京急1500形とは、京浜急行電鉄(京急)が保有する通勤型電車である。
4・6・8連と自在に編成を組み、今も変化し続ける3扉ロングシート車。
京急線全線と都営・京成・北総各線直通の全てで活躍する。
1000形の任を継ぐ都営浅草線直通車として登場した。当初は1000形全てを置き換える話もあったそうだが、さすがにあの数を置き換えるのは難しかったらしい。仲間は計166両で現在京急車の第2党。
京急は1000形と800形まで片開き戸を堅持してきた。しかしあまりに時代に逆行していることに設計陣が気づいたのか、1500形でようやく3扉の両開きとなった。車内は車端部も含めロングシートで、近年内装の一部が新1000形に近いものに交換された。
前面は額縁つきのブラックフェイスで、他の多くの京急車が丸っこい顔つきをしている中で堅実な印象を持つ。また、車体の素材が製造途中に鉄からアルミへ変更、すっきりとした張り上げ屋根の造形は新1000形まで続くこととなった。
1500形はモーターの駆動に当初界磁チョッパ制御を採用し、4連と6連がそれぞれ1500・1600番台で登場した。その後1990年以降の増備車ではVVVFインバータ制御の採用に伴って走行機器が大幅に変更され、このグループは1700番台を名乗る。
奇しくも土砂崩れによる脱線事故を2度経験しており、このうち2012年9月の事故では、1701編成が大破し全車両廃車となった。金沢検車区の構内に鎮座する1500形の先頭車はその生き残りで、脱線復旧作業の訓練機材となって仲間を見守っている。
1500形は2両一組で自由に編成を組めるため、チョッパ車ではその時の必要数に合わせ都合よく4~8連の組み換えが頻繁に行われている。そのため編成内で車両の製造順や番号がバラバラなことは珍しくない。
1500形にはモーターを持たないサハ(1900番台)も存在する。これは当初2両ずつチョッパ車6両に組み込まれ、6M2Tの8連として運用されていた。しかしチョッパ車では編成重量増に対応できず加速が芳しくなかったため、VVVF車の1700番台が登場すると、一部はその6両の中へと組み換えられていった。
先述のとおり初期に製造されたものは車体が鉄製であるが、このグループには登場時に戸袋窓が設けられていた。似ている形状としては小田急8000形だろうか。見た目が悪いと酷評だったようで、2002年からの更新工事で埋められてしまった。
1500形鋼製車 落成時 | |
小田急8000形(参考) |
またこのグループは120km/h運転に非対応であるため、最高速度110km/hの特急運用は可能なものの快特に繋がれることは通常ない。
サハは一部が1700番台へ組み替えられたが、チョッパ車の編成に残るものも少なくなかった。後に1500形8連が余り始めたため、この編成から中間デハ(モーター車)2両を抜き取り、残った4両のデハをVVVF制御化する改造を実施した。余剰のサハを使い切るとデハのサハ化改造も併せて行いつつ改造が続けられ、現在は全ての6連が4M2TのVVVF制御車となっている。
走行機器は三菱製または東洋電機製で、どちらもIGBT素子によるVVVF装置と155kWの誘導モーターの組み合わせである。先述の1700番台も含め、サハ組み込みによる性能低下は聞かれていない。VVVF車の優秀さがわかる例といえよう。
編成は4連・6連・8連が存在する。4連と8連では1500形同士のほか、2000形・600形・2100形・新1000形とも連結可能(最大12両編成)であるため、様々な組み合わせが楽しめる。
1700番台のみ5本が在籍する。かつてチョッパ車による6M2Tの8連も存在したが、組み換えにより消滅している。
都営線方面への乗り入れが可能で、京急線内で普通車になることができない。そのため京急線内では都営線方面直通のSH快特(列車番号末尾がSH、快特のほか特急・急行もある)や横浜方面のエアポート急行(南エア急)に使用される。
乗り入れ先の都営・京成・北総各線においては列車番号末尾がHの列車の一部に使用される。
VVVF制御車となった4M2Tの編成のみで、17本が在籍する。先述の経緯から6連には1500番台と1600番台が混在していたが、2016年中頃までに全車が1500番台に改番され、空いた1600番台は新1000形の増備車に使われている。
直通運用には使用されず、京急線内で本線の普通車や横浜方面のエアポート急行に使用されている。
全てチョッパ車で、鋼製車は全て4連を組む。直通運用には使用されず、主に大師線で運用されているが、本線で普通運用や朝夕の快特・特急の増結車として運用されることもある。
京急保有の現役車両 |
800形 ─ 1500形 ─ 600形 ─ 2100形 ─ 新1000形 |
掲示板
12 ななしのよっしん
2013/04/20(土) 20:48:51 ID: s/9vbL9a5r
1501~1517編成(鋼製車両)は他の編成と比べて屋根のRがキツい
13 ななしのよっしん
2013/09/29(日) 03:17:24 ID: SAyI7t0SjE
1600番台が1553~に振り替えられ番台消滅が決定
むしろ逆に1521~を1642以降に振り変えたほうがいいんじゃないかと思ったが
タマキンとられて欠番になった個所もたくさんあるから、その整理を兼ねてるのかな
14 ななしのよっしん
2013/10/14(月) 18:16:39 ID: Q3x+mDzLKV
1701編成の1701-1702-1919-1920号車が2013年10月13日付で廃車決定、解体されたようです・・・
事故廃車とはいえ1500形の廃車はこの編成が初となりました。
まだ1703-1704-1705-1706号車は残ってますが、こっちもどうなることか・・・
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最終更新:2024/04/25(木) 10:00
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