ヴラスカは、トレーディングカードゲーム『Magic: The Gathering』の登場人物である。
ラヴニカへの回帰で初登場したプレインズウォーカー。
ラヴニカへの回帰ブロックに収録されている多色カードはルールテキストにギルドマークの透かしが入っているが、《見えざる者、ヴラスカ》には入っていない。同様のカードは《ドムリ・ラーデ》と《ラル・ザレック》でいずれもプレインズウォーカーである。プレインズウォーカーはギルドの縛りから超越した存在、ということなのだろうか。
ヴラスカはゴルガリ団に所属するごく普通のゴルゴンだったが、アゾリウス評議会の地下都市掃討作戦の際に半殺しにされプレインズウォーカーに覚醒した。
ヴラスカに限らず、プレインズウォーカーに覚醒する際には死ぬほどボコボコにされるか、死ぬより辛い目に遭わされた時であることが多い。一般魔道士では及びもつかない圧倒的な力を持つとか言われてもぜんぜん嬉しくない。
謎に満ちたプレインズウォーカーである彼女は、ゴルゴンらしい、一連の死の呪文を操り、暗殺や隠密行動、そして石化に関わる魔法を得意としています。そして……戦利品を持ち帰るのが大好きです。
ラヴニカ滞在中、ヴラスカはゴルガリ団のために闇の仕事を請け負っていました。彼女の魔法があれば、カビで覆われた地底街のトンネルを縫って標的を追い、静かにその命を絶つのは簡単なことです。必要とあらば、彼女は得体の知れない暗殺者たちを召喚し、代わりに汚れ仕事を引き受けてもらうことさえできます。
彼女は引き受けたい依頼にだけ応える謎めいた殺し屋で、その見返りとして風変わりな頼みごとをしたり、よくわからない戦利品を望んだりしますが、ゴルガリはそんな彼女を有用な秘密兵器と考えています。ヴラスカはギルドの政治的駆け引きから距離を置いており、ゴルガリ団の内部事情にもほとんど興味がありません。依頼をこなしては立ち去り、次に興味を引く仕事があるまでその姿を見せません。
ヴラスカの力の程は明らかですが、その真の目的は謎であり、他のゴルゴンたちにすらよくわかりません。ゴルガリ団には知られていませんが、彼女は多くの時間をラヴニカ以外の次元で過ごしています。死をもたらす力を使って、多元宇宙の隅々から少しずつ石化した犠牲者を収集しているのです。
仲間のゴルゴンからも「変わったやつ」と思われているが、実はとても仲間思い。他のギルドにもヴラスカを信奉する者が居るほどで、身内と認めたものに対しては優しく接している。彼女が汚れ仕事を引き受けるのも全て「仲間」のためである。
また、「弱い者は殺さない」というポリシーも持っており、殺しに際してもある程度の線引きはある様だ。
ストーリーでは当初、「余所者がラヴニカを統治するなど以ての外だ」と「生きるギルドパクト」ことジェイス・ベレレンを目の敵にして追っていたが、ことごとく煙に巻かれてしまい、長らく燻ぶったままだった。
ある日、ヴラスカはニコル・ボーラスからゴルガリの長としての地位を報酬に、イクサラン次元にある『不滅の太陽』と呼ばれるアーティファクトを回収してくれと依頼される。
当初は罠と考えたヴラスカだが、他のギルドや現リーダーのシャラドに踏みにじられている仲間たちの事を考え、依頼を引き受ける。
ボーラスから依頼の遂行に必要な船の航行に関する知識を授かり、イクサランへとプレインズウォークしたヴラスカは「喧嘩腰号」という船を手に入れ、海賊の船長として『不滅の太陽』があるオラーズカという場所へと舵をとっていた。
そんなある日、ヴラスカは一人の漂流者の男を発見する。その男はなんとかねてから敵意を抱いていたジェイス・ベレレンだった。
ヴラスカはジェイスに詰め寄るが、ジェイスは記憶を失っており、自身の記憶すら失った彼はヴラスカの目には「弱い者」に見えた。
自身のポリシーに反すると思ったヴラスカは複雑な思いを抱きながらもジェイスを乗組員として迎え入れる。オラーズカを目指す航路の最中、ジェイスとヴラスカはお互いの色々な事を語り合った。
自身が持つ能力の事、受けた依頼、大好きなお菓子の事…様々なことを語り合ううちに、次第にヴラスカは好意のような感情をジェイスに抱いていく。このタラシめ。
航海の末にオラーズカを発見するが、突然の激流に見舞われ、ジェイスは投げ出されてしまう。
ヴラスカはジェイスを助けるが、ジェイスはそのショックで失っていた記憶を取り戻す。
甦った記憶の濁流は無意識に発動された精神魔法によってヴラスカに流れ込み、彼の半生、何処か自分に似た過酷な苛烈な半生を追体験する。その中にはかつて敵意を抱いていた頃の自身の姿もあった。
「嫌だ…その記憶だけは思い出さないでくれ…」ヴラスカは友情の終わりを確信した。
だが、ジェイスは「あなたが正しいと思ったことをしただけだ」とヴラスカを許し、彼らの友情は壊れることは無かった。
ついにヴラスカはオラーズカに到達し、依頼の品である『不滅の太陽』を手に入れた。
しかし、手に入れるに際し、オラーズカを守護していたアゾリウス評議会の創設者にして元PWのアゾールとジェイスとの会話から、依頼主のボーラスはラヴニカを狙っている事を知ってしまう。
このまま『不滅の太陽』をボーラスに渡してしまっては故郷のラヴニカは滅ぶ。
しかし、だからと言ってこのままでは『不滅の太陽』の効果でプレインズウォーク出来ない。
そして、その事を知ったヴラスカ自身もボーラスの精神魔法でバレてジェイス諸共殺されてしまう。
悩み抜いた果てにヴラスカは、ジェイスに一時的にイクサランでの記憶を預かってもらうことにした。
その時が来た際に記憶を戻し、侵略者ボーラスを裏切り、叩きのめすために。
「全てが終わったら、ブリキ市場の本屋でコーヒーでも飲もうじゃないか」そう約束して、ヴラスカはジェイスに記憶を預けた。
その後、ヴラスカはボーラスの依頼を達成し、ギルドの長としての地位を得る。
ゴルガリの女王として君臨したヴラスカは、持ち前のカリスマ性を活かして善政を敷き、虐げられていた仲間たちの立場の向上に貢献する。
そして、ヴラスカは自身が知らない所で「その時」を待っている。―決戦の時は遠くない。
ヴラスカとしてデザインされているカードは、2019年現在で6枚存在する。
パーマネント・タイプは当然プレインズウォーカーである。
Vraska the Unseen / 見えざる者、ヴラスカ (3)(黒)(緑)
プレインズウォーカー — ヴラスカ(Vraska)
[+1]:あなたの次のターンまで、クリーチャー1体が見えざる者、ヴラスカに戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーを破壊する。
[-3]:土地でないパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
[-7]:「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはこのゲームに敗北する。」を持つ黒の1/1の暗殺者(Assassin)クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。
5
初めてカード化されたヴラスカ。
能力は攻撃抑制、汎用単体除去、特殊なトークン生成。
プラス能力は戦闘で破壊されてしまうとカードアドバンテージを失ってしまう、プレインズウォーカーの弱点を補う能力である。問題は相手がヴラスカを攻撃しないとただ忠誠度カウンターが1個増えるだけ、になるところである。
小マイナス能力がこのカードの本領である。効果範囲が非常に広いため柔軟な使い方ができる。忠誠度カウンターの消費が大きいため、この能力を使ったら返しの相手のターンに高確率でヴラスカを潰されることが難点である。
大マイナス能力は暗殺者という設定を生かした特殊なトークンを生成する。このトークンで殴るとなんと相手がゲームに敗北するという一撃必殺能力持ちである。しかし、このトークンは1/1な上に回避能力の類は一切ない(接死[1]もない)。他のカードで回避能力を付与する、ブロッククリーチャーの少ないコントロールデッキ相手の時だけ起動する、といった工夫が必要である。
前評判では小マイナスの柔軟性が高く評価されていたが、実際に使ってみると5マナの単体除去カードにしかならないことが多く、次第に値段を落としていった。初値は2000円近くだったが今は500円程度となっている。
イニストラードブロックがスタンダードを去ってからは、小型クリーチャーで押し切るデッキが減って小マイナス起動後の生存率が上がったこと、6マナの必殺級プレインズウォーカー《獣の統率者、ガラク》や《太陽の勇者、エルズペス》を一撃で破壊できることなどから再評価され始めている。今3000円くらいしてる《思考を築く者、ジェイス》も少し前まで1000円くらいまで値段を落としてたんだぞ。買うなら今のうちだぞ!
Vraska, Relic Seeker / 秘宝探究者、ヴラスカ (4)(黒)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ(Vraska)
[+2]:威迫を持つ黒の2/2の海賊(Pirate)クリーチャー・トークンを1体生成する。
[-3]:アーティファクト1つかクリーチャー1体かエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。「(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ無色の宝物(Treasure)アーティファクト・トークンを1つ生成する。
[-10]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライフ総量は1点になる。6
『イクサラン』で登場した2枚目の海賊船長のヴラスカ。
能力はクリーチャートークンの生成、クリーチャーかエンチャントの破壊と同時にマナ・アーティファクトの生成、奥義は相手のライフ総量を1にするという大胆なもの。
プラス能力でトークンを生成しつつ、マイナスで除去というアドバンテージを取りながら理想的な動きができる優秀なカード。初期忠誠度も高いのでトークンでのブロックも踏まえると結構硬い。
マナコスト相応の活躍をするため、スタンダードのトーナメントシーンでもかなりの頻度で見かけている。
また、ローテーション後は後の自身である《ゴルガリの女王、ヴラスカ》と共に黒緑カラーのミッドレンジデッキに投入され、活躍を見せている。
Vraska, Scheming Gorgon / ゴルゴンの陰謀家、ヴラスカ (4)(黒)(黒)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ(Vraska)
[+2]:ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
[-3]:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[-10]:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーは接死と「このクリーチャーが対戦相手1人にダメージを与えるたび、そのプレイヤーはゲームに敗北する。」を持つ。6
『イクサランの相克』プレインズウォーカーデッキに収録されたヴラスカ。
奥義のプレッシャーは凄いが、他の能力は微妙。あくまで「初心者用のPW」と言った感じの性能である。
Vraska, Golgari Queen / ゴルガリの女王、ヴラスカ (2)(黒)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ(Vraska)[+2]:あなたは他のパーマネント1つを生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、あなたは1点のライフを得て、カードを1枚引く。
[-3]:点数で見たマナ・コストが3以下で土地でないパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
[-9]:あなたは「あなたがコントロールしているクリーチャー1体がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはこのゲームに敗北する。」を持つ紋章を得る。4
『ラヴニカのギルド』収録のゴルガリの女王となったヴラスカ。
能力はパーマネントの手札とライフへの変換、軽量パーマネント除去、自軍への暗殺能力付与。
プラス能力は「してもよい」なので実際に生贄に捧げなくても忠誠度は増える。単に忠誠度を上げるだけ、トークンや余った土地、死亡時誘発能力持ちを切り捨ててドローに変換するなど利用法は多岐に渡る。
マイナス能力は《突然の衰微》に似た万能除去。初期忠誠度でも打てる範囲なので、軽量クリーチャーやエンチャントを破壊するのにうってつけ。ビートダウン相手ではプラスとマイナスを繰り返すだけでかなりの数のクリーチャーを墓地送りに出来るだろう。
奥義ははたまた豪快な暗殺能力付与の紋章。使われた相手はほぼ詰みだろう。
また、プラス能力のみで奥義にたどり着いた場合は忠誠度が1残るためフィニッシャーを探す余力が残り、相手は厄介なヴラスカの除去にマナを割く事も考えなければならないだろう。
Vraska, Regal Gorgon / 威厳あるゴルゴン、ヴラスカ (5)(黒)(緑)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ(Vraska)[+2]:クリーチャー最大1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。ターン終了時まで、そのクリーチャーは威迫を得る。
[-3]:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[-10]:あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき、あなたがコントロールしている各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。5
『ラヴニカのギルド』プレインズウォーカーデッキ収録のヴラスカ。
重いコストに対して能力が弱いため、あまり旨味を感じない。あくまで初心者用のカードである。
Vraska, Swarm's Eminence / 群集の威光、ヴラスカ (2)(黒/緑)(黒/緑)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ(Vraska)あなたがコントロールしていて接死を持つクリーチャー1体がプレイヤー1人かプレインズウォーカー1体にダメージを与えるたび、そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。
[-2]:接死と「このクリーチャーがプレインズウォーカー1体にダメージを与えるたび、そのプレインズウォーカーを破壊する。」を持つ黒の1/1の暗殺者(Assassin)クリーチャー・トークンを1体生成する。5
『灯争大戦』収録のセレズニアのようないかにも女子力高そうな衣装に身を包んだヴラスカ。
レアリティはなんとPWでは初めてのアンコモン。このセットに収録されたアンコモンのPWはサイクルとなっており、各ギルドの色の組み合わせに対してそれぞれ1枚存在する。
能力は接死持ちを強化する常在型能力とマイナスはおなじみ暗殺者トークン生成。
今までのような豪快な能力はないが、レアリティを考えればそれなりであると思える。
忠誠度能力でトークンを生成するものが多いアンコモンPWサイクルの中でも優秀な部類であり、リミテッドでは色が合えば間違いなく採用するべきと言える。
構築でもトークンへの圧力が弱く、PWが多数並ぶ環境なら採用の余地は有るだろう。
余談だが、『灯争大戦』は日本語版パック限定で2パックに1枚の確率で日本人イラストレーター描き下ろしのオリジナルアート版プレインズウォーカー・カードが通常版の代わりに封入されている。
ヴラスカを担当した絵師は村山竜太氏。コレクターやそうでない人も是非パックを剥いて手にして欲しい。
掲示板
40 ななしのよっしん
2020/09/18(金) 19:48:50 ID: 307/uQmiDY
別に子供を授かるだけが夫婦の本懐じゃないさ
というかジェイスがパパになるのは無理だろ
41 ななしのよっしん
2020/10/26(月) 17:46:00 ID: gnOBaZsR5Q
敵対時にジェイスに煙に巻かれたとあっさり書いてあるけどその際には全国規模の大恥かかされて世界の敵認定されてるんでイクサランでの再会時はワンチャン問答無用で八つ裂きまであるくらい恨みは根深かった。
ジェイスの主人公気質が最も良い方向に発揮された事案と言える。(次点はエメリアちゃん)
42 ななしのよっしん
2023/08/02(水) 06:40:57 ID: ra9glHRLbz
公式で年増女あつかい、それも風貌も年相応なのに
二十代前半の年下イケメン彼氏ゲットできたキャラって
もしかしなくてもこの人が唯一無二では?
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/29(金) 21:00
最終更新:2024/03/29(金) 21:00
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