三菱・ギャランとは、三菱自動車工業が1969年~2005年に生産をしていた車種である。なお、海外では別車種としてギャランの 名称を使い生産されている。 この項目では日本仕様について触れ、初代モデルのコルトギャラン、三代目、四代目、五代目のサブネームである「Σ(シグマ)」と 2ドアバージョンのギャランGTO、ギャランFTO、ギャラン「Λ(ラムダ)」についても少々であるが触れる。 なお、日本では海外仕様のランサーが、ギャランフォルティスとして販売。
車名の由来はフランス語の「勇ましい」や「華麗な」という意味から。三菱車の中でもオーナー仕様の乗用車として、ランサーと 共に屋台骨を支える車種であった。またモータースポーツにも力を入れラリーでは定番の車種でもあった。特に1987年に登場した 六代目は無敵の強さを誇っていて、後のランサーエボリューションに繋がっていった。
それでも、六代目までは5ナンバーサイズのボディだったので、タクシーや教習車でもおなじみの車種でもあった。1983年に登場の 五代目は翌年に登場をしたタクシー仕様は15年も製造をされていて、雪国の地方都市ではタクシーの定番でもあった。 初代から四代目まではライトバン仕様も存在をしていたが、1985年にミラージュ&ランサーのライトバンに統合された。
また、1989年~1990年にテレビ朝日系列で放送されていた刑事ドラマ『ゴリラ・警視庁捜査第8班』では、六代目モデルが渡哲也演じる 班長・倉本省の担当車として登場し、カースタントではタクシー&教習車上がりの四代目モデルが爆破や横転をしていた。
その他、1980年代は三菱自動車が提供をする刑事ドラマにもギャランが覆面パトカーとして多く登場をしている。
1969年に「コルト・ギャラン」の名称で登場。小型車コルトとは違うコンセプトの4ドアセダンで発売される。後に3ドアと5ドアの ライトバン仕様も登場する。排気量は1300㏄と1500㏄の二種類を用意。駆動方式はFRとなる。
1970年に2ドアハードトップ仕様も登場。排気量は1500㏄のみとなる。同年にはスペシャルティーカーのギャランGTOも登場。 排気量も1600㏄とギャランよりも大きく、後に1700㏄と2000㏄にパワーアップ化をされ1977年まで生産された。
1971年にマイナーチェンジ。角型2灯のヘッドランプから丸型4灯のタイプに変更され、同年セダンの排気量が100㏄アップされて、 1400㏄と1600㏄となり、インパネを大幅に変更となる。同年にはギャランGTOの弟分に当たるギャランFTOも登場。1975年まで 生産がされていた。
当時流行のデザインを取り入れヒットをし、対米輸出も行われるようになった。
1973年に初のモデルチェンジ。車名も「ギャラン」として登場をする。ボディも4ドアセダン、2ドアクーペ、5ドアライトバンの 3種類用意され、ガソリンエンジンの1600㏄、新開発の1850㏄と2000㏄が用意され、タクシー需要向けの1600㏄のLPG仕様も 用意された。先代モデルよりも居住性を重視したモデルとなったが、第一次オイルショックと初代モデルと比較をしてもインパクトが 無かったので、売上は激減をし、細かな改良をしたが販売は低迷をした。オーナー仕様はわずか3年で三代目モデルに移行をし、 ライトバンとタクシー仕様は翌年まで生産をされていた。この代で2ドアクーペは廃止となった。
1976年に4ドアセダンのみモデルチェンジ。ネーミングも「ギャランΣ」となる。当時のヨーロッパ車の意識したデザインは、同クラスの国産車とは 違った雰囲気を持っていた。エンジンもガソリンの1600㏄、1850㏄、2000㏄の三種類が用意された。また同年にはギャランGTOの後継車種として 「ギャランΛ」が登場する。
1977年に一部改良をして、2000㏄の一部グレードに4輪ディスクブレーキを採用をした。同年ライトバンをモデルチェンジがされる。
1978年にマイナーチェンジ。丸型4灯のヘッドランプから角型4灯のヘッドランプに変更される。一部グレードでバンパーが大型化が され、それと同時に教習車仕様も設定され、教習車仕様としては初のタコメーターが採用された。同年には、販売会社のカープラザ店が 設置に伴い姉妹車として、ギャランエテルナΣが設定される。
この代のTVCMのナレーションには、声優・森山周一郎を起用。マイナーチェンジ以後には森山自身も登場をしている。またスタイリッシュな デザインでヒットした。
1980年にモデルチェンジ。この代でFR駆動は最後となる。人気の高かった先代モデルのイメージを残したスタイリングであるが、 空力ボディを意識したデザインとなる。 エンジンもガソリンの1600㏄、1850㏄、2000㏄を用意、また初の2300㏄のディーゼルとターボディーゼルを用意した。後に2000㏄の ガソリンターボエンジンも登場する。
ライトバンはフロント部分を四代目と同じにしてあるが、リアセクションは先代モデルと同じ形状である。タクシー仕様も1800㏄のLPGと 2300㏄のディーゼルの二種類を用意した。
1981年にマイナーチェンジ。ガソリンとディーゼルのターボ車にATが選択可能となった。リアデザインも変更となった。
この代よりイメージキャラクターに俳優・高倉健を起用。刑事ドラマ『ゴリラ・警視庁捜査第8班』ではカースタント車両として有名である。
1983年にモデルチェンジ。この代より駆動方式をFF化がされる。エンジンもガソリンの1600㏄、1800㏄がキャブレター、電子制御のECI、 ターボ付きの3種類が用意され、2000㏄の電子制御のECIエンジンが用意される。
1984年にガソリンの1600㏄と1800㏄のディーゼルターボエンジンが用意される。同年には2000㏄にターボエンジンが用意され、4ドアハード トップが用意される。これはトヨタ・マークⅡや日産・ローレルのポジションが三菱車には無いためにギャランとデボネアの間のポジションを埋めるために用意された。1990年にディアマンテがデビューするまで存在をしていた。 同年にはタクシー仕様もモデルチェンジ。1800㏄のLPGエンジンのみとなる。FF駆動のおかげで雪国でのタクシーでは重宝された。 タクシー事業を撤退を表明をした1999年まで生産され続けた。
1986年にマイナーチェンジ。ガソリンエンジンが全て電子制御エンジンのECIタイプに変更をされ、同年にはV型6気筒の2000㏄エンジンが セダンとハードトップに搭載される。このエンジンは同年に登場をした二代目デボネアにも搭載されたエンジンでもある。
1987年に六代目モデルが登場。そのためバリエーションを減らし、セダンがV型6気筒の2000㏄とタクシー用の1800㏄のLPG仕様のみとなる。 ハードトップは継続生産。
1989年にハードトップにV型6気筒の3000㏄モデルが登場。
この代はFF化をされたので広大なリアスペースとトランクが特徴的でもあった。またこのギャランΣをベースに二代目デボネアが 登場をしている。
イメージキャラクターには、登場時から1985年まで俳優・高倉健を引き続き起用。高倉本人もこのギャランΣを乗っていたという。 この代を持って「ギャランΣ」の名称は終了した。
1987年にモデルチェンジ。先代モデルとは一転して筋肉質なデザインとなる。これは開発途中までは五代目の延長上のデザインであったが、 「インパクト不足」との声で、若手のデザイナーに担当をさせた。当時は屋根が低いハードトップボディ全盛の中で、屋根が高く内外装共に 個性的なデザインとなった。現在の車種では当たり前に使用されているグリップ式ドアハンドルやダイヤル式エアコンスイッチをいち早く 採用をしている。このデザインが受けて、ヒットモデルとなった。このデザインが後の三菱車に影響を与えることとなる。
また、この代で4WDが採用されているが、この4WDに2000㏄のガソリンターボエンジンを搭載した「VR-4」を登場。WRCにも参戦をして無敵の強さを誇った。後にランサーエボリューションの源流となったモデルでもある。このVR-4は石原プロモーションが製作したドラマ「ゴリラ・警視庁捜査第8班」にて俳優・渡哲也演ずる倉本省刑事の担当車両として登場していた。
エンジンはガソリンの1600㏄、1800㏄がOHCとDOHCの二種類、2000㏄がNAとターボ仕様に二種類、1800㏄のディーゼルターボエンジンも 用意された。また教習車仕様も1800㏄のガソリンとディーゼルターボを用意された。基本はFF駆動だが、1800㏄と2000㏄には4WDも 選択が可能であった。
1989年にマイナーチェンジ。ターボ仕様のVR-4にAT車を追加する。
時期ごとにお買い得仕様車も続々と投入をされていた。そのため人気を誇ったモデルでもある。
1992年にモデルチェンジ。先代モデルと比較をして、ボディサイズが3ナンバー幅になる。それに伴いエンジンも新開発のV型6気筒の 1800㏄と2000㏄があり、2000㏄にはターボエンジン搭載モデルも用意された。また廉価版には直4気筒1800㏄のガソリンエンジンと 2000㏄のディーゼルターボエンジンも用意された。V型6気筒のATには、ファジイ機能を持たせた電子制御ATを用意していた。
1994年にマイナーチェンジ。直4気筒エンジンにはお買い得仕様車が用意され、ヨーロッパ仕様に用意されていた5ドアハッチバックを ベースにRV風の外装にした”ギャランスポーツ”が登場した。
この代は、先代に比べてボディサイズを拡大をしたためにギャランを乗り継いでいたお客がどん引きをするという事態となった。 また先代に比べて凡庸なデザインもライバルと比較をして差を付けられた点も大きい。ただし、廉価グレードは覆面パトカーとして 大量に採用された。姉妹車には先代に引き続き、エテルナが用意されたのと、4ドアハードトップのエメロードも用意されていた。
1996年にモデルチェンジ。先代モデルをベースに凡庸だったデザインが大ヒットをした六代目モデルを正常進化させたような 力強いデザインに回帰をした。また世界で初めてのガソリンの直噴エンジンであるGDIを初搭載したモデルでもあった。 エンジンは直4気筒の1800㏄のGDIと、V型6気筒で2500㏄ターボエンジンを搭載したモデルが用意された。 バリエーションとして、ステーションワゴンモデルのレグナムと、カープラザ店向けの姉妹車・アスパイアも用意された。 レグナムは2002年、アスパイアは2003年に廃止となった。
1998年にマイナーチェンジ。直列4気筒2400㏄エンジン搭載車を追加。
2000年GDIエンジン搭載車は1800㏄から2000㏄にパワーアップ化がされる。
2005年生産中止となるが、2007年にギャランフォルティスとして復活を果たす→詳細はギャランフォルティスの欄にて。
掲示板
1 ななしのよっしん
2012/01/24(火) 18:05:13 ID: Tc5P7CtO7N
車の中では一番好きだ。
作成お疲れ。
2 ななしのよっしん
2016/02/15(月) 19:48:16 ID: MhuiEkNIO5
私の父は某新聞社の広告部部長で三菱自動車の担当だったためモデルチェンジのたびにギャランを買わされていましたw
2代目HT→3代目Σ→4代目Σ→5代目FFΣと乗り継ぎましたが、担当を外れたとたんレガシィに鞍替えしましたw
私は今でも5代目オリジナルのプレスラインを排したシンプルなスタイルは国産セダンの歴史に残る美しいスタイルだと思っております。
3 ななしのよっしん
2022/08/19(金) 02:09:39 ID: 5WcMvrNVYQ
四代目はR30スカイラインの二番煎じな気がする。でもこの時代にターボチャージャー搭載は凄かったね。ゴリラとかいう番組では、意味もなく破壊される車でお馴染みの奴。あと昭和55年の車にしては早い段階で鉄板から樹脂製バンパーの採用とかかな。とにかく目を疑う新技術を盛り込まれた凄い車
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最終更新:2024/11/09(土) 05:00
最終更新:2024/11/09(土) 05:00
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