ロサイル・インターナショナルサーキット(英語:Losail International Circuit)
とは、ペルシャ湾湾岸のカタールにあるサーキットである。
ルサイル・インターナショナルサーキット(英語:Lusail International Circuit)と表記することがあり、表記揺れしている。
3月にMotoGPの開幕戦であるカタールGPが開催される。
2003年秋から5,800万アメリカ合衆国ドルを使って1年ほどかけて建設された(記事
)。当時のレートを1ドル110円として換算すると63億8千万円である。
2004年10月にMotoGPのカタールGPが初めて開催され、それ以降毎年開催されている。ただし、2020年はコロナ禍の影響で中止となった。
スーパーバイク世界選手権は2005年から2009年まで毎年開催されていったん中断したが、2014年以降に再び毎年開催されるようになった。ただし、2020年はコロナ禍の影響で中止となった。
2021年11月にF1のカタールGPが開催された。また2023年から10年間にわたってF1を開催する契約を結んだことも発表された(記事1
、記事2
)。
2004年の開業から2020年3月までずっと同じ舗装を使っていた。そのため2017年頃には路面のうねりが大きくなっていて、ライダー達から再舗装が要望されていた(記事
)。2020年の4月頃に再舗装の工事が行われたようである(記事1
、記事2
)。
本サーキットはロサイル・インターナショナルサーキット(Losail International Circuit)とルサイル・インターナショナルサーキット(Lusail International Circuit)で表記揺れしている。
2021年まで長年にわたってMotoGP公式サイトでロサイル・インターナショナルサーキット(Losail International Circuit)と表記していた(記事1
、記事2
)。しかし2022年になってルサイル・インターナショナルサーキット(Lusail International Circuit)に表記を改めた(記事1
、記事2
)。
日本でMotoGPを独占放送する日テレG+もそれと同様であり、2021年までロサイル・インターナショナルサーキットと表記し、2022年になって初めてルサイル・インターナショナルサーキットと表記した。
本サーキットの近くにある都市はアラビア語で「لوسيل,」と書く。これを2004年頃にMotoGP関係者がLosailと表記し、それが延々と2021年まで続いていた。
しかし、現地発音に近い表記はLusailであるようであり、Wikipedia英語記事でもその表記が採用され、FIFAが2022 FIFAワールドカップの決勝会場を表記するときも「Lusail Iconic Stadium」という表記が採用されている。そうした多勢にMotoGP運営が合流する形となった。
カタールの首都ドーハから北に25km程度離れたこの場所
に位置している。
本サーキットに近いルサイルは、娯楽施設がいくつか点在している。詳しくはルサイルの記事を参照のこと。
本サーキットを走行するライダーを写した写真には、巨大なクッションのような建物が映り込むことがある(画像1
、画像2
、画像3
、画像4
、画像5
)。航空写真で見ると、サーキットのすぐ隣に位置していることがわかる(画像1
、画像2
)。この施設は『ルサイル多目的ホール』というのだが、これについては、ルサイルの記事に解説がある。
本サーキットは海岸線から2kmしか離れていない海沿いのサーキットである。
海から湿気が常にやってくる環境である。夜になって水分を乾かす日差しが無くなると湿度が急上昇する。
首都ドーハはこの場所
にあり、このサーキットと同じように海に面している。ドーハを訪れる観光客は、夜間に冷房の効いた部屋から外に出ると眼鏡のレンズが一気に曇る蒸し暑さに迎えられることになり、驚くことになる。夜のドーハの蒸し暑さはラーメン屋のようだという。
本サーキットにおいても事情が同じで、夜になると湿度が高まり、路面に夜露が発生するようになる。サーキットを走行するライダーにとって転倒の可能性が増え、危険な状態となる。
周囲を砂漠に囲まれている。航空写真
を見てみるとサーキットの周りが砂だらけであるとよく分かる。
カタールでは2月から7月までの間に砂嵐が吹き荒れることがたまにある。こんな感じ
に砂が舞い上がり、多くの住民がぜんそくなど呼吸器疾患の症状になり病院へ駆け込む。Youtubeで「Doha sandstorm
」と検索するとこんな動画
もヒットする。
本サーキットが常に砂だらけになることがよく分かる。
カタール全域が砂漠の平野
であり、最も高い地点で標高海抜103メートルしかない。Googleの地形図
を見ても、カタールが真っ平らな国であるとよく分かる。
サーキットの西側にある陸地がずっと平坦で、サーキットの東側にある海も平坦である。四方八方が平坦なので、風をせき止めるようなものが無いので、風がどんどん流れ込む。
かなりの強風がサーキットを吹き荒れることがある。
ちなみに、風が東の海からやってくるとモワッとした湿気がサーキットに到達することになり、サーキットの湿度が上がる。風が西の陸からやってくるとカラッとした空気がサーキットに到達することになり、サーキットの湿度が下がる。風向きによって湿度が変化する。
2008年から2016年におけるMotoGPクラス決勝は、いずれもナイトレースで晴れたときに行われていた。各年の開始時刻と湿度を列挙すると、次のようになる。
| 開始時刻 | 湿度 | |
| 2008年 | 23時 | 58% |
| 2009年 | 21時 | 79% |
| 2010年 | 23時 | 30% |
| 2011年 | 22時 | 31% |
| 2012年 | 22時 | 53% |
| 2013年 | 22時 | 66% |
| 2014年 | 22時 | 60% |
| 2015年 | 21時 | 83% |
| 2016年 | 21時 | 71% |
23時に開催されたときは最小30%と最大58%で大きい開きがある。22時に開催されたときは最小31%と最大66%で大きい開きがある。こうした湿度の変動は、風向きによって引き起こされる。
5月から10月までのドーハの昼間はとんでもない暑さになり、日中に外を出歩くのは危険なレベルになる。
MotoGPが開催される3月の昼は最高気温26.5度で(資料
)、夜は20度程度になる。東京の6月や9月に相当し、わりと過ごしやすい。
3月の昼はかなり涼しいので、MotoGPを行うときは昼間に行うデイレースを行ってもよいのだが、「ナイトレースは希少価値がある」「ナイトレースはヨーロッパのゴールデンタイムになって運営の利益が増える」という事情があり、やっぱりナイトレースで行われる。
本サーキットに近いドーハの年間降水量はわずかに75mmで(資料
)、あまり雨が降らないのだが、たまに雨が降ることがある。
こちら
やこちら
やこちら
が現地の天気予報。
カタールといえば真珠なので、真珠の丸い玉を模した照明がこのサーキットのあちこちに設置されている(画像1
、画像2
、画像3
、画像4
)。よく見ると紙風船
のようである。
遠くから見ると白い玉に見える(画像1
、画像2
)。
2021年から3679個のLED照明を稼働させている(記事
)。この照明を作ったのは米国のムスコ
というスポーツ用照明製造企業である。
それまでの照明はメタルハライドランプで、点灯するまで時間が掛かるものだった。しかしLED照明は一瞬で点灯する。このため、照明を付けたり消したりしてライブ会場のような演出をすることができるようになった(動画
)。
1コーナー脱出部分近くのこの場所
にトンネルがあり、1コーナーで転倒してコース外側に出たライダーはここを通ってピットへ戻る。また、トラックがここを通ってコースの内外へ物資を運ぶ。
最終16コーナー進入部分のこの場所
に地下道があり、最終16コーナーで転倒してコース外側に出たライダーはここを通ってピットへ戻る。また、トラックがここを通ってコースの内外へ物資を運ぶ。
メインストレートの前半部分のこの場所
に歩道橋があり、観客たちはここを通ってピットに行くことができる。
コース全長は5380mで、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から5番目の大型サーキットである。
コーナー数は16ヶ所で、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から5番目である。
コースの形状はこの画像
のようになっているが、体内で真珠を作り出すアコヤガイ
を模した形になっている。
前半は低速コーナーが多いストップアンドゴーのレイアウトで、後半は高速コーナーが並ぶテクニカルコースであり、二面性を持つ。
この動画
でも示されているように、
チェッカーラインから3コーナー立ち上がりまでがセクター1、
3コーナー立ち上がりから7コーナー立ち上がりまでがセクター2、
7コーナー立ち上がりから13コーナー立ち上がりまでがセクター3、
13コーナー立ち上がりからチェッカーラインまでがセクター4、となっている。
セクター1とセクター2がストップアンドゴー、セクター3とセクター4が高速レイアウトである。
路面の起伏は少ない。
路面のカント(左右の傾斜)が付いているコーナーがわりと多く、高速コーナーリングが可能である。近年は安全性重視のためカントを付けないフラットなコーナーばかりにしてコーナーリング速度を落とす工夫を凝らすサーキットが増えたが、2004年開業の本サーキットはカントのあるコーナーが多い。
メインストレートは1,068mと長い。流れるような高速セクションから長いメインストレートに入っていくので、最高速が良く伸びる。2018年~2019年は19ヶ所のサーキットでMotoGPが開催されたが、その中でもトップクラスの最高速の高さになる。
2004年の開業から2020年3月までずっと同じ舗装を使っていて、グリップが悪い。2018年は路面の凹凸が顕著になっていて、10コーナー走行中の各ライダーの前輪が上下していた。どのライダーのフロントタイヤもこんな具合に上下していて
、うねりの激しさが分かる。2017年頃にはライダー達から再舗装の要望が出されていて(記事
)、2020年4月頃に工事が行われたようである(記事1
、記事2
)。
こちら
がドルナ公式サイトの使用ギア明示動画である。1速に落とすのは6コーナーのみとなっている。
主なパッシングポイントは、メインストレート
、メインストレートエンドの1コーナー
、4コーナー
、6コーナー
、10コーナー
、12コーナー
となっている。
ドゥカティワークスの成績が良いサーキットとして知られる。開幕戦のこのレースで躍進して「今年のドゥカティは違うぞ」と印象づけることが毎年の恒例である。
ドゥカティのクラウディオ・ドメニカーリ社長
も毎年のようにこのサーキットを訪れている。
2018年には念願叶ってドゥカティワークスがロサイルサーキットにおいて9年ぶりに優勝した。ドメニカーリ社長も嬉しそうに表彰式に参加している。この動画
で左へ立ち去っていく白シャツ・ジーンズの人がドメニカーリ社長。
コース幅が広く、ライン取りの選択肢が広く、1つのコーナーでミスしてもなんとか取り返しが付く。ゆえにドゥカティのようなコーナーリングがイマイチのマシンでも乗り切ることができる。
本サーキットと正反対なのはヘレスサーキットで、コース幅が狭く、ライン取りの選択肢が狭い。1つのコーナーでミスすると続くコーナーがさらに遅くなり、取り返しが付かない。ゆえに全てのコーナーで綺麗に旋回せねばならず、コーナリングが悪いマシンにとって鬼門になる。
ヨーロッパはコース幅の狭いサーキットが多く、そうしたサーキットに比べるとロサイル・インターナショナルサーキットはすこし異質な感じのサーキットと言える。
ちなみに、本サーキットは砂塵が多く、走行ラインを外すと砂塵がパッと舞うほどで、転倒しやすくなる。極端にコース幅を広く使おうとすると転倒してしまうので、用心しなければならない。
海岸線から2kmと近く、周囲が真っ平らな地形で、強風が吹き荒れることが多いサーキットである。
風がライディングに与える影響については、風(MotoGP)の記事を参照のこと。
本サーキットのピット施設の上にはカタール国旗があり、デイレースならその旗を見ると風向きが分かる。この画像
の場合は、旗が横になびいていて強風であることがわかり、メインストレートで横殴りの風になっていて4コーナーあたりで追い風になっている、とすぐに分かる。
ナイトレースの場合はこの画像
のようになる。真っ暗でよく目を凝らさないと旗が見えない。
2018年からのカタールGPはデイレースとナイトレースが混在するようになり、Moto3クラスやMoto2クラスがデイレースでMotoGPクラスがナイトレースとなった。ごく一般的にいうと、昼の方が寒暖差があって風が起こりやすく、夜は寒暖差が無くなり微風になる。このことは湖の近くにちょっとでも滞在するとよく分かる。夜明けや朝方は風が吹かないので湖が鏡のようになっているが、昼になると風が吹いて湖面に波が立つ。デイレースとなるMoto3クラスやMoto2クラスは風に用心しなければならない。
周囲が砂漠で、そこを強風が吹き荒れると、砂塵が舞い上がることがある。
2018年3月17日(土)のMotoGP各クラス予選は砂塵が舞い上がっていた。そのため白く靄(もや)がかかっているように見えた(画像1
、画像2
、画像3
、画像4
)。
砂塵が巻き上がると呼吸器系の病気にかかりやすくなる。人間の体は胃腸のような消化器系に異物が入りこんでもスルッと出て行ってくれることが多いのだが、肺のような呼吸器系に異物が入りこむとなかなか出てくれず、長期間にわたって咳をすることになる。その辛さを現地の人たちはよく分かっていて、砂塵の多い日はマスクをしたり覆面をしたりしてちゃんと砂塵の対策をする。
2018年3月17日(土)や2018年3月18日(日)には覆面をしたコースマーシャルが多かった。こんな感じの覆面コースマーシャル
が次々と出てきて、視聴者を驚かせた。
周囲が砂漠で、そこを強風が吹き荒れるので、路面は常に砂埃で汚れることになる。
本サーキットのコース脇には人工芝が敷かれている。この人工芝で砂の進入を食い止めるつもりだったらしいが、そんな小細工が通用するわけがなかった。情け容赦なく砂が空気で飛んできて、路面はいつも砂まみれになる。
路面に砂が溜まっているため、タイヤに厳しいサーキットとして知られている。紙に砂粒のような粒子を貼り付けてジョリジョリと研磨できるようにしたもの
を紙やすりとかサンドペーパーというが、砂埃の付いた路面が紙やすりのようにタイヤをこすり、タイヤをすり減らしてしまう。
さらにはアブレーション(abrasion 「摩耗」の意味)
といって、タイヤが荒れる現象が発生する。タイヤが荒れてしまうと、その荒れた部分を中心にどんどん消耗が進んでしまう。
ちなみに、紙やすりを英語でabrasive paper
ということがある。
コース脇の人工芝がたっぷりと砂を含んでいる。ライダーがコースを外れてコース脇の人工芝に乗り上げると砂がパッと舞い上がる(動画
)。
レースウィーク序盤は路面に砂埃が多く、マシンが砂埃を巻き上げながら走ることになり、滑りやすい。決勝当日になると、多くのマシンによって路面の砂埃が掃除された格好になり、さらには走行ラインの路面の上にべったりとタイヤのラバーが乗って黒くなり、グリップが良くなる。
多くのマシンが通った走行ラインは砂埃が少ないが、その走行ラインを外してしまうと砂埃が多く、滑ってしまう。2013年はとくに砂埃の量が多く、走行ラインを外すだけで砂埃が巻き上がっていた(動画
)。
パッシングは走行ラインを外れ気味になる行為なので、やや難しく、慎重に行わねばならない。
メインストレートは1,068mと長く、スリップストリームがよく効く。
コースの後半は3~4速で走る高速コーナーが連続し、スリップストリームが非常によく効く。
本サーキットのメインストレートはMotoGPの開催されるサーキットの中でも1,2を争う最高速になる。そこから激しいブレーキングを行うのでブレーキが一気に加熱し、赤熱する。ナイトレースの場合、周囲が暗いのでブレーキディスク赤熱の様子がよく見える。
2012年から2015年までにブレーキディスク赤熱の様子をとらえた動画は、次のようになっている。
| 2012年 | 動画1 、動画2 、動画3![]() |
| 2013年 | 動画1 、動画2 、動画3 、動画4 、動画5 、動画6![]() |
| 2014年 | 動画1 、動画2 、動画3 、動画4![]() |
| 2015年 | 動画1![]() |
メインストレートエンドの1コーナーから7コーナー立ち上がりまでは直線と低速コーナーが続き、低速からの加速力を問われるストップアンドゴーのレイアウトとなっている。
メインストレートは1,068mの長さである。スリップストリームを使ったパッシングが多く、順位変動が盛んに起こる。
1コーナーはMotoGP有数のハードブレーキングポイントになっている。
2コーナーは、使用頻度が低いタイヤ左側を久しぶりに使う場所であり、転倒が多発する場所である。強めのブレーキをしてタイヤ左側をしっかり揉みこむように使用するのは10コーナー以来久々、時間にして63秒ほどの間隔が空いている。ゆえにタイヤ左側が冷えていて転倒しやすい。
2コーナー付近は照明の数が少なく、暗くなっていて、そこにグラベル(砂)が広がっている。暗いグラベル(砂)の上を転倒したライダーがトボトボと歩いていくのを多く見かける。
| スリップダウン転倒 | 暗いグラベル(砂)の上をトボトボと歩く |
転倒![]() |
歩く![]() |
転倒![]() |
歩く![]() |
転倒![]() |
歩く![]() |
転倒![]() |
歩く![]() |
マシンを左に傾けて2コーナーを旋回し(動画
)、マシンを右に切り返して3コーナーに突入する。その「右に切り返して3コーナー進入」の部分でグイッと上り勾配がある(動画
)。
4コーナーは有力なパッシングポイントで、ブレーキングしつつ先行ライダーのインに入るシーンが多い。
4コーナーと5コーナーはともに90度の直角コーナーで、コの字型の複合コーナーとなる。ブレーキを緩めにして高速で進入し、高めの旋回速度でクルッと回る。
6コーナーは本サーキットで最も低速になるコーナーで、パッシングポイントの1つになる。
4~5コーナーと6コーナーはツインリンクもてぎの1~2コーナーと3コーナーに似ている(画像1
、画像2
)。本サーキットの設計者は「世界各地のサーキットのコーナーを真似て作った」と語っているので(記事
)、この部分はツインリンクもてぎを参考にしたことが推察される。
7コーナーもかなりの低速コーナーだが、7コーナーでパッシングに挑むライダーは少ない。直後の高速S字をリズム良く走行するため、7コーナーで無理をせず綺麗なラインを保つことが多い。
7コーナー立ち上がりから最終コーナーまでは、高速コーナーリングが続く高速レイアウトになっている。
7コーナー(右)を立ち上がると8コーナー(左)~9コーナー(右)の緩いS字になる。
8コーナー(左)の前半は下りなので前輪が浮く。前輪を浮かせながら左に切り返す。
僅かに上りつつ右に切り返して9コーナー(右)に進入する。9コーナー(右)の脱出は僅かな下り勾配になっている。9コーナー(右)は右に曲がりつつ山を上り下りするコーナーになっている(動画
)。
動画を見ると下り・上り・下りの勾配があることが分かる(動画1
、動画2
、動画3
、動画4
)
10コーナーは低速のコーナーで、パッシングポイントになっている。8~9コーナーをリズム良く高速で走行して前方ライダーに追いつき、この10コーナーでインに入りたい。
10コーナーは6コーナーと良く似た感じの低速左コーナーだが、6コーナーはマシンが直立した状態でブレーキを掛けてクルッと回るのに対し、10コーナーは右から左に鮮やかな切り返しをしてからクルッと回る。「切り返しがあって躍動感があるのが10コーナー
」と憶えておくと見分けやすい。
11コーナーは典型的な「アクセルを開けてパワーを掛けてリアタイヤを滑らせるコーナー」である。電子制御ソフトが統一化されて数年前のレベルまで電子制御技術が下落した2016年は、ここで各車のリアタイヤから白煙が上がっていた。それだけリアタイヤがスピンしやすい場所と言える。特に激しく白煙を上げていたのはスコット・レディングだった(画像1
、画像2
)。
緩やかな11コーナーで加速し、先行するライダーの背後にぴたりと付けスリップストリームを使い、12コーナーでズバッとインに入っていくのが多く見られるパッシングシーンである。ここは勝負所なのでドルナも2ヶ所にカメラを配置している。コース内側カメラの動画
とコース外側のカメラの動画
のどちらも見応えがある。
12~14コーナー(高速の右3連発)は世界でも珍しいほどのコーナー連続地帯で、最大排気量クラスではずっとマシンが右に傾き続けることになる。
14コーナー立ち上がりから下り勾配になっており、勢いを付けて左へ車体を切り返し(動画
)、高速の15コーナーに突っ込んでいく。
最終16コーナーではパッシングを仕掛けずに綺麗なラインを通ることに専念し、メインストレートでの加速を伸ばすのがセオリーとなっている。ここで抜きに掛かっても直線の加速が鈍って抜き返されてしまう例が多い。
最終16コーナーにはしっかりとカント(傾斜)が付いており、高速コーナーリングが可能になっている。また、脱出部分が下り勾配になっていて(動画
)、スピードが乗りやすい。





掲示板
掲示板に書き込みがありません。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/09(火) 16:00
最終更新:2025/12/09(火) 16:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。