三冠馬単語

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三冠馬とは、競馬において特定の3競走に勝ったのことである。
3競走の定義、地域、競走条件等で多々分類されているが、一般的には日本中央競馬(JRA)のサラブレッド系3歳(2000年までは「4歳」と呼称)限定の「クラシック競走」におけるものをす。

目次

中央競馬クラシック三冠

そもそも日本には「クラシック競走」とされる3歳(旧4歳)限定の大レースが存在しておらず、日本各地で行われていた帝室御賞典などが大レースとして扱われていた。その後不況からの産の衰退を食い止める的で昭和7年(1932年)に本場イギリスの高額賞レースでもあったダービーステークスを範に取った東京優駿大競走が設立、それに続く形で他のクラシックレースモデルにした阪神優駿牝馬京都農林省賞典四歳呼馬中山四歳牝馬特別横濱農林省賞典四歳呼馬が設立され、昭和14年(1939年)に五大クラシックが成立し、現在に至っている。下の表の施行場所などの情報はいずれも現在の物である。

レース 施行距離 創設年 相当する本レース
東京優駿 東京
2400m
昭和7年
(1932年)
ダービーステークス
1マイル4ハロン6ヤード
(約2420m)
優駿牝馬
(限定)
東京
2400m
昭和13年
(1938年)
オークスステークス
1マイル4ハロン6ヤード
(約2420m)
菊花賞 京都
3000m
昭和13年
(1938年)
セントレジャーステークス
1マイル6ハロン115ヤード(約2921m)
桜花賞
(限定)
阪神
1600m
昭和14年
(1939年)
1000ギニーステークス
1マイル
(約1609m)
皐月賞
中山
2000m
昭和14年
(1939年)
2000ギニーステークス
1マイル
(約1609m)

クラシック牡馬三冠

日本中央競馬サラブレッド系3歳限定「クラシック競走」である、

の3レースす。これらの競走に出走できるのはサラブレッド系3歳(旧:4歳)だけなので、競走馬にとって挑戦するチャンスは一生に一度しかない。ただし2000年までは「日本国内の生産」のみ出走でき、外国産馬(日本以外ので生まれてから日本に輸入された)の出走はできない、などの制限事項があった。またクラシック競走は「繁殖の選定のための競走」という前提があるため、騸馬(去勢した)の出走は現在不可能である。

2022年現在、8頭が三冠を達成している。このうち、シンボリルドルフディープインパクトコントレイル三冠を達成するまで、すなわち菊花賞を勝つまで敗であったので、敗(不敗)の三冠馬」と称されることがある。

セントライトの時代は、まだ現在のようなレース体系が確立しておらず、セントライトが達成した三冠レース名も現在とは違って「横農林省賞典四歳呼」「東京優駿競走」「京都農林省賞典四歳呼馬であった。(但し当時から「三冠」として、これらを三冠とする概念は存在していた。)

成年 達成時戦績 生涯成績
昭和16年
(1941年)
セントライト 12戦9勝
 (小西喜蔵)
12戦9勝
昭和39年
(1964年)
シンザン 11戦8勝
 (栗田勝)
19戦15勝
 (天皇賞(秋) 有馬記念)
昭和58年
(1983年)
ミスターシービー 9戦7勝
 (吉永正人)
15戦8勝
 (天皇賞(秋))
昭和59年
(1984年)
シンボリルドルフ 8戦8勝
 (岡部幸雄)
16戦13勝(うち海外1戦0勝)
 (天皇賞(春) ジャパンカップ 有馬記念2回)
平成6年
(1994年)
ナリタブライアン 13戦9勝
 (南井克巳)
21戦12勝
 (有馬記念 朝日杯3歳ステークス)
平成17年
(2005年)
ディープインパクト 7戦7勝
 (武豊)
14戦12勝(うち海外1戦0勝)
 (天皇賞(春) ジャパンカップ 有馬記念 宝塚記念)
平成23年
(2011年)
オルフェーヴル 10戦6勝
 (池添謙一)
21戦12勝(うち海外4戦2勝)
 (有馬記念2回 宝塚記念)
令和2年
(2020年)
コントレイル 7戦7勝
 (福永祐一)
11戦8勝
 (ホープフルステークス ジャパンカップ)

クラシック牝馬三冠

日本中央競馬サラブレッド系3歳限定「クラシック競走」である、

の3レースす。これらの競走に出走できるのはサラブレッド系3歳(旧:4歳)だけなので、競走馬にとって挑戦するチャンスは一生に一度しかない。さらに3レースの内桜花賞優駿牝馬限定戦のため、達成できるのは3歳(旧4歳)のみである。

2022年現在日本初の二冠牝馬であるスウヰイスー1952年菊花賞で2着になったのを最高位にし達成できたは存在せず、さらに1970年ビクトリアカップが創設されて後述の牝馬三冠路線が確立してからは、二冠牝馬菊花賞に一度も出走していない。ここでは達成が現れるまで暫定的にあと一歩まで迫った二冠牝馬紹介する。

年度 残る一冠
着順
(優勝)
備考
昭和18年
(1943年)
クリフジ 中山四歳牝馬特別
デビュー
(ミスセフト)
東京優駿競走1着(変則三冠馬)。
昭和22年
(1947年)
ブラウニー 優駿牝馬
不出走
(トキツカゼ)
菊花賞優勝した最後の
東京優駿競走3着。
昭和27年
(1952年)
スウヰイスー 菊花賞
2着
(セントオー)
日本初の二冠牝馬
菊花賞の着差は1/2身。
昭和29年
(1954年)
ヤマイ 菊花賞
3着
(ダイナナホウシユウ)
クリフジ
昭和32年
(1957年)
ミスオンワード 菊花賞
10着
(ラプソデー)
敗の二冠牝馬
昭和39年
(1964年)
カネケヤキ 菊花賞
5着
(シンザン)
双方の二冠馬による対戦。
勝利したシンザンが史上2頭のクラシック三冠に。

変則三冠

皐月賞ダービー菊花賞桜花賞オークスの五大クラシック競走のうち、桜花賞オークス限定競走のため、は前者3レースにしか出走できないが、は全5レースに出走可であり、理屈の上ではが「五冠」を達成することも可である。しかし、桜花賞皐月賞オークスダービーはそれぞれ1週後の連闘となるため、実行に移したはいない。

しかし現在のようなレース体系がとられていなかった時代、例えばオークス(当時は「阪神優駿牝馬」)は5月下旬ではなく10月上旬に開催されていたため、今とは異なる変則的な三冠に挑むこともできた。1943年クリフジが、その一の例である。

成年 生涯成績
昭和18年
(1943年)
クリフジ 11戦11勝 (前田長吉)
 東京優駿競走 / 阪神優駿牝馬 / 京都農林省賞典四歳呼馬

中央競馬牝馬三冠

日本中央競馬サラブレッド系3歳の限定競走である

の3レースの事をす。これらの競走に出走できるのはサラブレッド系3歳(旧4歳)だけなので、挑戦するチャンスは一生に一度しかない。

桜花賞優駿牝馬(オークス)は、皐月賞ダービー菊花賞と並ぶ「クラシック競走」であるが、秋華賞(旧:エリザベス女王杯ビクトリアカップ)は日本独自の3歳限定競走なので、「クラシック競走」には含まない(モデルとなったレースはある)。

当初は1970年に創設されたビクトリアカップ三冠だったが、エリザベス2世の訪日を記念して1976年エリザベス女王杯が新設されることとなり、ビクトリアカップ止された。なお、ビクトリアカップ時代は三冠達成はいなかった。

1996年エリザベス女王杯が4歳(現3歳)5歳(現4歳)以上の混合競走に編されたため、その年から秋華賞が新設されて三冠となった。

2022年現在、6頭が牝馬三冠を達成している。

成年 達成時戦績 生涯成績
昭和61年
(1986年)
メジロラモーヌ 11戦9勝
 (河内洋)
12戦9勝
平成15年
(2003年)
スティルインラブ 7戦5勝
 (幸英明)
16戦5勝
平成22年
(2010年)
アパパネ 9戦6勝
 (蛯名正義)
19戦7勝(うち海外1戦0勝)
 (ヴィクトリアマイル 阪神ジュベナイルフィリーズ)
平成24年
(2012年)
ジェンティルドンナ 8戦6勝
 (岩田康誠)
19戦10勝(うち海外2戦1勝)
 (ジャパンカップ2回 ドバイシーマクラシック 有馬記念)
平成30年
(2018年)
アーモンドアイ 6戦5勝
 (C.ルメール)
15戦11勝(うち海外1戦1勝)
 (ジャパンカップ2回 ドバイターフ 天皇賞(秋)2回 ヴィクトリアマイル)
令和2年
(2020年)
デアリングタクト 5戦5勝
 (松山弘平)
※現役

JRA秋古馬三冠・春古馬三冠

他の三冠との大きな違いは「複数回チャンスがある」という点である。しかしクラシック三冠は"世代最強"を決める競走であるのに対し、古三冠は"現役最強"を決める競走であり、クラシック三冠の数倍のと戦い、その頂点に立つ必要があるため、複数回チャンスがあるからと言って達成が容易であるわけではない。事実2022年現在秋古馬三冠を達成した競走馬は2頭しかおらず(年を跨いでの秋古馬三冠達成でもキタサンブラック一頭しかいない)春古馬三冠に至っては定義づけがされる前も含め対競走をすべて同一年に勝利したはただの1頭もいないという事実がそれを然と物語っている。

秋古馬三冠

秋古馬三冠古馬王道路線である

の3競走のことをす、この3競走をJRA秋古馬三冠と正式に呼称してはいないが、競馬関係のマスコミ等の間では2000年から同一年に3競走を制覇した競走馬馬主にはJRAから褒賞(内は2億円、外国産馬は1億円)が贈られることから、クラシック三冠と区別するために使用されることがある。

成年 達成時戦績 生涯戦績
平成12年
(2000年)
テイエムオペラオー 19戦12勝
 (和田竜二)
26戦14勝
(皐月賞天皇賞(春)連覇、宝塚記念)
平成16年
  (2004年) 
ゼンノロブロイ 15戦7勝
 (O.ペリエ)
20戦7勝

春古馬三冠

春古馬三冠大阪杯GIとなった2017年定義された新たな三冠で、古馬王道路線である

の3競走をす。こちらもJRAが正式に呼称している三冠ではないが、秋古馬三冠同様、同一年に3競走を制覇した競走馬馬主に褒賞(秋古馬三冠の褒賞と同額)が送られることから競馬関係のマスコミ等で使用されることがある。前述のとおり春古馬三冠定義付けがされる前も含めて達成した競走馬は存在しない。ただし春古馬三冠定義される以前は、天皇賞(春)の前戦は阪神大賞典日経賞の方が一般的だったことも理由にある。

その他のJRAにおける、または関わる三冠

JRA三冠組みとして呼ばれたものを挙げる。いずれもレースの施行条件変更や制度の変化に伴い消滅している。

南関東競馬三冠

大井競馬場で開催される

の3歳限定戦3競走のことをす。ただし、2001年までは

の3競走が三冠競走とされており、東京王冠賞がからに移動したり、各レース距離短縮を行ったりしたこともあったが、2001年東京王冠賞止までこれが続いた。三冠馬も2022年現在、この3競走が三冠競走であった期間にしか出ていない。また、羽田盃東京ダービー地方限定競走である為、当然ながら地方所属でないと南関東三冠は得られない。
2024年よりダートグレード競走における三冠レースを中心とした2・3歳競争の体系整備にともない、羽田盃東京ダービーJpn1に定、ジャパンダートダービーの開催時期を10月上旬に変更し「ジャパンダートクラシック」に称することで、南関東三冠3歳ダート三冠として催行されることになる。これにより中央にも南関東三冠馬日本3歳ダート三冠馬になれる可性が出てくる。その一方での出走条件は3歳のみから、3歳と明記されているため、騸馬は出走不可になる。
なお上記記載、ダート交流三冠1998年まで存在していたが、再びJRA所属が出走できるダート三冠レースとなる。

成年 達成時戦績 生涯戦績
昭和42年(1967年) ヒカルタカイ 17戦11勝
 ()
31戦15勝(うち中央11戦3勝)
(天皇賞(春) 宝塚記念)
昭和50年(1975年) ゴールデンリボー 11戦6勝
 (赤間)
13戦6勝(うち中央3戦0勝)
昭和53年(1978年) ハツシバオー 13戦10勝
 (宮正行)
17戦11勝(うち中央1戦0勝)
昭和58年(1983年) サンオーイ 12戦8勝
 (高橋三郎)
29戦13勝(うち中央7戦1勝)
(札幌日経賞)
昭和61年(1986年) ハナキオ 12戦9勝
 (千亜)
13戦9勝
平成元年(1989年) ロジータ 12戦8勝
 (野崎)
15戦10勝(うち中央2戦0勝)
平成13年(2001年) トーシンブリザード 7戦7勝
 (石崎之)
30戦9勝(うち中央3戦0勝)

イギリス競馬クラシック競走三冠

そもそも「クラシック競走」とは、近代サラブレッド競馬発祥の地・イギリスにおいて古くから開催されていた Classic (古典的・格式のある)なレースのことである。日本クラシック競走も、これを模範としてレースが作られた。

レース 施行距離 創設年 相当する日本レース
セントレジャーステークス 1マイル6ハロン115ヤード
(約2921m)
1776年 菊花賞
(3000m)
オークスステークス
(限定)
1マイル4ハロン6ヤード
(約2420m)
1779年 優駿牝馬
(2400m)
ダービーステークス 1マイル4ハロン6ヤード
(約2420m)
1780年 東京優駿
(2400m)
2000ギニーステークス 1マイル
(約1609m)
1809年 皐月賞
(2000m)
1000ギニーステークス
(限定)
1マイル
(約1609m)
1814年 桜花賞
(1600m)

上記のように、イギリスには日本秋華賞(旧:エリザベス女王杯)に相当するレースが存在しないため、イギリスにおける「牝馬三冠」とは「1000ギニーオークスセントレジャー」のこととなる。

2020年現在、牡馬三冠は15頭、牝馬三冠は9頭いる。また、1840年にクルシフィックス1000ギニー2000ギニーオークスの「変則三冠」を達成している。

イギリスにおいて現在、【三冠】の価値は急速に低下してしまっている。バーラム三冠(1935年)から1970年まで、2000ギニーダービーの二冠を制したが5頭いたが、第二次世界大戦勃発のセントレジャーが中止になった1939年ブルーピーターや故障引退した1949年の*ニンバス1957年のクレペロはともかく、1967年ロイヤルパレス1968年サーアイヴァーは立て続けにセントレジャーを回避することになり、段々とセントレジャーの地位が低下してしまった。
1970年敗で三冠を達成したニジンスキー三冠直後に凱旋門賞で2着に敗れると、この原因がセントレジャー出走による疲労だという憶測が広まり、「三冠忌避」の流れは加速した。そして1987年ダービーセントレジャーを制したリファレンスポイントを最後に、2000ギニー優勝ダービー優勝セントレジャー出走自体が途絶えてしまっていた。
しかし全く価値になったわけではなく、1994年に2歳GIのレーシングポストトロフィーを圧勝したセルティックスウィング三冠挑戦を宣言した(同2000ギニーで2着に敗れている)ほか、2012年敗で二冠を達成したキャメロットニジンスキー以来42年ぶりとなる三冠達成へ挑戦したが、直線の猛追及ばず惜しくも2着に敗れる結果となった。

イギリス三冠馬

成年 成年
1853年 ウェストオーストラリアン 1900年 ダイヤモンドジュビリー
1865年 グラディアトゥール 1903年 ロックサンド
1866年 ロードリヨン 1915年 ポマーン
1886年 オーモンド 1917年 ゲイクルセイダー
1891年 コモン 1918年 ゲインズバラ
1893年 アイシングラス 1935年 バーラム
1897年 ガルティーモア 1970年 ニジンスキー
1899年 フライングフォックス

イギリス牝馬三冠馬

成年 成年
1868年 フォルモサ 1904年 プリティーポリー
1871年 ハンナ 1942年 サンチャリオット
1874年 アポロジー 1955年 メルド
1892年 ラフレッシュ 1985年 オーソーシャープ
1902年 セプター

変則三冠馬

成年 戦績
1840年 クルシフィックス 1000ギニー / 2000ギニー / オークス

BHBサマートリプルクラウン(廃止)

コロネーションカップオークスダービープリンスオブウェールズステークスのいずれか1競走とエクリプスステークスキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスで構成されていた三冠で、2003年に創設された。さらにインターナショナルステークスを勝利すればBHBグランドスラムとなる。
トリプルクラウン100万ポンド、グランドスラム500ポンドのボーナスが支払われるということで創設されたのはいいものの、経費節減のためにわずか2年で止され、達成はいなかった。

ヨーロッパ三大レース(欧州三冠)

三冠という定義づけはされていないものの、ヨーロッパの代表的な3レースをまとめて呼称したもので、イギリスフランスレースで構成されている。なおこれを欧州三冠と呼ぶのは日本だけである。

の3レースす。ダービーはもちろん3歳限定戦だが、後者2レースは古も出走可レースである。しかし、達成したはいずれも3歳で全レース勝利している。

成年
1971年 ミルリーフ
1995年 ラムタラ

アメリカ合衆国競馬三冠競走(トリプルクラウン)

米国競馬ヨーロッパ日本と違って芝ではなくダート競走が体であり、レース体系も大きく異なる。三冠5月から6月にかけてのわずか5週間に施行される、

の3レースす。いずれの競走もセン馬全て出走可だが、三冠達成はいずれもである。

1978年アファームド以降、ケンタッキーダービープリークネスステークスを制したが13頭出たが、全て三冠ベルモントステークスで敗れたか、故障による不出走という結果に終わった。そのためもはや現れないではとも言われていたが、2015年アメリカンファラオが37年ぶりに達成した。更にその3年後にジャスティファイが達成している。

なお、日本の文献では「アメリカクラシック三冠」という記述が散見されるが、アメリカ競馬においてはclassicsという言葉に日本英国競馬のような定義づけはされていないため、一般名詞として「最高峰のレース」といった意味でしか使われない。したがってトリプルクラウンしてクラシック三冠と呼ぶのは適切ではない。

成年 成年
1919 サーバートン 1948年 サイテーション
1930年 ギャラントフォックス 1973年 セクレタリアト
1935年 オマハ 1977年 シアトルスルー
1937年 ウォーアドミラル 1978年 アファームド
1941年 ワーラウェイ 2015年 アメリカンファラオ
1943年 カウントフリート 2018年 ジャスティファイ
1946年 アソールト

ニューヨーク牝馬三冠(トリプルティアラ)

の3つの3歳限定競走のことをし、これをすべての競走がニューヨーク州の競馬場で行われる(エイコーンステークスはベルモントパーク競馬場、残り2競走はサラトガ競馬場)ことからニューヨーク牝馬三冠、またはトリプルティアラと呼称している。限定の三冠であるためか、アメリカ三冠とは違い過酷なローテーションにはなっていない。

なお、三冠の体系は過去に何度か変化している。2002年まではエイコーンステークス、マザーグースステークス(現在GII)、CCAオークスの3競走を三冠競走としており、2020年時点での達成は全てこの体系で達成している。その後、2003年から三冠競走からエイコーンステークスが除かれ、アラバマステークスが新たに三冠競走に加えられるも、この体系の三冠競走は2006年までというわずかな期間で終了し元の体系に戻される。そして2010年マザーグースステークスを三冠競走から除外し、2003年に一度三冠競走となったアラバマステークスを再び三冠競走に設定して、今の三冠の体系となった。

成年 成年
1968年 ダークミラージュ 1989年 オープンマインド
1969年 シュヴィー 1993年 スカイビューティ
1974年 クリスエヴァート
1975年 ラフィアン
1979年 ダヴォナデイル
1985年 モムズコマンド

その他の国の三冠レースの概念

アイルランド

一応アイリッシュ2000ギニー、アイリッシュダービーアイリッシュセントレジャーは存在するが、すぐお隣本家三冠レースが存在するため、アイリッシュ2000ギニーやアイリッシュダービーに有が出走することはあるものの三冠レースとは認識されていない。そもそもアイリッシュセントレジャー日本イギリスと異なり古にも開放されているので、長距離レースとしての側面が強い。

路線としてアイリッシュ1000ギニー、アイリッシュオークスも存在するが、こちらも同様である。

フランス

かつてはプール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)、ジョッケクルブ賞(フランスダービー)、ロワイヤルオーク賞(フランスセントレジャー)が三冠扱いとなっていた。
しかし、2000ギニーはともかく他の2レースはというと

達成1899年のパースと19世紀にまで遡る必要がある。
なお、ジョッケクルブ賞2005年に2400mから2100mに距離を短縮しており、それに伴いロワイヤルオーク賞の代わりにパリ大賞典を三冠とした路線が確立した。この三冠の達成はまだいない。この三冠路線成立以前も含めれば、以前のフランス三冠を達成したパースのみが達成している。

路線としてはプール・デッセ・デ・プーリッシュ(フランス1000ギニー)、ディアヌ賞(フランスオークス)、ヴェルメイユ賞が存在する。ヴェルメイユ賞クラシック競走ではない限定競走で、日本ビクトリアカップ(後のエリザベス女王杯秋華賞)のもととなった競走である。こちらは現在三冠路線として認識されており、最近では2008年ザルカヴァが達成している。

ドイツ

一応メールミュルヘンスレネン(ドイツ2000ギニー・GII)、ドイチェスダービー(GI)、ドイチェスセントレジャー(GII)という三冠路線は存在するが、3歳に実績を残した競走馬イギリスフランスの大レースに向けて調整されるため、ドイツ内での三冠レースという概念はほとんど存在しない。過去ケーニヒスシュトゥールのみが達成している。

旧ソ連

2歳王者決定戦の「М・И・カリーニン記念」、ソビエトダービーに当たる「ボリショイ・フシエソユツニー賞」、古チャンピオンを決める「ソビエト社会主義共和賞」という特殊な三冠レース体系が取られていた。な達成アニリンがいる。

ブラジル

パート1ブラジルではリオ地区やサンパウロ地区などで競馬が行われており、様々な三冠体系が存在する。

一例としてリオ地区では「ヒオ・ヂ・ジャネイロ州大賞」「F.エドゥアルド・ヂ・パウラ・マシャド大賞」「クルゼイロ・ド・スウ大賞(ブラジルダービー)」の3レースが牡馬三冠、「エンヒキ・ポソロ大賞」「ディアナ大賞」「Z.G.ペイショート・ヂ・カストロ大賞」の3レース牝馬三冠となっており、前者は12頭、後者は5頭が達成している。

2021年にはブラジルで繋養されて余生を送っているアグネスゴールド産駒ジャネールモネイリオ牝馬三冠に挑戦し見事に牝馬三冠となった。前年シーズン2020年、マイスキーボニータはリオ牝馬3冠戦を1着、1着、2着だったので同じ産駒辱をらすこととなった。

チリ

エル・エンサージョ・メガ(芝2400m)、チリセントレジャー(ダート2200m)、エルダービー(芝2400m)で構成される。三冠競走に芝とダートレースが混合しているのは世界でも稀。

カナダ

例年は6~8月に行われ、6月クイーンプレート(AW10ハロン2000m)、7月プリンスオブウェールズステークス(ダート9.5ハロン≒1900m) 、8月ブリーダーズステークス(芝12ハロン≒2400m)の3レースで構成されている。全てでコースの違いがある極めてしい競走体系になっている。

2020年新型コロナウイルスで3レースとも延期になる中、カナダを拠点にしている日本人福元大輔騎手マイティハート(Mighty Heart)で二冠を勝利2003年ワンド以来17年ぶりの三冠に挑んだが、ブリーダーズステークスでは7着であった。

香港

クラシック三冠は3歳ではなく4歳限定で、香港クラシックマイル(芝1600m)、香港クラシックカップ(芝1800m)、香港ダービー(芝2000m)で構成される。いずれも香港所属のみが出走可
達成したのはラッパードラゴン(2017年)、ゴールデンシックスティ(2020年)の2頭のみ。

これとは別に古も対とした三冠レースが2つある。香港トリプルクラウンシリーズ香港スチュワーズカップ(芝1600m)、香港ゴールドカップ(芝2000m)、香港チャンピオンズ&チャターカップ(芝2400m)、チャンピオンプリントシリーズはセンテナリースプリンカップ(芝1200m)、チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)、クイーンズシルヴァージュビリーカップ(芝1400m)で構成される。

関連動画

 

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関連項目

脚注

  1. *他に出走したクラシックレース東京優駿競走は2着で惜しくも変則三冠は逃した。
  2. *デアリングタクトの前に敗で牝馬二冠を達成したミスオンワード優駿牝馬が8戦3冠菊花賞優駿牝馬から連闘で出走した東京優駿を含めて12戦である
  3. *阪神大賞典ダイナカーペンターと同着
  4. *当時は小倉3歳S小倉S(現在小倉2歳S小倉サマージャンプの前身)がいずれも重賞ではオープン特別のため。なお、小倉3歳Sについては勝利している。
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