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ロックウェル

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ロックウェル(Rockwell)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物

の担当は江原正士石黒監督OVA)、四宮豪Die Neue These)。

概要

自由惑星同盟軍人・大将政治的な行動も多い軍事官僚で、民主主義よりも民主国家の存続を優先し、才よりも忠心や国家意識を重視するたぐいの人物。宇宙799年7月時点で年齢は50代半ばで、アニメ等の外見も概ねそれに準拠している。やや血圧は高めながら、満足すべき健康状態にあったとされる。

同盟末期に後方勤務本部長を務め、さらに「バーラトの和約」後には統合作本部長の地位についた。しかしローエングラム朝銀河帝国による“大征”の際、保身のために最高評議会議長ジョアン・レベロを暗殺し、その行為を嫌悪した皇帝ラインハルトの命によって処断された。

略歴

後方勤務本部長から統合作戦本部長へ

初登場時は宇宙798年のヤンに対する問会で、軍部ではヨブ・トリューニヒト閥に属し後方勤務本部長職にあった。翌年の「バーラトの和約」を経て、ドーソン合作本部長帝国拘束され、新議長であるジョアン・レベロがヤン一党の力排除を企図したため、棚ボタ的に統合作本部長に任じられる(余談だが、宇宙艦隊長官は席となりチュン・ウー・チェン代理している)。

この間、アニメ両作では、“神々の黄昏”作戦前後にも軍の会議などに姿を見せている。石黒監督OVAでは、帝国軍によるバーラト攻略時にトリューニヒト催した会議にも参加していたが、抗戦を説くアレクサンドル・ビュコックウォルター・アイランズに、ドーソン同様ただ慌てふためくだけで結局は何ら寄与することはなかった。

就任後は精力的にヤン・ウェンリーとその一党の排除に邁進。帝国高等弁務官ヘルムート・レンネンカンプの圧力による、ヤンを逮捕して反帝国の暴発を誘う謀略の一を担った。しかし、この謀略はヤンの逮捕を除いて失敗し、「薔薇騎士」連隊に逆襲されレベロ誘拐されてしまう。さらに事態を奇貨としてヤンの殺を狙うも「間半」で失敗し、ハイネセンからの逃亡を許すこととなった。

横死

一連の事件を口実に、皇帝ラインハルトは再び同盟に宣戦布告し、“大征”が始まる。実働部隊は全てマル・アデッタ域の会戦で消滅するかエル・ファシルに合流したヤンの元に逃走。老練のビュコックも戦死し、同盟の命脈も皇帝ラインハルトハイネセンへ到着するまでのものとなった。

ロックウェルはかつてヤンやレンネンカンプを売り渡したレベロを信用できなくなり、レンネンカンプの首席補佐官ウド・デイター・フンメルに使嗾されて仲間と共にレベロの暗殺を試みた。執務室を急襲した彼らは、最後の持を見せつけたレベロに圧倒されながらも暗殺を実行する。

しかし皇帝ラインハルトは、ロックウェルらの卑劣さにあからさまな嫌悪を示した。皇帝と対面したロックウェルは、居合わせたファーレンハイトリップシュタット戦役において反ラインハルトについていた)を引き合いに寛大な処置を懇願したが、かえって火にを注ぐ結果となり処刑(とすら言われない「処理」)を決定づけた。執行はその場でファーレンハイトに委ねられ、彼はラインハルト以上の怒りと侮蔑をもって彼らに接している。

その後いつ処刑されたかは明らかではないが、裁判は行わないと宣言したこと、レベロ暗殺がイゼルローン要塞に知らされた「二、三日後」には暗殺グループ全員殺の報が届いたことなどからして、会見の直後であったと思われる。ともかく、同盟建から200年あまり、数々の名将を輩出した同盟軍の制服組最期の長は、処刑という不名誉な結末を迎えたのであった。

ロックウェルとファーレンハイトの違いを教えて下さい

以下適宜追加……

評価

トリューニヒト閥、無能主人公暗殺未遂と上殺し、そして処刑……。作中に幾人か存在する一点の美点も力も救いもない人物の一人であり、おそらく同盟の中ではフォーク准将やベイ大佐と並んで最底辺の嫌われ者であろう。作中では自決を強制された例は多く存在するが、処刑された人物は名アリ登場人物では彼とハイドリッヒ・ラング(とゴッドリーブ・フォン・インゴルシュタット)くらいである。ただし彼なりの言い分もあり、

疑問や反発などいだかず命のままに喜んで死んでいく精神的畜こそ、国家と軍隊にとって有為の人材と言うべきではないか。重要なのは民主主義を守ることではない。民主国家を守ることだと言うのに。

という言葉を残している。これは一つの論理であることは確かだろう。もっとも、彼本人はこれに従うことはなく最期は矛盾した行動を取っているのだからどうしようもないのだが……。

また、前述の引用の前後には「才の質は問題ではない」と言う考えにも至っており、レベロの暗殺も最終的に自己の保身のためと言うよりヤンとの立場の差を明確に彼に摘されたことが引き金となっている。いずれにせよ、キャゼルヌが侮蔑をもって見限ったように、統合作本部長のような要職につく器量ではなかったことは確かである。

先に救いが一点もないと述べたが功績らしい功績を一つだけ挙げるとするなら、ヤンを受け入れたエル・ファシル革命政府の文民たちにとって彼の死が裏切りに対する一種の教訓となったことが挙げられる。少なくともヤンの最期の環境は多少の制限はあるにせよ、戦術・戦略的にはフリーハンドであり裏切りの脅威はそれまでとべて相対的低かった。ロムスキーの善良さと横柄さ(裏を返せば無能さ)を考慮に入れるべきではあるが、おそらくその後の歴史においても留意すべき故事の一つとなったことであろう。

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最終更新:2025/11/16(日) 11:00

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