万丈構文とは (バンジョウコウブンとは) [単語記事]

万丈構文とは、あらゆる事象を万丈に押し付けるための構文である。「万丈だ構文」とも呼ばれる。

概要

惣一「お前が代表戦に出ないのは勝手だ。けどそうなった場合、誰が代わりに出ると思う？」
戦兎「…」
惣一「万丈だ。万丈は今回の件で、お前に負い目を感じているはずだ。
　　　だからお前がやらなきゃ、自分から手を挙げるだろう。
　　　けど、今のあいつじゃグリスには勝てない。
　　　そうなれば、東都の連中はよってたかってクローズを責める。
　　　お前が戦うしかないんだよ。」

特撮番組「仮面ライダービルド」の第21話「ハザードは止まらない」に登場した一連のやりとりが元ネタ。発言者はマスターこと石動惣一。

ビルド本編は第17話からパンドラボックスを巡る東都と北都の戦争が開戦しており、東都は仮面ライダーグリスに変身する猿渡一海と北都三羽ガラスが変身する3体のハードスマッシュを中心とした北都軍の侵略攻撃を受けていた。仮面ライダービルドに変身する桐生戦兎と仮面ライダークローズに変身する万丈龍我は東都政府からの依頼により北都軍と戦うことになる。
戦いの中で万丈は戦争を止めたい一心で、スクラッシュドライバーの副作用のリスクを承知で仮面ライダークローズチャージに変身。一方戦兎も（詳細は作品の重大なネタバレになるため省略するが）戦争の原因は自分が生み出したと考えており、自分だけが戦争を止めるために戦えばいいと考えてた。

続く21話は強化アイテムであるハザードトリガーを使ったラビットタンクハザードフォームが本格的に初登場した回で、戦兎は冒頭から(同じくハザードトリガーで強化された)3体のハザードスマッシュを圧倒する活躍を見せた。しかしハザードフォームは使い続けると変身者が理性を失い、本能のままに目についた敵をせん滅する欠点を抱えていた。それを知りながらも万丈が戦場に向かうのを阻止するために戦兎はハザードフォームに変身し、万丈を止めることに成功したが、同時に理性を失い暴走状態に陥り、スタッグハザードスマッシュを撃破・消滅させてしまう。それはスマッシュに変身する青羽こと相河修也の命を奪ったことを意味していた。

自分のせいで戦兎に人殺しをさせてしまった事に負い目を感じた万丈は、精神的に戦える状態でなくなってしまった戦兎の代わりに東都のライダーとして戦いを続ける。一方東都首相は北都首相に対してそれぞれの国のライダー同士での代表戦で戦争の決着を決めることを持ちかけ、北都はそれを了承する。
そして戦兎は青羽の幻覚に苛まれながらも追悼のために自分が殺した場所に出向き、その足でマスターからの連絡を受けて彼の元に赴く。冒頭のやりとりはこの会話の際に登場したものである。

そもそもマスターは劇中で発生した惨劇のほぼ全てに関わっている全ての元凶とも言うべき人物であり、北都三羽ガラスに倒されれば消滅してしまうハザードスマッシュへの強化を唆したのも、戦兎にハザードトリガーを与えたのも、代表戦が始まるきっかけである北都の進軍を裏で手を引いていたのもマスターである。
戦兎を始めとする劇中の登場人物ほぼ全員を苦しめながらも戦わざるを得ない状況に追い込むマスターの暗躍ぶりは未だ底が知れず、本編中盤でありながら平成ライダーシリーズでも屈指の悪役として強烈な印象を残している。

構文として

会話の流れとしては極めてシリアスであり笑いどころは一切ないはずなのだが、「最終的になんでも万丈に無茶ぶりを押し付ける」という流れの台詞改変がTwitterを中心として流行し、いつしか「万丈構文（万丈だ構文）」という名前で呼ばれるようになった。去年の同じ時期にも全ての元凶による台詞が話題になったが、あちらは役者のかっ飛んだ演技やBGMとして使われたオープニング曲との妙なベストマッチによるところが大きく、ただの台詞がここまでネタ化した事は珍しいと思われる。
ここまで流行したのは、その場にいないのに無茶振りをされる万丈もそうだが、マスターもマスターで何もかもマスターの悪事でありながら味方面をして戦兎を叱咤。視聴者からすれば「お前が言うな」と言わざるを得ない状況でもあるため、視聴者のツッコミどころが集約された結果こうなったとも考えられる（戦兎からしたら、彼が気づいていてもマスターに乗せられるしかない状況でもあるのだが）。

構文として改変される場合は文字数の都合で発言者の名前や「万丈は今回の件で～」以降の台詞は省略されることが多い。
省略されなければされないで、後半、特に「東都の連中はよってたかってクローズを責める」の部分はそのまま残るため、「万丈は何でも背負い込む義理堅い男」「万丈は東都の連中に責められそうな男」という二点が未視聴の人間にも知れ渡る事となる。

基本的な構文は以下の通り。