下駄 単語

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ゲタ

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曖昧さ回避
  1. 下駄 - 日本の伝統的な履物の一種。本記事で説明
  2. プゥブリウス・セプティミウス・ゲタ - 3世紀初頭の古代ローマ帝国皇帝。共同統治者であり政敵であった実カラカラ帝に暗殺され、「名誉の殺」により的な記録からも抹消された
  3. 下駄(生放送主  - ニコ生ゲーム実況。該当記事参照。

概要

 古代日本において下駄の前身となる足駄が誕生し、それから戦国時代までほとんど形を変えなかったが、江戸時代に入ると様々な形の下駄が生まれ、明治時代には現在とほとんど形の変わらない下駄が作られるようになった。
 二枚の駒下駄、を持たないサンダルの右近下駄、傾斜のついた大きな前を持つ千両下駄(後の形状によっては大町下駄・小町下駄・後丸と呼ばれる)、の高下駄、一本など様々な種類がある。
 昔は三本の下駄もあり、塗りのものをが履いていた。歌舞伎では女性が背の低い一本下駄を履くこともあったという。
 なお、田下駄と呼ばれる農耕具があるが、履物の下駄とは別物とされている。

 ほとんどの下駄は木製で、足をのせる「台」にを開け緒を挿げることによって作られる。
 二枚の駒下駄という下駄には、足を乗せる台とを接着して作る「継」(天一二などと呼ばれる)と一つの木の塊から作る「連」(並柾、物などと呼ばれ、高級なものは本柾・糸柾と呼ばれる)がある。

 他には一本や高下駄など、堅くて丈夫なを使ったを台に差し込む「差し」というものもある。が丈夫な上に取り換えることができて経済的ではあるが、歩くのに慣れが必要である。
 また、差し下駄が滅多に履かれなくなり、入れ職人が次々と業しているため、差しを台と接着したものも増えてきている。

 山は一本の下駄を履くことがある。また、天狗も一本の下駄を履いている。
 山などの坂では台が傾かないため、一本が歩きやすいとされる。ただ、下り坂は慣れないとかなり怖い
 他にも、一本トレーニングに使われている。

ファッションとしての下駄

 近代に入ると洋に下駄を合わせるファッションが生まれ、ボロボロ学生などにの高下駄を履く『バンカラ』というスタイルも生まれた。
 これは当時、西洋文化ハイカラ)の流入に対抗する精神によって生み出されたものである。一説によると浮ついたものにはもくれず、身なりも気にならないほど勉学に勤しんでいることを表現しているらしい。
 現在、その精神はほぼれてしまったものの、このファッションを継承している学生は全高校大学に少なからずいる。
 ちなみに坂本龍馬和服ブーツを取り入れていた。

 踵を少し出して履くことが良いとされているが、これは他人が下足を見たときに持ちの足を小さく思わせるため(纏足が有名だが、中世近世の西洋でも貴族階級において小さい足が好まれるなど世界中で小さい足が好まれる傾向があった)という説と着物の裾を踏まないようにするためという説がある。

 一般的に、冠婚葬祭やパーティなど格式が重んじられる場では下駄を履くことができず、履(駄も履の一種)を履くべきであるとされる。
 ただし、では履表の下駄(日光下駄など)は履扱いになり、緒・足袋着用であれば礼装として認められる。
 地域・人によって独自のルールが存在するので要確認。

下駄の木材

 多くの下駄は軽くて丈夫なが使われており、以外で作られたものは雑木下駄と呼ばれる。
 雑木はスギ、ヒノキ、ヤナギ科の木が使われているが、それらよりものほうが軽く、衝撃吸収性が高いとされている。
 特にヤナギ科(ドロノキやコットンウッドなど)の下駄は堅いため履き心地が悪く、やや割れやすい。ただ、近年は外産の安いや継による量産体制が整っているので徐々に見なくなってきている。

安物の下駄

 近年、中国などで素く育てられた安いによる中国製下駄が多くなってきた印だ。特に低価格の焼き右近下駄は中国製シェアが圧倒的だろう。多くの着物初心者が最初に履く下駄は、おそらく浴衣セットについてくる中国製の安い右近下駄だと思う。

 中国製コストカット術は舌を巻くほどで、緒には綿の代わりにスポンジを使い、簡単に挿げられるように前には金具や接着剤を使っている。後ろの縛り方はもれなく簡略化している。
 もし不具合が起きて履物店に持って行ったとして、前にひょうたんの金具を使っているだけであればその場しのぎの調整は可だが、その他の金具や接着剤が使われていれば調整は絶望的で、その場合は緒を買い直すことになる。

 筆者の聞くところによると、浴衣セットについて来るような中国製の下駄で緒擦れする人が多いようだ。
 おそらく、緒が緩いのと、生地の質が悪いのが原因だろう。特に柄物はザラザラしている印なので、安物を買うのなら地が難だと思う。

 残念なことに、日本製でも金具を使っている下駄が出てきたようだ。
 筆者の近所の履物店で確認してもらったところ、前は接着剤を使っていなかったため調整可だが、後ろが簡略化されており手の施しようがないとのこと。
  後ろの縛り方を簡略化してしまうのは以前から日本でも行われており、昔ながらのやり方でやっている職人は今やごく僅かだそうだ。
 今や「日本製」という言葉もみにすることはできない時代となった。

武器としての下駄

 以前は誰が履いており、普通に物として使用している場合は武器として認識されないため、創作の界では暗器(隠し武器)として使用される場合がある。

 その代表的なものとして『はだしのゲン』が挙げられる。この作品において主人公のゲンは自らの履いている下駄を手にはめ、喧嘩をしていた。

 ゲンの場合は場当たり的に下駄を武器としているだけだったが、『魁!!男塾』では下駄を武器とする武術体系を身につけたキャラクターが登場する。この際使われる下駄は歯部分に『刃をつけており、他のキャラの本刀などと同じようにメイン武器として使われている。

 下駄の武器化をさらに押し進めると、妖力で空飛ぶ『リモコン下駄』まで進化する。『ゲゲゲの鬼太郎』にて登場した鬼太郎の使うこの下駄は、一旦足から放たれると使用者の思い通りに空飛び敵に衝突する。鬼太郎の切り札のひとつであり、数多くの妖怪たちを倒してきた恐るべき下駄である。

 ちょっと横道それたところでは『南国少年パプワくん』において天由に操ることのできる下駄が登場。靴/下駄を放って地面に落ちた際に上になっている面で明日の天気を占うという遊びから作られたものであるが、局所的とはいえ自在に天操る天器であった。

 直接は武器に使われていないがガンダムシリーズの宙世紀でも下駄は登場する。『機動戦士Zガンダム』においてもビルスーツの行動範囲を広げるための補助兵器として『ゲター』が登場。名前の通り、下駄が元となっている。補助兵器であるためゲター自体は武器を搭載していないが、モビルスーツを載せて戦場に現れる場面が描かれている。

 勇者シリーズや一部のロボットもの、戦隊ものなどには、いわゆる「グレート合体」と呼ばれるパワーアップ合体方式があり、主人公ロボットがポートロボットと体して最強状態になるものがある。その合体形式は多くの場合サポートロボットが強化パーツへと分割され主人公ロボットに装着される。その際、足を延長するパーツの多くはまるで下駄のように履かれる事から、慣用表現の「下駄を履かせる」と意味を揃て「下駄合体」などと呼ばれる。
音に聞くと揶揄のように思えるが、下駄合体勇者シリーズにおいては前身である「トランスフォーマーV」の更に前身である「トランスフォーマーマスターフォース」から連なる伝統的な合体方式であり、下駄が最強パワーアップパーツである事に疑う余地はい。
 なお、下駄のようにパーツを履く合体のみを下駄合体と言うので、脛以下を包み込む、または換装するような合体は「下駄合体」とは呼ばれない。
 似たような強化パーツ合体に「背負い物」「羽合体」があり、それも言葉を換えただけで本義は下駄合体に等しい。

慣用表現における下駄

 生活に密着したものであったため、いくつかの慣用表現に使われている。

  • 下駄を預ける - 相手に全てを任せてしまうこと。信頼する相手に使われる。
  • 下駄を履かせる - プラスの補正を与えること。あるいは実際のものより価値を高く見せること。
  • 下駄を履くまでわからない - 結果は最後の最後までわからないということ。

 また、自作PC界でも、CPUのソケットを変換するパーツを下駄と呼んでいる。slot1をsocket370に変換するものなどが著名である。

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