日本に住んでいる人なら見たことあるよね?白地に、茶と黒のブチかシマの日本猫。
三毛猫はそのほとんど全てがメスでオスが滅多にいない事から、伴性遺伝の具体例として遺伝学の教科書などで取り上げられる代表的な生物である。
その珍しさから様々な逸話が作られ、船乗りの間ではオスを船に乗せていれば遭難しないと大変珍重された。
希少性のためにとんでもない値段がつく事もしばしばであった。
少し難しい話をすると、遺伝子が内包されている「染色体」のうち、性別を決定する「性染色体」と言う物にはXとYの2種類があり、遺伝子障害を抱えた個体で無い限り、XXもしくはXYの組み合わせになる。この2パターンのうち、Y染色体が混じっている方がオスになる。そして、猫の毛の色の情報は性染色体に組み込まれる仕組みとなっている。
しかしY染色体はX染色体と比べて非常に小さいため、毛の色を決定する遺伝子情報を乗せるスペースが無いのである。ゆえに、猫の毛の色を決定する遺伝子はXの染色体の中にのみ存在することとなる。
通常の白+他の2色の場合は毛色の遺伝子は1つだけでよく(白色は単に毛の中に色素が入ってないだけであり、「白」と言う色の遺伝子を必要としている訳ではない)、X染色体も1つあればいいため、残りの1つはXでもYでもいい=オスもメスも生まれる。
しかし三毛猫は白の他に2色ある=X染色体が2つ必要という事であり、必然的にXXの組み合わせしか出来ない=メス限定になってしまう。遺伝子障害によって、通常2個1組である染色体が3個以上で1組になっており、なおかつその3個目がYであった場合のみ、三毛猫のオスが生まれる。このため、三毛猫のオスは必ずクラインフェルター症候群という遺伝子障害を患っている猫であるということになる。
遺伝子障害なので、毛の色以外にも異常を抱えている確率が当然ある。代表的なものは生殖機能で、精子の数が極端に少なくなる。そのため「子供を作る事が出来る三毛猫のオス」となるとさらに数が少なくなり、先述の「希少性」にさらに拍車がかかって値段が跳ね上がる事も少なくなかった。さらにオスの三毛猫は通常のオス猫がしない「発情」をすることが多いため、性別をオスと扱っていいかどうかについても議論がされているところでもある。特に去勢手術をした後はどっちに扱っていいかわからないという意見もある。
※ニコニコ大百科に関連する記事があるもの。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/09/08(日) 10:00
最終更新:2024/09/08(日) 09:00
スマホで作られた新規記事
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。