代表作は「serial experiments lain」。基本マイナーの人だが、「lainの監督」といえば、多分世界的に通じる、と思う。
元はマッドハウスのアニメーター。出崎版「家なき子」や「スペースコブラ」などにアニメーター時代の名が見える。
貴重な出崎統直系の演出家で、ノリやお話よりは映像の力で押してくるタイプ。作風は完全に職人型である。師匠との違いは、師匠が肉食的なのに対して、中村は霊的な感じがする所か。
腕自体は滅茶苦茶にいいのだが、いかんせんメジャー感が絶無のため、(アニオタ、素人関係なく)視聴者を選ぶところがある。それがよい方向に出るとlainのような大怪作を生み、悪い方向に出るとサクラ大戦TVのごとくどう見ても人選ミスです誰得なことに。時々一話演出で登場すると、その回だけ異様な雰囲気を発してみたり。
lainがあんななので前衛的と思いがちだが、実はぱっと見飛ばした演出はどちらかというと少ない。というか、あれだけぶっ飛ばしても全然破綻しないガチぶりの方が重要で、必要ならあそこまで馬力を出せる腕、という事である。やはり職人っ……。
まあどんな内容も普通に見せてしまえるのだが、「ここっ!このカットのこのタイミング!それにこのパンの付け方!タマランス」てな具合で細部の小技にこだわる視聴者ならば、濃密な30分を堪能できる事請け合いである。見る側の審美眼がこなれていないと凄さが分からないタイプの演出家なので、己の眼力を測るにはうってつけといえよう。
視聴のツボを一個だけあげとくと、音のタイミングと絵の切り替えのタイミングの微妙なズレがある。これが中村作品に独自のグルーヴ感を出しているのだが、意識して見ないと気付かない点であろう。気になる人はlainのopを確認すべし。
など。一話演出としては、
辺り中村濃度が高い。
▶もっと見る
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/05/20(火) 17:00
最終更新:2025/05/20(火) 16:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。