京王5000系 単語

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京王5000系とは、京王電鉄鉄道車両のうち、下記の2系列をさす。

  1. 1963~96年まで運行された客用車両5100系もこのグループに含む。当記事にて記述。
  2. 2017年より運行されている客用車両京王5000系(新)の記事を参照。

概要

1996年に営業運転から撤退するまでの33年間、京王線の顔のような存在だった。京急旧1000形今日京急を築き上げた車両なら、この車両今日京王どころか現在日本の鉄道界を築いた車両と言っても過言ではない。

京王線の昇圧に対応する車両として1963年から投入された18m3で、4両編成の5000系と2・3両編成の5100系とを合わせて、1969年までに155両の大勢となった。単独もしくは相互に連結して6~9両編成を組成し運用された。

5000系

全編成が4両編成でカルダン駆動の高性。最終的に23本92両が導入された。1964年鉄道友の会ローレル賞受賞で、前年の3000系に続き2年連続の快挙となった。その後はとんと縁がいとか言うな…2010系までと異なり電動は中間に集められ、1台の制御装置で2両の電動機を制御する。

5100系

元々は5070系と付番され、5000系の増結として2両編成で登場した。機器類は2700系から流用し製作コストを抑えたほか、余った2700系体は適当台車を履かせた上でT化し2010系の間に挟まっていた中型車の残党を置き換えるという、一石二鳥改造を行った。

しかし、中がほぼ全になりこれ以上この改造を進める必要がなくなったため5083F(後の5113F)からは全新造となった。1967年、4両編成の5000系の増備により番号が迫ってきたため5100系番されるとともに、翌年には7両編成の運行開始に伴い5113F~5118Fの5編成は2両→3両編成に増結された。最終的に2両編成12本24両、3両編成13本39両の計63両が導入された。

車体・内装

丸みのある前頭形状と大きな曲面ガラスが組み合わさったその美しいデザインは、現在運行されている8000系9000系似ているかどうかは別として参考に設計されるほど高く評価されている。長編成化への布石として前面貫通式となったが、貫通路として活用された事例はない。カラーは当時の特急カラーであるアイボリーとエンジのラインで、引退するまで変わらなかった。側面は片開きで、戸袋すら2段にする美観上のこだわりがあった(当然開閉不可)。内はオールロングシートで、貫通路はい広幅のタイプ

ちなみに、1年先輩3000系ステンレス鋼なのに対して、普通鋼が用いられた。これは、当時京王線では井の頭線より踏切事故が多く、修理の手間を考慮したためといわれる。京王線系統でのステンレスカーの登場は、もう2世代先、20年ほど経ってから登場する7000系まで待つことになった。

走行機器等

5000系は全5100系は3両編成がカルダン、2両編成はだが、普通に混結されていた。電動機出110kw、カルダンは当初130kwであったが、のちの増備150kwになっている。台車の種類が多い事には定評があり、5100系のものも含めて19種類に達しており、しかもそのほとんど(5100系台車以外多分全部)はこの5000系のためだけに設計・製造されているという迷要素も兼ねえている。こいつできる…!

冷房装置の搭載

現在通勤車両であっても冷房装置が搭載されているのは当たり前の話だが、当系列が存在しなかったら今頃は非冷房が当たり前の世の中になっていたかもしれない。

というのも、当系列で1968年に導入された5718F(5000系)・5119F(5100系)が日本初の「冷房を搭載した通勤車両」だからであり、概要の項で「現在日本の鉄道界を築いた車両と言っても過言ではない」としたのはこのためである。

それ以前から特急急行車両で冷房装置が搭載されている車両は存在したが、まさか通勤車両に冷房装置が搭載されるとはも考えていなかった。突然の「冷房付通勤車両を 作ったんだよ!」という展開に「な、なんだってー!」と驚いた国鉄はすぐさま103系113系で冷房試作を製造し、時を経て「営業用の鉄道車両に冷房装置が搭載されているのは当たり前」の現在鉄道界が生まれたのであった。めでたしめでたし

創期の冷房らしく、台車ほどではないが9種類の冷房装置を試している。但し、初期については冷房改造困難と判断され、引退するまで非冷房のままであった。そのため冷房化率100%達成は、阪神西武の後を拝する1992年までずれこむこととなった。

引退

当系列も6000系登場以降は各駅停車などに運用されるようになり、7000系8000系の登場と入れ替わり引退が進み、1996年に営業運用から退いた。

その後、5125Fが事業用改造されデワ5000系となり、チキ290形を間に挟んで使用されていたが、6000系(6707F、6807F)を改造したデワ600形が登場した2004年メモリアル会として一般車開し、その後ついにとなった。

ちなみに、クハ5723が京王資料館に保存されていたが、2013年4月多摩動物公園駅前に移動、同年10月リニューアルオープンとなった京王れーるランドに、2400形デハ2410、2010系デハ20156000系デハ64383000系クハ3719とともに展示されている。

譲渡車両

本系列は手ごろなサイズであったことと、子会社で譲渡先向けの改造も手掛けた京王重機が売り込んだおかげで

の6社に譲渡されたが、一部は譲渡先からも引退し始めている。ちなみに、わたらせ渓谷鐵道に譲渡された2両はトロッコ車両魔改造された。

余談

  • 実は1965年から、側面に電動・電照式の行先表示器・種別表示器の設置を行い、それ以前の車両にも設置改造が行われた。他社が追随するのはそれから10~15年後のことで、意外と知られていない快挙と言える。

関連動画

両者とも譲渡後に撮されたものである。

関連コミュニティ

関連項目

京王線車両
現用車両 7000系8000系9000系5000系(新)
引退車両 中型車グリーン車5000系(今ここ) ─ 6000系
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