ワッケイン(Watkein)とは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する人物である。
地球連邦軍に所属する男性佐官。階級は少佐だが、劇中では宇宙拠点ルナツーの基地司令兼艦隊司令を務めている。立場の割に不自然なほど階級が低いため何かと考察される事が多い人。小説版では大佐、『THE ORIGIN』では少将に格上げされて不自然ではなくなった。ちなみに最初期のあらすじを書いたトミノメモによると本来はワッケインではなく、彼の上官が基地司令に設定されていた。部下にリード中尉がいる。
『THE ORIGIN』にて設定が深掘りされた。兵学校教官時代のパオロ・カシアスの教え子であると設定され、一年戦争開戦劈頭のルウム戦役ではレビル将軍の部下として参戦するも、分遣艦隊を率いて本隊救援に向かっていたところをシャア率いるモビルスーツ隊の襲撃を受け、艦隊は壊滅。自身も乗艦を撃沈されてしまった苦い経験を持つ。
終盤、戦死したレビル将軍に代わってア・バオア・クー攻略部隊の総指揮を執った。しかし、キシリアが乗った宇宙空母ドロスに背後から攻撃され、旗艦ルザルともども宇宙に散った。彼が放った最後の命令を受領したブライトはア・バオア・クーに強襲揚陸を仕掛ける。
フルネームは不明。漫画『アウターガンダム』にてヴォルフガング・ワッケインと設定され、実際PSP専用ソフト『ガンダムバトルユニバース』に採用されたものの、漫画自体は非公式であるため、公式名称かどうかは怪しいと言わざるを得ない。
TV版では一貫してマゼラン級戦艦に座乗。当時のマゼランは紫色なのに対し、視聴者に区別を付きやすくするためか、彼が乗るマゼランは緑色に塗装されていた(後年の『MS IGLOO』等では緑マゼランもよく登場するようになった)。
9月20日、サイド7から脱出してきたホワイトベースがルナツーに寄港(TV版第4話)。シャアの追撃を受けながら、やっとの思いでルナツーまで逃げ延びてきたホワイトベースを拘束、乗り込んでいる民間人をルナツーで保護して欲しいと懇願するブライトを一蹴し、軍の最高機密であるAAA事項を破ったとして全乗員を軟禁してしまう。良く言えば軍紀に忠実、悪く言えば連邦の官僚主義を体現した頭の固い人物であり、悪人面なのも手伝ってクルー及び視聴者からの心証は大変悪い。実際ホワイトベース全乗員から怒りを買い、特にブライト達からは不快感を示されている。
ただし、ルナツーは連邦軍に残された唯一の宇宙拠点という背景から「目立てばジオンに襲われる」考えが主流となり事なかれ主義が蔓延、ジオン軍に追われているホワイトベースの存在はまさに厄介そのものであった。ワッケインの冷たい反応はこのような事情も関係していると思われる。
ホワイトベースを追ってきたムサイを捕捉すると、ワッケイン自らマゼラン級戦艦に乗り込んで迎撃に向かうも、シャアによって仕掛けられた時限爆弾により乗艦を破壊され、自らゲートを塞ぐ形となってしまう。代わりにホワイトベースで迎撃しようとするクルーに軍紀を持ち出して銃を突きつけるが、パオロ・カシアス艦長の決死の説得を受けて折れ、自身もホワイトベースに搭乗。主砲を指揮してマゼランを破壊し、進路を確保した(この時の主砲発射の衝撃で元々重傷を負っていたパオロ艦長が亡くなってしまった)。
ホワイトベース隊の活躍でシャアを退けた後、パオロ艦長の遺言に従って、ブライトにホワイトベースの運用を任せ、9月22日、リード中尉のサラミス級軽巡洋艦を護衛につけて出港するホワイトベースを見送った。ホワイトベースが去った後、ワッケインは「ジオンとの戦いがまだまだ困難を極めるという時、我々は学ぶべき人々を次々と失っていく。寒い時代だと思わんか?」と部下に呟いている。
『劇場版』ではTV版ほど冷淡ではなく、結局のところホワイトベースをルナツーから早々に追い出してはいるが、それも本部からの命令で仕方なくといった具合に改変され、申し訳なさを見せる人情家となっている。また小説版だと、ホワイトベースのクルーは民間人ではなく正規の乗組員なので対立は起きなかった。
その後、ワッケインは何らかの功績を挙げて大佐に昇進し、第3艦隊の司令官に就任。鉱物資源を満載したパプア級補給艦に対する襲撃、オデッサから敗走してきたジオン軍部隊の掃討、次々に地上から打ち上がってくる連邦軍艦艇の受け入れ・再編制等の功績が認められたと思われる。
12月20日、ワッケイン座乗のマゼラン級レナウン率いる第3艦隊、第5艦隊、第9艦隊がルナツーを出撃。宇宙要塞ソロモン攻略を企図したチェンバロ作戦に参加する。
12月24日(TV版第35話)、テキサスコロニー付近でホワイトベースと合流。ワッケインはホワイトベースとの再会を喜び、ブライトに「貴様もいっぱしの指揮官面になってきたかな?結構な事だ!」と声をかけたり、一目見てアムロを「素晴らしい才能の持ち主だ、我々とは違う」とニュータイプの素養を見抜くなど、まるで人が変わったように優しくなり、以前のような頭の固さは見受けられなかった。
そのままサイド4宙域へと向かい、コロニーの残骸を利用してソロモンの近接宙域からパブリク突撃艇の発進に成功、ビーム撹乱幕を展開したのちモビルスーツ隊を出撃させ、ソーラ・システム発射までの時間を稼ぐべく陽動を実施。その甲斐あってソーラ・システムは無事発射されてソロモン攻略成功に大きく寄与した。
12月25日、ジオン軍の残党掃討のためサイド5方面へ向かったホワイトベースを援護するべく、レナウンは単艦でソロモン宙域を出発(TV版第38話)。道中、テキサスコロニー近海にて、デラミン艦隊との合流を急ぐバロム大佐のチベ級重巡洋艦と遭遇し、先制攻撃に成功。交戦の末にチベを撃沈する戦果を挙げた。
続いてテキサスコロニーより脱出してきたシャアのザンジバルと交戦。一騎打ちとなり、互いに激しい撃ち合いを演じる。「敵は1隻だ、よく狙え。すぐにホワイトベースも応援に来てくれる。それまで持たせるんだ!」とホワイトベース隊の到来を信じ、ザンジバルに数発の命中弾を与えたが、レナウンも次々に被弾し、最後はザンジバルからの一斉射を受けて沈没。ワッケインも戦死した。
遅れてホワイトベースが現場に駆けつけたものの、そこにはマゼランの残骸が漂っているだけだった。ワッケインに尊敬の念を抱いていたクルーたちは彼の死を悼むように敬礼している。
『劇場版』ではソロモン攻略戦とテキサスコロニーが入れ替わった関係で、ソロモン攻略中に戦死。チベを道連れに沈没するという壮絶な最期だった。トミノメモではシャリア・ブルのゲルググに撃沈される予定だったとか。
サイド7から01ガンダムとホワイトベースがジオンに奪取されたと聞き、近隣宙域で模擬戦中の部隊を向かわせた模様。しかしシャアが駆るガンダムによって2機とも撃墜されてしまった。
その後、ルナツーの失陥を予期した連邦軍は、宇宙要塞ソロモン(コンペイトウ)を月面のグラナダに落とす「ソロモン落とし」を実行、ワッケインはコンペイトウの防衛戦に参加する。これは連邦の敗北が確定したため破れかぶれ的に決行された、言わば共倒れ狙いの作戦であり、成功しようが失敗しようが連邦は宇宙での拠点を全て失う事が確定していた。
ソドン、ムサイ3隻による殴り込み部隊を迎撃したが、シャアが引き起こしたゼクノヴァによってコンペイトウの軌道がずれて作戦失敗、離れていくコンペイトウを見て悔しそうな表情を浮かべた。おそらくそのまま終戦まで生き残ったと思われる。
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20 ななしのよっしん
2025/04/29(火) 23:25:30 ID: h6XLdTH72e
元々正規クルーのほとんどを失ったあげく難民乗せてるWBをそのまま追い出すくらいに非情な人間だからなあ
ソロモン落としと直接イメージ繋がらないって気持ちは分かるけど、そんなに良い人間ってイメージもない
事情があれば他人に平気でむちゃくちゃなこと要求するタイプ
21 ななしのよっしん
2025/05/02(金) 22:08:04 ID: bJ5a00mKEr
希望的観測かもしれないけど、連邦は敗戦しても休戦であり降伏ではないから案外裁判やジオンへの引き渡しは回避されている可能性はあるかも、と考えている。
22 ななしのよっしん
2025/05/29(木) 05:59:16 ID: FNlMFgZAng
ソロモン落としましたねえ
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最終更新:2025/06/23(月) 02:00
最終更新:2025/06/23(月) 01:00
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