言うと、昨年に年度代表馬にもなった短距離最強を撃破しての勝利という、波乱と言うほかない結果となった。

余談だが、65日開催の56番というおまけ付きであり、そういった意味でも記念となった。

その後

毎日王冠で8着と惨敗するが、やっと出られた天皇賞(秋)香港マイルで共に5着とまずまずの結果にまとめる。

2017年も現役を続行。中山記念は7番人気に反発し3着に好走する。しかし安田記念はまた8番人気
再び逃げの手を打つが、今度は1000m571と前年より2も速い強気な逃げ。それでも直線ギリギリまでったが、上がり最速で突っ込んだサトノアラジンに最後の最後で差し切られ悔しい2着。しかし他の先行は軒並み壊滅しており、G13勝の意地を示す形となった。

マイルCS標に調整されていたが、背中りが悪化。年齢もあり引退が決定した。

通算30戦6勝(GI3勝)。

2歳でGIを勝ち6歳でもGIを勝った競走馬は稀有であり、長い低迷を経ても決して諦めずに走り続け遂に復活を果たしたその直向きな姿から熱心なファンも多い。特段大きな怪もなく、名と呼んでも差し支えないだろう。
性格も良かったようで、朝日杯FS皐月賞コンビを組んだM.デムーロ騎手は「とてもだった」と評している。

引退後は社台スタリオンステーション種牡馬として供用されている。
初年度から97頭種付けを行っており、受胎率も高いようだ。

記事冒頭にあるヒーロー列伝の名キャッチコピー勇往邁進。終わらない。』 を体現した現役生活だった。
今後は種牡馬として産駒勝利し、はまだ続いて行く。

夢の先

そして時は流れて2021年。初年度産駒デビュー
初年度に中央での出走回数72回に対し勝ち上がったは1頭と大苦戦。
しかしその1頭、ラブリイユアアイズ阪神JFに出走。
8番人気ながら見事2着の走をみせる。
だが、喉鳴り桜花賞を最後に引退してしまった。

惨憺たる成績から2023年に社台SSからレックスタッドへと移動になってしまう。
厳しい戦いが続く種牡馬生活だが、ベラジオソノダラブミトノオーといったダートで活躍を見せる産駒が現れ始め、夢の続きを描こうとしている。
そしてミトノオー兵庫チャンピオンシップ(JpnII)を勝ち、産駒初のグレード競走勝利を挙げた。今後のの巻き返しに期待を持ちたいところである。

血統表

ローエングリン
1999 栗毛
Singspiel
1992 鹿毛
In The Wings Sadler's Wells
High Hawk
Glorious Song Halo
Ballade
*カーリング
1992 黒鹿毛
Garde Royale Mill Reef
Royal Way
Corraleja Carvin
Darling Dale
ステレオタイプ
2002 鹿毛
FNo.8-k
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
スターバレリーナ
1992 栗毛
Risen Star Secretariat
Ribbon
*ベリアーニ Nureyev
Eleven Pleasures
競走馬の4代血統表

クロスHalo 3×4(18.75%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)

主な産駒

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