ロボとは、ゲームソフト『クロノ・トリガー』に登場するキャラクターである。製造番号「R-66Y」。コードネーム「プロメテス」。
A.D.2300年の未来世界で初登場するロボットであり、プロメテドームにて機能停止状態で発見される。未来世界では各地でガードロボットが暴走して人間を攻撃するようになっていたが、「ロボットたちは自分の意思で襲ってくるわけじゃない、人間にそう作られただけ」と考えているルッカによって優しい心を持ったロボットとして修理された。修理された彼は自らをR-66Yと名乗るが、名前らしい名前をつけてあげるべきとマールに提案されたクロノによって「ロボ」と名付けられる(プレイヤーにより変更可能)。初めは自らの修理をしてくれたルッカを主人として、後にクロノたちの仲間としてパーティに加わる。
ロボが仲間に加わって間もなく訪れる工場跡にて、R-○○Yの名を冠した兄弟たち(Rシリーズ)と再会する。しかし「工場への侵入者を抹殺する」という当初のプログラム通りに活動していた兄弟たちはロボを欠陥品とみなし、リンチした後に廃棄処分する。なお、このイベント中にクロノを自由に操作できるが、リンチを止めようとするとRシリーズに吹き飛ばされ、ロボに「や、やめてクダサイ……このロボット ワタシの兄弟デス。」と止められる。ロボの処分が終了した際にルッカが同行していると聞ける「処分されるのは…あんたたちよーーーッ!!」という怒号、激昂が印象的なイベントである。
Rシリーズを退けた一行は、辛うじて生きていたロボを連れ帰り、ルッカが再度修理を行う。兄弟たちとは異なり心を持った代わりに生きる目的を失っていた彼は修理中に「直ったら何がしたい?」と聞かれたことをきっかけに、クロノと共に歴史を変える旅に同行することを決意した。
物語終盤、ロボの故郷であるジェノサイドームに立ち寄るとイベントが発生し、今度は工場の管理者である「マザーブレーン」がロボに「プロメテス」と呼びかけつつ、一行を歓迎してくれる(ガードロボットをけしかけて腕試しをしながら)。その道中、リボンをつけた同型ロボットのアトロポス(アトロポス145)が登場し、「プロメテスの本来の任務は人間を抹殺するため人間に近づき生態を観察するスパイだった」と打ち明け、演技はやめて仲間と別れるよう促す。しかしロボはその要求を拒否し、仲間の手を借りずに1人でアトロポスとの戦いに決着をつける。戦闘後、アトロポスはマザーブレーンによってプログラムを書き換えられていたが辛うじてメモリーの一部を退避させていたことが判明し、形見のリボンをロボに託して機能を停止する。その後、最深部にてマザーブレーンにより「この星は人間さえいなければ平和になる。ロボットなら憎しみも悲しみもない世界を作れる」と提案されるが、ロボはあくまで「クロノたちと一緒に歴史を変え、平和な未来を作る」という希望を捨てず、マザーブレーンと対峙する。マザーブレーンを破壊するとジェノサイドームそのものの活動が停止し、ロボの兄弟たちが生まれてくることはなくなった。
A.D.600年の中世。砂漠化が進行する地域の緑化に取り組むフィオナに協力することになるが、砂漠に緑を取り戻すには何百年もの労働力が必要だった。そこでロボは、自分なら何百年でも働き続けることができるとその役を買って出る。以後、砂漠では緑化のために土を耕したり、カカシになって土地を守るロボの姿が見られるようになる。この状態で400年後の現代にワープすると一面の砂漠は豊かな森に、フィオナの家はフィオナとロボを祀る修道院にそれぞれ変化する。クロノたちがシルバードでひとっ飛びする間に400年間働き続け、苔むしたロボは「400年ぶりの再会」を喜んだ。
過酷な労働を続ける400年の間に、ロボは「時代を超えた旅で我々が見せられたもの、あるいは我々が見せているものは何者かの記憶なのでは」と考えるようになる。エイラやカエルはこの話を聞いて、人が死ぬ時に見る「走馬灯」のことを思い出す。人が思い出すのはたいてい悲しい思い出や後悔ばかりだ、という話を聞いたルッカは、皆が寝静まった後、赤いタイムゲートで過去のトラウマに再び遭遇することになる。このイベントのルッカの行動によってその後の展開は異なるが、いずれも戻ってきたルッカをロボが優しく出迎えてくれる。
見ての通り、ロボのイベントは一貫して物悲しいものが多く、出会いの時代からしてラヴォスの登場で300年前に文明が滅んで人類が滅亡の危機にさらされた世界である。にも関わらず、ロボの性格は一貫して明るく、パーティのムードメーカーとして機能している。そのギャップがプレイヤーにイベントの悲しさをより際立たせている。あるエンディングではルッカが「悲しい時はすなおに悲しむのよ!!こっちがよけい悲しくなっちゃうじゃない!!」と泣いていたが、全くその通りである。この直後、ゲートに戻るロボがふらついて転送装置にぶつかってしまったときのセリフ「おっと オイルでアイセンサーがかすんで…」は、ロボを、あるいはクロノ・トリガーを代表する名台詞の1つとしてユーザーの印象に残っていることだろう。ルッカを笑顔にするためにロボがおどけて見せたのか、それとも本当にロボにそのような機能が備わっていたのか、どちらの解釈だったとしても、ルッカの「悲しい時はすなおに悲しむのよ」というセリフと、泣いているルッカにマールがかけた「(ロボとの別れに)なみだは似合わないわ」というセリフを同時に回収して見せる名シーンである。
技名 | 消費 MP |
属性 | 範囲 |
ロケットパンチ | 1 | 物理 | 単体 |
ケアルビーム | 2 | 回復 | 単体 |
回転レーザー | 3 | 冥 | 全体 |
ロボタックル | 4 | 物理 | 単体 |
ヒールビーム | 3 | 回復 | 全体 |
マシンガンパンチ | 12 | 物理 | 単体 |
サークルボム | 14 | 炎 | 周囲 |
エレキアタック | 17 | 天 | 全体 |
レベルアップによって水以外の属性攻撃を修得する上、威力の高い物理攻撃、果ては単体・全体回復まで習得するオールラウンダー。しかも攻撃力・HPも高く戦力面での期待値が非常に高い。しかし素早さや魔力が低く、うまく使わないと肝心な時に回復が遅れたり連携でロボ待ちになることが起こりうる。カプセルで弱点を補ってやれば器用万能キャラとして大成するだろう。ロボの持ち技が多彩なだけあって連携も攻撃、回復など様々な効果を持つが、中でもクロノ・マール・ロボで使えるキープアレイズは戦闘不能から自動的に復活するという極めて強力な効果を持つ。
武器として使うアームも強力で、特にHP下1桁の数字次第で威力が可変する「クライシスアーム」、DSリメイクで更に追加されたより極端な性能の「ゼロクライシス」は、HP管理が必要なため汎用的な使い勝手こそ良くないがボス戦で非常に強力。特に後者は、「げきどのうでわ」装備クロノによるにじ(むげん)カウンターでクリティカルが発動した直後に物理技「ロケットパンチ」をぶつけると9999ダメージ確定という裏技があり、「ごうけん」エイラ以上に確率依存せず安定した単体ダメージを叩き出すエースアタッカーとなる。A連打で機械的に済ませたい雑魚戦は特殊能力なしの「テラパワーアーム」に付け替えておけば攻撃力に困ることもないので、正真正銘の物理最強キャラになる。
『クロノ・トリガー』の続編『クロノ・クロス』にはロボは登場しない。
しかし「2300年にどこからともなく現れた天才的科学者「ガッシュ」が、11世紀の科学者「ルッカ・アシュティア博士」の思想に基づき「マザーブレイン」に仕込んでいた秘密回路「プロメテウス」という存在のコードネームとして登場する。このプロメテウスは意思を持っているようで、ロボとよく似た口調で主人公「セルジュ」に語りかけてくる。ただしコンピューター内の回路でしかないために姿を見せることはなく台詞のみの登場であり、しかもすぐに物語から退場してしまう。
しかしプロメテウスは、仕込まれてから1万年以上もの雌伏の後に、自らが組み込まれたメイン・コンピューター「フェイト」に対してとある「反乱」を起こしていた。その結果としてセルジュはフェイトの脅威を退け、「調停者」となり、ついには危機に陥った時間の流れを救うこととなる。プロメテウスの最後の台詞から推測するに、この重要な役割をプロメテウス自らも知っていたものと思われる。「長い長い時間をかけて使命を果たした」という点も、『クロノ・トリガー』においてロボが400年の尽力を経て砂漠を緑化したところに似通っているかもしれない。
ただしこのプロメテウスの反乱は、これを鎮圧しようとしたフェイトらによってルッカ・アシュティア博士が拉致されてしまうという悲劇にもつながってしまった。
ロボの前向きな明るさや優しさが伝わる名曲。 |
おっと、オイルでアイセンサーがかすんで…… |
掲示板
5 ななしのよっしん
2021/06/02(水) 10:28:04 ID: kT7xDAoI9G
ロボの人格ってどこで生まれたのかな
マザーブレーンに作られた時点でも、アトロポスと交流できるような感情はあったように思う。
その後、人類をスパイする任務をプログラムされたけど、その時点で既に人に対する情は生まれてたのかな。
プロメテドームにも昔は人がいたそうだけど、マザーブレーンの指令でロボの兄弟が人間の排除を始める→排除指令に従わないロボは欠陥品扱いされ壊れたまま放置されてた?
ルッカに修理された時点でスパイ任務はまだ機能してたんだろうか。
それともルッカが人間を襲わないよう直す過程でプログラムは排除されてたんかね。
6 ななしのよっしん
2021/07/23(金) 23:49:30 ID: RWBtH0v+Fh
7 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 20:01:24 ID: qyYcWHn0ue
中世→現代への400年の緑化運動が終わって神殿で対面した時
「再会できてとても懐かしい」
「しかし(時空を越えてきた)あなた方にとっては一瞬の出来事だったんですね」
みたいに言ってたの、すごく印象的
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最終更新:2024/04/19(金) 15:00
最終更新:2024/04/19(金) 15:00
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