1:ドイツの詩人であるヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハによって書かれたアーサー王伝説に連なる詩「パルジファル(英語読みパーシヴァル)」に登場するパルジファル(パーシヴァル)の息子。白鳥の騎士の異名を持つ聖杯を守る騎士。
2:上記の叙事詩をモチーフにした「歌劇王」リヒャルト・ワーグナーの歌劇。
3:ガンダムSEEDシリーズに登場するアークエンジェル級戦艦に装備されている陽電子破城砲。その他にもSEED DESTINYにおいて渓谷に築かれた要塞の迎撃砲台として、SEED ASTRAYにおいて叢雲劾によりMSの手持ち武器として運用された。
4:日本の競走馬。2頭いる。初代は1965年生まれで父タリヤートス、母トサモアー、フロリースカツプ牝系という血統。中央で当時ダート戦の金鯱賞を勝つなど5勝を挙げた後、公営東海に移籍。オーナーズチエスと改名し、東海菊花賞を含め8勝を挙げた。姉モンテホープの子孫にリキエイカンやスズカコバン、レイパパレなどがいる。二代目は48戦10勝で引退しており、初代は改名後も合わせると13勝と初代のほうが勝っている。
主な勝ち鞍
2003年:中山記念(GII)、マイラーズカップ(GII)
2005年:マイラーズカップ(GII)
2007年:中山記念(GII)
父Singspiel、母カーリング、母の父Garde Royaleという血統の持込馬。父のSingspielは96年のジャパンカップを勝利したあと、ドバイワールドカップなどを勝ち世界的名馬に飛翔した馬であり、母のカーリングは吉田照哉氏所有でフランスで走り、95年にダンスパートナーがフランス遠征した際にヴェルメイユ賞で対戦して勝利し、GⅠ初制覇を達成するなど日本とは何かと縁が深い血統である。
ちなみにローエングリンという名前はSingspiel(ドイツの庶民向け歌劇)から連想してワーグナーの歌劇から頂いたものである。
2歳の秋に府中でデビュー。新馬戦は抑える競馬で2着に敗れたが折り返しの新馬戦は軽快に逃げ圧勝。
東京スポーツ杯2歳ステークスに挑むが爽快に逃げ潰れて完敗。しばらく間を空けて500万下を勝ち、クラシックに向かうべくスプリングステークスに挑むもタニノギムレットに叩き潰され6着に終わる。この後は抽選覚悟で皐月賞に登録するも除外。賞金を確実に増やすべく皐月賞と同じ週のオープンの若草ステークスを選択し快勝。
日本ダービーに向かったのだが…賞金不足で除外。オープンを勝って除外はめったにないことであり2002年クラシックのボーダーラインの高さ故に弾かれてしまった格好となった。
運が良ければ高速馬場の皐月賞は十分勝ちにいけただけに、運があればなあというのが関係者の気持ちであった。
ちなみに、3戦3勝でダービーを勝った1996年のダービー馬フサイチコンコルドはダービーまでに新馬→オープン連勝のみで賞金はローエングリンより低かったがこの年のボーダーはそこまで高くなかったがゆえに除外を食らわなかったという例がある。
そんな中オープン含め3勝した上で除外を食らった関係者の無念はいかばかりであったか。フサイチの場合賞金より体調が問題なんだが。
気を取り直してダービー同週のオープン駒草賞を快勝し、次走にはなんと古馬相手の宝塚記念に挑戦。流石に無謀なんじゃないかと思われたが、メンバーが薄かったこともあり逃げ粘り3着。2年前の二冠馬エアシャカール(4着)に先着し、類稀な能力の一端を見せた。
ちなみにこの結果を見て翌2003年に同馬主の二冠馬ネオユニヴァースが3歳で宝塚記念に挑んだものの、メンツが違いすぎたか4着に敗れている。こっちはこっちでシンボリクリスエス(5着)にクビ差で先着、タップダンスシチー(3着)にクビ差で迫ってるんだけどね。
しかし秋は神戸新聞杯と菊花賞で見事に逃げ潰れ惨敗。菊花賞ではノーリーズンが落馬し荒れる展開になる中、ナリタブライアンの忘れ形見ダイタクフラッグと大暴走し揃って轟沈。その乱ペースのせいか、スタミナ比べの流れになりスタミナ自慢のヒシミラクルが力強く抜け出し、それをファストタテヤマが猛追して決着。馬券的には万馬券の大盤振る舞いとなり、そのインパクトからファストタテヤマで家をタテヤマというスラングが生まれるきっかけになるほどの迷レースとなった。乱ペースを作った彼はその影の功労者である。ようやく出走したクラシックでそんなネタの片棒担いじゃうあたり、なんか後の姿が見えなくもない気はする。
その後立て直し中距離のオープンで古馬を蹴散らし2連勝。古馬になった後に期待を持たれる一頭として、翌年を迎えることとなった。
そして翌年になると本格化。東京新聞杯こそ逃げきれず2着に敗れたが、中山記念とマイラーズカップを連勝。
安田記念に一番人気で向かい、2番手から抜け出しを図るも決め手に欠け、外から飛んできたアドマイヤマックス…のさらに外から飛んできたド変態アグネスデジタルの末脚に屈し3着に敗れてしまう。
夏は休養に当てるのではなくフランスのマイルGⅠに遠征することとなり、テレグノシスを伴いフランスへ。
初戦のジャックルマロワ賞は直線マイルに慣れていなかったせいか失速し、テレグノシスが3着に突っ込むのを尻目に10着完敗。
しかしムーランドロンシャン賞ではコーナーでうまく息を入れられたか直線になっても脚が衰えず、押し切るかと思われたが当年の仏オークス馬Nebraska Tornadoに差し切られ2着。しかし、高い実力の一端は見せた。
帰国後初戦となった天皇賞(秋)ではシンボリクリスエスに次ぐ二番人気に推された。まともに走れば、シンボリクリスエスとてミス一発で負けかねない相手だったであろう。だがシンボリ陣営にはまことに都合が良いことに同じ逃げのゴーステディと暴走爆走大暴走。前半1000mを56.9秒で通過した。ちなみに記録的ハイペースで逃げたと言われる98年のサイレンススズカは前半1000mを57.4秒で通過している。
これでスタミナが持つのであれば秋の三冠を全部大差で掻っ攫っていきそうだが、そんなことはなく見事に失速し13着。
しかしアレだけの暴走をしながら1着から1.7秒しか遅れなかったのは高い素質の証明であった。勝って証明したかったと思うが。
ちなみに競り合ったゴーステディは大惨敗を喫した挙句、その後も惨敗続きのまま引退した。
ローエングリン自身は折り合いに極端な不安があったわけでもなかったのになぜこうなったのか。当時の主戦である後藤浩輝とゴーステディの主戦吉田豊との間に確執があったからとも言われる。
ちなみに吉田豊は「調教師の指示ですから」と、後藤は「調教師の指示なら仕方ないけど、アイツ悪意持って潰しに来ただろふざけんな」という旨のコメントをしている。
この伏線めいたものとして、同年の安田記念で吉田豊騎乗のミデオンビットにハナを叩かれ、結果若干ちぐはぐになって3着に負けただろ吉田この野郎という怨念もあったかもしれない。
ただ、メンバーで明らかな格下のゴーステディは、紛れを起こすならハナを切っていくしかないので何が何でも前々に行くのはわかるがローエングリンは2番手抜け出しでも十分対応できただけに、やはり鞍上が冷静さを欠いた結果としか言いようがない惨敗劇であった。
まともに御していればシンボリクリスエスともっと僅差の勝負に持ち込めたであろうことは明白で、当然のごとく各方面から批判が相次ぎ、後藤騎手は彼の主戦から外されることになった。
その後は香港遠征し香港マイルへ。3着に敗れたが、短距離に強い香港地元勢とも差のない勝負が出来たあたりやはり本物であった。もったいないもったいない。
この後もマイルから中距離の安定勢力として走り続けたが、5歳秋を過ぎると成績が落ち込み始め、6歳春のマイラーズカップを境に勝ち星から遠ざかった。
走れど走れど掲示板が限界。脚質転換をしても突き抜ける事はできぬまま。結構な良血にもかかわらず7歳を過ぎ頭打ちになってもサドラーズウェルズ系ということからか馬主筋の社台グループからも種牡馬入りオファーもなく引退すらままならず、ファンも関係者も「アレがなければ…」と歯噛みする展開が続いた。
そして迎えた2007年・8歳の春、中山記念に出走。鞍上にはいつの間にか後藤が戻ってきていた。
レースが始まるとびっくりするようなロケットスタートを決め、スタートだけで3馬身近くちぎるとそのまま軽やかに逃げ切ってみせた。2年近く勝利から遠ざかった彼にとって、久々の勝利の美酒となった。
このレースで何かを掴んだのか、同年のスプリンターズステークスでも凄まじいロケットスタートを決め
ファンから「おいおいフライングか」「またローエングリンが反則かw」など半ばネタ気味に言われた。しかし勝利につながったのは結局中山記念だけであり、この年限りで引退。
現在は社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っている。種付け料30万円という格安っぷりでありそれなりに人気はあるようではあるが、結果はまだ初年度がデビューしただけとはいえ、いまいち伴っていない。というかデビューを待たずして社台から放出され、レックススタッドへ移動となった。
おいおい大丈夫か?なんて思っていたら二年目の産駒から朝日杯フューチュリティステークスを勝ち、父が走ることさえ叶わなかった皐月賞を見事な勝ちっぷりで快勝したロゴタイプ、朝日杯で三着に粘り、力を見せたが賞金を積めず、父同様今後出走賞金に困りそうなゴットフリートが出た。
余談だが産駒でニコニコ大百科登録が一番早かったのはジーカップダイスキであった。ジーカップダイスキ以前からあったロゴタイプの記事は名前の元ネタ解説記事であった。というかその解説記事ニコ百にあったのね…
この活躍にレックススタッドに問い合わせ殺到で2013年はブックフルとなったものの、後続があんまり続いてくれず、サドラーズウェルズ系種牡馬はやはり日本では定着できないのではないか?という説の証明になってしまい、2018年の種付を持って引退。社台ブルーグラスファームの功労馬厩舎でアグネスフライトらと余生を送っている。
後述の主な活躍馬は皆母父サンデー系の子でサンデー系とはそこそこの相性は見せているが、どうも当たり外れが激しいタイプのようでなかなかオープン以上に顔も出せないしアベレージは低めである。
ただ、前述の孝行息子・ロゴタイプは皐月賞後はなかなか勝てず苦闘するも、6歳の安田記念で8番人気をうまく生かした乾坤一擲の逃げでモーリスを撃破するという超大金星を挙げ、7歳時もフレグモーネ明けで8番人気になりつつ再びの逃げであわやの2着となるなどまさかの大復活を見せ、一部に熱狂的なファンを生んだりもした。7歳安田記念後はトラブルもあって復帰できず引退となったが、見事社台スタリオンステーション入りを果たした。
その後はロゴタイプの記事に譲るが、初年度からラブリイユアアイズがオープン入りし8番人気ながら阪神JF2着に食い込むなど可能性の片鱗は見せている。ローエングリンの血はしばらく残っていきそうである。
Singspiel 1992 鹿毛 |
In the Wings 1986 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer |
Fairy Bridge | |||
High Hawk | Shirley Heights | ||
Sunbittern | |||
Glorious Song 1976 鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | |||
Ballade | Herbager | ||
Miss Swapsco | |||
*カーリング 1992 黒鹿毛 FNo.4-p |
Garde Royale 1980 黒鹿毛 |
Mill Reef | Never Bend |
Milan Mill | |||
Royal Way | Sicambre | ||
Right Away | |||
Corraleja 1982 鹿毛 |
Carvin | *マリーノ | |
Coraline | |||
Darling Dale | Tyrant | ||
Treat |
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最終更新:2025/01/17(金) 03:00
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