ワイルドバンチ強盗団(Butch Cassidy's Wild Bunch)とは、
アメリカ合衆国・西部開拓時代に活動した強盗団である。
1890年代、西部開拓の末期に活動した、最後にして最大の無法者集団と評される。
ビリー・ザ・キッド、ジェシー・ジェイムズなどと並び、現在でも人気が高い。
ワイオミング州の開拓地「ホール・イン・ザ・ウォール(壁の穴)」を根城とし、銀行強盗や列車強盗、家畜泥棒などで荒稼ぎを行った。
最盛期の主要メンバーは10名だが、以下は最も有名な二人についてのみ述べる。
ブッチ・キャシディ(Butch Cassidy)
本名:ロバート・ルロイ・パーカー。ワイルドバンチ強盗団の創設者とされる。
ブッチとはButcher(屠殺者)の略称で、それに加えて師と仰いだ無法者の名字を名乗った。
やくざな商売とは裏腹に、人好きのする性格で女には優しく、多くの人に慕われたという。
計画を立てる天才であり、彼が南米に高飛びした後、強盗団残党による襲撃計画はほとんどが失敗に終わっている。
サンダンス・キッド(Sundance Kid)
本名:ハリー・アロンゾ・ロングボー。ブッチの相棒。
15歳で犯罪の道に進む。馬泥棒に失敗して最初に逮捕された土地の名が「サンダンス」であった為にこの仇名をつけられ、生涯愛用した。
早撃ちの名手であり、また美男子でもあった。現存する写真では美髭を蓄えたなかなかのイケメン。
アメリカの映画祭「サンダンス映画祭」の名前の由来でもある。
有名になるにつれて指名手配の賞金額が上がり、賞金稼ぎや保安官、ピンカートン探偵社のエージェントに追われる形で、二人は南米・アルゼンチンを経て、ボリビアへと高飛びする。
ブッチはカタギの牧場主になる事を望んでいたようだが、結局そこでも強盗稼業は辞められなかったようで、南米でも彼らの悪名は名高いものとなってしまった。
1908年11月3日、サン・ビセンテという鉱山町の宿屋に、二人組の男が宿泊する。
彼らが連れていたロバが、銀鉱山の所有を示す焼き印を押されており、しかもそれは彼らが投宿する直前に強盗されたものだった。
これに気づいた男の密告により、ボリビアの陸軍騎兵部隊が宿屋を包囲。銃撃戦の末、二人は死体となって発見された。
検証の結果、片方が致命傷を負った相手を銃で安楽死させ、その後自殺したと見られている。その後彼らは身元を特定されないまま、町の共同墓地に埋葬された。
後に調査団により埋葬地の発掘と検証が行われたが、DNAを証明できる遺物は見つかっていない。この事から、二人組はブッチでもキッドでもなかったという主張が存在する。
風説によればアメリカに戻り家族と共に平和に暮らしたとも、会社を立ち上げて実業家として財を成したとも言われているが、彼らが何処でどのような最期を遂げたのかは、今もって判明していない。
2008年、サン・ビセンテにブッチとキッドの記念館(Museo Butch Cassidy & Sundance Kid)が設立。当時の手配書や推定上の遺骨が展示されているという。
こちらは1893年に結成された強盗団である。
中心メンバーのビル・ドゥーリン、ビル・ダルトンの名を取って「ドゥーリン=ダルトン・ギャング(Doolin–Dalton Gang)」とも呼ばれ、カンザス州からオクラホマ準州を股にかけ荒らしまわった。
団の前身としてダルトンの兄3人が中心となった「ダルトン・ギャング(Dalton Gang)」があるが、カンザス州コフィービルでの銀行強盗の際に銃撃戦となり、兄2人が射殺、1人が逮捕・服役。強盗に参加しなかったメンバーだったドゥーリンとダルトンが生き延びて手を結んだのが始まりである。
一部からは義賊的な扱いを受けており、一般人からの人気や交流、援助もあったことは、「後輩」のワイルドバンチと共通している。イーグルスの楽曲「Doolin Dalton」はこの事を題材にしている。
その波乱に満ちた生涯と活躍から、西部劇を始めとした多くの作品に彼らは登場している。
その中でも最も知られているのは、1969年の映画「明日に向って撃て!」であろう。
挿入歌「雨にぬれても(Raindrops Keep Fallin' On My Head)」と共に大ヒットした。
ポール・ニューマンがブッチ、ロバート・レッドフォードがキッドを演じている。絶望的な状況下、銃を手に飛び出す二人のストップモーションに一斉射撃の音が重なるという、衝撃的かつ白眉のラストシーンが話題を呼んだ。
もう一つ、映画としてはサム・ペキンパーが1969年に製作した「ワイルドバンチ」が挙げられる。
1913年のテキサスを舞台として無法者達の「滅びの美」を描き出し、ペキンパーの最高傑作にして「最後の西部劇」と評されている。スローモーションを駆使した暴力描写は秀逸で、ラストの銃撃戦は「死のバレエ」と呼ばれて後続の作品にも大きく影響を与えた。
平野耕太の漫画「ドリフターズ」に、ワイルドバンチ強盗団が登場する。
「生死不明のまま消息不明となった人物」が「漂流物(ドリフターズ)」として異世界に漂着するという設定に準じ、ブッチとキッドの二人が登場した。
ブッチは襤褸布を被った蓬髪の青年、キッドはテンガロンハットのヒゲ男として描写。享楽的なブッチに対して、キッドの方がやや常識的で、入手手段のなくなったタバコや銃弾を出し惜しみしながら使っている。
馬車に手回し式のガトリング砲を積み込んでおり、二挺拳銃やライフルと共に、この世界では貴重な火力を担当。ハンニバルとスキピオを擁してのカルネアデス北壁脱出において、追跡する黒王軍を掃討して血路を切り開いた。
その後は十月機関(オクト)の導きで廃城組と合流。ガトリング砲の残弾を全て叩き込み、不死身かと思われた廃棄物・ジルドレを撃破した。その後、黒色火薬の開発を進める織田信長に弾の尽きた銃を託し、他の漂流物の探索と保護に回る。
その後、菅野直とスキピオが率いる犬人・猫人連合軍に合流。
ちなみに菅野から
と聞かれた時に色々察したらしく
と空とぼけることで回避した。どこだよボリビアってそんな国ねーぞ
掲示板
7 ななしのよっしん
2020/04/22(水) 15:02:38 ID: XoFPg09MRk
>>6
『集まり』という意味の『クラスター(cluster)』をグラスター等と間違える方々は、今時おいででないだろう。
しかし、同義でも『バンチ(bunch)』は未だあの様にそうする方々がおいでかも知れない。
ガンダムシリーズに登場するコロニーの『バンチ』は「=モジュールにより構成された居住区画」かと思いきや、「蕃地(banchi)」という意味で用いている場合もある様だ…
8 ななしのよっしん
2020/05/17(日) 14:38:16 ID: EfCk8OODco
ペキンパーのワイルドバンチの記述はないのかな。実在のワイルドバンチとは時代も設定も少し違うけど・・・
9 ななしのよっしん
2021/05/17(月) 21:21:06 ID: LP/GIoMYDB
>>8
あれは良かった
最後のひたすら破滅的に殺しまくるシーンとか最高
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最終更新:2024/04/26(金) 06:00
最終更新:2024/04/26(金) 06:00
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