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『ᅠ』(HANGUL JUNGSEONG FILLER、ハングルジュンソンフィラー、ハングル中声フィラー、UnicodeはU+1160)とは、本来は特定のハングル文字を表示する目的で使用されるために存在する文字(あるいは記号)である。
上の行の「『」と「』」の間に何も表示されていないように見える人が多いと思うが、実際にはこの間には『ᅠ』すなわち「ハングル中声フィラー」と言う文字が一文字入力されている。
本記事では、この文字と類似する文字『ㅤ』(HANGUL FILLER、ハングルフィラー、UnicodeはU+3164)、『ᅟ』(HANGUL CHOSEONG FILLER、ハングルチョソンフィラー、ハングル初声フィラー、UnicodeはU+115F)、『ᅠ』(HALFWIDTH HANGUL FILLER、ハーフウィスハングルフィラー、半角ハングルフィラー、UnicodeはU+FFA0)についても記載する。
ハングルは発音に基づいて組み立てられる文字である。それぞれの発音に相当する字母を組み合わせて音節が作られ、その音節を一文字として表す。
例を挙げれば、「k」あるいは「g」の発音を表す子音字母「ㄱ」と、主に「a」の発音を表す母音字母「ㅏ」を組み合わせると「가」の文字となり、「가」の文字は「ka」すなわち「カ」や「ga」すなわち「ガ」の音節を表すのである。この方法で表すことが出来る発音は合計で11172種類=11172文字となると言われる。
しかし、日本での「JIS漢字コード」のような存在であるハングルの文字コード「KS X 1001」(以前の名称は「KS C 5601」)では、これら11172文字全てをカバーしてはいない。使用頻度が多い2350文字のみを選んでコードしている。
それではその2350文字以外のハングルを使いたいときにはどうしていたのかというと、特殊な文字『ㅤ』、ハングルでは「한글 채움 문자」(ハングル チェウム ムンチャ)、英語では「hangul filler」(ハングルフィラー)などと呼ばれるものを使うことになっていた。ちなみに「한글」は「ハングル」、「채움」(チェウム)は「filler」すなわち「充填/つなぎ/隙間埋め」、「문자」(ムンチャ)は「文字」を意味するので、「한글 채움 문자」は「ハングルフィラー文字」と言った意味合いとなる。
例えば「쓔」と言う文字は「ㅆ」という字母と「ㅠ」という字母を組み合わせて作るハングル文字だが、上記の「KS X 1001」では「ㅆ」と「ㅠ」はコードされているものの「쓔」はコードされていない。そのため「KS X 1001」においては、「ㅆ」と「ㅠ」を「ハングルフィラー文字」で繋いで「쓔」という文字を形成するわけである。
ただし環境によってはこの方法によるハングル文字形成をサポートしていない。その場合は各字母がバラバラに表示されてしまう。
そのうえ、「KS X 1001」ではなく「Unicode」では現在、上記の「ハングルで表現しうる11172文字全て」がコードされている。「じゃあUnicode使えばいいやんけ!」という状況になってしまったため、このハングルフィラーはあまり使われない文字になってしまったという。
「KS X 1001」では『ㅤ』(ハングルフィラー)は「24-54」でコードされ、EUCではこれを「A4 D4」として符号化している。Unicodeでは「3164」(U+3164)でコードしている。
Unicodeは「半角ハングル」もコードしている。その中には「半角のハングルフィラー」として『ᅠ』(HALFWIDTH HANGUL FILLER、半角ハングルフィラー、U+FFA0)という半角文字もコードされている。
また、ハングルには「初声」(초성、チョソン、choseong)、 「中声」(중성、ジュンソン、jungseong)、「終声」(종성、ジョンソン、jongseong)という概念がある。そして初声と中声の字母を組み合わせるための文字として『ᅟ』(HANGUL CHOSEONG FILLER、ハングル初声フィラー、U+115F)が、中声と終声の字母を組み合わせるための文字として『ᅠ』(HANGUL JUNGSEONG FILLER、ハングル中声フィラー、U+1160)が、『ㅤ』(ハングルフィラー、U+3164)とはまた別にコードされている。
上記のようにUnicodeでは「ハングルで表現しうる11172文字全て」がコードされてしまっているので、Unicodeでこれらハングルフィラーシリーズをコードする意義は薄いはずである。しかし「KS X 1001を使用して記された文書内で『ㅤ』(ハングルフィラー)が単体で使用されており、その文書をUnicodeに変換する」と言った状況を考えると、やはりコードする必要はあるのかもしれない。
ちなみに本記事の記事名はこれらハングルフィラーやその類の文字(仮に「ハングルフィラーシリーズ」とする)のうち、『ᅠ』(ハングル中声フィラー)である。ニコニコ大百科の仕様として、『ㅤ』(ハングルフィラー)や『ᅠ』(半角ハングルフィラー)の記事を作成することはできず、作成しようとしてもこの『ᅠ』(ハングル中声フィラー)の編集/作成ページに飛ばされる。なぜか『ᅟ』(ハングル初声フィラー)の記事は作成できたが、この記事へのリダイレクトとした。
上記のような意味や経緯がある文字ではあるのだが、本来の用法とは違って「空白」を表現するために使用されることも多い。他の文字と組み合わせて使うべき文字なので、それ単独では字形が無い。よって単体で使用すると空白に見えるのだ。
本記事の上方もその実態を反映したものである。この記事上方の各行や見出しは空白のように見えるかもしれないが、そのすべてに『ᅠ』すなわち「ハングル中声フィラー」が一文字ずつ入力されている。
ちなみに、「空白」とは言ってもこれらハングルフィラーシリーズがどう表示されるかは環境によって異なる。「幅すらない全くの無表示」のケースもあれば、いわゆる「スペース」のように「数ピクセルの幅のある空白」として表示されることもあるようだ。
なんらかの名称を入力させるとき、「何も入力しない空白」で済ませることを拒否しているウェブサイトは多い。しかし、これらハングルフィラーシリーズは受け入れてしまうことがある。ニコニコ動画や、このニコニコ大百科もそのひとつである。
タイトルにハングルフィラーシリーズを使用して、「タイトルが無い動画」のように表示するというテクニックがある。
以下に例を示す(※ただし2019年12月18日時点でのもの。動画タイトルは投稿者によって後から変更可能なので、変化する可能性もある)。
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最終更新:2024/03/19(火) 12:00
最終更新:2024/03/19(火) 12:00
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