世界樹と不思議のダンジョン2とは、2017年8月31日に発売されたダンジョンRPGである。
対応プラットフォームはニンテンドー3DS。発売元はアトラス、開発元はスパイク・チュンソフト。
概要
『世界樹の迷宮』と『不思議のダンジョン』のコラボ作品2作目。
2017年3月26日のニコニコ生放送「アトラス新作発表SP2017<春>」で初めて発表された。
今作の舞台は、世界樹へ挑む冒険者たちが集う街オーベルフェ。
前作と同様蟻の巣構造のダンジョン、強敵D.O.Eといった基本的なシステムは変わらないが、新クラス、新スキル、新モンスターがかなり追加されている。
先着購入特典はCD2枚組の『世界樹の迷宮ユーザーズベストアルバム』。歴代ナンバリングの人気曲を収録した2枚組となっている。
また初回生産限定盤は「10thAnniversaryBOX」として販売され、
特別デザインの特製BOXとキャラクターアート集が付属する。(これは受注生産であったが結構値崩れした)
ゲーム内容の変化
結構重要な変更なのだが、「仲間と入れ替わらずに押し出す」という操作が追加されている。AIの挙動にも細かい変更があり、これらにより前作では極めて困難だった「通路に逃げる」という行動がソロ以外でも容易にできるようになった。ガンナーが通路から攻撃してくれるのも前作との大きな違い。
またクリア後の話題となるが、いわゆるレベリセダンジョンの仕様が変更。突入時にスキルもリセットされるようになり、ダンジョン内で地道に習得する仕様に変更されている。レベリセ用に高レベルキャラを育成する前作の本末転倒な仕様はなくなり、攻略時にはスキル習得にアドリブを入れられるようにもなった。不足しがちなSPがもらえる特殊床もある。
DOEは街を攻撃する存在ではなくなった。2では単にダンジョン内を徘徊する強敵、つまりFOEと同じようなものであり、逃げられるなら逃げたほう良い感じである。ただし大量に現れたり倍速で追ってきたりと積極的にパーティを狙うものもいるため、対策は依然必要となっている。砦で迎え撃とうとすると逃げるものもいるらしい…
ゲームバランスもかなり違う。前作と比べて全体的に敵が強めに調整されているが、味方もAIの若干の改善とサブクラスによる超絶強化がされており、終盤は敵も味方も強い世界樹的なバランスになってくる。かと思えば前作終盤で異常に困難だった素材アイテムの収集が2では簡単になっているのも世界樹シリーズを思わせる変更で、逆鱗マラソンは2作目にして滅んだ。
上記のほか店売り消費アイテムの強化(前作はアリアドネの糸さえ売られなかった)、特殊フロアの追加など、サブクラス以外にも大きめの調整が入っているのだが、クリア後の要素だったり売りとして押し出すには地味な変更が多めである。基本的なゲーム設計が大きく変わっていないのも確かで、少し挙動が変わったとはいえ相変わらずAIの信頼性が低いのをはじめ、前作の難点をそのまま引きずっている部分は多い。
スタッフ
クラス
クラスは前作世界樹と不思議のダンジョンにでた10職に加え、以下の5職が加わる。
今作ではシナリオを進めるとサブクラスが解禁される。サブクラスのスキルも全く制約なしに振れる(IIIやIVにあったメイン職専用スキルはない)ためどの職でどのサブクラスを据えるかよく考えること…というわけではない。本作はシリーズで初めて休養で全くレベルが下がらない仕様になったため、軽率に育成してもほぼノーリスクでスキルの振り直しができる。レベルさえあればあとは自由なので、いろいろ試してみよう。前作と違いレベル99でもスキルのマスターはできない。
- ファーマー
- IIIに登場した、探索のエキスパート。
当然のごとく採集スキル全てを網羅している(が、レベル一桁ではアクティブスキルを習得できない)他、遠距離攻撃や異常付与スキル等も習得でき、癖はあるものの中々に多芸。
本人の火力は最低限あります程度だが意外にも盾が装備でき、耐久も中々あるので強化・弱体職をサブクラスに据えると活躍しやすい。尚、原点で特筆すべき能力だったLUCはプリンスに遠く及ばず、パイレーツにも負けている。
敵を倒すと恩恵を得られるスキルもあり、ファーマーをサブに取る場合はこれが目当てになるだろう。
- モンク
- IIIに登場したクラス。攻撃面でも活躍できる回復役。
だが回復手段がメディックより少ないうえ、回復できる範囲も狭い。ただし、広域リフレッシュで複数人を異常から回復できるのはメディックにない利点。
今作では5で登場した拳甲を装備して戦うが拳甲と盾は両立できないため、サブクラス習得にはこのことをよく考える必要がある。とはいえ自前で突壊炎氷属性を使えるため攻撃面で困ることはないはずである。アタッカーとしての能力はレベルアップと共に充実していくが、接近戦を強いられる割にHPが低く、盾・重鎧を装備できないためフォローは必要だろう。どうせSPは足りないし、気になるならメディックをつけて殴りメディに転向するのもいいかもしれない。
- アルケミスト
- I・IIに登場。属性攻撃のスペシャリスト。
同じく属性攻撃が行えるルーンマスターと違い、部屋対象の攻撃を持たず、魔弾の射程が短いが全て貫通する特徴を持つ。
術式は複数方向に飛ばす他、圧縮することで一方向に収束する。また、「~属の術式」というバフ版リンクスキルを持ち、多段攻撃を行う職との相性もいい。
本人はルーンマスター・カースメーカーよりは高い耐久力を持つが序盤のTECの伸びが前衛職並に悪く、クリアレベル帯あたりから始まる急成長まで辛抱強く待たねばならないため、レベルリセットダンジョンでは活躍しづらい。成長しきったところでTECもTPもルーンマスター、カースメーカーに劣るが、単体に対する圧縮術式は強力無比であり、フーライをサブに取って回転率を上げると凄まじい瞬間火力を発揮する。先述の「~属の術式」×3からの圧縮大氷嵐の8連撃でプーカ狩りにも大きく貢献できる。
サブクラスとしてはやはり高TEC職が攻撃術式目当てで取るという選択がベタだが、弱点を付与する「変性の術式」の範囲が正面1マスしかないことを考えると前衛職が持つのも悪くない。
- パイレーツ
- IIIに登場した海賊。突剣と銃を装備可能。ガンソドマスタリを取得することで右手に銃・左手に突剣というスタイルが可能となる。ただし小型の銃でないとカンソドスタイルができない。また、盾装備可能職をサブに据えても銃×盾はできない。
盾・重鎧が装備できず、自前スキルも癖が強いが本人はAGI・LUCが高く、ソードマンやガンナーをサブクラスに据えてどちらかの武器に特化すると本職以上の攻撃性能を発揮できる。というかAGIに至ってはシノビすら悠々と追い抜いてしまう(Lv56パイレーツのAGI=Lv99シノビのAGI)ため、シノビの道を突き進むのもいいかもしれない。
スキルの独自性・癖が非常に強いためサブパイレーツはあまりお勧めしない。
- ケンカク
- 本作の新職業。名前の通り刀を扱う。というか採集スキルすら投げ捨ててスキル全てを刀につぎ込んでいる。よって刀を使わない場合サブクラスにする価値は皆無。また、STRはトップクラスなもののSTR・LUC以外の能力が低く、特に耐久力は近接攻撃職で最低なので本職で使う場合はフォロー必須。
そのSTRだが序盤はシノビ・ソードマンの陰に隠れがちでクリアレベル帯辺りから伸びが加速して追い抜く形になる(Lv75ケンカクのSTR=Lv99ソードマンのSTR)。
スキルはブシドーを思わせるものと、シレン外伝のアスカ見参及び風来のシレン3をベースとしたものがあり、スキルツリーが一刀と二刀に分かれている。その割にケンカク♀にピンク髪がいないのは内緒。盾が装備できないからか。
二刀マスタリーをとることで二刀流ができるようになるが、刀以外の二刀流はできず、一刀スキルと二刀スキルは同時に使用することはできない(シノビの刀スキルはどちらでも右手武器のみで使用可)。
一刀流は攻撃範囲が広く、盾職をサブクラスに置けば盾と両立できる。ただケンカクは命中率に関係するAGIが低いのでソードマン等の盾装備可能職にサブをつける形の方が使いやすい。盾が装備できるピンク髪はパラディン♀しかいないのでアスカプレイをしたいならピンクししょーを使おう。
二刀流は♂がシレン3のセンセーがモデルなだけあって通常攻撃・近接攻撃の火力はトップクラス。とはいえ刀を振るだけならソードマンのサブで使った方が安定するのでパッシブが強いダンサーをサブにつけるとよい。サブケンカクの二刀流はシノビやダンサー、フーライ程度しか務まらないだろう。
ちなみに本作品パッケージの顔を務めているのはケンカク♀。
また、前作に登場したクラスもスキルが見直されており、FP周りやサブクラスの登場で評価が大きく変わる職業も。尚、グラフィックやステータスは基本的に使いまわしだが、ルーンマスター・メディック・カースメーカーはTPが前衛職よりやや高いあたりまで削られる一方でTECが激増した一方で、ガンナーは全く強化されず大きな哀しみを背負った。
基本的な立ち回りに変化はないため詳細は前作の項参照。
- ソードマン
- 今作では剣スキルはSTR、突剣スキルはAGIに優れるほど効果が発揮される仕様となっている。本人はSTR・AGI両方高いがAGIに優れる攻撃職にダンサー・シノビ・パイレーツがいるため突剣型を使いこなすには一考の必要がある。あるいは刀職をサブクラスに据えて刀を持つか。
D.O.Eキラーとして名高いリンクスキルは今作では低レベルだと碌に付与されないが、最大まで上げることによって100%付与できるようになっている。
前衛職であるにも関わらず充分なTPを持ち、腹持ちも何気にいいため迷ったらとりあえず入れておくといいのは前作同様。
サブクラスとしてはとりあえず盾装備&壊攻撃があるため前衛職なら基本的に候補に入る。
- パラディン
- 挑発の弱体化・被ダメTP回復の撤廃・ポテチの仕様変更の煽りを受けて弱体化し、特にTPの低さが露呈。
とはいえぶっちぎりで1位のHPや守備力の高さは健在でなんだかんだで入れておくととても心強い。
STRがそこそこ高いほかAGIも最低限あるためサブクラスの武器スキルで積極的に攻撃に参加することも可能になった。また、パリングで物理攻撃を無効化することも。
サブクラスとしては盾装備職でも生存力を高めるスキルを揃えているため守りに不安がある場合に選択。
- ガンナー
- 基礎性能が低いぶんを銃の強さで帳消しにしてるというのが前作のガンナーだったが、2ではサブクラスで誰でも銃が使えるにも関わらず能力面の欠点がそのままな為、優秀なスキルをパイレーツやダンサーなどに掻っ攫われる不憫な職。調整によりTECが術師職に大きく引き離されて属性ショットも彼らが撃った方が強く、カースメーカーには耐久以外全て劣る為本人が生き残るには苦しくもルーンマスターをサブに据えて継戦能力を高くするビルドを行うのが望ましいか。レベルリセットダンジョンで唯一銃を持ち込める職だがとにかく色々アレなので愛がなければメインに据えてはいけない。
パイレーツの項でも述べたが銃と盾は同時に装備できない。
銃自体はAIの改善でむしろ強化されていると言ってもよく、サブガンナーには強力な組み合わせも複数ある。
- ルーンマスター
- テコ入れによりTECがメディックを上回るようになったものの、カースメーカーがそれ以上に成長したためアルケミストをサブに据えて自前スキルで属性を強化しつつ術式に転向するのが望ましいか。今作では三属性で部屋攻撃+マイナス効果の印術や印石を強化するパッシブスキルを新たに獲得した。
サブクラスとしてはルーンの盾やTPカット目当てでもお釣りがくる他、三属性強化も見逃せない。
カースメーカーやメディックが三属性の攻撃手段を確保したい場合の選択肢にも。
- メディック
- 他の術師職のTECが大幅に引き上げられた一方メディックは逆に下方修正されたが、そもそも回復スキルは基本的に割合回復なのでそれ自体は大きな痛手ではない。また、大きく引き離されているとはいえTECは術師職に次ぐため属性火力もサブ火力として不足はなく、それでいて軽鎧・盾が装備できるというのが大きな特徴。今作では回復薬を強化するスキルを習得。尚、前作より腹持ちが結構悪くなってるので注意。
サブクラスとしても、回復役として活躍させたい時に真っ先に候補が上がる。リフレッシュだけ欲しいならパラディンを選ぼう。
- ダンサー
- サブクラスの登場にて大きく開花した職業その1。なにしろHP・VIT・装備以外フーライより優れた能力を持ち(TP・TECは抜かれてしまうが)、自前スキルはバフと通常攻撃を強化するもの。サブクラスで攻撃スキルをゲットしたため、アタッカー性能が飛躍的に向上した。もちろん部屋に敵がいる時に倍速化する能力はそのままであり、それも強力な個性として輝く。ただし、前衛職として使うにはHPがやや足りないので無闇に前に出すのは控えた方がいいかもしれない。
尚、新たに習得した攻撃スキル「連撃の舞」はパッシブの舞スキルを極めるほどに威力が上がるのだが、極めてもケンカクの「連斬の舞」と火力はほぼ同じなので二刀流ケンカクを持ってる場合は注意。
サブクラスとしては主に通常攻撃を強化したい時に候補になる。
- カースメーカー
- サブクラスの登場にて大きく開花した職業その2。実は意外とLUCの成長曲線が晩成気味なカースメーカーだがぶっちぎりで最高のTECを持つ他殴れなくもないSTRを持っており、ガンナーにも適正がある。勿論ルーンマスターやアルケミストも適正あり。
最低のVITは健在ですぐ蒸発するのが欠点だが、敵を怯ませるパッシブスキルがそれを補ってくれる。
ただし、前作ほどではないが腹持ちの良さは依然トップクラスなものの、FP周りの仕様変更で食糧の心配はしなければならなくなった。
サブとしても先述のパッシブスキルや各種状態異常は超強力。LUCは効いてない疑惑があり、状態異常系は誰でも有効活用できる。むしろメインカスメこそサブクラスでTECを活用したほうがいいか…
- プリンセス(プリンス)
- サブクラスの登場にて大きく開花した職業その3。本職スキルも号令スキルを最大まで上げることにより最大の欠点だった自身への確率付与を克服した。また、新スキル「品格」により隣の敵を怯ませることも。
元来の装備品の豊富さと圧倒的腹持ちの良さとフーライ並の能力と圧倒的LUCにより様々なサブクラスに適性を示す。ただしTPが低いので一刀ケンカク等低燃費でも戦える職が望ましい。
サブとしてはとりあえず盾と強化バフスキルが欲しい時に選択。
- シノビ
- 基本的な立ち回りに変化はないが、フーライとの組み合わせはソロ探索に最も向いた組み合わせ。
シノビベースだと攻撃的に、フーライベースだと防御的になる。
とはいえ腹持ちが悪く、ポテチも全くあてにならないため食糧はたっぷり持ち込むこと。
サブとしては各種忍法によるトリッキーなスキルの数々が目当てとなるだろう。
- フーライ
- HPの自然回復が並になったがサブクラスの登場により前作に増して汎用性が拡張。新スキル「道具知識」は道具の性能をより引き出すものであり、印石が合成できるようになったことも相まって一層シレンのようにアイテムを駆使した立ち回りがしやすくなった。ただし、術師職のTECが大幅に上昇したため道具知識込みでも印石の火力はやや心許ない。
燃費が悪くなったとはいえメイン/サブ共に「脱兎の如し」が異常に強く、サブクラスに迷ったらとりあえずフーライを選べば間違いない。
フーライのサブはプレイスタイルに応じてなんとでもといえるくらいなんでもできる。ただしフーライの攻撃スキルは銃・拳甲では使えないのでそこだけは注意。
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