不協和音とは (フキョウワオンとは) [単語記事]

不協和音とは、簡単に言えば「ハモっていない和音」である。転じて、「聞こえの悪い音」という意味で使われることもある。

しかし、厳密には定義の違いによって、若干の意味の違いが生ずる。

楽典的な定義

音程（音の隔たり）を協和音程と不協和音程の2つに分類したとき、協和音程のみで構成される和音を「協和音」と呼び、不協和音程を1つでも含む和音を「不協和音」と呼ぶ。
音程は下記のように分類される。

3和音を例にとると、協和音に分類されるのは長三和音（メジャートライアド）と短三和音（マイナートライアド）の2種類のみで、その他の3和音は全て不協和音ということになる。また、4和音以上ではどんな組み合わせをとっても協和音が成立しない。

（ちなみに増4度・減5度を許し、短2度、長2度、短7度、長7度を含まない和音のみを探すと、3和音以上では長三和音と短三和音に加え、増三和音（aug）、減三和音（dim）、減七の和音（dim7）が加わる。）

和音の構成音のうちの1つでもピッチがズレると、その和音はたいていハモって聞こえなくなる。この状態の和音を不協和音と呼ぶことがある。この場合の「ピッチのズレ」音階的なズレの場合もあるが、半音未満の微少な音のズレを指すことも多い。

ニコニコ動画における音系MADにおいて、ベースとなる曲に対し、それに合わせた音源の音が（意図的もしくは非意図的に）ズレている場合に「不協和音www」などとコメントされることが多い。

また、ただ単に、1つの旋律を指してその音程とが本来のものとズレた際に「不協和音だ」と言うこともあるが、この場合を厳密に言えば、ズレたのは1つの旋律であり和音ではないので不協「和音」というのは正しくない。（旋律の音がズレたために、他の音とハモってないという意味であれば不協和音である）

「僕は嫌だ。」

2017年 4月5日に発売された欅坂46の4枚目のシングル表題曲。集団内の同調圧力に屈せず抵抗する主人公を描いた歌詞は、様々な角度から考察されている。作詞は秋元康、作編曲はバグベアが担当。

曲名の由来は本記事主題の不協和音であるが、楽曲の大半が「VIm」「IV」「V」の3種類の和音のみで構成されており、ほぼ全く不協和音が用いられていない点が話題になることもある。（ただし注意深く確認するとセブンスコードも聞こえるので、「楽典的な定義」における不協和音が存在しないわけではない）