九十九遊馬(つくもゆうま)とは、遊☆戯☆王ゼアルに登場する主人公である。CVは畠中祐(はたなかたすく)。
武藤遊戯、遊城十代、不動遊星など歴代の主人公と同じく、重力を無視した奇抜な髪形デザインになっている。
ネット及びニコニコ動画での主なあだ名は「海老」「遊馬先生」(または「UMA」とも)。
歴代遊戯王シリーズでは最年少の主人公である。
中学一年生の13歳。
デュエルチャンピオンを夢見ているものの、ドジで早とちりなせ性格が災いしてかデュエルの実力は低く、本編開始時では親友・武田鉄男とのデュエルに50連敗中だった。
ストーリー冒頭のシャーク(神代凌牙)とのデュエルでも、アストラルと出会うまでは一方的にやられ続けている状態で、歴代主人公と比べても腕前が著しく劣るという何とも異彩を放つ主人公である。
しかしアストラルに「常識に捕われない発想・戦い方をする」と評されているように、今後の成長が期待されるとも言えるのだが。
ちなみに使用デッキは父がかつて使っていたもので、第1話の時点ではエクシーズモンスターが一枚も入っていなかった。しかし2話でのシャークとのデュエル中にアストラルと邂逅した事がきっかけで、『No.39 希望皇ホープ』を授かる。
それからはホープを中心とした、基本的に「劣勢から一気に逆転する」立ち回りのデュエルを展開。物語中の大会・WDCに登録されたデータによると、彼のデッキは「エクシーズ・ワンターンキル」タイプ。師匠の六十郎から秘伝デッキを受け取ってからは、音楽関連の名を持つエクシーズモンスターも使用するようになった。
何事も諦めず乗り越えようというチャレンジ精神を表した言葉『かっとビング』の口癖と共に、何があっても絶対に諦めない主人公然とした精神を持つ。
四六時中行動を共にすることになったアストラルのことは、当初は鬱陶しがって衝突を繰り返していたが、徐々に互いに信頼を寄せ合うようになり、今ではかけがえのない相棒と思うようになった。
どんなピンチや逆境に立たされても、それらを全て『かっとビング』で乗り越える、裏表の無い素直な性格。仲間と認めた者をいつでもまっすぐ信じ続ける直情型で、「デュエルをしたらみんな仲間だ」という信条のもとに行動する。
徳之助の所業にも正面から向かい合って彼を改心させたり、シャークやⅢなど今まで対峙した敵・ライバルたちの心境を大きく変化させたり、彼の行動や態度は多方面にかなりの影響を与えている。
若き少年らしく感情表現が豊かで、喚いたり飛び跳ねたりとコミカルな描写が多い。
日常生活では、跳び箱20段を飛ぼうとするなどいつも無茶なことをやらかしては騒ぎを起こすが、その一方で忙しくしている姉の明里や祖母の春に授業参観のことを話さない、小鳥にエスパー・ロビンの正体を敢えて明かさないなど周りへよく気配りする一面もある。
好物は春がこしらえてくれる特大の握り飯(遊馬曰く、『デュエル飯』)で、大一番の時はこれを食べていくようだ。プロローグ(第2話)におけるシャークとのデュエル中はシャークやアストラル達を尻目に、おもむろにデュエル飯を取り出しガツガツと頬張っては元気を養うなど、かつての遊城十代を彷彿させるマイペースぶりを見せた。
この一度だけかと思いきや、続くエスパー・ロビンこと風也とのデュエルでもデュエル飯を持参して食べている。最近ではトロンとの決勝戦の最中、ZEXALの姿(該当項目参照)で小鳥お手製のデュエル飯を頬張るシーンがあった。シグナー達の絆の力と同様に、遊馬にとってここ一番で力を発揮するために欠かせないものなのだろう。
ルールとマナーを守って、楽しくデュエルしよう!
そればかりか、デュエル中に一人で見知らぬ誰かと会話している点については武藤遊戯と、デュエル中にデッキに入れていない筈のカードを使用する点に関しては不動遊星とも似ていると言えるかもしれないが。
もはや遊戯王シリーズの伝統みたいなものか。
両親は冒険家で、現在は共に行方不明。父・一馬の形見である皇の鍵(おうのかぎ)をいつも首から下げていて、肌身離さず大事にし元気の源としている。そのため、大切な物の喪失にこだわるシャークに目をつけられ目の前で壊されてしまった時には意気消沈してしまい、何事にも消極的になってしまっていた。
しかしシャークとのデュエル中に謎の力で復元、同時に遊馬の前に突如謎の扉が出現。遊馬が皇の鍵を差し込むと扉が開き、向こうからやって来た謎の生命体・アストラルと出会う。そしてアストラルと協力して(?)シャークとのデュエルを辛くも制すると、以後彼と行動を共にしていく。 デュエル時以外の日常生活の場でもアストラルに好奇心から生活様式を観察され、(無知ゆえの行動とはいえ)時にトイレや風呂を覗かれ観察されそうになったり、遊馬以外の人物にはアストラルが見えない(声も聞こえない)ために鉄男達やデュエル相手に独り言を延々喋り続けるアレな奴と認識されたりと、何かと苦労が絶えない。
本作ではナンバーズ(以降、No.と記載)使い同士のデュエルでは「勝者は敗者のNo.カードを奪える」というアンティ・ルールがあるので、出会ったNo.使いに勝利していき所持するNo.がどんどん増え、ストーリーが進行していくにつれてホープ以外にも手に入れたNo.をデュエル中に使用する展開を見受けられるようになってきた。
とはいえあくまでホープ中心なので、戦いが大きくなっていくにつれて他のNo.がすっかり影をひそめてしまった印象もあり、それを惜しむ声も大きい。
そして87話にて、デュエルの際1ターン目からいきなりヴォルカザウルスとアトランタルというNo.の中でも強力なカードを展開するというまさに視聴者が望んだ展開が繰り広げられた。しかし、その主人公にあるまじき鬼畜具合なカードをフィールドに並べた遊馬の姿を見て喜ぶものもいれば、これ主人公がやっていいことじゃねーだろ!と悔い改める者もいた。
ダークサイドに落ちたシャークを何度も救い、ダブルバトルをすれば相手のことを気遣いながらうまくアシストし、悪に落ちデュエルした相手と真摯にぶつかり改心させていく遊馬をみた(主にネット上の)視聴者がこう呼んだ。遊馬のメンタルケア力の高さ、かっとビングの万能具合を指し、まさにデュエルカウンセラーと畏敬の念を込められている。
また、復讐心や身内のためだけに多くの人に迷惑をかける大人や異世界人に対しても、自身の経験による子供としての視点で真撃に訴えかけ、そしてどんなに悪行を重ねていたとしても窮地になれば命を賭してでも必ず手を差し伸べ救おうとする(その時は救えないことも多いが)。何度裏切られ騙されても信じることをやめず、かっとビングと共に人を救っていく姿を、視聴者たちは菩薩メンタル(ちょうど同時期のアニメにも同様に称された主人公がいる)と称し、これぞ九十九遊馬だ!という安心感で強く心を打たれた。つまり視聴者もまたかっとビングでカウンセリングされていたんだよ!
/|/| ト-´W`-イ ≧(゚ω゚ )≦ / `ヽ. かっとビング増やしておきますねー __/ ┃)) __i | / ヽ,,⌒)___(,,ノ\
最初こそはただの未熟なデュエリストだったが、物語が進行するにつれて着実に戦術は向上しており、現在では実力者のゴーシュをアストラルのアドバイス無しで下すほどの実力を見せている。IIでは、凌牙にデュエルを申し込もうとした鉄男に対して「俺とデュエルするなら遊馬レベルになれ」と凌牙が発言するほどである。
ただし、今でもいわゆるバカっぽいところは変わらず、重要なところで抜けていたり、周りに説明されるまで大事な要素に気付かなかったり、やたらと忘れ物や失くし物をしたりとギャップが大きい。
「デュエルは人と人を繋ぐ神聖なもの」と思っているゆえ、物語中にデュエルでの復讐を掲げたシャークやⅢ(ならびにトロン一家)の行動を「デュエルを復讐なんかに使っちゃダメだ」と強く否定しており、自分自身や仲間(特にアストラル)をどれだけ傷付けられようとも、復讐などには走らず相手との和解を求める。
仲間の為に自分の身を犠牲にすることをいとわず、これまでシャーク、天城カイトとそれぞれタッグデュエルをしたが、どちらにおいても自らのライフを削ってまで相方のサポートに徹しピンチを救った。
かっとビングという言葉を(時には形を変えながら)広め、色々な人物に救いの手を差し伸べる様から、いつしか視聴者から「カウンセラー」と呼ばれるようになってきた。ちなみに、彼のカウンセリングを最も多く受けているであろう人物はおそらく、何度も闇に墜ちそうになってそのたびに遊馬の説得を受けて立ち直ってきた神代凌牙である。
敵の野望を打ち砕くごとに相手の心を動かし、想いを託され、それを抱えて次の戦いに臨んでいる。
これまでたくさんの人間から「あの人を救ってほしい」と頼まれてきており、遊馬もそれをひとつの例外も無しに全て成し遂げようとしているが、時には仲間ふたりの命を天秤に掛けられて悩んでしまうことがある。そして、どちらかを切り捨てることは絶対にしない。アストラルに「遊馬が決めたことに従う」と言われた時は、「消えたくないと言ってくれ」とたまらず激昂した。
本編は現在も進行中だが、今の時点で13歳が抱えるにはあまりに重すぎる物を背負っているため、「遊馬はいずれ押し潰されてしまうのでは」と心配する声が多い。実際、1期ED(『僕クエスト』)映像の最後の一枚絵が「皇の鍵を模した玉座にひとりぼっちで座っていて、傍にはアストラル以外誰もいない」という不穏なフラグの塊だったことからも、今後遊馬にどんな苦難が降りかかるか、も注目されていた。
最初に謎の扉と契約を交わした際、「代償として一番大切な物を失う」という条件を呑んだ。
その大切な物が何なのか、それは・・・
これまでに何度か闇墜ちにあたる人格操作をされているが、いずれも一時的なものや幻覚であり遊馬自身が闇墜ちをしたことは無い。
サブタイトルに「闇遊馬」を冠された20話では「No.96 ブラック・ミスト」が登場、アストラルもろとも遊馬を取り込もうとした。実際に闇墜ちさせられたのはどちらかというとアストラル。わずかに意識を残していた彼の助言により体を乗っ取られた振りをして、見事な演技で鉄男と協力しブラック・ミストを策にハメてみせた。
61話では、シャークがトロンに記憶を操作される段階で物凄く悪い顔をした遊馬の幻覚が登場。シャークを前に普段の彼からは想像もつかない悪役らしい高笑いを披露した。しかしこれはあくまで幻影に過ぎない。
何よりも強い印象を残したのは、47・48話でⅢが紋章の力を行使し形成した「かっとビングを失った遊馬」だろう。
かっとビングという言葉が無かったことにされ、それと出会わずに生きてきたという風に記憶を書きかえられた遊馬は、何事にも臆病で、チャレンジ精神をかけらも持たず鉄男らに「デュエリストの恥」とまで呼ばれ、何かが起きるとつい謝罪の言葉を繰り返したり周りの声が全て悪口に聞こえたりと、どこまでも消極的過ぎる少年に変貌してしまった。この人格は一人称が「僕」だったことから「僕遊馬」と呼ばれている。
遊馬が幼少時は自信が持ちきれない性格だったことは前から描かれていた為、父が教えた「かっとビング」が彼にどれほどの影響を与え支えてきたかを視聴者側に知らしめることとなった。
そして遊戯王界隈以外にも飛び火して話題になった96話、友人の真月零を攫われ異世界に助けに来た遊馬を待っていたのは宇宙の墓場、3人のバリアン達、そして彼らの足元の動かない真月。遊馬はそれによって取り乱すがデュエル中に真月は死んでいなかったことが判明し喜んだのもつかの間、真月零は存在せず、その正体は真月をさらった本人であるバリアン人、ベクターであると本人の口から語られる。そして船の墓場までやって来たことは全くの無駄骨、しかもそのために一緒に来た仲間達を巻き添えにしたとベクターに言われ、更にバリアン人だと知っていながら真月に口止めされていたため黙っていたことをアストラルに詰問される。そして結果として初めての裏切り行為(視聴者目線で言えばまったくそんなことはないのだが)により闇堕ちしてしまったアストラルに引きずられダークゼアルになってしまった。
闇堕ちしたのはアストラルであるが、真月零は76話にて初登場、以降は96話までのおよそ20話の間、親友として遊馬の側にいた。その正体暴露時の遊馬への嘲笑は(顔芸や真月零の口調そのままで遊馬を馬鹿にする演出も相まって)視聴者ですらショッキングなシーンであった。しかし遊馬本人は真月の正体のことよりもむしろ仲間の巻き添えに動揺していた上、仲間の激励により精神的ダメージはかなり減った。というより、真月が死んだと思い込んでいた時の方が精神状態が良くなかった。今度こそ闇堕ちするのではと恐れていた視聴者は意外な形で裏切られることとなり歳不相応なほどの遊馬の強固なメンタルを実感した。
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最終更新:2024/10/15(火) 05:00
最終更新:2024/10/15(火) 05:00
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