ヴァルハラナイツとは、2006年8月31日にマーベラス(旧:マーベラスエンターテイメント、マーベラスAQL)から発売されたPSP用ゲームソフトである。
概要
約48000通りの装備品が存在する3DファンタジーアクションRPG。種族とジョブと装備品でグラフィックや必殺技が変化する、探索・収集・育成などやり込み要素が満載する、アクション性が高く、敵味方が6対6で戦うグランドロジック・バトルが楽しめるのが本作のウリとなっている。そのため、2008年5月29日に『ヴァルハラナイツ2』が発売され、2009年10月8日にWii専用ゲームソフト『ヴァルハラナイツ エルダールサーガ』が発売され、2013年5月23日にPlayStation Vita専用ゲームソフト『ヴァルハラナイツ3』が発売されてシリーズ化された。
しかし、セーブデータは通常セーブと中断セーブの2つしかなく、通常セーブも1つしか作成できないという欠点がある。この欠点は『ヴァルハラナイツ3』で解消された。
冒険の手引き
なくした記憶を求めて
物語は、主人公が宿場で目覚めるシーンから始まる。一切の記憶を失った主人公は、「ノワール」と名乗る不思議な男に導かれるまま、なくした記憶を取り戻すための冒険へ旅立つ。プレイヤーは主人公の仲間となるキャラクターをメイキングしてパーティを編成。魔物が巣くうダンジョンに挑むのだ。
現在と過去を行き来するストーリー
ストーリーが進むと、舞台は現在から過去の世界へと移ることになる。一見すると同じ町並みやダンジョンが広がっているが、新しく手強い魔物も数多く登場し、冒険はさらに激しさを増す。また、主人公にまつわる謎がしだいに解明されていき、ストーリーに深く関わる重要人物たちが仲間になる場面もある。さらに、レベルの高い強力なキャラクターを仲間に加えていけば、パーティーの戦力を大幅にアップできるので、凶悪な魔物にも臆することなく挑めるだろう。
主人公がパーティの中心
パーティメンバーは、ギルドで自由に入れ替えられるが、主人公だけはパーティから外せない。当然、バトルでも主力として活躍できるように育てる必要がある。絶えずEXPが入るので、早めに武器攻撃や魔法を使いこなせる万能キャラを目指そう。また、ストーリーが進むとギルドに待機していた控えの仲間に会えなくなり、彼らをしばらくパーティに組み込めなくなる。リバースやエスケイプなどの重要な魔法は、できるだけ主人公に覚えさせたい。
お金を稼ぐならクエストとアイテム売却で
アイテムの購入や宿場の利用はもちろん、新しい仲間を増やすにもお金が必要だ。装備品以外でパーティが所持できるアイテム数は30個までなので、使わないアイテムは売却してお金に換えるといいだろう。また、ギルドで受けられるクエストをクリアしても、まとまった額のお金を稼ぐことができるので、是非挑戦しよう。
レベルを調整してEXPを稼ごう
同じ魔物と戦っても、味方のパーティ人数が少なく、キャラクターのレベルが低いほど、得られるEXPは多くなる。味方側のレベルは、パーティでもっともレベルの高いキャラクターが基準となるので、1人でも抜きん出て高いレベルの仲間がいると、得られるEXPは激減するのだ。レベルの高い仲間は、転職させてレベルを下げよう。
装備品は身につけて効果をチェック
同じ系統の武器や防具でも、装備してみるとHPやMPなどが変化する場合がある。これは装備品の隠れた付加効果が影響しているからだ。どの装備品にどんな付加効果があるのかは、実際に装備してみないとわからない。便利な装備品を売却してしまわないように、手に入れた装備品は一度装備して、その効果を確認しておこう。
ストーリー
絶望の闇に覆われた暗黒の世界に、目覚めを待つ呪われし封印の血脈が、放たれた。
時代を越えて繰り広げられる探求の旅が、失われた記憶と隠された真実を白日の下にさらし、人々が神々の御許に集い、祈りを捧げるとき、終わりなき宿命の戦いが幕を上げる。光に満ちた楽園への扉は閉ざされたまま……
プロローグ
深い森と清らかな水に恵まれ、様々な種族がともに暮らす地上の楽園エルダール。
ある日、平和なベールを引き裂く地獄の底の咆哮が、邪悪な魔物たを統べる魔王の復活を報せた。世界は恐怖にうち震え、戦士たちは戦の準備を始める。
幾年にもわたる人々と魔物の壮絶な戦いの末、魔王「隻眼王」は英雄ラスティルの手で封印される。しかし、魔王の流した血で大地は呪われ、断末魔は美しい空の光を奪った。人々は「呪われた地」で永き年月を過ごし、小さな希望も、しだいに失われていった。
そして、今、一人の若者が目を覚ます。自らの記憶と全てを失っていたその者は、ノワールと名乗る影のような男に導かれるまま、魔物が巣くう迷宮へと足を踏み入れる。
果たして、真実を求める旅の先に待つものとは……。
種族解説
主人公とともに、呪われし魔城へ挑む仲間たち。彼らは種族の垣根を越えて苦難に立ち向かう。
様々な特徴を持つ5つの種族
仲間として作成できるキャラクターは5つの種族に分かれている。種族による違いは見た目だけではなく、武器攻撃に優れていたり、魔法が得意だったり、それぞれの種族ごとに特徴があるのだ。長所を伸ばしていけば、武器のスペシャリストや魔法のエキスパートに育つだろう。
種族の特性を生かしたメイキング
新しい仲間を作るには、ギルドで「仲間を探す」を選び、キャラクターメイキングを行う。種族と職業を組み合わせるが、ゲーム開始時から作れるのは下級職だけだ。職業によって初期パラメータが変化するので、種族の特性を生かせる職業を選びたい。ちなみに、最後に振り分けるボーナスポイントの数値は、名前のつけ方によって決まる。
種族
- 人間
- CV:柿原徹也(男) / 松来未祐(女)
- 全種族の中でも平均的なパラメータを持ち、どの職業にしても活躍が期待できる。男性は体力、女性は器用さが高い場合が多く、HPもわずかに男性が上である。初期パラメータの数値だけを見れば、女性は魔法を使うプリーストや弓を扱うシーフなどの後衛向き、男性ならファイターのような前衛型の職業に向いている。上級職では、万能さを生かしたナイトが適しているだろう。ちなみに、主人公の種族は、必ず人間の男女のどちらかになる。
- ドワーフ
- CV:高橋良吉(男) / 久嶋志帆(女)
- 武器の扱いに長けた接近戦向きの種族。体力と生命力が高く、武器攻撃で敵に与えるダメージが他の種族より高いため、ファイターなどの前衛型の職業にすると、その能力を存分に発揮する。攻撃能力の高い武器と、防御能力の高い防具で身を固め、パーティの盾として活躍させるのが、もっともオーソドックスなスタイルといえるだろう。その一方で、MPの初期値が少ないため、他の種族に比べて魔法を使う職業を苦手とする。
- ホビット
- CV:間宮くるみ(男) / おみむらまゆこ(女)
- 体が小さいため、体力やHPは低め。武器で与えるダメージは今一つだが、全種族でトップクラスの素早さが最大の長所だ。敵の攻撃をかわしやすく、シーフやニンジャでも前衛を任せられる。さらに弓による攻撃では、他の種族より多くのダメージを与えられるため、理想的な援護役になる。また、智恵の数値が高いので、メイジやプリーストとして育てるのもいい。HPの低さを補うために、素早さをさらに上げていこう。
- エルフ
- CV:加藤木賢志(男) / 清水愛(女)
- 長身でスマートな容姿と、高い智恵と抵抗力を持った種族。武器攻撃は他の種族に一歩譲るが、魔法に関してはトップクラスの能力を持つ。魔法攻撃で敵に与えるダメージが、他の種族より高いので、メイジやプリーストにするのがもっとも理想だろう。一方ファイターにすると、素早さが低く行動回数も少ないため、序盤は十分な活躍を期待できない。無理に前衛型の職業にせず、アンカーを目指して育てていこう。
- 機械人
- CV:宮田幸季(男) / 石村知子(女)
- ゲームの序盤では仲間にできず、中盤になって登場する特殊な種族。職業はマシーンに限定され、他の種族に転職できない。魔法は一切使えないものの、強力な専用武器が多数あるため、前衛・後衛のどちらでも活躍できるだろう。機械人の魅力は、やはり装甲を生かした高いWLとALだ。男性は体力、女性は抵抗力と素早さに秀で、HPはドワーフをしのぐ。しかし、防具が装備できないため、魔法攻撃や状態異常に対して弱い。
職業解説
仲間たちを役割に合った職業にすれば、バランスのとれたパーティを編成できる。それぞれの職業の特徴を知り、効率的に機能するパーティ編成を目指そう。
選べる職業は9種類
ギルドで作成したキャラクターは、ファイター・メイジ・プリースト・シーフのいずれかの下級職にする必要がある。ゲームの序盤はこの4つの職業を組み合わせてパーティを編成しよう。中盤以降になると、アンカー・ナイト・サムライ・ニンジャの4つの上級職へ転職が可能になるが、それぞれの職業に対応した転職用の「札」が必要となる。パーティの状況に合わせて編成を考えていこう。また、マシーンは機械人だけの専用職業で、他の種族が転職することはできない。
パーティのバランスで職業を決める
どんな職業でパーティに編成するかで、バトルの展開は大きく変わる。操作キャラクター以外は、思考パラメータに従って自動的に行動するので、基本となる回復や援護・武器攻撃などの役割を、バランスよく分担していく必要がある。とくに序盤は、バランスが悪いと全滅しやすいので注意しよう。
7つのパラメータの影響
キャラクターは、能力に影響する7つの基本パラメータを持ち、キャラクターがレベルアップすると、これらの数値が増えていく。パラメータが大きくなればキャラクターの能力も上昇し、それが職業の特徴となっていく。職業ごとにどのパラメータが上がりやすいかをチェックし、レベルアップ時のボーナスポイントの振り分けや、次にどの職業に転職するかを決定しよう。
パラメータ
- 体力
- 武器攻撃のダメージ量が増える。前衛型・万能型の職業はレベルアップ時にHPが増える。
- 智恵
- 攻撃魔法のダメージやHP回復魔法の回復量が増える。また、補助魔法の成功率が上がる。
- 抵抗力
- 敵の攻撃魔法のダメージを減らす。また、敵の補助魔法の成功率を下げる。
- 生命力
- 敵の武器攻撃のダメージを減らす。前衛型・万能型の職業はレベルアップ時にHPが少し増える。
- 素早さ
- ガードの発生率が上がり、敵の攻撃をよけやすくなる。
- 器用さ
- 遠距離攻撃のダメージ量が増える。ガードの発生率が上がる。
- 運
- 様々な能力に少しだけ影響する。クリティカルヒットの発生率が上がる。
職業
- ファイター
- 敵に接近して武器で攻撃する、バトルの中心的存在。片手剣や両手剣など、数多くの武器を扱うことができ、さらに装備可能な防具も豊富。まさに、パーティの剣となり、盾となる重要な役割を担う。敵とのバトルでは、前衛に配置して活躍させよう。上級職にも前衛向きの職業はあるが、中盤以降にならなければ転職できない。それまでは、前衛にはできるだけファイターを配置しておこう。
- メイジ
- 攻撃魔法や、敵を状態異常にする補助魔法を使いこなす、魔法に特化した職業。とくに、敵を麻痺や闇化状態にする魔法は、強敵とのバトルで重宝する。その反面、装備できる武器や防具の種類が少なく、接近戦には不向きだ。パーティ編成では、常に後衛に配置して、少しでも危険を減らしたい。メイジは魔法を得意とする職業なので、MPの回復量が多めになっている。約6秒間の移動で、MPが2回復する。
- プリースト
- HPの回復や状態異常の解除、さらに死亡した味方の蘇生までも行えるため、欠かすことのできないパーティの生命線として活躍することになる。同じく魔法を使うメイジと比べ、頑丈な防具が装備できるため、ある程度なら接近戦にも耐えられる。ただし、武器は杖やクラブなど、攻撃能力の低いものしか装備できず、素早く攻撃できない点に注意したい。プリースト魔法を専門する職業のため、MP回復量は多めで、6秒間の移動ごとに2回復する。
- シーフ
- シーフは装備によって前衛と後衛、どちらでも活躍できる職業だ。前衛では素早さを生かして敵を翻弄し、後衛では弓を使って遠距離から敵を攻撃する。万能型のバトルタイプだが、武器攻撃で与えるダメージは少ないので、他の前衛を援護する役を担わせたい。ちなみにシーフにはユニークな特性があり、操作キャラクターにすると、マップ上の移動速度が多少速くなる。また、宝箱にお金が入っているとき、シーフのレベルに合わせて金額が上乗せされる。
- アンカー
- メイジとプリーストの両方の魔法が使える上級職。武器はメイジとプリーストの両方、防具はプリーストと同じ系統のものが装備可能で、アンカー専用の装備品を含め、より強力な装備を選べる。MPの回復量も多く、6秒間の移動で2回復する。しかしMPには限りがあるので、1人のアンカーに魔法攻撃と回復の両方を任せてしまうのは危険だ。主に、どちらの、魔法を担当するかを決めて、もう一方は別のパーティメンバーに任せよう。
- ナイト
- ファイターと同じく盾を装備でき、プリースト魔法も使いこなす。頑丈な防具を装備して敵の前に立ちはだかり、仲間の危機には回復役として援護に回るなど、武器攻撃と回復の2つの役割を担えるのが特徴で、バトルではもっとも活躍できる上級職だ。ただし、戦闘での次の行動までの時間はファイターより長く、魔法の詠唱時間の早さもプリーストやアンカーに及ばない。戦闘中は前衛で盾役に徹し、回復はあくまでサポート程度にこなすといいだろう。
- サムライ
- 和風の装備品を身につける独特な雰囲気の職業。装備できる武器は、WLが高い両手持ちの刀のみで、他の武器は一切装備できない。防具では、兜や短甲・籠手・袴といった特殊なものが装備可能だ。攻撃時に通常より高いダメージを与えるクリティカルヒット発生率が高く、頼もしい存在だ。一方、盾を装備できるファイターなどに比べ、防御面での不安は大きい。金属製の防具がほとんど装備できないので、早めに専用の防具を見つけてあげよう。
- ニンジャ
- サムライと同じく和風の雰囲気を持つ職業。シーフの強化版といったイメージで、バトル中は敵からもっとも狙われにくい。専用武器の忍刀を装備でき、シーフに比べて接近戦での攻撃能力がアップしている。さらに弓も装備できるので、後衛からでも敵を攻撃できる点が魅力だ。弱点は、クリティカルヒットの発生率が他の職業より30%も低いこと。そのため、ファイターやサムライなどに比べ、敵に与えるダメージに差を感じるかもしれない。
- マシーン
- 機械人自体が転職できない種族であるため、「機械人=マシーン」と考えても問題ない。マシーンはほとんどの武器を装備できる上に、数多くの強力な専用武器が用意されている。その一方、防具は一切装備できない。元々智恵や抵抗力が低いため、攻撃魔法に弱く、状態異常になりやすい。見た目に反して敵の攻撃に翻弄されやすいのだ。ちなみに、魔法を使うことができないので、貴重な魔法書をマシーンに使わないように注意しよう。
登場人物
- ラスティル
- CV:中村秀利
- エルダールを救った英雄。「過去」で主人公の仲間になるが、ゲヘナの深淵で禁呪「エンゲージ」の力を解放し、自らの魂を捧げて隻眼王を封印する。
- エーファ
- 「過去」のエルダールに登場するキャラクターの中でも、もっともストーリーの鍵を握るエルフの王女。主人公を「過去」へと誘ったのも彼女である。冒険の前に「王女のペンダント」をもらうと、替わりに「?のペンダント」がなくなる。後に英雄ラスティルに結ばれ、息子を生むが、息子共々魂ごと隻眼王に喰らわれてしまう。
- ノワール
- 主人公を導く謎の男。「現在A」で隻眼王に敗れた主人公を救うために己の命を犠牲にするが、「過去」のゲヘナの深淵で隻眼王の力によって魔物として蘇ってしまった。最後は主人公の手によって息絶える。
- ルーカシス
- エルダール全ての元凶にして隻眼王。「現在B」で主人公たちとの最後の戦いに挑む。
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関連項目
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